有川浩

攻略対象書籍は以下。

『塩の町』
空の中』★★★★☆
海の底』★★★★☆
図書館戦争』★★★★
図書館内乱』★★★★
図書館危機』★★★★
図書館革命』★★★★
クジラの彼』★★★★☆
レインツリーの国』★★★☆
阪急電車』★★★★★
別冊 図書館戦争Ⅰ』★★★★
別冊 図書館戦争Ⅱ』★★★★
ラブコメ今昔』★★★★☆
三匹のおっさん』★★★★
植物図鑑』★★★★
フリーター、家を買う。』★★★★
シアター!』★★★★
シアター! 2』★★★☆
キケン』★★★★
ストーリー・セラー』★★★☆
県庁おもてなし課』★★★★
ヒア・カムズ・ザ・サン』★★★☆
『旅猫リポート』



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県庁おもてなし課

県庁おもてなし課 (角川文庫)県庁おもてなし課 (角川文庫)
(2013/04/05)
有川 浩

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とある県庁に生まれた新部署「おもてなし課」。若手職員の掛水史貴は、地方振興企画の手始めに地元出身の人気作家・吉門に観光特使を依頼する。が、吉門からは矢継ぎ早に駄目出しの嵐―どうすれば「お役所仕事」から抜け出して、地元に観光客を呼べるんだ!?悩みながらもふるさとに元気を取り戻すべく奮闘する掛水とおもてなし課の、苦しくも輝かしい日々が始まった。地方と恋をカラフルに描く観光エンタテインメント。


高知県庁に生まれた「おもてなし課」の若手職員が、地元出身の人気作家に鋭い意見をされつつ、お役所仕事的ダメ公務員からデキる男に成長して行く。いつも通りのベタ甘成分が、今回はある意味2倍。ベタ甘路線に賛否両論だが、これが有川浩作品なのだから仕方ない。ベタ甘無して硬派な話が読みたければ、池井戸潤でも読めばいいと思うよ。

最初のほうは、無駄金使ってちっとも役に立たない公務員達に憤りを感じる。自衛隊や海上保安庁みたいな実働部隊はともかく、一般公務員はどこでもこんな感じなのだろうけど、民間感覚とかけ離れていて殺意すら湧いてくるレベル。一番有能なのが、県庁に染まっておらず、アルバイトから臨時採用された女の子というのがまた……。

普通に考えればすぐ分かりそうな問題が、公務員脳になっているから全然わからない。凝り固まった公務員脳を解きほぐすのは、青年作家と、かつて県庁でパンダ誘致論を唱えて県庁に干された男。こういう有能な人材を使いこなせないどころか潰してしまうのが、公務員という硬直した組織の駄目なところ。

最初はお役所仕事だった「おもてなし課」も、外の空気に晒されて意識が変わってくる。最初は典型的なお役所仕事公務員だった同僚まで! 課の意識は変われど、県庁全体は変わらないので、他の部署が障害となるばかりか、いろいろと難癖をつけてくる。若手はまだ朱に染まりきっていないのだから、団塊世代が退場した後の時代は、もっとマシになるのかもしれないが、この事無かれ主義な硬直感はもどかしい。

ちなみにお仕事小説というよりは、ベタ甘恋愛小説にお仕事風味がついている感じなので、池井戸潤みたいな辛口の内容を期待しちゃいけません。


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ヒア・カムズ・ザ・サン

ヒア・カムズ・ザ・サン (新潮文庫)ヒア・カムズ・ザ・サン (新潮文庫)
(2013/09/28)
有川 浩

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真也は30歳。出版社で編集の仕事をしている。彼は幼い頃から、品物や場所に残された、人間の記憶が見えた。強い記憶は鮮やかに。何年経っても、鮮やかに。ある日、真也は会社の同僚のカオルとともに成田空港へ行く。カオルの父が、アメリカから20年ぶりに帰国したのだ。父は、ハリウッドで映画の仕事をしていると言う。しかし、真也の目には、全く違う景色が見えた…。わずか7行のあらすじから誕生した二つの小説。大切な人への想いが、時間と距離を超え、人と人とを繋げていく。有川浩meets演劇集団キャラメルボックス。小説×演劇の全く新しいクロスオーバーから生まれた物語の光。


出版社で編集の仕事をしている男が主人公。サイコメトラーなので、上手に人生を渡って来れたのだが、渡米して成功したという同僚の父からは、別の景色が見えたのである。果たして、父を名乗るこの男の正体は!? 前半部分はかなり良かったのだが、後半になって時系列どころか設定も違っていて混乱していたら……。これ、後半部分はパラレル・ワールド展開か!

