俺と蛙さんの異世界放浪記

4434199366俺と蛙さんの異世界放浪記 1 (アルファポリスCOMICS)
くずもち 笠
アルファポリス 2014-12-24

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異世界のある国で魔法使いをしていた老人に死期が訪れた。せっかく様々な魔法を覚えたので、魔力を受け継ぐ資格のある者を探さないと勿体ないと思い、適性のある人間を選び出す。

平凡な大学生だった紅野太郎ーが講義中に居眠りしていたところ、この胡散臭い魔法使いの爺さんに後継者として選ばれてしまった。夢の中で爺さんに勧誘され、断ったのに強制的に異世界に呼び寄せられていた。


迷惑な話であるが、目が覚めると、そこは異世界だった。タローには魔法使いの爺さんが7つの魔法を吹き込んでおいたので、土、水、火、風、空、解析、創造魔法が使えるようになっていた。元素系はともかく、創造魔法がチートすぎる。

創造魔法は思いついた魔法を何でも使えるという万能魔法だが、膨大な魔力を必要とするという欠点があった。解析魔法で自分の能力値を見てみたところ、体力:10、魔力:8,001,000となっていた。爺さんが持っていてタローに受け継がせた魔力が1,000なので、残りの8,000,000はタローが元から持っていた魔力という事になる。

500年という生涯をかけて魔力を高めた爺さんが1,000しかなかったのに、何もせずに最初から8,000,000というのはチートすぎる。とりあえず創造魔法を試してみようとしたところ、頭の中が何かと繋がったが、出て来たのはGaagloという、グーグル先生にそっくりな検索エンジンだった。

依代があれば死者の復活すら可能だったので、とりあえず魔法使いの爺さんを、カエルを使って生き返らせてみた。元がカエルだから、どう頑張ってもカエル人間みたいなものにしかならなかったようである。

カエル男にされてしまった爺さんと喧嘩した後、自分の世界に戻ろうとするのだが、送還の魔法は1000万も必要なため、タローは日本に戻る事が出来なかった。

蛙師匠と異世界で暮らさなければならなくなるのだが、翻訳の不具合で、異世界人の名前が聞き取れなかった。仕方がないので、出会う人々には適当なニックネームをつける事にするのだが、本当にいい加減な名前を付けるのが笑える。

まず、師匠の名前はカワズさんである。カワズさんが仕えていた王様のところへ行ってはどうかと提案されるが、そんなところに行けば、良いように利用されるに決まっているとタローは拒否する。カワズさんが魔法に失敗した事にして、家を吹き飛ばして別の国に行こうとするのだが、タローはまだ慣れてないので、家を壊すどころか、山に穴を開けてしまった。

国境を越える時には、兵士の目を誤魔化すために、植物で驚かせようとしたところ、木が急成長して世界樹みたいな大きさになってしまった。

国境の向こうはアルヘイムと呼ばれる未開の地だった。アルヘイムは、開拓すれば自分の土地に出来るという場所だった。リントと言う開拓村に辿り着くが、宿屋の娘の名前が分からないので、リボンちゃんに決めた。翌日、リボンちゃんが怪我をした父親のために、薬草を取りに森に入ってしまったので、タロー達が探しに行く。

ケルベロスっぽい三つ首の犬に襲われていたリボンちゃんをを助け、薬草を採取して帰るのだが、リボンちゃんの父親も、チート回復魔法で一瞬で治してしまう。お礼として、リボンちゃんの父に鉄の剣を造ってもらったのだが、ごく普通の剣のはずなのに、どんな攻撃からも持ち主を守るオートガード、斬りたい形にカット出来るオートカット、さらに斬れないものはないというオプションまで付けたので、とんでもない魔剣になってしまった。

カワズさんと森の中に行くと、妖精がこっそりついて来たので、ホーミングレーザー(粘り)で捕獲する。名前はトンボにした。いつの間にか妖精の結界内に入っていたのだが、戦闘という名の交渉により、森に住んでも良い事になった。

タローはトンボちゃんがくっ付いているから認められたが、カワズさんは、妖精女王と戦って、ようやく住む事を認められた。結界の入り口にある広場に住んで良いという事になったが、見張り番をしろという事のようである。

魔法で広場に家を建てると、どんな魔法も跳ね返すシールド外装と、どんな魔法実験でも耐えられる内装を施し、地下に広くて堅固な異空間工房を作った。缶詰状態で魔法の勉強をさせられたタローだが、いい加減飽きて来たので、パソコンを作る事にした。

自分で作った魔石を組み込んで、パソコンが完成したのだが、使ってくれる相手を求めて、竜の住む場所にやって来る。紹介したのは妖精女王だった。

聖地で出会った竜は、いきなりトンボをナンパして断られるようなスケベだったので、スケさんという名前を付けられてしまった。


4434229842俺と蛙さんの異世界放浪記 2 (アルファポリスCOMICS)
くずもち 笠
アルファポリス 2017-03-01

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竜の中には敵対する気満々な奴もいて、いきなり襲ってこようとするのだが、長老が出て来て指導されてしまった。長老の弟は、人間と交流するのが嫌なようであるが、パソコンを出したところ、長老の息子のスケさんは、物凄く興味を示す。

インターネット的なもので妖精の森と繋がっているので、妖精と仲良くするための道具だと思っているようである。やる気を出したスケさんは、反対するおじさんと戦って勝利する。見事な噛ませ犬状態だったので、おじさん竜の名前は、かませさんになった。

スケさんに負けたのに、パソコンを置かせてやるから何か寄越せと言い出すかませさんに、タローは酒で出来た池を用意してあげた。

竜と友好的な関係が築かれた。タローはミスリル、ヒヒイロカネ、オリハルコン、ダマスカスなどの希少金属を貰った。人間が持っていた魔剣なども貰って来たのだが、畑の柵代わりにされてしまった。

家に戻ったタローは、畑を作っている。世界最強クラスなのに、まったりスローライフを満喫している。カワズさんはサルでもできる太極拳入門に嵌っている。

カワズさんが太極拳を練習しているテレビは何も映らないはずだったが、ゴーレムの目に接続したので、監視カメラとして機能するようになっていた。ゴーレム視線で猫パンツが映っていたので、確認したところ、セーラー服の女の子が捕まっていた。

制服の上に革の鎧を装備していたので、セーラー戦士という名前にされてしまう。セーラー戦士は神聖ヴァナリアという国に召喚されてしまい、強制的に戦わされていたらしい。異世界で召喚すうような国には、ロクな場所が無いよな。

セーラー戦士の名前は天宮マガリだった。ちゃんと名前が聞こえた事に感動するタローだったが、やはりセーラー戦士という名前で呼ぶんだね。セーラー戦士には命令を強制するための呪いの腕輪が付けられていたが、タローが破壊してしまう。致死性の呪いを直接手で掴んで潰すなんて、タローがおかしすぎる。

通信が途絶えたため、勇者マガリは死んだことにされ、神聖ヴァナリアは次の召喚の準備に入ったようである。こういうクズ国家は滅ぼすべきだと思う。タローはやる気が無さそうだが。

セーラー戦士の居住許可を得るため、妖精女王のところに行くが、天宮マガリの容姿が気に入ったらしく、カワズさんみたいに戦わなくても許してもらえた。しかし、タローはその代償として、エルフの里に行かされることになった。

タロー達はエルフの隠れ里に向かうが、いきなり甲冑姿のエルフ? と戦闘になる。勇者であるセーラー戦士と互角に戦うくらいの強さだったため、セーラー戦士の剣が折れてしまう。タローが「剣の畑」と復唱させたところ、セーラー戦士の周囲に魔剣の囲いが出現した。

戦った相手は、片方は獣人とエルフのハーフだったため、トトロみたいな侍なのだが、もう片方はダークエルフの女の子だった! あまり友好的ではなさそうな男のエルフにやる気を無くしたタローだったが、いきなりテンションが上がった。

恒例の名前付けタイムに突入するが、ダークエルフのほうはナイトさんで、獣人ハーフのほうはクマ衛門になった。翌日、エルフ族と面会する事になるが、長老達はタローを封印しようとしていた。ほぼ無敵だとはいえ、敵対行動を取られたのに、のほほんとしすぎである。私なら、罰として全員をゴブリンに変えたりするところだが。

街の中では、エルフ達とセーラー戦士の戦いも始まっていた。剣の畑があるから、サーヴァントっぽくて恰好良い。


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あいすべき憂鬱

440841431Xあいすべき憂鬱 (リュエルコミックス)
蟻子
実業之日本社 2017-01-20

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アイスの魅力と豆知識満載でお届けする、「アイスクリーム男子」と「女装男子」の純情ラブコメディ!! アイスクリームをこよなく愛する高校生の雁屋侑生。アイス一筋で恋愛にはまったく興味がないと思われた彼が、一目惚れした相手はまさかの男!? 小悪魔的な魅力あふれるマコとの出会いが、彼の人生を狂わせていく…。理性と本能の狭間でもだえ苦しみ導き出した答えは!?


