いもうと新体操

4829657227いもうと新体操 (美少女文庫)
河里 一伸
フランス書院 2004-03-01

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「七瀬紗耶香、いきます!」宙にリボンが舞いあがり、レオタードの少女が演技をはじめる。最愛の兄に自分の想いを伝える復帰戦。処女を捧げた夜も、初めて快感を覚えた日も、この瞬間を思い描いていた。「見てて、お兄ちゃん、紗耶香こんなに綺麗になったの」


七瀬慎一の妹は、親同士が再婚した時の連れ子なので、血が繋がらない妹である。新体操を頑張ってきた七瀬紗耶香だったが、子猫を助けようとして交通事故に遭う。怪我からは回復したものの、紗耶香は新体操を止めてしまった。

ある日、紗耶香のもとに、新体操の大会で優勝した年下の金髪ツインテールが押し掛けてくる。自分と勝負しろと言うのだが、紗耶香は新体操を止めた事は知らなかった。

家まで押しかけてきて、そのまま居候状態になる葉桜弥生だったが、ちょっと七瀬慎一に優しくされただけで好きになってしまう。その日の夜に部屋まで来て、イケナイ関係になってしまうのだが、チョロインすぎるだろう。そして、弥生の母親に責任を持って預かるかのような事を言っておいて、速攻で手を出すなんて、あまりにもチンコ脳すぎる。

前半は弥生のほうが頑張りすぎて、妹のほうが可哀想な事になっているのだが、やはり血の繋がらない妹は最強だった。某有名ギャルゲーのアニメ版でも、金髪ツインテールが血の繋がらない妹に負けたからなぁ。押しかけヒロインと妹はともかく、主人公がチンコ脳のヤリチンなのには腹が立った。
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お嬢様ハーレム

4829658061お嬢様ハーレム―姉妹とメイドと執事のボク (美少女文庫)
上原 りょう
フランス書院 2007-02-01

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高飛車で素直じゃない沙姫様(16)、おっとり系お姉さんの静乃様(18)。お嬢様姉妹ふたりを執事のボクが独占エッチできるだなんて!メイド長・耀子さん(18)や女執事の巽美(15)までボクに夢中。4対1でご奉仕競争、みんなで絶頂!ここは夢のような逆転ハーレム。


昇の父親は大手商社の経営者だったが、業績が悪化したため、幼馴染だった朱雀大路家に助けを求める。無担保で資金を借りるには額が大きすぎるという事で、なぜか息子の昇を朱雀大路家に担保として預けてしまう。

そのまま居候状態でいれば良いものを、執事見習いになってしまう。朱雀大路の豪邸には、おっとり系お姉さんの静乃と、高飛車お嬢様な沙姫がいた。年上のお姉さんはおっとりなはずが、意外にも肉食女子だったので、昇はアッサリといただかれてしまう。

素直になれない金髪ツインテールなツンデレのほうが嫉妬するのだが、お嬢様に手を出した事に怒ったメイド長の耀子や、女執事の巽美にまでイロイロとされてしまう。お仕置きとして女装メイドプレイを強要されるのがGJである。

本命はツンデレであり、自分が知らない間に許嫁として決められているのだが、主人公が鈍感すぎて全く気付かない。長女を差し置いて妹のほうが許嫁なのが謎だが、長女のほうが婿を取って朱雀大路を継ぎ、ツンデレのほうが長尾家に嫁に来るよう、親同士の取り決めがされていたのかもしれない。

結婚する相手はツンデレなのに、お姉ちゃんやメイド長や女執事が参戦したままハーレム状態で終わるので、色々と大変そうだ。

トリュフの歴史

4562054107トリュフの歴史 (「食」の図書館)
ザッカリー ノワク Zachary Nowak
原書房 2017-10-20

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かつて「蛮族の食べ物」とされたグロテスクなキノコは、いかに世界のグルメ垂涎の的となったのか。文化・歴史・科学等の幅広い観点から、多くの顔を持つトリュフの謎に迫る。フランス・イタリア以外の世界のトリュフも取り上げる。


トリュフは落雷の後に生えてくる、根も持たずに枯れない、訳のわからない植物だった。今では、これが植物ではなく、キノコの一種であり、菌類の子実体である事が分かっている。子実体の大半は地上で繁殖するが、トリュフは地下で繁殖する。

すっかり勝ち組の食べ物となった高級食材のトリュフであるが、かつては媚薬になるとか、脳卒中になると信じられていた事もある。ローマ帝国時代でも砂漠のトリュフが流通していたようだが、これは森林地帯のトリュフとはかなり違うようである。

