青葉くんとウチュウ・ジン3 やってきた迷惑王女
![]() | 青葉くんとウチュウ・ジン〈3〉やってきた迷惑王女 (MF文庫J) (2006/05) 松野 秋鳴 商品詳細を見る |
ある日、青葉優作の前に美しい少女が現れた。彼女はどっかの星の王女で、ウチュウ・ジンの紹介により従者トロワと共に地球へ観光旅行へやってきたミリア。ミリアは地球文化を誤解していて、数々の面倒が青葉に襲いかかる。しかも、ミリアから押し付けられたペットはとんでもないヤツで、青葉はさらに憂鬱な気分になってしまう。そんなとき、ウチュウ・ジンから青葉の所に電話がかかってきた。一之瀬が侵略者に誘拐され、助けたければ指定の場所に来いというではないかっ!一之瀬の救出に向かう優作。そこには和真、榎本、大石の姿もあった。異星人の侵略にどう立ち向かうのか!?第1回MF文庫Jライトノベル新人賞“優秀賞”受賞作第3弾。
題名がコレだから、ある日やってきたエイリアン姫に見初められ、人類ヒロインと宇宙人ヒロインで三角関係になるのかと思ったら、相変わらず青葉くんは単なるイジられキャラな訳だね……。
わがまま王女に地球を案内させられた挙句、お礼だと正体不明のペットを押し付けられる。それは、犬に似た妙な生き物で、何でも食べてしまうという厄介な奴だった。普通だと、人間を食べたりしてホラーになるのだが、やはりギャグラノベ、青葉くんが大事にしているマンガやCDやゲーム機本体を食べてしまい、可哀想な事になるのである。
後半では、エイリアン姫の結婚式に介入し、星間戦争寸前まで行ってしまう。この諍いで死にそうになった青葉くん、悔いを残さぬため片想いする一之瀬沙希に告白しようとするも、基本的にヘタレなので果たせず。
続けようと思えば、まだ続編書けるような微妙な終り方しているけど、別のシリーズが始まっているので、これはもう三巻完結という事だよね!? なら、最後くらい青葉くんにハッピーエンドを用意してあげても良かったのに。災難ばかりで最後までイジられキャラなのか。
せっかく脈ありそうなのに、青葉くんがヘタレだから……。
タグ : ライトノベル
青葉くんとウチュウ・ジン2 Xマス・スクランブル
![]() | 青葉くんとウチュウ・ジン(2) (MF文庫J) (2006/02/24) 松野 秋鳴 商品詳細を見る |
クリスマスを目前にひかえた12月。あいかわらず教室にはウチュウ・ジンが居着き、青葉優作の日常を脅かしていた。ある日の放課後いつものように教室でダベっていると、“艦長”大石がいつにもまして様子がおかしい。問いつめてみると、ある女の子に一目惚れしてしまったのだと言うではないかっ!呆れ驚きおののく青葉たち。もちろんこんな面白そうなことを見逃す彼らではない。“編集長”榎本広司が独自の情報網で調査したが不明、結局青葉や“委員長”一之瀬沙希ら4人は町中で聞き込み捜査を開始することに。はたしてこの顛末は!?第1回MF文庫Jライトノベル新人賞優秀賞受賞作第2弾。
作者も肝心のウチュウジンが気体で見えないままというのは良くないと考えたのか、美少女姿で登場するようになった。そして、謎の美少女が気体型ウチュウジンであると知らぬまま、無駄に恋をして壊れてしまう主要メンバーの一人……。哀れである。
このウチュウジンに関わってしまったがために、次々と異星人絡みの災難に巻き込まれてしまう可哀想な青葉くん。主役なのに、とことんイジラれまくります。異星人に拉致されたり、意中の一之瀬さんとデートしようと待ち合わせ場所に向かう途中で連行され、戦闘でボロボロになったりと、酷い目に遭いまくり。妹にまで殴る蹴るの暴行受けるし。
それにしても、女性キャラの中で、この妹は一番酷い。ラノベにありがちな「美少女」という陳腐な表現をされても、絵的には設定されているレベルの美少女に見えないし、こんな地獄級の性格だと、ちっとも可愛く感じない。美少女設定でこんなに萌えない妹キャラ見た事ねえ!