雁屋侑生は生徒会の副会長である。氷の男と呼ばれているのだが、その由縁はアイスクリーム男子だったからである。生徒会に入ったのも、生徒会室に専用冷蔵庫があったからである。すっかり私物化して、アイスを入れているのだが、ちょっと食べすぎではないのか?

7個も食べたらお腹がピーピーになりそうな気がするが、女子と同じで別腹とかいう謎の臓器のほうに収納されるのだろうか。生徒会書記は、奈々原という眼鏡女子なのだが、駅前にあるメリークリームという店でバイトをする事になったから、生徒会は定例会の日にしか来ないらしい。

生徒会長の佐久間は怪しげな店ではないかと心配するのだが、雁屋に無理やり連れて行かれたところ、メリークリームはアイスクリーム専門店だった。ファッジとかリボンとか書いてあるので、これはアイスクリーム男子じゃないと、メニューの難易度が高すぎる。

ファッジはチョコやナッツ入りの牛乳・砂糖・バターでできた柔らかい飴の事で、リボンは果物やキャラメルのソースを練り込んであるという意味である。他にも、マシュマロ、ポッピングキャンディ、ケーキピースなど、雁屋の説明が続くが、もう佐久間にはサッパリ分からなくなっている。

店の前は長蛇の列だったが、メニューを渡している金髪の店員マコちゃんに、雁屋は一目惚れしてしまった。今までアイスにしか興味が無い男だったので、自分の身に何が起こっているのかすら、よく分かっていないようである。

それ以来、雁屋は腑抜け状態だったが、金髪でピンクのリボンの彼女の事が忘れられないと思ったら、何故か金髪でピンクのリボンのウィッグが、生徒会室に置いてあった。そして、取りに来たのは、いつも奈々原の後ろにいる下級生男子だった。雁屋の初恋相手は、女装男子だった。

マコちゃんの正体が雨宮誠という男子だという事を知ってしまった雁屋を慰めるべく、佐久間はソフトクリーム10段重ねの店に連れて行く。しかし雁屋は1、0段重ねの店エベレストでマコちゃんに再会し、デートに誘われてしまう。迷いつつも、雁屋は約束の場所に行ってしまう。男同士でアイスクリーム・デートとか……。

雁屋はアイスクリーム男子だが、チョコミントだけは嫌いである。チョコミント派のキミちゃんという女に絡まれて、チョコミント戦争が勃発するのだが、かえってメリークリームの売上が増えているではないか。

キミちゃんは、雨宮誠の姉だった。そして、弟を着せ替え人形にして女装させている仕掛け人でもあった。実は、雨宮誠は男が好きな訳でもなく、似合っているけど女装マニアでもなかった。姉に焚きつけられて、とある目的のために暴走していたのだが……。

雨宮が好きなのは奈々原だった。奈々原が先輩の事を好きなのではないかと思い、フラグ成立を阻止するために、雁屋に近づいているだけだった。雁屋にはマコちゃんの攻略フラグが立っていないではないか。

雁屋と雨宮が勘違いをしている間に、奈々原は佐久間とカップル成立してしまった。雁屋はマコちゃん(雨宮)が好きで、雨宮は奈々原が好き。そして奈々原は生徒会長の佐久間が好きだったのである。邪魔するべきターゲットを間違えたため、雨宮の妨害工作は無駄になってしまった。


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ぜったいひとつだからね

4577044285ぜったいひとつだからね (チャーリーとローラ)
ローレン チャイルド Lauren Child
フレーベル館 2016-11-01

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チャーリーのいもうとローラはちょっとかわったおんなのこ。ときどきわがままをいってはおにいちゃんをこまらせます。きらいなたべものは「ぜったいたべないからね!」ベッドにはいるじかんなのに「ぜったいねないからね!」おおきくなっても「ぜったいがっこうにはいかないからね!」そんなローラがさいきん、“すうじ”にはまっちゃって…?イギリスで愛されつづけている絵本シリーズ「チャーリーとローラ」の最新作。おてんばローラとやさしいチャーリーの、とびきりチャーミングでハートウォーミングなおはなしです。


チャーリーの妹ローラは、ちょっと変わっていて手のかかる子である。母親が子供達を連れて買い物に行く事になった。そんな時は「なにかひとつかっていいわよ」と言ってくれるのだが、チャーリーは念のため、妹と一緒に1つなのか、各自1つ買って貰えるのか確認する。

母親が「10ぷんしたら、かいものにいくわよー」と声をかけるのだが、ローラが余計な事ばかりするから、準備に時間がかかりすぎである。チャーリーは急いで歯を磨くのに3分、ご飯を食べていないのを思い出しすのに1分、食べるのに4分、また歯を磨いて3分、妹の片方の靴を探すのに8分かかっている。

ローラはまだ準備が出来ていない。出かけるのに、服の水玉の数をかぞでている。店に行く途中でも、テントウ虫の数をかぞえたり、テントウ虫に必要な靴や靴下の数をかぞえようとする。虫だから、靴も靴下も必要ない。

池のそばを通ると、鳥の数をかぞえ始める。ローラがポケットからビスケットを取り出して鳥にあげるから集まって来て、数えるのが大変になる。チャーリーが鴨3羽、鳩7羽、鷺5羽、白鳥みたいな鳥4羽、ガチョウ2羽、なんだかわかんない鳥1羽をかぞえる。絵本だから、ちゃんと絵が描いてあるのだが、なんだかわかんない鳥がどれなのか分からなかった。

ローラは電線にとまっている鳥も数えだすのだが、「1わ、2わ、5わ、7、20……、それから16、11、9わもいるよ!」と言う。答えだけは合っているが、数え方が無茶苦茶だった。

木のはっぱは多すぎるので、ローラは「100まいちかく」と答える。チャーリーは1000枚くらいあると考える。ローラが1000はいちばん大きい数なのか聞いてくるので、もっと大きな数の話になる・1万は1000が10個。1億、1兆とかの話までする。

ここでは出て来ないが、大きい数字といえば、無量大数が10の68乗で、無量大数の5400溝乗がおよそ1不可説不可説転になる。そして、1不可説不可説転の270那由他乗が、およそ1グーゴルプレックスになるらしい。そんな恐ろしい数を、一体誰が使うのかと思ったら、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』に登場するエメット・ブラウン博士が「100万人に1人、10億人に1人、いや、1グーゴルプレックス人に1人の女だった」と嘆くシーンがあるらしい。

ようやく店に辿り着くと、ローラが「3つよね? えらんで いいのは」と、さりげなく増量交渉をしている。その結果、母親に「では、なんにもなしっていうのは どうかしら?」と言われてしまったので、1つで妥協するしかなかった。

チャーリーはすぐに6個入りのバッジに決めるが、ローラはなかなか決められない。ようやく12枚入りのシールを選ぶが、家に帰る途中で5枚のシールを道に貼り、3枚のシールを道端の木に貼り、自分の靴に2枚貼り、チャーリーに服のそでに1枚貼り、散歩している犬にも1枚貼った結果、家に着いた時は、もう1枚も残っていなかった。

小さい子はすぐにシールを貼りまくるけど、家に帰るまでに無くなるなんて、ちょっと酷すぎる。せめて帰宅してから、自分の持ち物に貼れと言いたいところである。ローラが何も持っていないので、チャーリーは自分のバッジを1つあげる事にした。


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ウルヴァリン:SAMURAI

B00MTBR9C0ウルヴァリン:SAMURAI [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2014-11-05