フランス産のトリュフが高すぎるから高級品のイメージが強いが、アフリカ北岸や中近東だけでなく、北米や中国にもトリュフは存在する。欧州のものと比べて風味に劣るのは、土壌の違いではなく、遺伝子が違う事が原因のようである。

トリュフといえば、豚に探させるイメージが強いが、現在では犬に探させている。豚は見つけたトリュフを食べたがるが、犬は他のご褒美をあげれば満足するからである。移動させるにも、訓練させるにも、犬のほうが都合が良い。中世では、豚が森林で放牧されていた。放し飼い状態の豚がトリュフを見つけて食べるのを、豚飼いが知り、自分達も食べるようになったのだろう。

現在では、高級トリュフの収穫量が減っている。世界大戦でトリュフハンターが死んで技術が失われたり、農村部の人口が減ったり、最近の気候変動など、様々な原因が考えられるが、1/10くらいに減少しているので、高騰しても仕方がないだろう。逆に、新世界で発見されたり、人工的な環境でトリュフを作る事には成功しているので、高級な香りに期待しなければ、それなりの価格で入手することが可能である。

長年、雷が落ちるとトリュフが生えると信じられてきたが、この嘘くさい話が事実である可能性が高くなっている事に驚いた。トリュフの菌糸が宿主のために吸収する栄養素のなかに硝酸塩がある。これは植物の成長やトリュフの胞子の生成に欠かせない窒素化合物である。

落雷による放電で窒素の結びつきが崩壊し、植物がより吸収しやすい硝酸塩などの窒素化合物が作られる。窒素化合物は水分子と結びついて地上に降り注ぎ、天然の肥料となるのである。具体的に何が起こっているのか理解は出来なくても、過去の人々は雷が落ちるとトリュフの収穫量が増えるという事を知っていたのだろう。

トウガラシの歴史

4562054085トウガラシの歴史 (「食」の図書館)
ヘザー・アーント アンダーソン Heather Arndt Anderson
原書房 2017-08-22

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マイルドなものから激辛まで数百種類。メソアメリカで数千年にわたり栽培されてきたトウガラシが、スペイン人探検家によってヨーロッパに伝わり、世界中の料理に「なくてはならない」存在になるまでの物語。


トウガラシは中南米原産の食物で、大航海時代以降、世界中に広まっていった。辛いイメージの食物だが、ナス科の植物であり、ハバネロみたいな暴君級の激辛なやつから、パプリカのような甘いものまで、幅広く存在している。

トウガラシに辛みをもたらすのは、結晶性化合物のカプサイシンである。トウガラシの辛さはスコヴィル値で表される。これはトウガラシを砂糖水に溶かし、辛みが感じられなくなるまで薄めたときの稀釈倍率である(単位はSHU)。青ピーマンは0、ハラペーニョは2000~8000、ブート・ジョロキアは80万SHUもある。ちなみに純カプサイシンだと1600万SHUである。

レシニフェラトキシン 160億 ←化学やけどを引き起こす毒素
純カプサイシン 1600万
警察官用トウガラシスプレー 530万
一般用トウガラシスプレー 200万
キャロライナ・リーパー 220万 ←キャロライナの死神
トリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラー 146万3700
ハバネロ 35万

以前、ついうっかり食べて死にそうになったハバネロが、こんなに低いだと!? キャロライナの死神は武器と同じレベルで、もう色々とおかしい。トウガラシは中南米で薬としても使用されてきたのだが、ひたすら辛くしていくと、武器として使用出来るレベルの、恐ろしい何かになってしまう。

コロンブスが新大陸に到達した後、トウガラシを持ち帰って来たが、最初は修道士が買入れ、観賞用として栽培したらしい。ヨーロッパで出回ったジャガイモやトマトが、毒性の強いものばかりだったので、トウガラシも警戒されていた。トウガラシはイベリア半島に上陸した後、オスマン帝国を経由して、短期間でアジアやアフリカに広がった。

トウガラシが食卓に出されるようになるまでは、数世紀を要したが、南国でしか育たない他の香辛料と比べて、トウガラシは欧州の気候にも耐えられた。誰にでも手に入れられるようになったため、上流階級には受け入れられなかったが、農民にとっては食生活を豊かにしてくれる、有難い食べ物となった。

欧州でトウガラシが定着するのに何世紀もかかっているのに対して、アジアでは早くから受け入れられているのは、他のナス科の植物を知っていたからかもしれない。

ホットドッグの歴史

4562054077ホットドッグの歴史 (「食」の図書館)
ブルース クレイグ Bruce Kraig
原書房 2017-07-20

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ドイツからの移民が持ち込んだソーセージをパンにはさむ――この素朴な料理はなぜアメリカのソウルフードにまでなったのか。歴史、作り方と売り方、名前の由来、世界中のさまざまなバリエーションほか、ホットドッグのすべて!