タグ : ライトノベル
青葉くんとウチュウ・ジン
![]() | 青葉くんとウチュウ・ジン (MF文庫J) (2005/11) 松野 秋鳴 商品詳細を見る |
ある日の放課後。俺青葉は、親友宇崎と教室で校内漫才大会S‐1グランプリのネタを仕込んでいた。その時ふと窓の外を見ると俺たちは星の海のなかにいた。事態が全く解らない俺たち。ひそかに憧れていたクラス委員長の一之瀬沙希がパニックに襲われて俺に突進して来たところを見ると、夢ではないらしい。教室に残っていたのは全部で5人。そして全員の頭の中へ、知らないヤツの声が聞こえてきた。ソイツは自分が退治し損ねた“白い巨竜”を俺たちが力を合わせて倒せば、地球に戻してやるという。嫌なら…面倒なのでこのまま置いていくだとぉ!俺たちは“白い巨竜”を倒して元の成章高校へ戻れるのか!?第1回MF文庫Jライトノベル新人賞優秀賞受賞作。
ラノベの中で、MF文庫は現段階で最も高水準な気がする(新古書店でも、この緑色背表紙はなかなか100円コーナーまで落ちてこないので、単なる気のせいという訳でも無かろう)のだが、これはちょっと微妙だった。
文章は駄目じゃないのだが、一冊通してひとつの話ではなく、短編に分かれてしまっているので小さく纏ってしまい、盛り上がりにやや欠ける。登場人物の掘り下げも足りていないので、主人公の青葉君は良いとして、メインキャラなのに影が薄い人がいる。ヒロイン役の一之瀬沙希も、もう少し目立ったほうが良かった。青葉くんとあまり絡んでこないので、脇役みたいな印象しか残らない。
肝心のウチュウジンであるが、これまた気体型生命体という設定なので、見えないからビジュアル面で面白みに欠ける。この気体型ウチュウジンは、特殊なエネルギー体と戦う使命を帯び、教室ごと宇宙へ移動させ、中に残っていた青葉くんたちを強引に戦闘に参加させる迷惑極まりない存在である。青葉くんは、この存在に性は宇宙、名は人と名付ける。よって、ウチュウジンの名前は“宇宙人”となった。
タグ : ライトノベル
白蝶花
![]() | 白蝶花 (2008/02) 宮木 あや子 商品詳細を見る |
抱いて。ずっと忘れないように――戦中の日本で恋に命をかけた女たちを描く純愛ロマン。昭和十九年、福岡県知事の屋敷に奉公にきた少女・千恵子。書生の政吉と恋に落ち初めて結ばれた途端、政吉は徴兵されてしまい……千恵子の波乱に満ちた人生を中心に、戦前・戦中・戦後の激動の日本で、それぞれの愛を貫き通した5人の女たちが織りなす恋物語。デビュー作『花宵道中』で圧倒的支持を得た著者による注目の最新作!
二作目がイマイチだったが、これは持ち直した感じである。戦前から戦後にかけてのロマンス。大きな流れになっているのではなくて、基本的には独立した短編が4つ。ハッピーエンドで終わらないものが多い。平成の世では完璧に女性のほうが勝ち組だけど、昔は女も苦難の時代があったんだね……。
それぞれ別の時代、別の話で主人公も違うけれども、他の話の人物が脇役で絡んでくるので微妙に繋がっていて面白い。
花宵道中
![]() | 花宵道中 (2007/02/21) 宮木 あや子 商品詳細を見る |
江戸末期の新吉原で、叶わぬ恋に咲いては散りゆく遊女たち。恋する男の目前で客に抱かれる朝霧、初見世に恐怖と嫌悪を抱く茜、自分を捨てた父に客と女郎として対峙した霧里、一生恋はしないと誓いながらもその衝動に抗いきれなかった八津……芳醇な色香を放ち、甘美な切なさに心が濡れる官能純愛絵巻。
デビュー作でこの水準。新しく作られた賞なのに、いきなり凄いのが出てきた。R18なので、女性によって書かれた女性のためのエロス、という事なのだが、オナニーばかりしていて読み手不在な芥川賞系統の新人賞より、遥かに文学していると思う。
5編入っているのだが、ただの短編小説なのかと思ったら、全部が繋がって連作になっていた。浮女たちの不遇が悲しい。体を売るか、村で餓死するか、どちらにしても地獄である。お金が無くて身売りされるのはまだしも、人買いに攫われるような境遇の人もいるのは酷すぎる。自分の所有物じゃないのに勝手に捕まえて売るのは、奴隷制度と同じじゃないか……。
