ワニ―ジャングルの憂鬱草原の無関心

ワニ―ジャングルの憂鬱草原の無関心ワニ―ジャングルの憂鬱草原の無関心
(2004/01)
梨木 香歩

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ジャングルでは沢山の命が生まれ、生きるために食べ食べられ、全てが夢であるごとく皆死んでいく。傲慢でジャングル一の嫌われ者のワニは仲間・兄弟さえ食べて生きてきた。だが…。自己中心と他者尊重の境界を問う一冊。


梨木香歩の絵本は、何で考えさせる作品が多いのか。絵本にはなっているけど、内容が大人味だよなぁ。

自分の兄弟すら食ってきた、自己中心的なワニ。彼は自分がライオンの友達だと思っており、他の生き物を食って生きている。ある日、見つけたカメレオンを食おうとしたところ、カメレオンは同じ爬虫類で、仲間だから食うなと言われてしまう。

そんな事を言い出したら何も食えなくなるので、構わず食ってしまうのだが、腹の中からナカマ、ナカマと声が聞こえ続ける。堪らずワニは、ライオンに相談しに行くのだが……。

途中で挟まれる「ジャングルの憂鬱」と「草原の無関心」という、ただ一言だけしかないシーン。無力感と無関係が滲み出ていて、考えさせられる場面である。

なんというか、この世は残酷な修羅世界だよな。こんな不完全な世界を創ったやつが何処かにいるとしたら、物凄く性格が悪いに違いない。自分に似せて人間を作ったから、人間も邪悪で性格が悪いんですねわかります(笑)!

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蟹塚縁起

蟹塚縁起蟹塚縁起
(2003/02)
梨木 香歩

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あなたがその恨みを手放さぬ限り…蒼白い月の光は、時間を超えたいくつもの魂の旅路を優しく照らし出す。幻灯のように浮かび上がる、静かな一夜の物語。とうきち自身気づかずにいた前世の無念は、律儀な蟹の群れと共に月夜に昇華される。幻想的絵本。


名主の馬鹿息子が、沢蟹を捕まえて脚をむしり取っているのを見て、蟹を奪って逃がした男。しかし、馬鹿親の名主に怒られ、「蟹を返せないなら牛を貰う」と、牛を奪われてしまう。

牛がいなくなっても、自分一人だけなら何とかなると思っていたら、いきなり押しかけ嫁が! しかし、横歩きしているので、すぐに蟹の恩返しだとバレてしまう。鶴と違って、相手が蟹だと、やはり微妙だよなぁ(笑)。

蟹の大軍団は、牛を取り返そうと名主の家に押し寄せるのだが、ここで前世の因縁が明らかとなる。恨みを晴らして一件落着とならない手堅い結末なのが、ちょっと好みに合わなかった。まんが日本昔話に時々混ざっている、暗い物語みたいだった。

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マジョモリ

マジョモリマジョモリ
(2003/05)
梨木 香歩

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春のマジョモリは花が満開。ある朝つばきは、森から届いた招待状を手に初めて森の奥へ。そこで出会ったハナさんとノギクやサクラのお茶でティーパーティー。後からもう一人来た女の子は誰? 「小さな女の子の時間」を描く。


入ってはいけないマジョモリへ招待されてしまった少女つばき。ちょっとホラーなのかと思いきや、行った先で待っていたのは、森の精霊みたいな緑の髪をしたハナさんという女の人だった。そこでお菓子を勧められるのだが、それはお供え物の美味しくないやつだった。

生クリームは食べた事が無いとハナさんが言うので、つばきは急いで家に戻り、母親に生クリームを頼む。招待されていない母親が悲しんでいると、自分にも招待状が届いて……。

招待されたのに、母親が全然出てこないと思ったら、そういう事かっ!! 最後のほうでネタバレする前に分かったけど、思わずもう一度読み返してしまった。ところで、ハナさんは森の精霊とかではなくて、木花咲耶姫だったのか。

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ペンキや

ペンキやペンキや
(2002/12)
梨木 香歩

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しんやは小さい頃に亡くなった父親と同じペンキ屋になった。お客のもっとも望む色を探し出し、人々を幸せにするペンキ屋に…。一人の職人の一生を、異国的なタッチの絵と静かな言葉で奏でるファンタジックな本。


絵本なのに、またしても大人味。ペンキやの息子として生まれ、ペンキやになった男の人生。欧州で他界した父の墓を探して船に乗っている時に、謎の女性にユトリロの白で船を塗るように頼まれるのだが……。

知らない間に仕上がっていたユトリロの白。そして待ち受けていたのが、父と同じ運命。結婚して子供も産まれたので、満たされた人生だったのかもしれないが、この結末はハッピーエンドとして素直に受け入れられない。

結局、現世でどんなに足掻いたところで、上方世界で定められた運命からは逃れられないという事なんかね? あの不気味な女は、死神か?

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この庭に―黒いミンクの話

この庭に―黒いミンクの話この庭に―黒いミンクの話
(2006/12/13)
梨木 香歩

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雪のふる小屋にこもる主人公は、ある日、日本人形のような白い顔の少女に出会う。「この庭に」と、彼女が語りだす。「この庭に、ミンクがいる気がしてしようがないの」 不思議な魅力ある、もうひとつの「ミケルの庭」の物語。


何だかよく分からない、夢オチみたいな話だったけど、どうやら「ミケルの庭」というやつの続編らしい。

また読む順番間違えてるじゃないかっ!

話が繋がっていたり、関連したりするシリーズならば、もっと判るように書いておいてくれよ。Orz

で、検索すると「ミケルの庭」なんて本は見当たらない。さらに調べると、「リカさん」の中に含まれていて、読む順番は「リカさん」→「からくりからくさ」→「この庭に」という流れの様である。

主人公が家を借りて、オイルサーディン食いながら酒浸りの日々を過ごしていたところ、不思議な少女が迷い込んできて、ミンクを探していると言うのだが……。最後のほうで主人公の立ち位置がガラリと変わってしまい、よく分からない結末を迎える。なんか、「胡蝶の夢」みたいなオチの物語だった。

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