柑橘系みたいに品種改良されつつ何千年もかけて世界各地に伝わったり、大航海時代の後、一気に広がった新世界の食べ物とは異なり、ホットドッグは最近出来た食べ物だから、このシリーズの他の食べ物とは違って、あまり「歴史」っぽくない。

ホットドッグはパンにソーセージを挟んだものであるが、ソーセージのような加工肉自体は2万年前の後期旧石器時代には、すでに存在していたらしい。

ドイツ系の移民が増えると、ソーセージも新大陸に渡ってきたが、アメリカでは南北戦争の後、機械化が進み、加工肉が大量生産されるようになる。ホットドッグは、1901年4月のある寒い日に、野球場で誕生したという事になっている。寒さに震える観客に温かい食べ物を提供するために、突然閃いたらしい。残念ながら、このホットドッグ神話は、世界各地に残る大半の神話と同じく、事実とは異なるようだが。

使用されたソーセージがダックスフントのように長細い事からホットドッグと呼ばれるようになったらしいが、当時は犬の肉を使用していると信じている人もいたようである。犬牧場が無いのだから、犬の肉で大量にホットドッグを生産するのは難しいと思う。ミミズバーガーを信じている人と戦えそうなレベルである。

ホットドッグは全米各地で進化したため、他の地域の味付けは受け入れられなくなっているようである。ニューヨークの大手チェーン店がシカゴに進出しようとして失敗している。フロリダには東海岸と西側で違いが出て、ホットドッグの分離帯が形成されている。

アメリカで生まれたホットドッグは世界に広がっていくが、韓国ではアメリカ並みに店舗が増えているのに対して、同じ親米国家の日本でホットドッグ文化が広がっていないのが謎である。ハンバーガー・チェーンはたくさんあるのに、なんでホットドッグは日本で人気者になれなかったのか。

海藻の歴史

4562054131海藻の歴史 (「食」の図書館)
カオリ オコナー Kaori O’Connor
原書房 2018-01-22

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欧米では長く日の当たらない存在だったが、スーパーフードとしていま世界中から注目される海藻…世界各地のすぐれた海藻料理、海藻食文化の豊かな歴史をたどる。日本の海藻については一章をさいて詳述。


まず、海藻が植物ではないと言われて驚いたのだが、どうやら大人の事情で分類が変わったらしい。海藻が植物だと思っている人は、高確率でおっさんかおばさんである。おっさんやおばさんが子供の頃は、海藻は植物だったから。

海藻は生命維持に必要となる重要なタンパク質が大量に含まれているスーパーフードであるが、ユーラシア大陸の東と西で扱いが違いすぎて面白い。日本人は毎朝食べてもおかしくないレベルの食品であるが、イギリス人は「え? あんなもの食べるの? あれは貧乏人の食べ物でしょ?」みたいな扱いになっているではないか。

イギリスのすぐ近くのアイルランドでは食べ物らしいが、ここはイギリス様にヒャッハーされまくって、虐げられてきた貧乏地帯だからなぁ。ジャガイモ絡みでイギリス人に見殺しにされた時は、海岸で海藻を拾って耐えたらしいし。

海藻は、人類のグレート・ジャーニーにも関係しているようである。チリ南部の遺跡で、大量の海藻が発見された事から、定説とは異なる、シーフードを利用しながら沿岸部を移動した人々がいた事がわかってきた。

北太平洋の長々と続くケルプ・ハイウェイの東端に位置する日本では、土器に残留していた海藻から、1万2700年前に作られたものだと判明した。メソポタミア文明よりも日本のほうが進んでいたのか!?