前半と後半で、同僚カオルの父の立ち位置が違う。渡米して能力を発揮した世界と、鳴かず飛ばずで嘘吐きだらけの駄目人間になっている世界。どっちの世界が良いとも言えないが、最底辺非リア充の世界を知っている身としては、駄目人間なほうの世界は読んでいて生きるのが辛いOrz 前半だけなら、かなり良かったのに。


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シアター! 2

シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫)シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫)
(2011/01/25)
有川 浩

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「2年間で、劇団の収益から300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」―鉄血宰相・春川司が出した厳しい条件に向け、新メンバーで走り出した『シアターフラッグ』。社会的には駄目な人間の集まりだが、協力することで辛うじて乗り切る日々が続いていた。しかし、借金返済のため団結しかけていたメンバーにまさかの亀裂が!それぞれの悩みを発端として数々の問題が勃発。旧メンバーとの確執も加わり、新たな危機に直面する。そんな中、主宰・春川巧にも問題が…。どうなる『シアターフラッグ』!?書き下ろし。


鉄血宰相、春川司が肩代わりした借金300万円の返済期限が迫る。順風満帆とは行かず、掲示板に荒らしが出現したり、ドジっ娘が物販で失敗したり、仲たがいしたり、適当な大きさの劇場を押さえられなかったりと、波乱万丈展開に。

ベタ甘成分は相変わらずで、甘すぎて溶けそうになる(笑)。いろんなところでフラグ立ちそうで立ちきらないもどかしさ。あちこちにフラグがあって同時に進行して行くが、同じ場所にいるのに、フラグ圧し折られる人々には堪らんだろうなぁ。


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ストーリー・セラー

ストーリー・セラーストーリー・セラー
(2010/08/20)
有川 浩

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このままずっと小説を書き続けるか、あるいは……。小説家と、彼女を支える夫を突然襲った、あまりにも過酷な運命。極限の選択を求められた彼女は、今まで最高の読者でいてくれた夫のために、物語を紡ぎ続けた――。「Story Seller」に発表された一編に、単行本のために書き下ろされた新たな一篇を加えて贈る完全版!


新潮社から出ている「Story Seller」用に発表されたもので、題名も同じになっている。これはアンソロジーではなくて有川浩単品であるが。書き下ろしのsideBが加えられている。

冒頭から、ラノベっぽいペラい設定で狙って攻めて来たので、たじろぐ。しかも、いつもよりもベタ甘成分が多めで、体中がむず痒くなって来る(笑)。この展開は恥ずかしい。こういう恥ずかしい事言う男って、少女マンガの中でしか見た事無いけど、実際にいるの?

sideAでは、会社でアシスタントに徹する女性に文才があり、それを見抜いた男によって売れっ子作家としてデビューするも、家族がロクデナシで、嫉妬で足を引っ張る大学時代の馬鹿ライター達、さらには本人も訳の分からない設定の病気に蝕まれて行く。

sideBでは逆に、男のほうが死んじゃうという設定にすれば? とふざけていたら本当に死亡フラグが立っちゃいましたというセカチュー技で、幸せが壊れて行く切ない系。

だがしかし、sideA、sideB、両方とも、泣かせておいて創作でしたよ、みたいな感じに放り出されるので脱力する。若い女性が読むならともかく、リアル人生ゲーム終了モードになってる非リア充喪男が読むには、ベタ甘成分とあざとさスパイスがキツすぎて、精神的糖尿病になりそうだよOrz


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フリーター、家を買う。

フリーター、家を買う。フリーター、家を買う。
(2009/08)
有川 浩

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「母さん死ぬな―」へなちょこ25歳がいざ一念発起!?崩壊しかかった家族の再生と「カッコ悪すぎな俺」の成長を描く、勇気と希望の結晶。