この国に奴隷という階層はなくとも、今も昔も実質的な奴隷は存在している。毎日20時間以上働かされている社畜な人なんて、奴隷という言葉すら生ぬるいけどさ。
ひまわりの祝祭
![]() | ひまわりの祝祭 (講談社文庫) (2000/06) 藤原 伊織 商品詳細を見る |
直木賞・乱歩賞受賞第一作! 圧倒的評価を得たダブル受賞作「テロリストのパラソル」をしのぐ書下ろしニューハードボイルド!幻の歴史的名画をめぐり、かつてアートの世界に生きた孤高の男がたどる清冽な愛。
妻を喪い世と断絶した男が、幻の「ひまわり」をめぐる争いへと巻き込まれていく。生きている間に評価されず、暖炉の燃料として数多くの作品が燃やされてしまったゴッホ、実際に世に出ていない本物がどこかに眠っていたなら……。
完成度は高いと思うのだが、パターンが似ているので「テロリストのパラソル」と比較してしまう。やはり藤原伊織作品、ラストはハッピーエンドで終わってくれない。
テロリストのパラソル
![]() | テロリストのパラソル (角川文庫 ふ 20-1) (2007/05) 藤原 伊織 商品詳細を見る |
アル中バーテンダーの島村は、過去を隠し20年以上もひっそりと暮らしてきたが、新宿中央公園の爆弾テロに遭遇してから生活が急転する。ヤクザの浅井、爆発で死んだ昔の恋人の娘・塔子らが次々と店を訪れた。知らぬ間に巻き込まれ犯人を捜すことになった男が見た事実とは……。史上初の乱歩賞&直木賞W受賞作。
第114回直木賞受賞作。
江戸川乱歩賞&直木賞のW受賞。藤原伊織の最高傑作だと思うのだが、妙なアンチも多々出没するのがこの作品の特徴。W受賞に踊らされたのが悔しいのか知らないが、これで五段階評価の★ひとつなら、大半の純文学やラノベは★ひとつすら付けられなくなると思うのだが。
ご都合主義的な部分はあれど、無制限に何でもありな訳でもなく、最後はいつも物悲しいのが藤原伊織作品の特徴。これもハッピーエンドでは終わってくれない。痛い描写もあるし、人生の侘しさ、やるせなさを感じる。
どこかで人生を間違えてしまった男のやるせなさにシンクロしてしまったおっさんが高評価しているんじゃないかと勝手に邪推してみたりして……。私も人生の曲がり角をどこかで間違えているので、このやるせなさに同調して最高点の★★★★★で(笑)。
タグ : 直木賞
米村圭伍
★は個人的な評価。
『風流冷飯伝』
『退屈姫君伝』★★★☆
『面影小町伝』
(=改題「錦絵双花伝」)
『影法師夢幻』
(=改題「真田手毬唄」)
『紀文大尽舞』
『おんみつ蜜姫』★★★☆
『退屈姫君 海を渡る』★★★☆
『退屈姫君 恋に燃える』★★★☆
『エレキ源内殺しからくり』★★★☆
『紅無威おとめ組 かるわざ小蝶』
『おたから蜜姫』★★★☆
『山彦ハヤテ』
『南総里見白珠伝』
エレキ源内 殺しからくり
![]() | エレキ源内 殺しからくり (2004/10) 米村 圭伍 商品詳細を見る |
平賀源内の遺した秘宝が巻き起こす陰謀! 第十代将軍徳川家治の嫡子、家基の不可解な死を発端に起こる暗闘、陰謀。平賀源内の遺した秘宝をめぐって、源内の娘・つばめ、大田直次郎、謎の一団が繰り広げる奇想天外な、書き下ろし時代長編。
えっ!? これ源内が主役じゃないのか。いきなり死んでるし……。まあ、表紙見たら描かれているのが源内じゃなくて女の子だけどね。
事件を起こし捕らえられた源内は、獄中で死んでしまうのだが、どこかに隠された源内秘宝をめぐり、各勢力が暗躍する。源内は、幕府中枢の恐ろしい陰謀劇に加担していたのである。
という訳で、源内本人はアッサリと死亡フラグが成立してしまい、主人公となるのは平賀源内の隠し子つばめ。将軍の座を狙う一橋家の陰謀に巻き込まれて酷い目に。さらには田沼派も先代将軍が暗殺された証拠を掴もうと、源内秘宝を狙って来る。さらに、朝廷隠密みたいなのまで……。
他の話みたいに二転三転はしないけど、ラスト付近の源内秘宝は奇妙奇天烈な大仕掛け。今なら何でもない電気やライターも、この時代だと最先端か!?
