雨ふる本屋の雨ふらし

4494020311雨ふる本屋の雨ふらし (単行本図書)
日向 理恵子 吉田 尚令
童心社 2012-10-30

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「雨あめ 降れふれ 〈雨ふる本屋〉! 」ルウ子と妹のサラがひみつの呪文をとなえて訪れた〈雨ふる本屋〉に、重大な危機がせまります。本屋や図書館を破壊してまわる"ミスター・ヨンダクレ"の目的とは?ルウ子は〈雨ふる本屋〉を、そして妹のサラを救うことができるのでしょうか?冒険の日々がはじまります。


ルウ子は七宝屋で貰ったカタツムリ人形を使えば、雨ふる本屋に行ける事に気づく。妹のサラを連れて、また雨ふる本屋を訪れるのだが、ヒラメキが上手く物語を完成させられなくて苦しんでいた。ヒラメキは物語の種を齧りまくっていたので、償いに自分が齧った物語を完璧に書き直す仕事をしている。

雨ふる本屋は、ヒラメキが上手く物語を完成させられない事以外にも、問題を抱えていた。ミスター・ヨンダクレがやってきそうなのである。

ミスター・ヨンダクレは、書物に酔いしれし者で、世界各地の本屋、古書店、図書館を渡り歩いては、蔵書に気に食わないところを見つけ出して潰してまわっているという。とんでもないクレーマーではないか。

雨ふる本屋の面々がお茶の時間を楽しんでいると、ホシ丸が電々丸という男を連れて来る。電々丸は雨童だが、とある理由で雨雲からキリン林という危険な場所に落ちてしまったらしい。そこに居る牙の化け物に襲われそうになっているところを、ホシ丸が助け出したらしい。

電々丸のところに骨の竜がやってきて、自分の本を下らないと捨てられたらしい。それだけでなく、電々丸もふっ飛ばされて地上に落ちてしまったのである。犯人は、ミスター・ヨンダクレだった。

ルウ子とホシ丸が空を飛んで、電々丸を雲の上に帰そうとするのだが、そこに居たミスター・ヨンダクレが雨ふる本屋に向かう途中だった事を思い出したから、大変な事になってしまう。

ミスター・ヨンダクレは雨ふる本屋を壊滅させ、妹のサラを攫って行ってしまった。雨ふる本屋の面々もバラバラになってしまう。

ルウ子はホシ丸と一緒に、月ヶ原という月面みたいな場所に飛ばされていた。そこに住んでいるグウタラ・アクビという顔だけデカいおばさんを上手い事言いくるめ、別の場所に飛ばされる。せっかくのうさ耳なのに、顔が完全に中年ババアだから、物凄く残念である。

飛ばされた先は、危険な場所だと言われていたキリン林だった。ルウ子は、いきなり牙だけの化け物に攻撃される。ホシ丸がいなかったらここで終了だったかもしれない。

電々丸と幽霊のヒラメキが合流した後、舞々子からの雨手紙が来たので、サラ以外の全員が揃った。フルホンは、今回の件を報告するため、ドードー組合に向かう。ドードー組合のトコトワ女史は、全知時計を所有しているので、何でも知っていた。

トコトワ女史は全てを知ってしまった事で、逆に身動きが取れない存在となっている。扉を開く事しか出来ないと言われ、ルウ子達は冒険に出発する事になる。

扉と繋がった場所は、プレアデス魚団だった。そこではドードーがたくさん働いていて、巨大シーラカンスが乗物になっていた。

一番大きなシーラカンスがルウ子の事を気に入ったので、ののノ野に運んでもらう。ののノ野にいる雨ふらしの力を借りて、雨ふる本屋を復活させるのである。

ののノ野には雨で出来た竜がたくさんいたが、一体がルウ子を気に入り中に入ったので、人間なのに雨ふらしになってしまった。一時的に雨ふらしとなったルウ子は、サラと同じ姿になって、囚われている妹と入れ替わった後、雨の力で雨ふる本屋を再生させる。
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雨ふる本屋

