宮木あや子

攻略対象書籍は以下。

花宵道中』★★★★☆
雨の塔』★★☆
白蝶花』★★★★☆
群青』★★★★
泥ぞつもりて』★★★★
セレモニー黒真珠』★★★★
野良女』★★★★
太陽の庭』★★★☆
『春狂い』
『ガラシャ』
『憧憬☆カトマンズ』
『学園大奥』
『官能と少女』
『婚外恋愛に似たもの』


初手からレベルが高いので、かなり年配の方かと思ったら、そうでもなかった。「白蝶花」の構成も凝っている。ただ、二作目の百合小説はちょっと微妙……。


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太陽の庭

太陽の庭太陽の庭
(2009/11/26)
宮木 あや子

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一般人にはその存在を決して知られることなく、政財界からは「神」と崇め奉られている、永代院。屋敷内では、跡目と寵愛を巡る争いが絶えず、子供たちは常に死と隣り合わせの生を生きている。愛と自由を知らない「神の子供たち」が「最後の日」に見るのは、神の祝福か、それとも警鐘か―。『花宵道中』の宮木あや子が描く、現代の“宮中小説”。


本当に“現代の宮中小説”であった。一般人に知られず、日本を支配する裏の権力構造。その頂点に君臨する永代院内部における闘争劇。秘密結社程度なら有り得ても、ここまでトンデモ設定だと嘘臭い。しかし、六大企業集団みたいなのは現に存在しているのだから、そのさらに裏側に、こういう闇の権力構造があっても面白いよね!? まあ、実際あったとしたら、庶民としては非常に面白くないので、この物語の結末の如く、暴動でも起こりそうだが。

「雨の塔」と同じ世界設定なのだが、もう内容を忘れてしまっているので、登場人物がどう繋がっているのはよく分からなかった(汗)。二作も出してくるところを見ると、かなり気に入っているんだろうなぁ。三作目も出たりする?


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野良女

野良女野良女
(2009/07/18)
宮木 あや子

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幸せになるまで死ねません!恋も仕事も夢見る少女じゃいられないアラサー女子の、心の叫びがこだまする!笑って泣いて仲間と飲んで、明日もがんばる痛快作。


アラサー女子による連作短編として繋がっていて、それぞれの物語で密接に絡んでくるのだが、主人公は次々と変わって行く。今風な女性の女人生崖っぷちな感じのギリギリ感が面白い。

一人だけ、やや恵まれてない感じの人もいるのだが、ほとんどの主人公が好き放題に生き、妥協もせず好き勝手ばかり言いつつ人生に焦っているので、ちっとも共感は出来ないのだが、他人事な人生として読む限りでは面白かった。

それにしても、私から見れば登場人物全員が1万と2000倍はリア充すぎるのに、一体何が不服なのか。ちょっとは妥協しやがれです! と言いたい。


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セレモニー黒真珠

セレモニー黒真珠 (ダ・ヴィンチブックス)セレモニー黒真珠 (ダ・ヴィンチブックス)
(2009/03/25)
宮木 あや子

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町の中小葬儀屋・セレモニー黒真珠は、忙しかったり、ヒマだったり。いちおうまだ20代なのに40代にもまちがわれるほどシッカリしすぎな29歳女性・笹島に、悩めるメガネ男子26歳・木崎、何やらワケアリ気味の新人女性派遣社員21歳・妹尾。葬儀屋を舞台に男女3人の仕事と恋愛を描く連作短編集。宮木あや子流ラブコメは、泣けるラブコメ。


切り絵みたいな感じのイラストが洒落ている。無論、内容も良い。何かと思ったら、今度は葬儀屋の話だった。小さな会社だけど地域に根付いているので手堅く商売をしているセレモニー黒真珠。

ここに、いろいろと訳アリな人々が集う。ロクデナシの親を持ち、苦難の人生を歩んで来た若き女性は、一緒になれなかった男を弔うため、派遣社員として黒真珠へ。先輩の女性社員はブライダル会社から葬儀屋へと転進。名門大学を出た男は、幼少の頃より死の儀式に魅入られて、新卒で就職。この男は死者の声まで聞こえてしまうという危ない眼鏡男子(笑)。

連作になっているので、主人公と視点は変わって行く。


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群青

群青 (shogakukan paperbacks)群青 (shogakukan paperbacks)
(2008/09/30)
宮木 あや子

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離島の女と男をめぐる生と死と再生の物語。長澤まさみ主演、沖縄・八重山諸島を舞台にした映画「群青」の原作小説。愛する女のために命を懸けて海に潜る男たちの熱く純粋な思い、そして最愛の人を失った女の絶望と再生を鮮やかかつ官能的に描いた恋愛小説。


舞台は八重山諸島にある(という設定の)南風原島。石垣島から高速船でさらに南へ。実際には、そんな島は存在しない訳だが、設定にソックリな島に波照間島というのがあり、これは実在する。という訳で、これは波照間の話なのだろうけど、人口600人弱の小さな島なので、そのまま使うには何かと不都合だったのかなぁと思いつつ……。

島にやって来たひとりの美女。妙齢というにも微妙な年齢になっていたが、過疎の島では十分に若い娘として話題となる。実は、病気療養のため、島を訪れた売れっ子ピアニストなのだが、患っているのは死病であった。