おたから蜜姫
![]() | おたから蜜姫 (2007/11) 米村 圭伍 商品詳細を見る |
温水藩の暴れ姫、再び! 今回は、自分がかぐや姫だと信じる電波入った伊達の姫が所望する秘宝を探して大暴れ。母も加わり、かぐや姫伝説に新たな自説まで盛り込みつつ、謎解きに挑む。いつの間にやら宝探しはかぐや姫が望んだレアアイテムから、大久保長安が脱税して隠したとされる埋蔵金探しへと変わる。
物語を読み進めるための解説文や薀蓄がたくさんあるのでちょっと疲れる。かぐや姫=エイリアンというパターンがSFでよく使われるけれども、本書は、ある勢力の巫女的な扱いなので、宇宙人説よりも意外で独創的だった。
忍者猫タマも、前回よりパワーアップした捨て身の必殺技を「ギャオーン。ギャオオーン!」と披露する。本当に中身も猫なのか!?
おんみつ蜜姫
![]() | おんみつ蜜姫 (新潮文庫) (2006/12) 米村 圭伍 商品詳細を見る |
敵は将軍吉宗さま?父を襲った刺客を追い、音に聞こえたやんちゃ姫・豊後温水藩の蜜が隠密行脚にいざ参る!凛々しい若侍に姿を変え、四国、備前に尾張、江戸。嫁入り話はひとまずおいて、従えるは忍び猫のタマ、謎の忍者・笛吹夕介だ。さあさあ姫の運命やいかに―。尾張柳生の暗躍や天一坊事件などをふまえ、史実と伝奇を変幻自在に行き来する痛快無比のエンターテインメント。
豊後温水藩の藩主が暗殺されそうになる。刺客を放ったのが将軍徳川吉宗だと早合点してしまった暴れ姫は、吉宗を倒すために脱藩する。姫の道中を守るために母君が選んだのは黒猫! しかしこの黒猫、ただの猫ではなくて忍者猫なのであった。
道中、海賊に襲われて海に落ちたり、柳生剣士に襲われて絶体絶命の危機に陥ったりと、トラブルだらけ。最初は蜜姫と黒猫だけだった旅も、船頭や忍者、さらには母まで加わりとんでもない事に。そして、次第に見えてくる黒幕の正体。
面白いけど、やはり話の途中で作者がしゃしゃり出てくる。一気に現実世界に引き戻されてしまうから止めて欲しいのだが……。
猫のあしあと
![]() | 猫のあしあと (2007/10) 町田 康 商品詳細を見る |
「猫にかまけて」の続き。いなくなった猫もいるが、ヘッケの兄弟がいたら保護したいとボランティア団体に申し出たところ、関係無い猫が次々と持ち込まれ、どんどん増えていく。これ、町田康なら飼ってくれるだろうという打算で、わざと連れて来ているんだと思うよ。探している猫じゃないから要らないとは言えず、引き受ける事になる町田康。お釈迦様の様に偉い人だ。もはや人類にしておくのは惜しい! 猫の治療費とか、かなり出費があって大変だろう。
反対に、もう飽きたとか、もう楽しんだからと理由をつけて動物を捨てに来る腐れ外道もいる。こういう奴は人類にしておきたくない。寝ている間に死神に寝首を掻かれ黄泉平坂を転げ落ち、奈落の底まで堕ちて逝って欲しいところである。
猫にかまけて
![]() | 猫にかまけて (2004/11/16) 町田 康 商品詳細を見る |
どうでもいいようなことで悲しんだり怒ったりしているとき、彼女らはいつも洗練されたやりかたで、人生にはもっと重要なことがあることを教えてくれた。写真と文章で綴る、猫たちとの暮らし。
「猫のあしあと」というのがあったので借りてきたら、「猫にかまけて」の続きである事が判ったので、慌てて追加で借りてきた。小説じゃなくエッセイだから、別に順番じゃなくても良さそうに思えるが、結構繋がっているので、やはり「猫にかまけて」→「猫のあしあと」の順で読むべき。
エッセイなのに文体が硬質で、昨今の芥川賞より余程出来が良い。まだ町田康の受賞作は読んでないけれども、これなら期待出来そうだ。飼い猫のココアとゲンゾーに加えて、ヘッケと奈奈が登場するのだが、悲しい結末も待ち構えている。それにしても、猫に注ぐ愛情は凄すぎる。人類全員が町田康になれば、猫も天国だろうに。