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ハリウッドが本格的日本ロケを敢行した、ヒュー・ジャックマン主演のSFアクション。病死した旧友・矢志田の葬儀に参列したウルヴァリンは、謎の組織に襲われた矢志田の美しい孫娘・マリコを救い、逃避行の最中に恋に落ちる。


太平洋戦争末期にローガン(ウルヴァリン)が長崎で助けた矢志田が病死寸前となったので、日本刀を贈りたいらしい。伝言を持ってきた雪緒に連れられて渋々日本に向かったところ、孫娘を敵から守るという厄介な仕事を押し付けられてしまう。

矢志田市朗の告別式で、孫娘の真理子が変装したジャパニーズ・ヤクザに拉致されてしまったので、ローガンが追いかけるのだが、どれが敵ボスなのかよく分からない。ヴァイパーとかいう妙なミュータントに自動回復しない体にされてしまったので、ローガンは苦戦する事になるのだが、誰が黒幕なのか、なかなか見えてこない。

矢志田一族の率いる超巨大企業集団が日本を支配しているらしく、真理子が全ての権力を受け継ぐ事を良く思わない奴らがたくさんいるのだが、父の矢志田信玄や、腹黒い政治屋の森信郎も怪しい。ローガンとは別に、忍者もヤクザと戦っているのだが、説明がされないので、何がなんだかサッパリ分からない。

映像と特撮だけは安定しているのだが、これはあまり日本人受けしないだろうという、何処のファンタジージャパンなのかよく分からない国が描かれている。日本人は、葬式であんな変装して襲撃して来ないだろう。繁華街でも平気で殺し合いをするのだが、敵の言動が物凄く香港臭い。ヤクザという設定なのに、香港マフィアと間違えていないか? あんなに目だったら、すぐに警察が飛んでくるではないか。

原作通りだから仕方がないとはいえ、真理子の父親の名前が信玄というのが酷すぎる。もう少しまともに戦ってくれるのかと思ったのだが、ただの人間だからか、ウルヴァリンと比べたら弱すぎる。同じくただの人間のはずの雪緒でも互角に戦えるレベルである。忍者やヴァイパーのほうが強かった。

捕えられている真理子を救出するため、悪趣味な外観の敵本拠地に乗り込んだところ……。なんだ、やっぱりお前が黒幕だったのか。恩を仇で返すようなところが、さすがクズっぽい感じである。

ウルヴァリンの再生能力や不老能力が欲しくなった黒幕が、ぼくが かんがえた さいきょうの ちょうごうきんよろいを装着して戦う話だった。



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蝉川夏哉

攻略対象書籍は以下。

異世界居酒屋「のぶ」』★★★★
異世界居酒屋「のぶ」2杯目』★★★★
異世界居酒屋「のぶ」3杯目』★★★★
異世界居酒屋「のぶ」4杯目』★★★★

『邪神に転生したら配下の魔王軍がさっそく滅亡しそうなんだが、どうすればいいんだろうか』
『邪神に転生したら配下の魔王軍がさっそく滅亡しそうなんだが、どうすればいいんだろうか 2』
『邪神に転生したら配下の魔王軍がさっそく滅亡しそうなんだが、どうすればいいんだろうか 3』
『邪神に転生したら配下の魔王軍がさっそく滅亡しそうなんだが、どうすればいいんだろうか 4』
『邪神に転生したら配下の魔王軍がさっそく滅亡しそうなんだが、どうすればいいんだろうか 5』
『邪神に転生したら配下の魔王軍がさっそく滅亡しそうなんだが、どうすればいいんだろうか 6』

『第七異世界のラダッシュ村』


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異世界居酒屋「のぶ」 4杯目

4800248779異世界居酒屋「のぶ」四杯目
蝉川 夏哉 転
宝島社 2015-12-04

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「こっちにヒガワリ定食!」「この席にも同じもの二つ!」春が訪れた古都で、威勢のいい声が上がる。昼のランチ営業をはじめた居酒屋「のぶ」は連日大賑わい。その最中で見習い料理人のハンスが気になったのは、連合王国から来た商人が持ってきた豆―大豆だった。さらには、大豆の入った壺からは醤油の匂いがして…。異世界にも醤油が存在するかもしれないという事実に、ハンスの胸は高鳴る。連合王国にその答えがある…?


4巻で、初めて周辺地域の地図が描かれるが、地球のユーラシアを反転させたような世界なのかと思っていたら、まさか東王国が西側にあるなんて! どうやら、旧西王国というものがさらに向こう側にあったらしい。国境が描かれていないので、現在は聖王国の領土になっているみたいだが。海の向こう側は連合王国なので、だいたい地球の欧州と同じ感じである。


貧しい故郷を出て、旅の商人となったマルコは、古都に辿り着いた。偶々、見かけた居酒屋のぶに入ったところ、ウニを出される。子供の頃、病気になった時に食べさせてもらったウニを思い出したマルコは、故郷に戻って商会を立ち上げる決心をする。

居酒屋のぶで修業中のハンスの悩みは味噌と醤油だった。どちらも、異世界の食材なので、暖簾分けした後、入手出来ないと困るものである。ある日、仕入れた壺に醤油の匂いがついていた事から、連合王国に醤油が存在する可能性が出て来た。

薬師イングリドの弟子カミラは生魚を食べた事がなかった。一人で居酒屋のぶに来た時、刺身を食べさせてもらって気に入るのだが、師匠のイングリドは生魚を食べる事を許してくれなかった。しかし、色々と理由をつけてはいるが、実は自分が生魚にあたって食べられなくなったから反対しているだけだったとは、大人げない師匠である。

ローレンツは金貨50枚で硝子の研磨皿を聖王国から仕入れたのだが、思うように仕事が入らないため、ふさぎ込んでいると思われていた。みんなで元気づけようと、居酒屋のぶで飲み食いするのだが、実は同時に取り寄せた酒の飲み過ぎて、二日酔いだったから大人しくなっていたなんて、人騒がせなおっさんである。

筍が手に入ったので、しのぶが準備をしていると、山菜を持ってきたイングリドがそれも買い取ってくれるのか聞いて来る。どうやら、この世界にも筍があるらしい。しかし、この世界の人間は、緑筒と呼ばれているものの若木が食べられるという事をしらなかった。ちなみに、ブランターノ男爵の領地にたくさん生えているらしいが、グルメ貴族も筍が食べられるとは知らなかった。

筍の事を聞いたブランターノ男爵も居酒屋のぶにやってくるが、その日はクローヴィンケルではなく、黒髪の美女を連れて来た。相手はブランターノ男爵の妻カルラだった。カルラは領地にいた家臣の娘で、たくさんいるライバルに混ざって嫁取りレースに参戦し、勝ち取ったらしい。

カルラは言い寄る男5人に、九態の光壁、燕竜の子安貝、月の石、創縁の護符、黒い薔薇と、珍しい宝物を持って来るよう課題を出した。ブランターノ男爵の課題は、東国にあると噂される黒い薔薇だったので、自分で旅に出て取って来たらしい。入手出来たのはブランターノ男爵だけだったため、カルラが嫁になったのだが、某月の姫と同じような話ではないか。

東王国の奇譚拾遺使、ジャン=フランソワ・モーント・ド・ラ・ヴィニーは、まだ古都にいた。王女摂政宮が身分を捨てて帝国の皇后となってしまったため、東王国も混乱し、自分の転属願いは退けられてしまったのである。混乱の中で、密偵を束ねる立場に昇進してしまった。

立場に見合う情報を手に入れなければいけないと思い、居酒屋のぶにやって来るのだが、奇譚拾遺使秘伝の技術で変装したつもりが、またもや一瞬でしのぶにバレてしまう。さらに、かつて奇譚拾遺使を束ねていたセレスティーヌが現れる。セレスティーヌは大豆について話し合っていたのだが、ジャンはダイズが何なのか分からなかった。

相手方が硝石収集局まで動かしているとなると、きっと重要な情報に違いないと考えたジャンは、セレスティーヌが食べていたイチゴのケーキや、ダイズについての報告書を本国に送るのだった。実は比較的どうでも良い情報ではあるのだが、幼王ユーグにとっては重要な事だった。