雨ふる本屋雨ふる本屋
(2008/11)
日向 理恵子

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いらっしゃいませ。ここは、あなただけの物語が見つかる本屋さん。こんな雨の日には、ほんとうの自分に出会えるかもしれません―。


ルウ子は母親に頼まれてお使いに行くが、帰る途中で雨が降って来たので図書館に入る。ルウ子は母親が病弱な妹のサラばかり構うのが気に入らない。サラに意地悪をしてやるつもりで、カタツムリをポケットに入れていた。

しかし、図書館の中でカタツムリが逃げ出してしまう。とてもカタツムリとは思えない速度で奥の方に逃げて行くのだが、追って行ったところ、おかしな通路から出られなくなってしまう。図書館の奥にそんな長い通路がはるはずもない。

元の場所に戻れなくなったルウ子は、雨ふる本屋に迷い込んでしまう。そこは狭間の世界で、雨ふる本屋の店主はドードー鳥だった。ドードー鳥のフルホンが短気ですぐ怒るのが気になる。ドードーの他には舞々子という女性店員もいるのだが、どうやらこの人は人間らしい。

舞々子は妖精使いなので、少しだけ普通の人間とは違う存在になっている。使役している妖精はシオリとセビョーシである。

雨ふる本屋は古本屋なのだが、店の中で雨が降っているのも普通ではないし、並んでいる本も普通ではない。忘れられた物語の種から本が出来るのだが、ほっぽり森で何か問題が起こっているらしく、まともな本が完成しなくなっている。

ほっぽり森は、忘れられた夢や物語が行き着く先らしい。人間の想像力を使わないと辿り着けないらしく、ルウ子がホシ丸という少年と共に、ほっぽり村に向かう事になった。ホシ丸は人の夢によって作られた青い鳥だった。

ルウ子が想像して造った汽車に乗り、ほっぽり森に到着するのだが、そこには夢を食べる獏がいた。しかし、物語を駄目にしているのは、獏ではなくて、自分が無くした未完成の物語を探している幽霊だった。ちなみに、幽霊はパックマンに出て来るモンスターのような形状なので怖くはなかった。

幽霊は自分の名前すら無くしてしまっていたので、自分の事をヒラメキと名付けるのだが、元は作家だったらしい。新作を書きかけのまま死んでしまったので、未完成となった物語を探して、ほっぽり森に漂着した物語を齧りまくっていた。齧られた物語の種は駄目になり、雨ふる本屋で物語として完成しなくなっていた。

ルウ子の物語も、この幽霊に齧られそうになった。ルウ子は、狂った幽霊から自分の物語を取り返さなくてはいけなくなる。

泣いた赤おに

4751528114泣いた赤おに
浜田 広介 つちだ のぶこ
あすなろ書房 2016-07-28

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教科書にも載っているあの不朽の名作が、新しい絵本に! みんなとなかよくなりたくて、おいしいお茶とお菓子を用意して待っていた赤鬼。だけど、やってきた村人は、赤鬼の姿を見ただけで逃げ出してしまいます。落ちこむ赤鬼に、友だち思いの青鬼が力をかしてくれたので、赤鬼には、人間の友だちがたくさんできました。ところが青鬼は、あの日わかれてから一度もたずねてこなくなりました。心配した赤鬼は、青鬼の家を訪ねることにしました。青鬼の家はしまっていたのですが、ふと、気がつくと……。


超有名な話であるが、すっかり記憶の彼方に消えてしまったので、図書館で借りて来た。「抜いた赤おに」などとネタで使用される程度の記憶だったが、そういばこんな話だったと、読み進めるうちに思い出した。

人間と仲良くした赤鬼がいたが、鬼だから怖がられて交流が出来ない。悩んでいると、仲の良い青鬼がやってきて、力を貸してくれるという。

青鬼が人間の村で暴れ、それを赤鬼がやっつけたら人間と仲良くなれるというが、それってマッチポンプ野郎ではないのか?(汗) 予定通り、人間の村までやってきた青鬼が暴れ始め、追いかけて来た赤鬼が追い払う事で、赤鬼は人間の味方だと認識される。