西のほうでは海に生えている変な草扱いされがちだが、東洋では特権階級しか食べる事が出来ない高級食材だったりするのも面白い。中国は、海岸部分は多いのだが、温暖なため、あまり海藻を作るのには適していなかったらしく、5世紀頃は北海道(まだ日本じゃない)から輸入したりしている。

最も有名な海苔は将軍も食べているし、17世紀頃から養殖されているが、上手く生育出来るようになったのは、イギリス人藻類学者のキャスリーン・ドゥルー=ベイカー博士が繁殖サイクルを解明した後である。日本人が研究結果を知ったのは第二次世界大戦後だった。

ハワイ王国は男尊女卑であり、身分を問わず女性が豚、ココナッツ、ウミガメ、バナナ、高級魚などを食べる事を禁止されていた。女性が食べても良い数少ない食べ物のひとつが海藻だった。身分問わずという事は、王女でも美味いものは食べられないのか。王女が底辺のおっさんよりも貧しい食生活とか、目から汗が出そうだ。

今まで知らなかったけど、こんな裏事情を書かれると、ハワイ王国は滅びて正解だったのではないかと思えて来る。アメリカは男女平等で、お金の力でどんな願いでも叶えてくれるからね。

人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか(ブルーバックス2004)

4065020042人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか (ブルーバックス)
中川 毅
講談社 2017-02-15

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現代とはまるで似ていない気候激変の時代を生き延びてきた人類。福井県の水月湖に堆積する「年縞」。何万年も前の出来事を年輪のように1年刻みで記録し、現在、年代測定の世界標準となっている。その年縞が明らかにしたのが、現代の温暖化を遙かにしのぐ「激変する気候」だった。過去の精密な記録から気候変動のメカニズムに迫り、人類史のスケールで現代を見つめなおす。


2017年講談社科学出版賞受賞作。

10万年間の気候変動に関する地球の歴史について書かれた本かと思って借りてきたのだが、過去を研究するための手法を取り上げている、ほぼ現代の話だった。

大半は人類史よりも古い時代だから、文献など残っていないので、氷河を削ったり、海底や湖底の沈んだ堆積物を取り出して調査して行く。土砂が流れ込んだり、動物がかき回したりすると、他の年代の地層が混ざってしまうので、かなり限定された条件でないと、資料として使える年縞を採取する事は出来ない。

幸い、日本の水月湖は、手前に三方湖があるため、土砂が流れ込む事もなく、湖底に酸素が無いために動物がかき回す事も無かった。結果、水月湖には堆積物が年代ごとに地層のように積み重なる年縞が7万年分も形成された。

この年縞と呼ばれる地層を掘り出して調査するのだが、かなり地味で手間がかかる作業である。過去には、数年で平均気温が7度も上昇するような時期があった。人類の歴史が始まって以来、これほど急速に気温が上昇した事は無いが、これは東京が那覇くらい暑くなってしまう程の変動である。

気候変動の周期に法則性があるかについては意見の分かれるところであるが、ミランコビッチ・サイクルには説得力がある。歳差運動などによる日射量の変化だけでなく、火山の噴火や太陽の活動による影響など、気候変動には他の要因も絡んでくるのだろうが。

ミランコビッチ・サイクル(Milankovitch cycle)とは、地球の公転軌道の離心率の周期的変化、自転軸の傾きの周期的変化、自転軸の歳差運動という3つの要因により、日射量が変動する周期である。(wikiより)

戦国小町苦労譚 2

4803009236戦国小町苦労譚 二、天下布武 (アース・スターノベル)
夾竹桃 平沢下戸
泰文堂 2016-05-14

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タイムスリップから約2年−−相変わらず農業に明け暮れる静子だったが、信長から「弓勝負」を持ちかけられたのをきっかけに、クロスボウを増産したり、村の拡大を機に戸籍まで作成することに。そして例のアレの生成に成功し、軍事的支援も! ? そんな中、信長はついに稲葉山城を攻め落とす。なぜか迷い込んできた本多忠勝や、同じくなぜか面倒を見ることになった前田慶次、濃姫まで絡んできて、より一層歴史の渦に巻き込まれていく静子の運命に刮目あれ!


お正月になった。村人と新年を祝っていると、伝令が来たので、三成のお茶の応用で、温いものと熱いものを用意させた。新年に慰労の宴会を開くので、静子も城に来るようにとの事だった。

翌日、静子が城に向かうと、用意されたのは、やたらと信長に近い席であった。隣には森可成がいるし、反対側には滝川一益がいる。近くには柴田勝家、丹羽長秀など、織田の重臣ばかりである。そんな場所にいては落ち着かないのだが、席替えを希望する事も出来ない。

さらに、信長に弓勝負を命じられる。信長の和弓と、静子のクロスボウで勝負する事になる。クロスボウは静子の細腕でも扱える程なのに、用意された的を貫通するほどの威力があった。勝負が終わった後、信長の和弓を引くよう命じられるが、静子の力では使う事が出来なかった。