ロンバウトはビッセリンク商会の御曹司である。今までバッケスホーフ商会が牛耳っていた古都が空白地帯となってしまったため、父に命じられて支社を作るために赴任してきた。最初は何も期待していなかったのだが、居酒屋のぶの仕出し弁当の中にアスパラガスが入っていた事で、見方が変わってくる。

後日、居酒屋のぶを見かけたロンバウトが入ってみるのだが、そこにはフーゴがいて、眼鏡のレンズを見せられる。眼鏡が売り物になると判断したロンバウトは、フーゴと契約する事に決める。

連合王国の貴族アリイルと聖職者トマスは知り合いだった。居酒屋のぶで、世界を揺るがす真実について話をしていたのだが、その事はトマスの口から公表しないほうが良いという事になる。地動説を唱える事は、聖職者としては致命的なので、天体観測はアリイルに任せる事にした。アリイルは、醤油について知っていた。やはり、連合王国の何処かに醤油が存在するらしい。

連合王国のナ・ガルマンには、帝国から逃げて来たダミアンが滞在していた。ダミアンが酔っぱらって荒唐無稽な話を始めるのだが、トリアエズナマという飲み物について反応したのは、ヨダ・コーザという男だった。

ロンバウトは、古都の近くにあるサクヌッセンブルク侯爵を訪ねていた。最初は田舎貴族だと思っていたが、ここでは天ぷらという知らない料理を出される。そして、ロンバウトの好物であるアスパラガスも出て来た。古都を蘇らせるために、通行税のかからない湿地帯に水路を作る計画は、サクヌッセンブルク侯爵のほうが、ロンバウトちよりも進んでいた。

連合王国の村で、ダミアンから聞いたトリアエズナマに反応したヨダ・コーザがやってくる。ヨダ・コーザの本名は依田康三郎で、日本から来た醤油職人だった。父親が遺した醤油工場の裏口が異世界と繋がっていたので、連合王国で大豆を栽培し、醤油を作っていたらしい。

この世界で結婚した嫁が、裏口を燃やしてしまったため、日本に戻れなくなってしまったのだが、どうやら居酒屋のぶとは違った力で、異世界への通路が開かれているようである。



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異世界居酒屋「のぶ」 3杯目

4800268737異世界居酒屋「のぶ」三杯目 (宝島社文庫)
蝉川 夏哉 転
宝島社 2017-03-04

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ニコラウスに連れられて居酒屋のぶを訪れた衛兵のハンスだったが、今では衛兵を辞めて、料理人になるためタイショーの下で修業している。ニコラウスのほうも、水運ギルド【鳥娘の舟歌】のマスター、エレオノーラと親密になって行くので、そのうち衛兵を辞めてギルドに移るのではなかろうか。

マクシミリアンはヒルデガルドを連れて古都に向かう途中だった。喧嘩をしたので、ヒルデガルドが口をきいてくれないのだが、居酒屋のぶで美味しいものを食べて、仲直りする事になる。

それにしても、こんなに若いヒルデガルド(12歳)を嫁にするなんて、一体何処のロリコン貴族なのかと思っていたが、マクシミリアンのほうが年下だった。政略結婚だったとはいえ、美少女と可愛い系の少年貴族だから、釣り合いが取れていてお似合いである。

東王国の奇譚拾遺使、ジャン=フランソワ・モーント・ド・ラ・ヴィニーが変装して、再び居酒屋のぶを訪れる。奇譚拾遺使の主である王女摂政宮セレスティーヌ・ド・オイリアの命により、古都の探索が任務となったからである。

前回とは別人になっているつもりのジャンだったが、しのぶにはサラダの好きなお客様だとバレてしまった。ジャンは、帝国の硝石収集局が動いているのではないかと警戒する。完全にジャンの勘違いなのだが、クシカツのソースをこぼした事で、敵方の組織に自分の事がバレていると思い込んで去っていくのだった。

商人のイグナーツは、聖王国のササリカ米を仕入れすぎて困っていた。値段が下がっていたため、予想以上の量が到着してしまったのである。倉庫を圧迫したままだと、次の仕入れが出来なくなる。そんな時、倉庫の中まで徴税請負人のゲーアノートが入って来た。

徴税されるのではないかと警戒するイグナーツだったが、ゲーアノートの助けもあり、古都周辺に領地を持つサクヌッセンブルク侯爵が救貧備蓄食料として買い取ってくれる事になる。

ゲーアノートの弟アウグストは、旅の役者である。兄からの仕送りで病弱な妻の薬も買えて助かっているので、古都まで会いに来たのだが、ゲーアノートはすぐ側にいながら名乗り出ない。徴税請負人は嫌われ者の仕事であり、弟にはどんな仕事をしているのか隠していたからである。結局、知らないフリをする事にかけては、役者のほうが上手だった。

眼鏡っ娘セレスが居酒屋のぶにクシカツを食べに来た。しかし、タイミングが悪く、クシカツはやっていなかった。代わりにアップルパイを出してもらうのだが、その上に氷菓を乗せられる。それは東王国摂政宮セレスティーヌ・ド・オイリアでさえ生涯に一度しか食べた事のない至高の珍味だった。

ブランターノ男爵と吟遊詩人クローヴィンケルが居酒屋のぶにやってきた。貴族の集まりで狩りに行ったが、その後は抜け出して来たらしい。獲物が獲れない時は、同行する肉屋から買ってなんとかするようになっているのだが、料理してくれと買ってきた豚肉を渡される。

しのぶが圧力鍋を買ってタイショーにプレゼントしていたので、豚の角煮が作られる。各地を旅する美食家のクローヴィンケルも、短時間で肉が柔らかくなるような料理法は知らなかった。この世界には圧力鍋なんて無いだろうし。

ハンスが職人にならず、衛兵も辞めてしまったから、親のローレンツともギクシャクしていたのだが、ようやく和解した。タイショーからハンスに課題が出され、トリアエズナマと合う料理を考えるように言われるのだが、作り出したペリメニは、餃子によく似た食べ物だった。

古都の物流は河川に頼っているが、最近は領地を通る際、河川の通行に税金をかけられて負担が大きくなっている。湿地帯を整備して交通網を整えるという案が浮上していたが、ラインホルト達は、古都参事会の議長となったマルセルから、大変な事を知らされる。

ずっと未婚のままだった帝国の皇帝が、古都でお見合いをする予定らしい。しかも、お見合い相手は東王国の王女摂政宮セレスティーヌ・ド・オイリアだった。いっそ、皇帝と王女摂政宮のお見合いを居酒屋のぬぶでやってはどうかと思うラインホルトだったが、さすがに言い出せなかった。

先帝が決めたので、仮想敵国の王女セレスティーヌとお見合いをしなければならなくなった皇帝コンラートは、つい抜け出して古都の街を歩いていた。考え事をしていたため、人にぶつかりそうになるのだが、出会ったセレスに一目惚れしてしまう。

コンラートはセレスに誘われて居酒屋のぶで食事をするのだが、翌日のお見合いが苦痛になった。配下のゼバスティアンに相談して、それらしき貴族の娘を調べてもらうが、該当者が見当たらない。まさか、自分が街中で出会った運命の相手が、翌日にお見合いする予定の、東王国の王女摂政宮セレスティーヌ・ド・オイリアだとは気づいていなかった。


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異世界居酒屋「のぶ」 2杯目

4800265037異世界居酒屋「のぶ」二杯目 (宝島社文庫)
蝉川 夏哉 転
宝島社 2016-12-06

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居酒屋「のぶ」が異世界の古都と繋がってから約半年の月日が流れ、季節は夏から秋へ。常連となったお客たちにはお気に入りの料理ができたようで、「イツモノ!」という注文の声が上がる。そして新しいお客も「のぶ」を訪れる。放浪の女傭兵、詩人を目指す放蕩息子とその付き人の料理人、さすらいの吟遊詩人、そして黒いローブを纏った老女。居酒屋での出会いが人と人を繋いでいく。温かな異世界グルメファンタジー、第2弾。