赤鬼の家には人間が遊びに来るようなるのだが、それ以来、青鬼は姿を見せなくなった。気になった赤鬼が、青鬼の家を訪ねてみると、そこには置手紙が……。

赤鬼の為に汚れ役を買って出て、しかも長い長い旅に出てしまった青鬼のために赤鬼は泣いた! 全米が泣いた! ……すまない、フォースの暗黒面に落ちた私は泣くことが出来なかったよ\(^o^)/

シンデレラ

430968002Xシンデレラ (せかいめいさくアニメえほん)
梯 有子 上北 ふたご
河出書房新社 2013-05-25

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プリキュア絵本もこれでコンプリートなはず。本当はプリキュアではなくて、プリキュアを描いている上北ふたごが絵を担当しているだけだが。

この「せかいめいさくアニメえほん」はたくさん出ているけど、上北ふたごが描いているプリキュア風の絵本は、大きなお友達も買うから、きっと他の話よりも売れている事だろう。

この物語を知らない人を探すのが困難なほどの超有名作品なので、内容については特に触れなくても大丈夫だと思う。カボチャの馬車のデザインは、白と金の組み合わせになっているのだが、エルミタージュ美術館の内装みたいなデザインでGJである。

何でガラスの靴をシンデレラ以外は履く事が出来なかったのか問題については、映画『シンデレラ』でも書いたけど、本人認証付きの魔法が付与されていたのだと思う。つまり、魔法の力により、所有者以外は履くことが出来ないようになっている。

王子が村娘と結婚出来た理由については、御伽話だからとしか言いようがないが。地球の歴史では中世から近代あたりで平民と結婚した王族って聞いた事が無いのだが、現代だと存在する事例なので、不可能でもないのだろう。

シンデレラに関しては、魔法が存在する時点で異世界だと思われるので、アラサー女子が異世界に迷い込んでイケメン王子にチヤホヤされる系のやり方と同じで、まずは公爵家などの養女となってから結婚したものと思われる。



これでコンプリートしたと思ったのに、かぐやひめがいた\(^o^)/
お客様~、お客様の中で、かぐやひめな方はいらっしゃいませんか?
なかなか売ってないっす(´・ω・`)

かえるのおうじ

4309680208かえるのおうじ (せかいめいさくアニメえほん)
「グリム童話」より 室井 ふみえ
河出書房新社 2014-09-24

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おひめさまは、泉へ落としたまりを拾ってもらうために、泉のかえると友だちになることを約束します。翌日、お城までやってきたかえるは、いやがるおひめさまに、さまざまな要求をしますが…。


これも胡散臭い話である。美しい王女がお気に入りの鞠を泉に落してしまうのだが、泉に住んでいた大きなカエルが拾ってきてくれる。その代償は、友達になる事だった。

まず、美しい王女という設定なのに、ソバカスが気になり過ぎて、あまり美しく見えない。そして、カエルは友達になりたいというのに、同じベッドで寝たいと要求するのも気持ち悪い。友達は、同じベッドで寝たりはしないんやで。女子高生同士なら、お泊り会で同じベッドに寝るという可能性はあるけど、男女で寝たらいかんだろう!

嫁になれという要求ならともかく、友達になりたいと言っていたのに、ベッドで寝ようとするのはやりすぎだと思う。もしかして、セフレになりたいという事だったのか?