ようやく借りられた。最近の有川浩は予約何十人待ちとかになるから、一瞬でも出遅れるともう一巡するまで無理っす。ただのフリーターが家を買うだけの話かと思ったら、予想以上に面白かった。だがしかし、タイトルに関しては偽り有り。買ってないじゃんw 「元フリーター、家の頭金を少し出す」が正しいのでは? 本書の内容には関係無いが、果たしてフリーターが家を買えるか否かという疑問に関してはYesと答えておく。実際に、一軒家を建てたフリーターを知っているので。


二流大卒の青年が、会社の洗脳研修が気に入らないからとすぐに辞めてしまい、後は適当にバイトを転々とする駄目な人に。少し気に入らない事があると、すぐに辞めるような、典型的なゆとり脳。

しかしある時、母の様子がおかしくなる。嫁ぎ先から様子を見に戻って来た姉から聞かされる驚愕の真実! 酒癖の悪い父が原因で、家族は近所の糞ババア達からもう何十年も苛められていたという……。糞すぎるご近所だな。全員死ねば良いのに。

しかし、気づいていたのは完璧超人の姉だけで、原因となった父と、鈍感な主人公は今まで知らなかったという情けなさ。重度な精神病となってしまった母を救う方法は、人間の皮を被った悪鬼魍魎の住まうこの呪われたご近所から脱出する事だけ。

それなりの企業に勤めながら、全く理解を示さず、自分の好きな事にしか金を使わず、引越ししようとも思わない頑固な父。もう自分が何とかしないといけないと、ゆとり脳から華麗なる成長を遂げる青年。駄目人間が欠点ばかりじゃなくて、ちゃんと良い面も持ち合わせているのが救われる。最初は駄目っぽかった父親も、転職活動では結構頼りになる部分もあるし。

頑張り始めてから運も上向き始め、努力も認められ、最後にはちゃんとベタ甘要素までついて来る。後半のお仕事小説化してくる辺りから気分が良い。努力がちゃんと報われていくあたり、ある意味ファンタジー。

剣と魔法は出てこないけど、実務経験無し二流大卒ゆとり脳がご都合主義で採用されて即戦力になるなんてお花畑な展開、ファンタジーに決まってるんだから、現実に即してリアリティが無いとか言ったらいかんよ。だいたい、リアルに描いたら憂鬱な展開しか待っていないじゃないか。現実世界で辛酸舐めているのに、わざわざ娯楽小説でまで嫌な物語は読みたくないだろうJK。そんなに意地悪な展開が好きなら、ベタ甘な有川浩じゃなくて、東野圭吾とか読めばいいじゃない。

それにしても、二流大卒ゆとり脳ですらハッピーエンドが待っているというのに、我が境遇と来たらOrz 呪われ過ぎた人生歩む身としては、とりあえずリア充爆発しろ。


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植物図鑑

植物図鑑植物図鑑
(2009/07/01)
有川 浩

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男の子に美少女が落ちてくるなら女の子にもイケメンが落ちてきて何が悪い!ある日道端に落ちていた好みの男子。「樹木の樹って書いてイツキと読むんだ」。野に育つ草花に託して語られる、最新にして最強の恋愛小説!


題名がこんなのだから、有名作家じゃなければ、植物の専門書と間違われそうである。ある日、帰宅した女性が行き倒れになっていたイケメンを拾ってしまう。いくら死にそうなイケメンだからといって、いきなり独り暮らしの部屋に入れてしまうのは危険であるが、ここで見捨てると物語が始まらないので仕方が無い。

一緒に住むようになったイケメンは、やたら植物に詳しく、料理も上手い。そしてやり繰り上手! しかし、その正体は謎のまま。まあ、いつも通りのベタ甘展開なので、途中で結末まで推測出来るけど。

フラグ立ちそうで立たない、危ういバランスのまま、山菜摘みで仲良く盛り上がるのだが、出てくる食材が美味そう。食べたくなって仕方が無い。流通ルートに乗らないモノが結構あるし。

ようやくベタ甘フラグ成立したと思いきや、ある日突然……。ラストは、ご都合主義的な着地点に落ち着くので、安心して読めますが。


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シアター

シアター! (メディアワークス文庫)シアター! (メディアワークス文庫)
(2009/12/16)
有川 浩

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小劇団「シアターフラッグ」―ファンも多いが、解散の危機が迫っていた…そう、お金がないのだ!!その負債額なんと300万円!悩んだ主宰の春川巧は兄の司に泣きつく。司は巧にお金を貸す代わりに「2年間で劇団の収益からこの300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」と厳しい条件を出した。新星プロ声優・羽田千歳が加わり一癖も二癖もある劇団員は十名に。そして鉄血宰相・春川司も迎え入れ、新たな「シアターフラッグ」は旗揚げされるのだが…。