リオンティーヌ・デュ・ルーヴという女傭兵が古都にやって来た。リオンティーヌは衛兵のニコラウスに声をかけられ、お勧めの店を紹介してもらった。

居酒屋のぶに入ってきたリオンティーヌは、領地持ちなのに結婚もせずに傭兵をしているという、変わり種のようである。敵として対峙した<鬼>を想い人として探しているそうだ。敵がいない穴場に陣取ったはずが、<鬼>は的確に読み取っていたらしい。

守りの薄い場所を攻められて激戦になるが、<鬼>は、リオンティーヌが女だと瞬時に見抜き、手加減してくれたらしい。本当は、鬼が苦手なイカの兜をしていたから助かったのだという事を、リオンティーヌは知らない。戦場の話に客達は盛り上がるが、聞いている途中で、しのぶやヘルミーナは、鬼が誰の事なのか分かってしまった。

【鳥娘の舟歌】のギルドマスター、エレオノーラも居酒屋のぶの常連になっている。秋刀魚を食べていると、酔っぱらったニコラウスが話しかけてくるのだが、秋刀魚の残りをニコラウスがほぐして、タイショーに秋刀魚ご飯をお願いする。酔っぱらっているからニコラウスは覚えていないかもしれないが、フラグが立ちそうな兆しが。

【金柳の小舟】のラインホルトと、ゴドハルトが一緒に飲んでいる。今や、古都の水利権はゴドハルトが握っている。ラインホルトも、ゴドハルトと組んだ事で、一息つけるようになったので、文句はない。今回は、海岸部からタコを仕入れて、古都に流通させたいという相談だった。

古都の近くの森には魔女が出るという噂があった。ある日、居酒屋のぶに真っ黒いフード付きの帽子をかぶった女性が入ってきたので、エーファは魔女ではないかと怖がる。イングリドは森の中で薬を作っていたが、最近、古都に引っ越して来たらしい。

師匠を探してカミラという女の子もやって来たので、特製プリンを出してあげるのだが、イングリドが欲しがったので、隠していた分まで食べられてしまう。

エトヴィン助祭がトマスと共に居酒屋のぶに来ていた。バッケスホーフと関係がある大司教が枢機卿の階位を狙っているらしいので、その絡みで聖王国のヒュルヒテゴット枢機卿に会いに行かなければいけないらしい。エトヴィン助祭が不在の間は、トマスが代わりに仕事をするようである。

大司教が古都にやってきて、暫く滞在するので、目抜き通りからガラの悪い奴らが追い出されたらしい。その影響で、居酒屋のぶの客層がいつもより悪くなっていた。ヘルミーナがゴロツキにちょっかいをかけられたところ、遊び人のアルヌが追い出してしまう。

逆恨みして仲間を読んできたクズも、アルヌが全て倒した後、お金を巻き上げたので、居酒屋のぶでゴロツキが飲食した分の支払いになった。

薬師のイングリドも居酒屋のぶで飲むようになるのだが、いつも天ぷらとプリンを食べている。イングリドは、アルヌと一緒にいる時、聖王国の昔話を始める。

ノッポの尼とチビの学僧が、サクヌッセンブルク侯爵のもてなしをする係に抜擢されたが、侯爵領のしきたりで、キノコ料理は出してはいけなかった。それを調べ損ねたチビの学僧は、キノコ料理でもてなしてしまった。侯爵は何も言わなかったが、誰かが責任を取らなければならない。ノッポのほうが全ての責任をかぶると、聖王国を去ってしまった。

ブランターノ男爵がまたやってきた。今回はクローヴィンケルという有名な吟遊詩人を連れて来た。クローヴィンケルが他人を見極める目は確かなもので、タイショーも心の迷いを言い当てられてしまう。クローヴィンケルが最も自信のある料理を食べたいと言い出したので、タイショーとちょっとした勝負になってしまう。

エンリコ・ベラルディーノ大司教は魔女を探していた。かつてバッケスホーフ商会に雇われていて、居酒屋のぶを逆恨みするダミアンという男は、大司教の下で魔女探しを手伝っていた。ダミアンは、居酒屋のぶが魔女の塒であると告げ口するのだが……。

いきなりやってきた大司教は、魔女を探してはいたが、魔女狩りで箔をつけるためではなかった。かつて、自分の失敗の責任をかぶったノッポの尼イングリドが、魔女になると出て行ったため、ずっと探し続けていたのだ。大司教は、かつてチビの学僧だった。

目論みが外れたダミアンは、居酒屋のぶの裏口から逃げ出すが、神の力により向こう側にある京都に行く事は阻止される。鬱蒼と茂る森の中で迷い、異教の神殿を守る朱塗りの鳥居に覆いつくされた石畳の山道から出られなくなる。疲れ果てて身動きが取れなくなったダミアンが古都の裏路地で見つかるのは、それから数日後のことだった。

遊び人アルヌーの正体も明かされる。アルヌーは家を継ぎたくなくて、逃げ出して吟遊詩人になろうとしていたのだが、その心の迷いも吟遊詩人クローヴィンケルに見破られてしまう。タイショーが出した肉じゃがを食べた時、迷いが吹っ切れて、家を継ぐことを決心した。翌朝、サクヌッセンブルク侯爵アルヌ15世が即位する事が布告された。


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異世界居酒屋「のぶ」

4800260000異世界居酒屋「のぶ」 (宝島社文庫)
蝉川 夏哉
宝島社 2016-08-04

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異世界に繋がった居酒屋「のぶ」を訪れるのは、怠け者の衛兵たち、お忍びの聖職者、水運ギルドのマスターなど個性的な面々ばかり。彼らは、寡黙な店主、ノブ・タイショーが振る舞う驚くほど美味い酒や、未体験の料理に驚き、舌鼓を打ちながら、つかの間、日々のわずらわしさを忘れるのだ。この居酒屋の噂は客から客へと広がり、連日様々なお客がやってくる。さて今夜、居酒屋「のぶ」にはどんなお客が訪れ、どんな物語が紡がれるのか…。暖簾をくぐれば異世界が広がる…なろうコン大賞受賞の異色作!


居酒屋ごと異世界に行ってしまう話。但し、行きっぱなしではなくて、裏口は日本に繋がっている。どうやら、この居酒屋は日本と異世界に、同時に存在している形になっているらしい。日本にある仮店舗のほうが消えてしまったら事件になるからね。

異世界では、ドイツ風の帝国(領邦や司教領がたくさんあるらしいので、神聖ローマ帝国がモデルではなかろうか)の直轄領、古都アイテーリアの通りに収まっている。いきなり建物だけ古都の区画に出現して嵌り込んで騒動にならないのかと思ってしまうが、その辺は、異世界に繋げた神が上手くやったのであろう。

普通の料理物というより、異世界人が知らない料理を食べてカルチャー・ショックを受けるタイプの作品になっている。一話完結型で短編が繋がって行くので、隙間時間に読めるのが良い。

居酒屋の主は矢澤信之という青年で、老舗料亭で修業をしていたが、独立して居酒屋を始めた。のぶの看板娘は千家しのぶというお嬢様で、老舗料亭の娘だったが、店の再建のために銀行の副頭取の息子との結婚を強要されて家出した。

タイショー(矢澤信之)は、念願の店を持ったが、表側が異世界と繋がってしまったため、日本ではないところで影響しなくてはならなくなる。最初は大変だったようだが、冒頭ではすでに常連客がつき始めている。

古都で衛兵をしているハンスは、良い店を見つけたというニコラウスの案内で、居酒屋のぶにやってくる。その店は、入口がガラス戸で出来ているので、ハンスは金の支払いを心配する。どうやら、この世界ではガラスが高級品らしい。初めて飲んだトリアエズナマというエールは、今まで自分が飲んできたものが牛の小便だと思えるほど、別次元の味だった。

ハンスに連れられて、中隊長のベルトホルトがやってくる。ベルトホルトは鶏肉を注文する。古都では老いて硬くなった鶏肉しか出回らないのだが、居酒屋のぶでは若鶏の唐揚げが出て来た。賄い用のチキン南蛮は食べさせてもらえなかったので、翌日の仕事が終わると、居酒屋のぶまで走って行く事になる。