さすがに、この要求には我慢できなかった王女であるが、カエルを壁に投げつけたところ、イケメン王子様になってしまう。急展開しすぎで、ついて行けない。

どうやら、イケメン王子は悪い魔女に魔法をかけられてカエルになってしまったらしいのだが、美女と野獣みたいに真実の愛で元に戻るのではなくて、壁に投げつけられたら元の姿に戻るというのが胡散臭い。そして、カエルだから嫌がっていたのに、イケメン王子なら構わないという王女も打算的すぎて醜い。

この後、イケメン王子の国に連れて行かれるところで終わるのだが、実はカエルに騙されているだけというB級ホラー的BAD ENDになるほうが、上手く纏るような気がするのだが。

うたのすきなかえるくん

4569686710うたのすきなかえるくん (とっておきのどうわ)
かこ さとし
PHP研究所 2007-01-25

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かえるくんは、びょうきのかえるちゃんにおはなをかってあげたいのに、おかねがありません…。かえるくん、どうするのかな?「だるまちゃん」シリーズ、『からすのパンやさん』の作者、かこさとし先生のかわいくてゆかいなお話。


かえるくんが病気のかえるちゃんのために頑張る話なのだが、前半は空回りしすぎ、後半はご都合主義すぎる。Amazonでは高評価だけど、個人的には微妙だった。

まず、かえるちゃんは病気で寝ているのだが、薬も買えなくてかえるくんに頼っている。カエルだから人権も無いのか? どうやら、カエルは病気になっても政府に助けてもらえないようである。まぁ、カエル人間が住んでいない何処かの島国でも似たようなものだから、仕方がないか。

かえるくんは貧乏なので、食費と薬代を稼ぐために路上ライブを行うが、誰も聞いてくれない。皿洗いのバイトをすれば、どんくさくて割ってしまい、クビになる。ギターを売って薬代にするが、かえるちゃんに歌を聞きたいと言われ、なんとかしなければならなくなる。

次の日、かえるくんは路上で靴の修理を始めるが、上手く行かずに怒られ、弁償させられる。えっ!? 靴の修理を舐めてるのか? 皿も洗えないような奴が、いきなり靴の修理をしようとしても上手く行くはずがないではないか。修行もせずに習得出来るのなら、誰も苦労はしないだろう。異世界物によくある能力強奪系のスキルで、靴の修理Lv10を獲得してきたほうが、まだ説得力がある。

お金も尽きたが、どこにも雇ってもらえずに困っていると、胡散臭いうしがえるに声をかけられる。夜中の仕事を頼まれるが、相手はギャングだった! 穴を掘って銀行の金を盗み出そうとしていたのだが、見張り番にされたかえるくんが裏切ったため、ギャング団は逮捕される。

電話が無かったので、通報するかわりに大声で歌を歌って知らせたところ、じろべえぬまオペラの指揮者からスカウトされる。お金持ちになったかえるくんは、薬とご馳走と花束とギターと自動車を買って、かえるちゃんのところに向かうのだが、向うから葬式の列が!?

使い捨て役とはいえ、何の面識もなかったかえるくんを見張り番にするなんて、ギャング団の計画が杜撰すぎる。ラストはハッピーエンドだったけど、ご都合主義的な展開など人生で一度も無かった我が身としては、胡散臭さしか感じる事しか出来ない。

夏への扉

4152090596夏への扉[新訳版]
ロバート・A・ハインライン 小尾芙佐
早川書房 2009-08-07

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ぼくが飼っている猫のピートは、冬になると“夏への扉”を探しはじめる。家にたくさんあるドアのどれかが夏に通じていると信じているからだ。そしてぼくもまた、ピートと同じように“夏への扉”を探していた。最愛の恋人と親友に裏切られ、仕事を失い、生命から二番目に大切な発明さえも奪われてしまったぼくの心が、真冬の空のように凍てついてしまったからだ。失意の日々を送っているぼくにも、ピートが信じる“夏への扉”は見つかるのだろうか。


かなり昔、ハインラインの最高傑作だと、ハインラインが大好きなSF者な方から渡されて読んだのだが、中身をほとんど覚えていないので、新訳版を図書館から借りて来た。無茶苦茶、面白かった気がしたのだが、かなり思い出補正が入りまくっていたようである。