春川巧が主宰する小劇団「シアターフラッグ」は、300万円の借金を抱え解散寸前。兄の司に泣きついたところ、2年間で劇団の収益を上げ、300万を返済しろと言われてしまう。出来なければ解散というのが条件なのだが、プロ声優の羽田千歳が加わった事で、春川巧が本気になる。

兄の春川司は金を出すだけでなく、口も出すのだが、鉄血宰相と呼ばれるようになり、容赦無く劇団のコストカットをし始める。こんな島耕作みたいに有能な男は滅多にいないだろう。三十路にしては優秀すぎる。ここまで出来る男が中小企業勤めなのは謎である。というか、中小だから何でもかんでもやらされて有能になったのかもしれないが。大手は努力しなくても看板だけで仕事が出来るから、結構無能君が多いからね。

中途半端に人気はあるのだが赤字垂れ流しの劇団を、ビシバシ改革して行く兄の姿が痛快である。鉄血宰相な兄と声優女、そして劇団主宰の弟が目立ちすぎるから、他の登場人物が影薄くなりすぎな気がする。

声優女は誰かとくっ付いてベタ甘路線になるとばかり思っていたのだが、どうやら今回は甘さ控えめだった様である。


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キケン

キケンキケン
(2010/01/21)
有川 浩

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成南電気工科大学機械制御研究部略称「機研」。彼らの巻き起こす、およそ人間の所行とは思えない数々の事件から、周りからは畏怖と慄きをもって、キケン= 危険、と呼び恐れられていた。これは、その伝説的黄金時代を描いた物語である。


最近、有川浩の人気が出すぎて、新刊の予約負けが続いていたのだが、これはかろうじて押さえる事に成功した。

キケンって、危険じゃなくて機研だったのか。西南電気工科大学機械制御研究部、略称「機研」で繰り広げられる理系大学生活。爆弾魔と大魔神、二人の先輩に捕獲されてしまった新入生が、翻弄されつつも機研の色に染まっていく波乱万丈な学園物語。

何事も全力投球で、限りなく危険なのだが、最後の一線はストッパーがかかるので越えていかないところが良い。理系大学だけに、女絡みが少なくて、いつものベタ甘展開はなかった。ひとつだけ、女子大絡みもあるのだが、アッサリと裏切られて終了フラグ。

現在進行形の物語ではなく、登場人物の一人が過去を振り返るという形になっている。登場人物だけでなく、作者も全力で遊んでいる。ラスト付近の書き込みが素晴らしい。


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三匹のおっさん

三匹のおっさん三匹のおっさん
(2009/03/13)
有川 浩

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「三匹のおっさん」とは…定年退職後、近所のゲーセンに再就職した剣道の達人キヨ。柔道家で居酒屋「酔いどれ鯨」の元亭主シゲ。機械をいじらせたら無敵の頭脳派、工場経営者ノリ。孫と娘の高校生コンビも手伝って、詐欺に痴漢に動物虐待…身近な悪を成敗。


剣道の達人、柔道家、無敵の頭脳派。還暦を迎えた三人だが、まだ枯れるには力が有り余る感じで、町の自警団を結成。身近に起こる事件を解決し、悪党を成敗する。

三人の美女とか美少女とか、せめて三匹のイケメンならともかく、題名がおっさんだけに、あまり期待していなかったのだが、このおっさん達はおもしろい。さすがに還暦だけあって、おっさん自体にベタ甘成分はあまり無いのだが、その分、娘や孫がフォローしているので無問題!