来るのは良い客ばかりではない。羽振りの良さそうな新店舗に目をつけたのは徴税請負人のゲーアノートだった。税を多く取るほど、差額で潤う職業なので、居酒屋のぶを狙っていたのだが、タイショーが買い出しから戻らない間に、シノブが用意した賄い用のスパゲッテシ・ナポリタンを食べて宇宙を見てしまう。ゲーアノートは徴税せずに、常連客となってしまう。

貴族のお嬢様ヒルデガルドが婚姻前に連れられてきて、「臭くなくて辛くなくて酸っぱくなくて苦くなくて固くなくてパンでも芋でもお粥でも卵でもシチューでもない美味しいものが食べたい」という難題を出すが、タイショーは餡かけ湯豆腐を出す。

イグナーツが、妹と結婚する予定のカミルと一緒にやってくる。古都は内陸にあるので、新鮮な魚は出回らない。魚を生のままで食べるのは勇気がいる行為だったが、居酒屋のぶの刺身や海鮮丼は新鮮だった。

ある日、しのぶが開けた覚えもないのに、表側のカギが開いていた。中に侵入者がいるかもしれないと思い、常連客に衛兵を呼んで来てもらう。コミカライズでは、肉屋のフランクに頼んだよね。フランクが常連なのだろうか。

中にいたのは、エーファという小さな女の子だった。水道の蛇口が欲しくなって、店の中に入ったらしい。蛇口だけ盗んでも水は出ないことを説明し、このままではエーファが泥棒として裁かれるので、皿洗いとして雇う事に決めてしまう。店主はタイショーなのに、勝手に決めて良いのだろうか? バイト料は日本円じゃなくて、異世界の貨幣だから、人件費としてはかなり安そうだけど。

ニコラウスが助祭エトヴィンと一緒にやってくるが、すでに問題は解決していたので、エーファはお咎め無しとなる。衛兵達が、堅物そうな助祭が古都に来たと心配していたが、エトヴィンもいつの間にか居酒屋のぶの常連になっていたので、全く問題無かった。

ある日、貴族の部下がやってきて、店を貸し切りにしろと言い出すが、断ったところ、店の前が某世紀末みたいな事になり、客が入れなくなる。実質上、貸し切り状態になってしまった居酒屋のぶにやって来たのは、古都の近くに領地を持つブランターノ男爵だった。

ブランターノ男爵は、とある貴族の結婚披露宴で年若い花嫁が挙げた餡かけ湯豆腐というものを食べたいと言い出す。寒い季節でないと美味しく食べる事が出来ないと断ると、シュニッツェルを作れと言い出す。

タイショーがシュニッツェルについて調べに行っている間に、しのぶが食べようとした賄いのサンドイッチを気に入り、もっと食べたいというのでカツサンドを出すと、満足して金貨の入った袋を置いて帰ってしまった。嫌な客だと思ったけど、金貨を袋ごとくれるなんて、素晴らしいじゃないか。

徴税請負人のゲーアノートが絶賛する店だと聞いて、鍛冶ギルドのホルガー親方がやって来る。そこへ、衛兵をしている息子から店の話を聞いた硝子職人のローレンツが入って来た。この2人は仲良く喧嘩する間柄のようであるが、だんだん口コミで客が増えてきたよね。

中隊長ベルトホルトは、戦場でイカの兜をしている戦士に怯んで怪我をしたほど、イカが苦手である。居酒屋のぶのイカ尽くしで無理やり食べさせられるのだが、結婚相手の親がイカ漁師なので、絶対に克服しなければいけないのだった。イカが巨大なものと勘違いして苦手になっていたベルトホルトだったが、後日、お見合いで相手の親が釣ってきたクラーケンを食べさせられる事になるとは知らない。

ある日、居酒屋のぶに怪しい美女が来た。ナッツ類ばかり食べていて、酒を飲まないのだ。客達はいろいろと詮索するのだが、エーファ以外は正体を見抜く事が出来なかった。なんと、美女の正体は男で、以前も来たことがある商人のイグナーツだった。どうやら、義弟のカミルと女装がバレるかどうか賭けをしていたらしい。

東王国の密偵ジャン=フランソワ・モーント・ド・ラ・ヴィニーが居酒屋のぶにやって来る。帝国について調べられている情報を覆すような料理ばかり出て来るので、ジャンは仰天してしまう。サラダにはタラの卵が混ざったソースがかかってピンクになっているし、ポテトには高級品であるはずのペッパーがかけられる。そして、今まで食べた事のないカルパッチョは、鯨の尾の身だった。今まで密偵をしてきて、鯨を獲る方法など聞いた事もなかった。

タイショーが買い出しに、しのぶが古都の散歩に出かけたので、エーファは一人で留守番と店の掃除をしていた。ふと見ると、神棚に供えられた油揚げを咥えたキツネが出て行こうとしていたので、慌てて追いかけてしまう。

裏口から出ると、見た事も無い巨大な建物や、馬のいない馬車が通る場所だった。古都の祭りの日よりも歩いている人が多かった。エーファは警察に保護されそうになり、人攫いだと思って慌てて逃げ出すが、迷子になったので戻れなくなってしまう。こちら側の神の御使いによって、戻してもらえるが、神棚に供えるものに、稲荷寿司が加わった。

居酒屋のぶの店内で、水運ギルドの会合が開かれ、いろいろと揉めていた。古都に3つあるギルドの諍いを解決する鍵は、生臭くて人気の無いウナギだった。古都ではウナギの人気が無いので安く買えるのだが、タイショーが料理したウナギの蒲焼きが評判になる。

ベルトホルト中隊長が、新妻のヘルミーナを連れてやってくる。新居の住人が引っ越すために手配していた馬車を、東王国の僧侶が破格の値段で借り受けたために予定がズレ、ベルトホルトも入居出来なくなってしまったのである。意外なところで居酒屋のぶが絡んでいるのだが、誰も気が付かない。

衛兵の寮に新婚用の荷物を突っ込んで、夜は宿屋に泊るらしいのだが、昼間はヘルミーナの居場所が無くて困っているらしい。ウナギの蒲焼きで忙しいので、ヘルミーナも居酒屋のぶを手伝う事になる。

古都にはバッケスホーフ商会という腹黒い大手商人がいるのだが、居酒屋のぶとトリアエズナマを狙ってちょっかいをかけてくる。トリアエズナマが帝国で禁止されているラガーではないかと疑われるのだが、相手方についたと思われたゲーアノートも居酒屋のぶの味方だったので、最終的にバッケスホーフのほうが自滅してしまう。

ヒルデガルドを連れて来たヨハン=グスタフが、今度は老人を連れて来る。ヨハン=グスタフが、老人にトリアエズナマを飲ませるよう頼むのだが、その結果、ラガー流通禁止令の勅令が撤回される事になる。そして、料理を運んできたエーファが転んだことにヒントを得た老人は、北部の三領邦離脱問題も解決してしまう。どうやら、訪れたのか帝国の先代皇帝だったらしい。

エーファが転んだ時に、ハンカチをくれたのだが、後日それを見たゲーアノートは、先代皇帝にしか許されない三頭竜に鷹の爪の紋章が描かれているのに気づいてしまう。先代皇帝と関わりのあるような恐ろしい店からは、絶対に無理な徴税は出来ないと思うのだった。


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異世界居酒屋「のぶ」

4041037808異世界居酒屋「のぶ」(1) (カドカワコミックス・エース)
ヴァージニア二等兵 転
KADOKAWA/角川書店 2015-12-26

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古都アイテーリアの裏路地に繋がった、居酒屋「のぶ」。異世界の住民達は、馴染みのない異国風の料理と冷えた「トリアエズナマ」のあまりの美味さに次々と虜になっていくのだが…!?異世界グルメファンタジー開幕!