主人公のダンは、ベルというクズ女の色香に惑わされ、会社を乗っ取られてしまう。親友のマイルズにも裏切られていた。さらに、冷凍睡眠で30年後の未来世界へ飛ばされてしまう。

飼い猫のピートを過去世界で失い、30年後に目覚めてみれば、自分が得るはずだった投資による利益も吹っ飛んでいて、ほぼ無一文に近い状態になっている。

このままならBAD ENDなのだが、軍が極秘で研究していたタイムマシンの存在を知り、過去に戻ろうとする。このタイムマシンは、机の引き出しから出て来る青い悪魔が所有するような高性能のものではなく、同じ質量のものを過去と未来へ飛ばすという、ギャンブル要素の高すぎる代物だった。

タイムマシン本体で好きな時代へ行けるのではなく、過去と未来どちらかに身一つで飛ばされるのである。ダンは主人公補正で行きたかった過去方向に飛ぶ事が出来たのだが、50%の確率だと、私が飛んだら絶対に未来にしか行けないと思う。

未来世界では、裏切り者のマイルズはすでに死んでいて、クズ女のベルは落ちぶれたババアになっているので、クマの着ぐるみで「ねえねえ、今どんな気持ち?」と言ってあげたくなる。ざまあwwwwwwとしか思えない。

過去世界で色々と仕込んで、まだ10歳だったマイルズの血の繋がらない娘と結婚する事に関しては、このロリコンめリア充爆発しろ! と言いたい。

かつて読んだ時は「無人島に持って行きます」レベルだったのに、再読すると普通の秀作SFくらいにしか思えなかったのは、私の人生の扉が夏へは繋がっていなかったからかもしれない。全ての扉が冬どころか、出口の無い重力井戸のような場所にしか繋がっていなかったよ。もう扉の向こうじゃなくて来世に期待するしかない\(^o^)/

ダンが未来世界をユートピア的に捉えているのも、上手くシンクロ出来なかった原因のひとつかな? 私にとって未来世界は、人類が爆発したらいいのにと思いたくなるようなディストピアでしかなかった。

カルタゴ戦争

カルタゴ戦争―265BC‐146BCポエニ戦争の軍隊 (オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)カルタゴ戦争―265BC‐146BCポエニ戦争の軍隊 (オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)
(2000/10)
テレンス ワイズ、リチャード フック 他

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フェニキア人によってチュニジアに築かれた都市カルタゴは、地中海の覇権をめぐり協和国ローマと激突する。265BCに勃発したカルタゴ戦争(ポエニ戦争)はカルタゴが滅亡する146BCまで3回にわたって行われた。本書は、当時のカルタゴおよび敵対するローマの軍事行動を中心に解説。両軍の部隊編成から装備、戦法にいたるまで、その効果とともに詳細に語られている。


世界史の授業ではローマの敵として軽く触れられる程度で、あまり詳しくは教えられないカルタゴ側視点も多いのが興味深い。当時の地図を見ると、地中海の島々はカルタゴが押さえており、東方でギリシアの拡大を阻止するだけなくイベリア半島まで版図に組み込んでいる。カルタゴは地中海世界をローマ帝国と二分する大勢力であり、支配権を巡って激突するのは必然だったのかもしれない。

最終的にカルタゴが滅ぼされるまで、3度も戦争が起こっているが、終始ローマが優勢だった訳ではなく、ローマ帝国が敗北している戦闘もある。ローマ側に運命の天秤が傾かなければ、全く違った歴史が展開されていた可能性もあるわけで、カルタゴ戦争は歴史の重要な転換点になっていると思う。

カルタゴは紀元前814年頃、パレスチナから渡ってきた人々によって、チュニジアに築かれた。テュロスが紀元前6世紀の前半にバビロニア王ネブカドネザルによって破壊されると、カルタゴが“地中海の女王”の座を得る。テュロスとシドンが建設した植民地がギリシアの脅威にさらされると、カルタゴがギリシアを抑え、シリチアや近隣の島々を植民地化した。