頭の中の猫の飼い方
![]() | 頭の中の猫の飼い方 (2002/09) 鷹音 美緒 商品詳細を見る |
「ネコ岩の下の猫を掘り出してはいけない」。突然パソコンに映し出された謎のメッセージ。あくる日、ゑい子の頭の中には猫が棲みついていた。幻覚か?現実か?「猫と暮らす」「猫の人語発話についての研究序説」「続・猫の人語発話についての研究序説」の三部作で「頭の中の猫」の謎に迫るエンターテイメント哲学小説。
ストーリー自体はホラーっぽいのだが、怖くはない。突然、画面に表示された「ネコ岩の下の猫を掘り出してはいけない」という文字。その後、主人公の女性は新車を届けるアルバイトで、駐車スペースにある岩が邪魔だから掘り起こすよう納入先の男から言われるのである。
岩を掘ってみると、それは猫の形をしており、しかもその下には猫が埋まっていた! しかも、その猫が動き出すのだ。彼女は埋まっていた猫を連れ帰るのだが、翌日になるとその猫は骨だけになっており、頭の中に居場所を移していた。それから、頭の中に住む奇妙な姿の猫が増え始め、猫の世話で日常生活に支障をきたし始めた彼女は、この現象を解明しようとするのだが……。
ホラーになりそうでならない中途半端さ。悪意のある人間が数多く出てきて、オカルト要素もあるが、盛り上がらないままに話が終わるのは惜しい。
夜と月と猫の寓話
![]() | 夜と月と猫の寓話 (プラザCOMIX) (2005/02/18) 高苗京鈴 商品詳細を見る |
夜と月は関係ないし、寓話でもないよな。猫は出てきたけど……。いや、猫というか、猫又! 猫又の艶やかな妖気(表紙)に負けて買ってしまったではないか。しかも、内容が……。きれい系女装お兄さん(お姉さんじゃないよ)と猫又のえちーな話だった。むぅ、どこにも成人マークついてないじゃないか。
ウィル・マッカーシイ
現時点ではコンプリート。
★は個人的な評価。
『アグレッサー・シックス』★★★
『The Fall of Sirius』(未訳)
『Gas Giant』(執筆中?)
『コラプシウム』★★★★
『The Wellstone』(未訳)
『Lost in Transmission』(未訳)
『To Crush the Moon』(未訳)
『Flies from the Amber』(未訳)
『Murder in the Solid State』(未訳)
『Bloom』(未訳)
宇宙人に滅ぼされそうになっているのに、テーブルトークRPGをやっているようにしか思えない特殊部隊。萌えキャラが表紙だけど実は脇役で、ブラックホール応用技術とファックスによるテレポートとバックアップによる不老不死が実現したユートピア。どちらもクセが強いけど、シリーズ化している。順調に翻訳が進むと良いなぁ。
コラプシウム
![]() | コラプシウム (ハヤカワ文庫SF) (2006/03) ウィル マッカーシイ 商品詳細を見る |
「きみが捜査局長?」ブルーノは愕然とした。太陽をめぐるリング・コラプシターでの殺人現場の指揮をとるため現われたのは、左目にVRモノクルを付け、学校の制服のようなものを着た、まだ幼い少女だったからだ…マイクロ・ブラックホールをグリッド状に配置し安定させた超光速伝導物質コラプシウムの発明者ブルーノ・デ・トワジが、仲間とともに太陽系女王国で次々に起こる、コラプシウムがらみの難事件を解決する。
表紙がこんなのだから、萌えキャラが暴れまわる系統の、ダーティペアみたいな内容かと思ったら全然違うし(笑)。萌えじゃなくて、かなりハードなSF小説であった。表紙の女の子は脇役で、主人公はおじさんだった!