信長はクロスボウを借りると、量産するよう命じ、森可成や嫡男の奇妙丸には、静子が知っている南蛮の兵法を聞き出すよう命じた。

ある日、椎茸栽培の山に侵入者がいる事が発覚した。静子はオオカミの一匹を援軍を呼ぶために戻し、栽培場所に向かうのだが、そこに居たのは馬に逃げられて山中で迷子になっていた本多忠勝だった! 信長は徳川と面倒な事になりたくないので、有耶無耶に済ませるのだが、忠勝が静子に惚れてしまい、面倒な事になる。これでは、歴史が小さく変わってしまうのではないか。

静子は三河の綿花が欲しかったが、上手い具合に本多忠勝がプレゼントとして花を持って来てくれた事から、織田と徳川が共同で栽培するという流れになる。

静子の村では、とうもろこし、ニラ、かぼちゃ、ナス、トマト、大根、ネギ、レタス、里芋、小松菜、金時ニンジン、カブの12種類が育てられていた。軍需物資は米、大豆、椎茸、蜂蜜、サトウキビ。非常食として薩摩芋。さらには独自の養鶏場で鶏肉と卵。油となる菜種と疲労回復に効く玉ねぎ。100人程度の村では、この辺りで限界だった。

奇妙丸は、茶丸という偽名で、静子のところに出入りするようになっていた。織田の血縁であるとは聞かされていたものの、正体が織田家の嫡男である事は知らない。もしも静子が天下を狙うなら、どのようにするかと聞かれて、畿内と京を押さえて帝の権威を上げ、征夷大将軍に任命されるようにするなど、色々な方法を答えるのだが、まさかそのまま信長に伝わってしまうとは思っていない。

信長には、様々な兵法が情報として入って来ていたが、武田の甲陽軍鑑まで含まれていた。酒で酔っぱらった静子が奇妙丸に教えてしまったらしい。さらに、武田信玄が不治の病を患っており、持ってあと6~7年だという未来の情報まで含まれていた。何で武田の重臣すら知らない事を、静子が知っているのかについては謎であった。

信長は静子の村の周囲を自分の手の者で固めて防衛する事で、間者が入れない状態にしようとし始めた。生産拠点も分散して、リスクを低下させる。全ての村を一つの施設と見なして、税を言い渡す事になった。

信長が出した最低ラインは、米500俵(俵1つ30kg、合計15トン)大豆800貫(約3トン)、黒砂糖8貫(約30kg)である。それ以上生産しても、5割は信長に納めなくてはいけないが、薩摩芋やかぼちゃなどの野菜類と、鶏卵は非課税となった。

ただの村だったのに、周囲は堀で囲まれ、出入り口は信長の兵が警備するようになった。そして、静子の家の隣には信長の別荘まで出来てしまった。

静子だけが新技術を知っている状況だと、敵勢力に暗殺されかねないので、知識を広めて底上げしようと考える。織田家の農民全てが農業技術を習得してしまえば、静子を狙っても意味がなくなるからである。

静子は、割り当てられた作物に関連して麻町、味噌町、蜜町、茸町などの住所をつけ、自分のいる村は元町と名付けた。住所を作り、そこから戸籍を作ろうとしていた。戸籍があれば、怪しい者が紛れ込む事が難しくなる。

いつも遊びに来ていた茶丸が熱っぽい状態で帰ってから、全く遊びに来なくなってしまった。暫くして、静子は奇妙丸の教育係に呼ばれるのだが、病で寝込んでいる茶丸と見て、相手が信長の嫡男だと知る。弱気になっている奇妙丸に手刀を入れると、現代知識を活かした療法で治してしまった。その頃、信長は美濃で稲葉山城を攻略していた。

信長は、すでに静子が南蛮人だとは思っていなかった。他の家臣などに知られると頭がおかしくなったと思われるので黙っていたが、静子がこの世界のものではないと気づいていた。静子は問い出され、覚悟を決めるのだが、正体がある程度バレてしまった後は、恐ろしい勢いで質問攻めにあってしまう。

静子は織田家相談役という、よく分からない役職に任命されてしまうのだが、その後は2ヵ月近く、何の音沙汰も無かった。次の命令は黒板とチョークではないかと思った静子は、耐火煉瓦が必要な事に気づく。耐火煉瓦を造るために耐火煉瓦が必要だという厄介な事になりかけるが、最初は耐火煉瓦を造るための窯が必要だった。

まずは粘土を造るための土練機が必要だったが、試行錯誤しながら組み立てて行く。実験を重ねながら耐火煉瓦まで完成させるが、これが鋼を精錬可能となる高炉への転用可能な戦略的資源である事については失念している。