かつあげ、婦女暴行、初恋詐欺、動物虐待、悪徳商法と、数々の事件が起こるのだが、おっさん達は基本的に身近にいる人間しか助けない。悪党の懲らしめ方も不十分だし、周りにいる人間に降りかかった火の粉は払うけど、後は関知しない感じである。

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ラブコメ今昔

ラブコメ今昔ラブコメ今昔
(2008/07/01)
有川 浩

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乙女だっておっさんだってオタクだって人妻だって、恋がなければ生きてゆけない。ベタ甘ラブに耐性のない方お断り(もしくはこの機会に溺れてみる?)。の最強短編集。


何事も、中途半端はいけない。やるなら徹底してやるべきであって、その点、有川浩は申し分ない。「クジラの彼」も凄かったけど、今回も読んでる方が恥ずかしくなって来るくらいに超ベタ甘! 

全部自衛官絡みで、しかも実在する人物をネタにしてるっぽいのが素晴らしい。どうでもいいような事ばかり書いてある普通の恋愛小説は好きじゃないのだけど、ここまでベタ甘だと、かえって美味しく読める。それにしても、どれもこれも魅力的な女性に対して、いい人だけど恋に拙い男の組み合わせ。いや、パイロットだけはモテ期か……。

ベタ甘だけど、国防絡みによる辛味成分も入っているので、甘いからと言って、美味しい事だけ選り分けたご都合主義な話でもない。仕事が出来ない身勝手な王様と、ストーカー美女以外は人間失格級のロクデナシも出て来ないので、ストレスも溜まらなくて良い。王様はマジでムカツクけど。

「どんなケンカを前日の晩にしても、翌日の朝には……」というのは、自衛官だけに限らないよね。ただ歩いているだけでキチガイに刺されたりするし、いつどこで何が起こるかわからないのだから。

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阪急電車

阪急電車阪急電車
(2008/01)
有川 浩

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恋の始まり、別れの兆し、そして途中下車…。8駅から成る、片道わずか15分間の阪急電鉄今津線で、駅ごとに乗り降りする乗客の物語。電車は、人数分の人生を乗せて、どこまでもは続かない線路を走っていく—片道わずか15分。そのとき、物語が動き出す。


なんだかマイナーなネタであるが、これは阪急今津線利用者には堪らないだろう。宝塚から西宮北口までの、僅か八駅の間に起こる人間模様。駅毎に主人公が代わって行くのだが、同じ車両に乗り合わせているので、他の話の登場人物もチラリと登場したりする。

そして、西宮北口からは折り返して再び宝塚まで。この折り返し部分は、そのまま戻るのではなく、後日譚であるから、数ヶ月後のお話になる。前半で登場した人々が、その後どうなったか描かれる。片道わずか15分の間に、出会いもあれば別れもある。

様々な人物が登場するが、婚約者を寝取られてしまい、披露宴に花嫁以上に美しい純白のドレスを着て討ち入りする翔子さんが格好良すぎる。婚約者の男は阿呆である。

次は宝塚線でやってもらいたいところだが、駅数が多いから大変だろうな(笑)。

ネタバレ注意↓
 
 
 
 
 
図書館でよく見かける、好みのタイプの女性が隣に座り、外に見える「生」の文字がきっかけで恋が始まる青年。恋が始まる瞬間を見て辛く感じる純白のドレスを着た美女は、婚約者を地味女に寝取られて、披露宴に討ち入りを果たした直後。その美女をお嫁さんだと勘違いする小さな孫娘と祖母。話しかけられた老婆に勧められて途中下車する美女。それを見かけて常識問題で諍いとなるカップル。男の方はロクデナシ。逆ギレして競馬に行くロクデナシ。それを見て別れたほうが良いと老婆に言われる女。年上の彼氏の馬鹿っぷりでのろける女子高生。たまたま同じ車両に乗っていた、自分と同じ大学に通う女性と意気投合する青年。

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別冊 図書館戦争 2

別冊 図書館戦争〈2〉別冊 図書館戦争〈2〉
(2008/08)
有川 浩

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大好評『図書館戦争』シリーズ、スピンアウト第2弾!そんで、結局あの人たちは?これにて幕引き。


出版されたのを見逃してしまい、図書館で予約負けしてしまったのだが、ようやく読めた。これで本当に完結か!? それにしても、スピンアウトで別冊が二冊も出るとは思わなかった。

熱血バカ夫婦はちょっと引っ込んで、他の人達にスポットライトが。敵であるメディア良化委員会から転職してきた緒方の過去が切ない。後半から柴崎率が非常に高く、ストーカーされたり、逆恨みされたり、拉致監禁されたりと、美女として生きるのも大変デス。変態に押し込められて襲われそうになったところで、柴崎の王子様が華麗に登場、ようやく落ち着くべきところにオチがついたという感じか。

それにしても、同室になった電波さんがキモすぎる件! 何でこういう人間は客観的判断を下す事が出来ず、根拠無き自信で暴走するのか謎。

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別冊 図書館戦争 1

別冊 図書館戦争〈1〉別冊 図書館戦争〈1〉
(2008/04)
有川 浩

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『図書館戦争』スピンアウト・別冊シリーズ第一弾!武闘派バカップル恋人期間の紆余曲折アソート!