おでんのじゃがいも
夜空に月が二つ輝く異世界にある、城壁の古都アイテーリアが物語の舞台となる。本日は給料日である。ハンスはニコラウスが最近見つけたという、お勧めの酒屋に誘われたのだが、そこは中世ヨーロッパ風の街並みに全く溶け込んでいない、妙な居酒屋だった。兵士たちが読めない未知の言語で店名が書かれているのだが、そこは「居酒屋のぶ」だった。

「居酒屋のぶ」は看板娘のしのぶちゃんから取った名前かと思ったのだが、店主の名前だった。生ビールがトリアエズナマという飲み物だと思われているのが笑える。ハンスは入口がガラスでビールジョッキもガラスなのに驚く。

トリアエズナマは透き通る黄金色で、ハンスが今まで飲んでいたエールが牛の小便だと思うくらい、異次元の美味さだった。オトーシの枝豆のあとは、寒い季節だったので、おでんが出て来る。

大根、蒟蒻、牛スジ、ちくわが入っているのだが、北方神話の神の名前に似ているので、ハンスは寒い地域の伝統料理だと思い込む。いつの間にかニコラウスが飲んでいたアツカンも飲んだことがない美味い酒だった。


若鶏の唐揚げ
居酒屋のぶは古都を守る兵士の間で評判になり、ハンスは中隊長ベルトホルトを案内する事になる。ハンスは、ニコラウスが頼んでいたのを覚えてスルメを注文するが、ベルトホルトは触手系が苦手なようである。品書きが未知の言語で書かれていて読めないのだが、タイショウがだいたい何でも出来るというので、鶏肉料理をお願いする。

古都では卵を産まなくなったかたくて不味い廃鶏しか出回らないので、ベルトホルトはあえて注文してみたのである。タイショーがしのぶを買い物に行かせるのだが、店の裏は見た事も無い通りに繋がっていた。

ベルトホルト隊長は若鶏の唐揚げが出て来て、そのジューシーさに驚く。タイショーとしのぶが賄いのチキン南蛮を食べ始めたので、気になって仕方がないベルトホルトは、翌日の訓練が終わると、走って食べに行くのだった。


しのぶちゃんの特製ナポリタン
居酒屋のぶには厄介な相手が食べに来ていた。ゲーアノートいう徴税請負人である。徴税請負人は、税収を多く取ると、差額が自分の取り分になるのである。タイショーが買い物から戻らないので、ゲーアノートはパリパリキャベツ(キャベツを並べただけ)を食べているのだが、しのぶが賄いのパスタを食べようとしたところ、それを欲しがる。

しのぶは難しいのは出来ないので、味はお任せになる。ゲーアノートの前にはナポリタンが出て来る。ナポリタンにチーズとタバスコをかけたところ、生命と宇宙全ての答えを感じてしまった。ゲーアノートはガッツリ税金を取ろうとしていたのだが、味に感動して金貨を置いて去って行く。


お嬢様の難題
ヨハン=グスタフが姪のヒルデガルドを連れて来るのだが、お嬢様は「臭くなくて辛くなくて酸っぱくなくて苦くなくて固くなくてパンでも芋でもお粥でも卵でもシチューでもない美味しいものが食べたい」と言い出す。

いつもなら料理人はこの難題に答えられないのだが、居酒屋のぶのタイショーは違った。ヒルデガルドの目の前にカセットコンロが置かれ、鍋でお湯が沸き始める。そこに豆腐が入れられ、完成したのは餡かけ湯豆腐だった。その後も、色々と出て来るので、2人とも満足そうだった。


はじめての海鮮丼
面白い店があると衛兵に教えてもらったイグナーツが、妹と結婚する予定のカミルと一緒に、居酒屋のぶに来る。古都は内陸にあり、新鮮な魚が手に入らない。生のままで食べるのは勇気が必要だったが、刺身も海鮮丼も鮮度が良かった。


豚汁
冬場になると、古都では物流が止まって料理の質が落ちる。固いパン、脂身ばかりのベーコン、酸っぱいエール。衛兵は体力勝負なので、いつまで続けられるのか分からない。後ろ向きな気持ちになりかけたので、ニコラウスは居酒屋のぶに向かう。

居酒屋のぶには、すっかり常連になったハンスがいた。順調に客も増えているみたいで、税金を取ろうとしていた徴税請負人のゲーアノートまで、常連になっているようである。


4041044251異世界居酒屋「のぶ」 (2) (カドカワコミックス・エース)
ヴァージニア二等兵 蝉川 夏哉
KADOKAWA/角川書店 2016-06-30

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キスの日
給料日なので、居酒屋のぶに行こうとするニコラウスだったが、中隊長に居残りを命じられてしまう。ハンスは大丈夫だったので、居酒屋のぶに向かった。途中で、教会から出て来る新しい助祭を見かけるのだが、見るからに堅物そうな爺さんなので、居酒屋のぶの事が心配になる。異教徒を街から追放するような司祭もいるからである。

しのぶの機嫌が良いのだが、「今日はキスの日なんです」と爆弾発言するので、周囲の男達が動揺する。しのぶの故郷には、なにやらけしからん風習でもあるのではないかと思われかけるのだが、キスとは魚の名前だった。

キスの日なので、キスの天ぷらが出て来るのだが、高級品の紙が器に敷くために使われてハンスは驚く。紙は、料理から余分な油を吸い取るためのものだった。


盗人
店の掃除や昼間の用事が済んだので、表を掃きに行こうとしたしのぶは、鍵が開いているのに気づいてしまう。自分がそんなミスをするわけがないので、誰かが店内に侵入した可能性が高いしのぶは外にいたお肉屋のフランクに頼んで、衛兵を読んで来てもらう。

フランクが衛兵のところに行き、事情を説明していると、たまたま通りかかった教会のエトヴィン助祭に聞かれてしまった。エトヴィン助祭は、衛兵の仕事を見学したいと言い出し、現場までついて来ることになってしまった。

居酒屋のぶでは、タイショーが賊に襲われたら店を続けられなくなると思ったしのぶが、勇気を出して店内に戻っていた。中に居たのは、エーファという小さな女の子だった。水が出て来るのを見て、水道の蛇口が欲しくなったらしい。

タイショーが店に降りて来たので、しのぶはエーファを新しく雇う皿洗いのバイトだと説明する。ここで初めて、店主のフルネームが判明した。タイショーは矢澤信之というらしい。

ニコラウスと助祭が駆け付けた時には、すでに居酒屋のぶは平常営業していた。盗人の件は上手くおさまったのだが、堅物に見えて衛兵に警戒されていたエトヴィン助祭が、実は居酒屋のぶの常連だった。一緒について来たのは、教会では春分までは粗食しか出来ない事になっているからだった。エトヴィンは、出されたものを断るのも神の意に反するという言い訳をし始めるのだった。


招かれざる客
昼間の古都を散策していたしのぶが店に戻ると貴族の使者がいて、いきなり上から目線で店を貸し切ると言い出す。いきなり貸し切ると言われても、他の多くのお客様が楽しめなくなってしまうので断るのだが、使者は捨て台詞を吐いて去って行くのだった。

暫くすると、店の前が某世紀末みたいな事になってしまっていた。これでは客が入れないではないか。クズな使者と共にやってきたのは美食家のブランターノ男爵だった。

とある貴族の結婚披露宴で、これまで食べたものの中で何が一番美味だったかという話になったのだが、年若い花嫁の挙げたアンカケユドーフを、その場にいた貴族すべてが食べた事がなかった。アンカケユドーフよりも、あのロリな貴族令嬢が結婚した事のほうが驚きである。まだ小学生くらいじゃないか。

季節限定メニューだから、アンカケユドーフは作れないと断ると、シュニッツェルを求めてきた。タイショーが衛兵のところにシュニッツェルについて聞きに行っている間、しのぶは賄いのサンドイッチを作るのだが、ブランターノ男爵はそれを求めて来た。

サンドイッチは気に入ったようだが、もっと欲しいと言うのでカツサンドを作ったところ、タイショーが戻って来る前に、満足して帰ってしまった。貴族は厄介な相手だけど、金払いは良さそうだよね。ブランターノ男爵も、お金を袋ごと渡して帰って行ったし。


親方喧嘩
ゲーアノートという徴税請負人が絶賛している店だと聞いて、鍛冶ギルドのホルガー親方がやって来る。そこへ、衛兵をしている息子から店の話を聞いた硝子職人のローレンツが入って来た。お互い言い合いになるが、犬猿の仲かと思ったら、そうやって楽しんでいるだけのようである。


中隊長の弱点
中隊長ベルトホルトが店にやって来る。基本的に出された料理は何でも食べる男だが、イカだけは駄目らしい。お見合い相手の父親がイカ漁師なので、どうしてもイカを克服しなければならないらしい。イカを出されるが、ベルトホルトは食べる事が出来ずに帰ってしまった。