森可成が、静子の馬廻衆となる者を連れて来るのだが、配下となったのは前田慶次と可児才蔵と森長可だった。森長可は手の付けられない悪ガキだったのだが、静子相手では、今までの常識は全く通用しなかった。最初は反発していたものの、鶏を食おうとしてオオカミに追いかけられたり、助けて貰おうと静子の部屋に行くと、寝ぼけた静子に朝までプロレス技をかけられたりするうち、大人しくなった。

収穫の季節になると、村の数が増えた事もあり、静子が納める米などの量は恐ろしいほどに増えた。他の生産物も、全て信長が買い取って他の商人に転売する仕組みにしたので、どんどん金が転がり込んで来るようになる。とはいっても、戦国の世で静子が買うようなものも無いので、馬廻衆にボーナスを支給する。

ちなみに、信長が出した最低ラインは、米500俵(俵1つ30kg、合計15トン)大豆800貫(約3トン)、黒砂糖8貫(約30kg)であったが、静子が収穫したのは、米6059俵、大豆122.7トン、黒砂糖400トンだった。

静子のところに、織田家に出入りして儲けている久治郎という胡散臭そうな商人がやって来る。久治郎が石ころを売りつけようとしたところ、静子が言い値で買うので前田慶次たちは驚く。その石は、江戸時代になってから掘り出される、磁器の原料となるものだった。

久治郎はもうひとつ、謎の商品を静子に売るのだが、それは現代人が使用していたバッグだった。どうやら、自分以外にもタイムスリップしてしまった人物がいるらしい。バッグの中に入っていた苗木の中から、無事だったものを栽培に回す事にする。

信長から大規模塩田作成と、町民の移住命令が来る。技術力を持った者を他所に移住させる事で、将来的には収穫が増えると言われ、静子も納得する。

大規模塩田のほうは、作業を命じられていた村民が、塩専属では心配だと訴えていたため、静子が漁業まで教える事になってしまった。集められた村人は、川魚しか知らなかったので、獲り方だけでなく、調理方法まで教えないといけなかった。

綿花栽培は、徳川方が警戒したので、少しずつしか進まなかったが、黒色火薬の件は、ついに生産する事が出来た。他にも竹素材による日用品の量産や、陶磁器の製作などが始まり、どんどん織田家の技術チートが進んで行く。

戦国小町苦労譚 1

4803008590戦国小町苦労譚 一、邂逅の刻 (アース・スターノベル)
夾竹桃 平沢下戸
泰文堂 2016-01-15

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「山道を抜けたらそこは戦国時代でした」ばりに唐突に現れたのは、憧れの織田信長。主人公・静子はこの時代で生き抜くために「農業で才を示す」約束を信長にしてしまう。寂れた農村を与えられ、来る日も来る日も農業に明け暮れる静子だったが、やがて本人も気づかないうちに、信長にとってなくてはならない存在=重臣にまで上り詰めてしまってーー


綾小路静子は、歴史上の人物と出会えたらどうなるだろうかと妄想するような女子高生だった。そして、普通ならば妄想だけで終わるところ、いろいろと妄想ノートに書きつけるような人物だった。勿論、実際にそのような事は起こらないはずだったのだが……。

祖父の農作業を手伝い、姉から頼まれたミリタリー物の分厚い本を躱された帰り道、何が起こったのか、目の前には織田信長がいた。綾小路静子は、知らない間にタイムスリップに巻き込まれ、1565年3月の過去世界に来ていたのである。

幸い、織田信長は新しい物に興味を示す男だった。わけの分からない相手を、いきなり斬り捨てるような事はしなかった。目の前の珍妙な恰好の女子は、南蛮人であると考えた。間者にしては間抜けすぎる。何処から来たのか分からないが、召し抱えれば、きっと南蛮技術を得る事が出来るに違いないと信長は考えた。

信長はそのまま通り過ぎようとするが、綾小路静子は保護を求める。信長にとって何の得があるのか問われたので、一生懸命考えた結果、農業が出来るというアピールをする。綾小路静子はその辺に転がっているようなただの女子高生ではなく、農業高校で学んでおり、祖父の手伝いもしていたので、かなりのチート農業を行う事が可能であった。

祖父から貰ったカボチャの種、スイートコーンの種、トマトの種、小松菜の種、辛玉ねぎの種、サトウキビの定植苗、紅あずま、安納芋、玉豊の薩摩芋3品種を偶々持ち帰る途中だったのは幸いだった。