むぅ……、表紙が女の子とおじさんでは売り上げ変わるかもしれないけど、ちょっと打算入りすぎなのではないか? ちなみに、表紙の娘は、幼く見えても王立警察の捜査局長というお偉いさんなのである。でも若干11歳(笑)。本当は大人だったのだが、宇宙船の事故で死んでしまい、大昔のバックアップしか残っていなかったから、再生させる時に11歳まで戻ってしまったのだ。
重力を制御する新技術が実用化された未来世界の物語。主人公は、太陽系の果てで自分専用の小惑星に住んでいる。星の王子様が住みそうな小さな星だが、人類最高の超大金持ちだから、重力をコントロールして地球と同じレベルの生活環境となっているのである。実はこの人、ニューブル質量ブラックホールから作られるコラプシウムを発明した科学者で、内惑星で危険な実験をすることが出来ないので、ひとりだけカイパーベルトに住んでいるのであった。
そんな孤独な彼が、太陽系女王国(この物語においては、トンガ王国の女王がソル女王国の元首だという不思議な設定。どうやら、他の王室は全て滅びたらしい)の危機に立ち向かう事になる。事故によりコラプシウムが太陽に落ち始めたのだ。最初は単なる事故かと思われたのだが……。
アグレッサー・シックス
![]() | アグレッサー・シックス (ハヤカワSF) (2005/03/24) ウィル・マッカーシー 商品詳細を見る |
西暦3366年、突如オリオン座方面から、謎の異星人艦隊が侵攻した。彼らは圧倒的な戦闘力で人類の防衛艦隊を撃破、シリウス、ウルフ、ラランデの各星系内の植民地を次次に殲滅し、数十億の人類が死に絶えた。敵が次にめざすのは地球。絶望的な状況のなか、人類に残された最後の希望は、“アグレッサー・シックス”―敵の言葉を話し、敵のように生活し、思考することを任務とする特殊チームが立案した驚くべき戦術だけだった。
太陽系近辺の恒星までその領域を広げた人類に攻撃を仕掛けて来た謎の存在。シリウスが攻撃されたとの知らせを受けた時には、敵は二つ目の殖民星系を陥落させつつあった。圧倒的な戦力差で迫る異星人艦隊。人類は一方的に殲滅されて滅亡寸前となる。
存亡を賭けて、外宇宙への脱出、大深度地下や小惑星での冷凍睡眠等、いくつかのプランが実行される。その中のひとつが、敵になりきり、敵として思考する事で内情を探ろうという試みだった。敵は二つの頭脳と四本の足、四つの性別を持つ、人類とはかけ離れた存在だった。クイーン、ドローン、ワーカー、ドッグと名づけられた四タイプに分かれて、敵を分析するのだ!
設定は非常に良いのだが、肝心の登場人物があまり活躍しない。最後のほうまで敵になりきる遊びをしているようにしか思えない。うーん、やっている事がテーブルトークRPG にしか見えませんが……。
ラスト付近で明かされる、敵にとって意味する「戦争」の位置づけが間抜け。そんな、犬の喧嘩みたいな理由で遠征艦隊を送り込んできて、人類が滅びかけるんですか……。起死回生の策はあるけれども、勝利する訳では無いから不完全燃焼。人類存亡の危機に立ち塞がる最大の障害が、無能な上司というのが笑える。無能な上司は、人類を滅亡させる事だって出来るのだ!
ヒュウガ・ウイルス―五分後の世界2
![]() | ヒュウガ・ウイルス―五分後の世界〈2〉 (1996/04) 村上 龍 商品詳細を見る |
21世紀はこの小説で始まる。点状出血、内臓溶解、骨格筋の爆発的なケイレン。信じ難い致死率の出現ウイルスは何を象徴しているのか?ずれた時空の日本を襲う生存への最大の試練。世界人類が迎えた「最後の審判」を刻む衝撃のドキュメント。
我々が存在する世界から5分だけ時間がずれた世界。日本国内で広まる謎の病。前作とはうってかわって、バイオハザート物になっています。続編というよりは、同じ世界設定での全く別の物語と言えよう。




