本編は四部作で完結となったが、アニメ化、コミカライズと展開する流れに乗り、外伝的に増量。本編以降の話なので、すでに熱血バカと怒れるチビがカップル成立しており、ベタ甘成分が異様に高い。ベタベタすぎる展開だらけで、読むだけで糖尿病になりそうな位、お腹いっぱいになる。

ベタ甘だけではなくて、それなりに事件も起こるのだが、本編が完結してしまったのに、それ以上の難局があってはいかんだろうと、どれも小さなトラブルばかり。それにしても、相変わらず敵側の言論弾圧主義者達はムカツクなぁ。

現実世界においても、改正児童ポルノ法の名を借りて、言論弾圧法案を可決しようという動きが与野党から出ていた(時間切れで廃案)ので、うかうかしてられませんぞ。

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クジラの彼

クジラの彼クジラの彼
(2007/02)
有川 浩

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「沈む」んじゃなくて「潜る」。潜水艦とクジラと同じだから。人数あわせのために合コンに呼ばれた聡子。そこで出会った冬原は潜水艦乗りだった。いつ出かけてしまうか、いつ帰ってくるのかわからない。そんな彼とのレンアイには、いつも大きな海が横たわる。恋愛小説作品集。


全部が全部、自衛隊ネタで、しかもベタベタな恋愛物だったとは……。短編集だから単独でも読めるが、『空の中』と『海の底』をすでに読了している事が前提条件だ。先の二作を読んでいないと、きっとこの本の価値は半減してしまう。

それにしても、『空の中』と『海の底』の人々が障害を見事に乗り越えて幸せを掴んでいるのを見ると、うそ臭いご都合主義な話に思える。決して貶している訳ではない。現実世界の恋愛はあまりにも糞喰らえ! なので、せめて架空の物語ではハリウッド的なハッピーエンドが用意されていても、バチは当たらないんじゃないかと思う。

約一名、糞女も出てくるが、全作品に絶滅寸前級の女性が出てきて微笑ましい。こういうのを素直に喜ぶには体中が痒くなるほど暗黒面に染まってしまった我が身ではあるが、読後感は悪くなかった。個人的にはファイター・パイロットな人のツンデレが最強に萌えます!

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レインツリーの国

レインツリーの国レインツリーの国
(2006/09/28)
有川 浩

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きっかけは「忘れられない本」そこから始まったメールの交換。あなたを想う。心が揺れる。でも、会うことはできません。ごめんなさい。かたくなに会うのを拒む彼女には、ある理由があった―。青春恋愛小説に、新スタンダード。


図書館シリーズで出てきた本が独立して登場です。「図書館内乱」においてメディア良化委員会の陰謀で、あやうく焚書坑儒に憂き目に遭うところだった問題の書物である。

メールでのやり取り部分が、読んでいてむず痒くなってくる。二人ともクサイ。男のほうが押し強すぎで、ちょっと暑苦しかった。まあ、このくらい果敢に攻め込む人間じゃないと幸せは掴めないのかもしれないが。ヒロインが障害を抱え、その事が文字通り「障害」として二人に圧し掛かって来る訳ですが……。

ところで、この話はヒロインが「フェアリーランド」という物語を読んで、感想をネット上に掲載していたところから物語が始まるのだが、ひょっとしてコレも後から書こうとか思ってないだろうな? 「図書館内乱」の作中小説として登場する「レインツリーの国」の中で登場する「フェアリーランド」、果たして実際に登場するか否か!?