信長に連れて来られたのは、年貢もまともに納める事が出来ないような、荒れ果てた農村だった。この村に指定の年貢の量を納めさせる事が、綾小路静子に課せられた使命だった。

信長の命令で、村人達は綾小路静子に従わなくてはいけなくなるのだが、村や畑を視察したところ、川に向かって土地が傾いているので、雨が降ると土の栄養が流れてしまう事が分かった。静子は、まずは堆肥を作る事にした。

女の子が村長になるという異常事態だったが、失敗すれば村人は信長に殺されてしまうので、反発する者はいなかった。静子は班分けをして、甲班に土壌整備、乙班に木材集め、平班と丁班に堆肥作りをさせる。

荒れ果てた畑を全て復活させるのは無理なので、被害が比較的少ない畑に集中する事にした。まずは薩摩芋だが、菅野式若苗萎れ定植という植え付け方を採用する。畝を作って、増やした苗を植え付けていくのだが、村人は畝も知らなかった。

静子は現代人なので、風呂に入れない事が辛かったが、村長の家の裏にある崖に小さな穴があり、そこから水が流れ出ているのに気づいた。触れてみると、妙に暖かい。運の良い事に、それは温泉の元だった。

村人に穴を広げさせ、お湯を貯める場所を作らせ、石や木炭、川砂、砂利を混ぜてろ過器を設置する。そして、元村長の家があった場所は、温泉に変えられてしまった。

静子が温泉を作ったという知らせは、すぐに信長にも届いたらしく、温泉に入りに来てしまう。温泉に入った事の無い信長を案内した静子は、全身を洗わされる事になってしまった。ついうっかり、武田信玄の隠し湯の話などをしてしまったため、信長に睨まれてしまう。あまりにも色々と知り過ぎている。信長みたいな革新的な男でなかったら、危険人物として斬られてもおかしくない程であった。

静子は信長に見捨てられないよう必死だったので、城に呼ばれた時、日本地図本を献上するのだが、これは戦後時代の何処にも存在しないものであった。

静子が来てから数か月。畑は順調に回復していたが、そろそろ獣害が問題になりそうである。静子は、鹿対策にテキサスゲートとトラバサミを仕掛ける。捕まった鹿は、村人たちが美味しく頂く予定である。静子が率先して鹿の解体を始めるのだが、祖父に習っていたなんて、スーパー女子高生すぎる。

村人たちは農作業に戻らせて、一人で鹿を解体していると、オオカミが寄って来ていた。しかし、オオカミはやせ細り、弱りきっていた。死にかけていたオオカミは、静子が鹿肉を食べさせて助けた事で、懐いてしまう。何故か、助けたオオカミはニホンオオカミではなく、ハイイロオオカミだった。誰かが大陸から持ち込んだものが、逃げ出した可能性が高い。

森可成がやって来て、褒美用の温泉を増築したいと言うので、交渉の結果、村の他の建物も新しくなった。ようやく野菜が出来始めたので、試し収穫の後、薩摩芋、かぼちゃ、スイートコーン、トマトの4種類を信長に献上する事になった。

米ではなく、珍しい野菜を作った理由を問われるが、静子が富国強兵政策を語ると、信長は森可成に農民50人を静子の村に増やすよう命じた。静子は森可成に頼んで、鶏も手に入れる。この頃は、まだ鶏も愛玩用として一部で飼われているだけだったので、あまり数が手に入らなかったのだが、温泉の廃湯を利用して孵化させる事で増やして行く。

サトウキビも量産体制に入った。薩摩芋を育てた後の畑には油菜を植えた。油菜から油を取りつつ、ニホンミツバチの餌にしようと計画する。味噌や醤油の原料に必要なので、大豆の生産も始める。窒素肥料が手に入らないので、自力で堆肥を作る事になる。当然、農薬も無いので、コンパニオンプランツという栽培方法で何とかする。

ある日、静子は山中で野盗に襲われるが、嫁探しに出かけたヴィットマン(狼)が、戻って来て敵を噛み殺す。ハイイロオオカミは2頭に増えていた。何処かに逃げていた雌を見つけて来たらしい。

いよいよ本命の田植えが始まるが、乱植ではなくて正条植で行うよう指示する。明治30年代後半からの技術なので、300年程進んだ事になる。正確に縦横を合わせるため、枠まわしを開発し、苗植え後は米ヌカを散布した。除草作業のために、回転式草取り機も開発する。

この後は、信長からさらに増産するよう命じられるのは目に見えているので、職人の金造さんに人力田植え機や足踏式脱穀機を作るよう依頼している。渡された設計図が落書きレベルなので、金造さんが頭を抱えている事を、静子は知らない。