カルタゴはバレアレス諸島、スペイン、サルジニア、リビア、アルジェリアと植民地を拡大し、ジブラルタル海峡を越えてモロッコ、マウレタニア、セネガル、ギニア、マディラ諸島、カナリア諸島まで支配地域が広がった。

政治の実権は貴族が握っていたが、貴族の資格は血筋ではなく富にとって決められた。最高政務官(王)は毎年選挙によって選ばれた。一見すると先進的だが、実際は同じような人ばかり選ばれ、人民議会と元老院が対立した事が、カルタゴ没落の原因のひとつとなった。

シチリア島の支配権をめぐってローマとの戦争が始まるが、優勢だったカルタゴが油断して海軍を縮小したため、再建されたローマ艦隊に敗れる事となり、第一次ポエニ戦争は終結する。

ハンニバルがイベリア半島を制圧し、ローマの同盟都市サグントゥムを陥落させた事で、第二次ポエニ戦争が始まる。ハンニバルは5万の兵と37頭の戦象を連れてアルプスを越え、イタリアに進軍。紀元前216年のカンネーの戦いでローマ軍を完敗させるが、日和見の立場を取った愚かな本国のせいで、連携も取れずに膠着状態が続く。

ローマがハンニバルとの決戦を避け、カルタゴ本国に侵攻するという作戦を取ったため、ハンニバルは本国に召還されてしまう。結果、第二次ポエニ戦争もカルタゴの敗北で終わる。国の上層部が馬鹿だと、勝てる戦争も負けてしまうという良い例である。

カルタゴには賠償金が課せられたが、貿易によって経済的繁栄を取り返してくると、ローマ至上主義者のマルクス・カトーなど、主戦派の力が増し、完全に滅ぼされる事となる。ローマ軍によって完全に破壊されたため、現存するカルタゴ遺跡はカエサルが再建させた植民地時代以降のものである。

三びきのやぎのがらがらどん

三びきのやぎのがらがらどん―ノルウェーの昔話 (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)三びきのやぎのがらがらどん―ノルウェーの昔話 (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
(1965/07)
不明

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橋の向こう側の山で、たくさん草を食べようと考えた3匹のヤギ。小さなヤギ、中ぐらいのヤギ、大きなヤギ、みんな名前は「がらがらどん」。橋をわたっている途中に谷に住むトロル(おに)にでくわしてしまいます。小さなヤギの機転によって、小さなヤギと中くらいのヤギはトロルから逃げて橋をわたることができました。とうとう、一番大きくて強いヤギがトロルに勝負を挑みます。3匹のヤギは無事に橋をわたることができるのでしょうか?


かなり有名な作品なので、読んだ事のある人は多いだろう。私も小さい頃に読んだだけだったのだが、トロルがバラバラになるシーンが強烈すぎて、河出書房新社の奇想コレクションで出ているアヴラム・デイヴィッドスンの『どんがらがん』を「がらがらどん」と空目しそうになるくらい、記憶の底にこびりついていた。

当時は橋の下に住んでいるトロルが何なのかサッパリ分からず、親に聞いてもやはり分からず、正体不明の巨大な化け物でしかなかった。元々は妖精らしいのだが、『指輪物語』やテーブルトークRPGの影響なのか、だんだん頭の悪い狂暴な巨人になってしまい、今ではコンピューターRPGに出て来る、物理攻撃力が強くてデカい奴というイメージが強くなってしまった。ドラクエしかしない人だと、緑色でタラコ唇のモンスターというイメージが追加されるかもしれない。

神話や伝承で、もともとそういう存在だったのか、後で勝手に誰かが加えたのか分からないけど、日光に弱かったり、再生能力が高かったり、火に弱かったりする設定が多い。

がらがらどんは、小さい山羊と、普通の山羊と、大きな山羊である。草を食べるため、橋を渡ろうとするのだが、橋の下にはトロルが住んでいて、がらがらどんを食べようとする。小さい山羊を食べようとしたら、二番目のがらがらどんが来るから食べないでくれと言う。