後日、ベルトホルトがエドウィン助祭と一緒に店に来ると、イカ尽くしの日になっていた。イカそうめん、イカのシオカラ、いか団子、いかの生姜煮、ホタルイカの沖漬け、イカリングフライと、いろいろ出されたのだが駄目だった。

ベルトホルトは、船乗りだったひい爺さんから聞いた海面を埋め尽くすイカの群れや、巨大イカの話がトラウマ化してイカ嫌いになったらしい。タイショーにイカの実物を見せられて、イカを克服する事が出来た。しかし、イカ漁師であるお見合い相手の親が、お見合い用にクラーケンを獲って来ることを、ベルトホルトはまだ知らなかった。


ふしぎの国のエーファ
ある日、タイショーが仕入れの買い出しに出かけ、しのぶが散歩とお肉屋のフランクさんのところに出かけ、エーファは留守番を頼まれた。ふと見ると、神棚のアブラアゲを咥えた狐が裏口から出て行ったので、エーファは追いかけてしまう。

裏口は危険だから出てはいけないと言われていた。裏口の向こう側は、見た事もない場所だった。狐を追いかけていると、空気が汚れていて、馬のいない馬車がたくさん走る通りに出て、迷子になってしまう。というか、ここは四条河原町じゃないか。まさか、居酒屋のぶの裏口が京都だったなんて! 古都繋がりで、神が繋げたのか?

エーファは迷子として警察に保護されそうになるが、人攫いかもしれないと、怖くなって逃げ出す。神社に辿り着くと、そこに狐がいて、元の世界に戻してもらえた。居酒屋のぶが異世界と繋がっているのは、倉稲魂命の力によるものらしい。

エーファが聞いた神の御使いの伝言で、神棚のお供えは月1回イナリズシになった。






404104426X異世界居酒屋「のぶ」 (3) (角川コミックス・エース)
ヴァージニア二等兵 転
KADOKAWA 2017-02-04

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仁義なき蒲焼き
居酒屋のぶの店内は、水運ギルドの会合で、客が入って来なくなるほど空気が悪かった。古都には、ラインホルトが頭を務める古き格式のあるギルド【金柳の小舟】、エレオノーラとその母親が率いる金と権力を持つギルド【鳥娘の舟歌】、ゴドハルトが牛耳る古都最大のギルド【水竜の鱗】と、3つの水運ギルドがあるのだが、揉めている最中だった。

【金柳の小舟】は先代ギルド長が急死したため、息子のラインホルトが継いだが、その隙をついて【水竜の鱗】が幹部を根こそぎ引き抜いてしまった。落ち目になった【金柳の小舟】の部下が、ゴトハルトのシマで勝手に仕事をしていたのが問題になっていた。

ラインホルトは漁業権の譲渡で手打ちにしたいが、ゴトハルトはウナギのような泥臭い魚しか獲れないと不満である。ウナギと聞いたシノブが、古都の市場に買いに行く。日本だと高級魚であるが、異世界では人気が無いので、桶がいっぱいになるほど買う事が出来た。

タイショーは蒲焼きを作り始めるが、いがみ合っていた水運ギルドの長たちも、良い匂いに釣られ始める。何を料理しているのか分かったら無料にすると言われるが、エレオノーラは仔羊のフィレだと思い、ゴトハルトは淡泊なタラだと思った。ラインホルトがウナギだったら良いなと希望を述べたところ……。


密偵とサラダ
奇譚拾遺使は、大陸各地の奇妙な話や珍しい話を集め、東王国の王族へ伝え聞かせるのを業とする集団である。しかし、それは表向きの仕事であり、密偵という裏の顔を持っていた。ジャン=フランソワ・モーント・ド・ラ・ヴィニーは、古都の調査を命じられていた。

ジャンは、偶々見かけた風変りな居酒屋に入ってみた。旅の僧という設定なので、酒は飲まない。酒場では必ずサラダを頼む。生野菜は保存が利かず、長距離の輸送にも適さないので、サラダを食べてみれば、その街の実力が分かるのである。

普通の店ではサラダなど一品しかないものだが、居酒屋のぶでは何種類もあるという。試しに色々と食べてみるのだが、温玉シーザーサラダ、大根サラダ、マッシュポテトと、次々にサラダが出て来る。

大根サラダには鱈の卵が混ざった桃色のソースがかかっていた。内陸にある古都で海の魚が流通している事に、ジャンは驚く。マッシュポテトには聞いた事も無いマヨネーズというものが混ぜられていた。さらに、しのぶが胡椒まで振りかける。この世界では、胡椒は高級品らしい。

最後は、タイショーの晩酌用に買っていた鯨のカルパッチョが出て来る。鯨を獲る方法など、東王国では知られていなかった。報告するため、ジャンは急いで東王国へ戻るのだった。ジャンが倍の料金を払って馬車を借りたため、前の住人が退去出来なくなり、新居に入れなくなる事を、ベルトホルト中隊長はまだ知らない。


中隊長の凱旋
東王国の僧(本当は奇譚拾遺使のジャン)が、急ぎで馬車を借りたため、その馬車で引っ越す予定の住人が出られなくなった。そこはベルトホルト中隊長の新居になる予定だった。嫁の実家から家財道具が送られて来たので、中隊長室に詰め込んだだが、人も入れない状態になった。

夜は、宿を借りて貰っているらしいが、新妻ヘルミーナの昼間の居場所がなくなってしまった。居酒屋のぶで預かってくれないかとベルトホルトが頼むのだが、丁度、居酒屋のぶはうなぎブームで大忙しだった。ヘルミーナの発案で、ウナギは弁当にして店頭で売る事になる。


トリアエズナマの秘密
雨の降る日、ブランターノ男爵から暇を出されたダミアンが、古都を牛耳るバッケスホーフ商会の親玉を連れて、居酒屋のぶにやってくる。バッケスホーフ達は、この店で出されるトリアエズナマが、禁制品のラガーであると確信した。

バッケスホーフは圧力をかけ、店を買い取ると言い出した。新妻ヘルミーナまで手に入れようと、裏で婚姻無効調査願いまで提出する。トリアエズナマが禁制品という事になれば、最悪で死罪にもなりかねない。ラガーは先帝が帝国の特産品として売り出せるよう、流通に制限をかけたのだが、未だに流通させるほどの量を製造する事が出来ずにいた。

ラガーの流通禁止令は、先帝か皇帝しか勅書を撤回出来ないらしい。このままでは、居酒屋のぶを閉店して日本に戻るしかなくなってしまう。バッケスホーフ商会側に凄腕の徴税請負人ゲーアノートがついたと思っていたのだが……。

ゲーアノートは各地に密輸されたラガーの樽数の詳細を調べる事で、逆にバッケスホーフを追い詰めてしまう。持ち出されたラガー37樽のうち、30樽は東王国に、6樽は聖王国へ行っていたが、残りの1樽はバッケスホーフの腹の中に消えていたのである。

エトヴィン助祭もベルトホルト中隊長のために、婚姻無効調査願いに対抗出来るものを用意していた。教導聖省枢機卿ヒュルヒテゴットによる婚姻確認状である。これがあれば、バッケスホーフが裏から手を回そうとしても、大司教でさえ婚姻を無効にする事は出来ない。

エトヴィンは万年助祭な感じであるが、実は教皇に次ぐ権力者である教導聖省枢機卿ヒュルヒテゴットの懐刀のようである。


老人と魚
バッケスホーフ失脚のあと、以前、ヒルデガルドを連れて来たヨハン=グスタフが、ある老人と一緒に居酒屋のぶにやって来る。トリアエズナマを飲むと、禁制品のラガーとは造り方が異なる事を見破ってしまう。お通しには鷹の爪が入っていたが、これは老人の紋章でもあった。

鰯の醤油漬け焼きで、異なった文化を包み込み受け入れる事を再確認し、アジフライを手づかみでかぶりつくようエーファに言われて、独立問題で揺れている北方三邦の食べ方を思い出す。エーファが運んでいたカレイの煮付けをひっくり返してしまった事で、ヒントを得る。

翌日、古都で行われた北方三邦との会談は、先帝の機転と演出により平和に終わり、独立戦争は回避される事になった。



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