婚約者を振り切りつつ、島の漁師とデキてしまうが、病が進行してしまい、娘を産み落としてアッサリと死亡フラグ確定。という訳で、「紺碧」→「三原色」→「群青」と続くのだが、「三原色」からは主人公交代で、娘の物語となる。

同年代は僅か三人。娘と二人の少年と来れば、この後の展開はもう、あだち充の「タッチ」みたいになる事が容易に推測される訳で。ああ、やっぱりそうなるか(笑)。しかし、母子揃って不幸のコンボ状態で、憂鬱な物語である。親の才能を引き継いだ天才少女の物語とかなら、もっと楽しめたのに。

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泥(こひ)ぞつもりて

泥(こひ)ぞつもりて泥(こひ)ぞつもりて
(2008/11/26)
宮木 あや子

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女は待ち、男は孤独を知る。清和、陽成、宇多天皇、いつの時代も女に生まれれば同じこと。平安王朝にまつわる男女の尽きせぬ狂おしい想い。


知らない間に宮木あや子の新刊が増殖していたので、慌てて読む。初手からハイレベルだったけど、やはり引き出しが大きい。何を書いても金太郎飴的に同じな女流作家とは一味違う。

平安時代を舞台にした物語で、作っているのかと思いきや、実在した人物が数多く登場する。間違いなく力作なのだが、平安時代なのでいまいち食指が動かない。

この時代は本当にドロドロしている。庶民は飢えているというのに、支配者達は何の役にも立たないお遊びばかりしていて辟易する。貴族に産まれても、親の権威でそのポストが決まるのだからやるせない。女は子を産ますための政争の道具でしかないし、好きでもない相手を強引にあてがわれる帝も大変だ。

しかし自分の努力ではないところで物事が決まる閉塞感は、平安も平成も変わらないね(超苦笑)。

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雨の塔

雨の塔雨の塔
(2007/11)
宮木 あや子

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四人の少女たちが織りなす愛と孤独の物語。資産家の娘だけが入れる特別な学校に「捨てられた」四人の少女たち。閉じた空間で生まれる愛情、執着、嫉妬。濃密で危うい感情の行く先は――。大人のための"少女小説"。


家同士を繋ぐための道具となる良家の子女が入れられる、隔離された学園が舞台。外界の情報とも遮断された場所で、雨の塔と呼ばれる寮に住む女子学生達の百合物か!? しかし、淡々としすぎで物語に起伏が無いし、ちっとも盛り上がらないまま終わってしまう。『花宵道中』みたいな出来栄えを期待すると、大きく裏切られる。

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白蝶花

白蝶花白蝶花
(2008/02)
宮木 あや子

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抱いて。ずっと忘れないように――戦中の日本で恋に命をかけた女たちを描く純愛ロマン。昭和十九年、福岡県知事の屋敷に奉公にきた少女・千恵子。書生の政吉と恋に落ち初めて結ばれた途端、政吉は徴兵されてしまい……千恵子の波乱に満ちた人生を中心に、戦前・戦中・戦後の激動の日本で、それぞれの愛を貫き通した5人の女たちが織りなす恋物語。デビュー作『花宵道中』で圧倒的支持を得た著者による注目の最新作!


二作目がイマイチだったが、これは持ち直した感じである。戦前から戦後にかけてのロマンス。大きな流れになっているのではなくて、基本的には独立した短編が4つ。ハッピーエンドで終わらないものが多い。平成の世では完璧に女性のほうが勝ち組だけど、昔は女も苦難の時代があったんだね……。

それぞれ別の時代、別の話で主人公も違うけれども、他の話の人物が脇役で絡んでくるので微妙に繋がっていて面白い。

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花宵道中

花宵道中 (新潮文庫)花宵道中 (新潮文庫)
(2009/08/28)
宮木 あや子

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江戸末期の新吉原で、叶わぬ恋に咲いては散りゆく遊女たち。恋する男の目前で客に抱かれる朝霧、初見世に恐怖と嫌悪を抱く茜、自分を捨てた父に客と女郎として対峙した霧里、一生恋はしないと誓いながらもその衝動に抗いきれなかった八津……芳醇な色香を放ち、甘美な切なさに心が濡れる官能純愛絵巻。


第5回R‐18文学賞大賞、読者賞受賞作。

デビュー作でこの水準。新しく作られた賞なのに、いきなり凄いのが出てきた。R18なので、女性によって書かれた女性のためのエロス、という事なのだが、オナニーばかりしていて読み手不在な芥川賞系統の新人賞より、遥かに文学していると思う。

5編入っているのだが、ただの短編小説なのかと思ったら、全部が繋がって連作になっていた。浮女たちの不遇が悲しい。体を売るか、村で餓死するか、どちらにしても地獄である。お金が無くて身売りされるのはまだしも、人買いに攫われるような境遇の人もいるのは酷すぎる。自分の所有物じゃないのに勝手に捕まえて売るのは、奴隷制度と同じじゃないか……。

この国に奴隷という階層はなくとも、今も昔も実質的な奴隷は存在している。毎日20時間以上働かされている社畜な人なんて、奴隷という言葉すら生ぬるいけどさ。

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