オオカミも子供を産んで増えた。ヴィットマンが連れて来た嫁はバルディと名付けられ、生まれた子供は順位に合わせてカイザー、ケーニッヒ、アーデルハイト、リッター、ルッツとなった。

信長が美濃包囲網を敷いて、斎藤竜興と攻防戦を繰り広げているが、静子の村は食料増産のため、徴兵されないので平和だった。新技術を駆使して米は大豊作となった。稲刈りは腰に負担がかかるので、押刈り式人力刈取機を用意する事にした。

収穫した米俵を運ぶと、何故か信長に頭をグーで殴られる。俵の大きさが現代とは違ったらしい。静子が用意したのは、尾張で使っている俵の倍もあるお化け俵だったので、蔵に入れるのに困るらしい。慌てて蔵の大きさと、お化け俵の数、普通の俵の数を計算して、静子が入れる量を決めると、なんとか収まった。

先程まで激怒していた信長だったが、静子が計算能力まで持っているのを知って驚く。暫くして、連絡係の小間使いとして、彩という少女が用意されるのだが、これは明らかに見張り役だよね。

彩は静子に連れられて、キノコ狩りに行くのだが、次々としめじ、舞茸、松茸、そして栽培に成功した椎茸を収穫していく。静子の感覚では椎茸はスーパー売っている程度のものでしかなかった。栽培する方法が無い戦国時代には、椎茸は高級品である事など全く考えていなかった。

静子の正体を探ろうとする彩だったが、謎は深まるばかりである。農林水産省、高校、入学と、聞けばアッサリと説明して貰えるのだが、何を言っているのか全く理解出来ないのである。静子の部屋にある箱の中はオオカミが見張っていて探れないし、クロスボウは触っても怒られないものの、見た事も無い新兵器でわけが分からない。

台風が来たので、周囲に被害が出る。静子の村は大豆畑と柵がやられる程度だったが、山にある他の村に続く道が土砂崩れで通れなくなってしまった。さすがに無償奉仕は無理なので、相手の村と交渉し、道を修復する時に出た物や、倒木は静子の村が貰える事になった。

途中で、巨大な花崗岩が道を塞いでいたが、楔を打ち込む事で解体に成功する。花崗岩は織田家が買い取ってくれた。質が良かったので、静子の村と山の村には酒樽まで届けられる事になった。

まだ窒素肥料が足りないので、大豆の収穫量は多くないのだが、静子は早速、味噌と醤油を作ろうと考えていた。サトウキビのほうも、黒砂糖にする作業が始まる。

web小説 航宙軍士官、冒険者になる

帝国航宙軍兵士アラン・コリントの乗艦する航宙艦は、超空間航行中の未知の攻撃により大破してしまう。アランは全くの偶然から艦上で、たった一人の生存者となってしまった。大破した航宙艦は航行不能で、目前の惑星に落下中だった。アランは脱出ポッドで一人惑星に逃れる。航宙軍士官アランとアランに共生しているナノマシン[ナノム]の未開の惑星における生存を賭けたサバイバルが始まった。


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航宙軍士官、冒険者になる

バグスと呼ばれる人類の敵と戦っている時代。宇宙戦艦イーリス・コンラートは超空間で攻撃を受ける。凶悪なバグスよりも人類のほうが科学技術は進んでいるので、バグス以外の何かに攻撃された可能性が高い。

宇宙戦艦中枢の狭い場所で作業中だったアラン・コリント以外は死亡していた。宇宙戦艦は大破した状態で本来のルートから外れ、出現地点にあった惑星に落下して行く。脱出ポットで降下したアランは、中世程度の文明レベルが存在する、剣と魔法の世界で生きていく事になる。

化け物のような狼の集団にに襲われている人間を発見するのだが、助かったのはくっころさん(仮名)だけだった。旅の商人とかではなく、重武装した兵士の集団がやられているので、狼はかなり強いと思われる。

助けた相手は、反乱軍から逃げるスターヴェーク王国の王女だった。アランは、王女を助けつつ、この世界の文明レベルを上げるため、覇者となる決心をする。

ちなみに、宇宙戦艦イーリス・コンラートの人工知能や、ドローンなど、一部のチート武器は生き残っている。アランしかいないので、戦時特例で司令官(准将)に出世している。この星が帝国軍より先に、バグスに発見される可能性が高いので、生き延びるために世界を統一する必要があるらしい。(バグスは人間が大好物なので、見つかったら全員喰われます。)