追記
どうやら「フェアリーランド」は、笹本祐一の「妖精作戦」を元にしているらしい。

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図書館革命

図書館革命図書館革命
(2007/11)
有川 浩

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正化三十三年十二月十四日、図書隊を創設した稲嶺が勇退。図書隊は新しい時代に突入、そして…。極上のエンターテインメント『図書館戦争』シリーズ、堂々の完結編。


近未来の日本を舞台にした、嘘臭いルール付きの限定的内戦も、これで完結。原発をターゲットにしたテロ事件が発生した事から、酷似したフィクションを書いていた作家に対する圧力がかかる。テロを理由に憲法改正を目論む弾圧勢力。作家を保護するものの、内部からも裏切り者が出て危機に陥る。

物語も、登場人物も、ノンストップで突っ走る。ベタベタな展開になって、最後は一応ハッピーエンド。メディア良化委員会が倒された訳ではないので、戦いはまだまだ続くのだろうけど、とりあえずは一件落着。

小説はこれで終わってしまったけど、コミカライズ×2にアニメ化ですか。

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図書館危機

図書館危機図書館危機
(2007/02)
有川 浩

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図書館は誰がために—王子様、ついに発覚!山猿ヒロイン大混乱!玄田のもとには揉め事相談、出るか伝家の宝刀・反則殺法!—そしてそして、山猿ヒロイン故郷へ帰る!?そこで郁を待ち受けていたものは!? 終始喧嘩腰でシリーズ第3弾、またまた推参。


三冊目。ラストへ向けての勢いが出てきて、ハイテンション。どうやら次で完結らしい。売れたからと言ってダラダラと続けない潔さは良いのだが、ちょっと寂しい気もする。

王子様を卒業する事にした郁も少しずつ成長して、図書士長に昇進。昇進試験で、郁よりもエリートなはずの手塚が幼児相手に悪戦苦闘する羽目になるのが笑える。

ある人気芸能人が自分の生い立ちを本に綴ろうとした時、問題が発生。それは「床屋」という言葉。メディア良化委員会の検閲対象語であり、それを書き換えた出版社に芸能人が反発。図書館員の入れ知恵による妙手で対応する事にするのだが……。うーん、床屋って現実世界でも、放送禁止用語なんだな。誰だ、そんなものを禁止指定する馬鹿は!

続いては茨城県立図書館での攻防戦。事なかれ主義な無能館長のせいで、完全に骨抜きにされた防衛隊。内部でも軋轢が生じていて、読んでいて胃がムカつきます。組織って、出来た瞬間から腐敗していくものなのかねぇ。「無抵抗者の会」とかいう馬鹿どもの市民団体も現れて、不快指数倍増。それだけに、なおさら熱血馬鹿の郁が輝きます。
 
 
メディア良化委員会の前身となるであろう言論弾圧主義者達よ、この本は言葉狩りしなくてもいいのか?(笑)

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図書館内乱

図書館内乱図書館内乱
(2006/09/11)
有川 浩

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相も変わらず図書館は四方八方敵だらけ! 山猿ヒロインの両親襲来かと思いきや小さな恋のメロディを 叩き潰さんとする無粋な良化「査問」委員会。 迎え撃つ図書館側にも不穏な動きがありやなしや!? どう打って出る行政戦隊図書レンジャー! いろんな意味でやきもき度絶好調の『図書館戦争』シリーズ第2弾、ここに推参! ――図書館の明日はどっちだ!?


ちょっとラノベっぽいノリが大きくなってきたというか、ベタベタな部分に食傷気味な方もおられるようですが、そもそもあんまり大人向けじゃないからね。内容的には一般ではなくて児童書に近い気がする。

メディア良化委員会との対立だけでなく、図書館を文部科学省の国家機関とする事により、検閲権奪取を目論む第三勢力的な人々も登場してきて、さらにややこしい事になります。敵対組織だけでなく、図書館内部にも足を引っ張る奴らが暗躍して、まさに内乱寸前。どこでもそうだけど、内ゲバって醜いですな。

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図書館戦争

図書館戦争図書館戦争
(2006/02)
有川 浩

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公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された現代。超法規的検閲に対抗するため、立てよ図書館!狩られる本を、明日を守れ! 敵は合法国家機関。相手にとって不足なし。正義の味方、図書館を駆ける!

笠原郁、熱血バカ。
堂上篤、怒れるチビ。
小牧幹久、笑う正論。
手塚光、頑な少年。
柴崎麻子、情報屋。
玄田竜介、喧嘩屋中年。

この六名が戦う『図書館戦争』、近日開戦!