もっと大きいのが来るならと、食べずに済ませるトロルが理解出来ない。小さいほうが美味しいだろう? 若しくは、両方食べたら良いのではないか? もう少し太らせて、成長してから食べてやろうという描写でもあれば納得出来るのだが、何で通してしまうのか謎である。二番目のがらがらどんが来た時も、後で大きいのが来ると言われて、同じように食べずに通してしまう。

最後に現れたがらがらどんは大きくて強かった。トロルはがらがらどんを食べるどころか、目玉を串刺しにされ、肉も骨も木っ端みじんにされて谷に落されてしまう。一体、どんな攻撃をすれば、ここまでバラバラになるのか謎過ぎる。私が知る限り、こんな事になるのは南斗水鳥拳か泰山天狼拳で攻撃された時くらいである。少なくとも北斗神拳では、このような綺麗な肉塊にはならない。

『ダンジョンズ&ドラゴンズ』をプレイしたり、『指輪物語』を観た事のある人なら、トロルがどれだけ強いか知っているだろう。絶対に、山羊なんかが勝てる相手ではない。がらがらどんは、山羊の姿をしてはいるが、中身は違う何かだと思う。もしかして、千匹の仔を孕みし森の黒山羊が産み落とした黒き仔山羊じゃないのか?


子供の頃は、トロルはがらがらどんを食べようとする悪い奴だから、倒されても仕方がないと思っていたが、改めて読むと、脅迫しているだけで、実際に食べた訳ではない。そして、大きながらがらどんの先制攻撃で殺されているのである。これは日本だったら過剰防衛どころか殺人である。

住む家が無くて橋の下に住んでいる人が、橋の上を通る上級国民の子を脅したら、逆に殺されてしまったという場面を想像すると、トロルが可哀想すぎて涙が止まらない。全米が泣いた!

ももたろう

4309680038ももたろう (せかいめいさくアニメえほん)
池田 哲也 菅野 翔平
河出書房新社 2013-05-25

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豚の話なんかよりも遥かに胡散臭いのが、こいつである。桃から生まれた男子が成長して、鬼を殲滅して金銀財宝を強奪する話であるにも関わらず、めでたしめでたしとなる、某島国の人間なら誰でも知っているであろう昔話である。

鬼が一体、何をしたのか。鬼退治に出かける前に、鬼の悪逆非道ぶりを書いておく必要があると思う。鬼は何もしていないにも関わらず、ただ鬼であるという理由だけで、殺されて資産を奪われても構わない存在なのである。

これは差別ではないか。鬼の部分をインディアン、インディオ、ユダヤ人、黒人、有色人種などに置き換えると、世界の歴史の暗黒面がよく見えて来るではないか。

そう思って読み始めたところ、最初のほうに鬼の悪逆非道ぶりが描かれていた\(^o^)/ どうやら、最近の桃太郎では、鬼は退治されるだけの大義名分を敵に与えてしまっているらしい。昔の桃太郎では、この部分は無かったよね?

鬼が退治されるだけの悪者になっているのはともかく、自分達で生産した品ではなく、近隣の村から強奪したものならば、本来の持ち主に返すのが筋ではなかろうか。何で桃太郎が自分の物にしているのか謎である。これでは悪者から強奪する別の悪者にしか思えないのだが。

あと、きびだんごだけで部下を酷使するのもどうかと思う。思いっきりブラックな職場ではないか!

急募
鬼を退治するだけの簡単なお仕事
アットホームな職場です
美味しいきびだんごが支給されます
(時間外労働あり、残業手当なし、労災保険無し、給料はきびだんごで支給されます)


おい! 犬と猿と雉は思いっきりブラック社長に騙されているぞ!

犬:「きびだんご美味い」
猿:「きびだんご美味い」
雉:「きびだんご美味い」
桃:(きびだんご食って24時間死ぬまで戦え!)