有川浩、三冊目に挑戦。それにしても、作者が女性だったとは知らなかった。読み方も、ヒロシかと思っていたし。「空の色」よりはラノベっぽいが文章は軽くもない。言論弾圧派と表現の自由派の攻防を描いた近未来物なのだが、図書館が表現の自由を守り抜くために武装しているという、有り得ないような設定が面白い。そして、図書館にある有害図書(と勝手に規定)を排除しようと画策するメディア良化委員会という悪役もまた政府組織という有り得なさ。なんか、内ゲバですなコレ。まるで、ティターンズvsエゥーゴの戦いみたいだ。

それにしても、読みたいときに読みたいものが読めるという幸せをヒシヒシと感じてしまいます。全ての言論弾圧主義者に、この書を捧げたい。何か事件が起こる度に書物や映画に責任転嫁するの、ウザイからいい加減にしろ!! と、世界の中心で叫びたい。

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海の底

海の底海の底
(2005/06)
有川 浩

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横須賀に巨大甲殻類来襲。食われる市民を救助するため機動隊が横須賀を駆ける。孤立した潜水艦『きりしお』に逃げ込んだ少年少女の運命は!?海の底から来た『奴ら』から、横須賀を守れるか―。


突然変異で超巨大化したエビの大群が「海の底」からワラワラと沸きだし、横須賀に上陸する。そして人間を喰らい始めるのである。無能な政府、馬鹿なマスコミ、無責任な小市民、劣悪な装備で化け物と戦わされる警察官。それを見守る事しか出来ない自衛隊。この国の脆弱さが出ていて良いですな。(良いのか!?)

舞台となるのは座礁した潜水艦。逃げ場を失った子供達を助けたために、内陸部ではなく潜水艦内部に逃げ込む事を余儀なくされた若手自衛官。少年少女の中にはクソガキも混じっていて、いろいろある。潜水艦の周囲には巨大エビがひしめき、脱出不可能なために救助を待つしかないのだが、すでに横須賀市内もエビ軍団に蹂躙されていて、それどころでは無くなっているのだ。自衛隊は、なかなか動きません。早く出動させれば被害は最小限で済むところを、無為に人命が失われ、多くの血が流れるのである。

最後の最後は予定調和なハッピーエンド。一人だけ、艦長が犠牲になっているけど、その他の犠牲者は記号でしかないからね。ご都合主義だと言われようと、こういうハリウッド的な王道エンディングは好きです。

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空の中

空の中 (角川文庫 あ 48-1)空の中 (角川文庫 あ 48-1)
(2008/06/25)
有川 浩

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200X年、二度の航空機事故が人類を眠れる秘密と接触させた。「変な生き物ゆうたわね?そやね?」―秘密を拾った子供たち。「お前を事故空域に連れて行く。話は現場を見てからだ」―秘密を探す大人たち。秘密に関わるすべての人が集ったその場所で、最後に救われるのは誰か。“電撃”が切り開く新境地。第10回電撃小説大賞大賞受賞作家・有川浩待望の第2作。


ラノベ畑から出てきた作家だけど、僅か2作目にして、すでにその枠には留まらない。メディアワークスから出ているけど、ハードカバーで表紙のデザインも良い。これなら、普通の人も読むだろう。電撃文庫からキャラ絵つきのラノベとして出さなかったのは正解です。外側だけじゃなくて、すでに中身もラノベを超越してしまっているのだけど。

YS11以来となる国産旅客機の試作機となるスワロ-テイルが四国沖の高高度で爆発炎上して消滅。さらに、航空自衛隊の戦闘機も同空域で何かにぶつかって爆発。そこには、人類が知らない何かがいた! 敵国の新兵器でもなく、エイリアンの仕業でもなく、人類が今まで出会うことの無かった●●という設定が非常に良い。

スワローテイル試作に関わり、事故原因を調査していた男と、生還した航空自衛隊の女性パイロットは再び同空域へと赴き、その何かと出会う。その頃、殉職した航空自衛隊パイロットの息子は海岸で正体不明の生物を拾い、自宅で飼育していた。

人類の浅はかさ故に反撃されてしまうシーンが薄味だけど、登場人物も過不足無く、伏線の張り具合も絶妙で心地良い。

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