桜庭一樹

攻略対象書籍は以下。
一部、山田桜丸名義あり。

『ロンリネス・ガーティアン』
『ルナティック・ドリーマー』
『Girl's Guard 君の歌は僕の歌』
『B-EDGE AGE 獅子たちはアリスの庭で』
『B-EDGE AGE 獅子たちはノアの方舟で』
『竹田くんの恋人』
『赤×ピンク』
『推定少女』
『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』
少女には向かない職業』★★★☆
『ブルースカイ』
少女七竈と七人の可愛そうな大人』★★★★
赤朽葉家の伝説』★★★★
青年のための読書クラブ』★★★★
私の男』★★★☆
『荒野』
『ファミリーポートレイト』
『製鉄天使』
道徳という名の少年』★★★☆
『伏 贋作・里見八犬伝』
『ばらばら死体の夜』
『傷痕』
『無花果とムーン』

EVEシリーズ
『イヴ・ザ・ロストワン』山田桜丸名義
『イヴゼロ The Beginning EVE』山田桜丸名義
『EVE TFA 亡き王女のための殺人遊戯』
『EVE burst error PLUS サヨナラキョウコ、サヨナラセカイ』

GOSICK -ゴシック-シリーズ
『GOSICK -ゴシック-』
『GOSICK II-ゴシック・その罪は名もなき-』
『GOSICK III-ゴシック・青い薔薇の下で-』
『GOSICK IV-ゴシック・愚者を代弁せよ-』
『GOSICKs-ゴシックエス・春来たる死神-』
『GOSICK V-ゴシック・ベルゼブブの頭蓋-』
『GOSICKs II-ゴシックエス・夏から遠ざかる列車』
『GOSICK VI-ゴシック・仮面舞踏会の夜-』
『GOSICKs III-ゴシックエス・秋の花の思い出-』
『GOSICK VII-ゴシック・薔薇色の人生-』
『GOSICKs IV-ゴシックエス・冬のサクリファイス‐』
『GOSICK VIII -ゴシック-』

ノベライズ
『アークザラッド』山田桜丸名義
『学園都市ヴァラノワール 未来は薔薇の色』
『ジェネレーション・オブ・カオス3 時の封印』
『555』

エッセイ
『二代目のバカにつける薬』(山田桜丸名義)
『桜庭一樹日記 BLACK AND WHITE』
『桜庭一樹読書日記 少年になり、本を買うのだ。』
『* 書店はタイムマシーン 桜庭一樹読書日記』
『お好みの本、入荷しました 桜庭一樹読書日記』


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道徳という名の少年

道徳という名の少年道徳という名の少年
(2010/05/11)
桜庭 一樹

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「愛してるわ!ずっと昔から…。子供の頃から、愛していたわ!」町でいちばん美しい、娼婦の四姉妹が遺したものは?(1、2、3,悠久!)、黄色い目の父子と、彼らを愛した少女の背徳の夜(ジャングリン・パパの愛撫の手)、死にかけた伝説のロック・スターに会うため、少女たちは旅立つ(地球で最後の日)、 ―桜庭一樹のゴージャスな毒気とかなしい甘さにアーティスト野田仁美が共振してうまれた、極上のヴィジュアルストーリー集。


会話がほとんど無く、地の文章だけで綴られる神視点の童話みたいな感じになっている。道徳という名の少年が主人公かと思ったら、どんどん世代交代して行くじゃないか。

美貌の家系に生まれた人々の歴史だが、美しく生まれても数奇な運命を辿り、大抵は醜く惨い死を迎えてしまう。章が進むたび、それまでの主人公は親になったり、死んだり、殺されたりして、アッサリと物語の舞台から退場して行く。

主人公を消費しながら、ひたすら未来へ向かって物語が進んでいくのだが、それぞれの人生がBAD ENDだらけで哀しくなって来る。しかし、若い頃は良い思いもしているので、最初から最後まで不遇の人生を送る人々と比べたら、リア充期間が与えられているだけマシか。


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青年のための読書クラブ

青年のための読書クラブ (新潮文庫)青年のための読書クラブ (新潮文庫)
(2011/06/26)
桜庭 一樹

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東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。校内の異端者だけが集う「読書クラブ」には、長きにわたって語り継がれる秘密の〈クラブ誌〉があった。そこには学園史上抹消された数々の珍事件が、名もない女生徒たちによって脈々と記録され続けていた――。今もっとも注目の奇才が放つ、史上最強にアヴァンギャルドな“桜の園”の100年間。


題名とは裏腹に、青年どころか年齢問わず男なんてほとんど出てこない。物語の舞台となるのは、聖マリアナ学園という超お嬢様学校。当然、女子高である。連作短編なので、各話で登場人物も主人公も、語られる時代すら変わっていく。過去、この学園が作られる以前のフランスから、まだ訪れぬ未来まで、100年に亘る壮大な学園の物語。

聖マリアナ学園の正史からは抹消され、語られない黒歴史を、学園南にある旧校舎を根城とする異端者集団、読書クラブだけが極秘ノートに記している。各話で、それぞれの時代に起こった事件が語られ、最後に読書クラブの一人がそれをノートに記していく。

殺人事件が起こったりする訳ではなくて、封印された黒歴史のほとんどは些細な出来事に過ぎないのだが、筆者の力量で読ませる物語に仕上がっている。


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私の男

私の男私の男
(2007/10/30)
桜庭 一樹

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お父さんからは夜の匂いがした。狂気にみちた愛のもとでは善と悪の境もない。暗い北の海から逃げてきた父と娘の過去を、美しく力強い筆致で抉りだす著者の真骨頂『私の男』。


第138回直木賞受賞作。

やたらとブーイングが多かったこの作品だが、直木賞を受賞してしまったという点を除外すれば、そう悪くもないと思う。近親相姦も殺人も、もはや小説や現実世界に溢れかえっているし、芥川賞でエロ小説が選ばれてしまう時代だからネタとしては問題無いだろう。直木賞なら許されて、エロ小説やラノベやコミックは同じ内容でも弾圧される風潮には辟易するが。

それにしても直木賞はラノベ越境型の女性作家に甘いこの人だけでなく今までにも数多くの移籍組が受賞している。第121回直木賞『柔らかな頬』の桐野夏生はMOE文庫スイートハート。第124回直木賞『プラナリア』の山本文緒、第126回直木賞『肩ごしの恋人』の唯川恵、第132回直木賞『対岸の彼女』の角田光代は集英社コバルト文庫。第129回直木賞『星々の舟』の村山由佳はジャンプJノベル。そして桜庭一樹はファミ通文庫。

別に越境してきても、直木賞に相応しい出来栄えで受賞してくれたら問題無い訳であるが、第137回直木賞候補作となった『赤朽葉家の伝説』より面白くなかったし、物語のスケールも小さくなってしまった。


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赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説赤朽葉家の伝説
(2006/12/28)
桜庭 一樹

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「山の民」に置き去られた赤ん坊。この子は村の若夫婦に引き取られ、のちには製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれて輿入れし、赤朽葉家の「千里眼奥様」と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。――千里眼の祖母、漫画家の母、そしてニートのわたし。高度経済成長、バブル崩壊を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる3代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の血脈を比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。2006年を締め括る著者の新たなる代表作、桜庭一樹はここまで凄かった!


第137回直木賞候補作。

鳥取の名家を舞台にした、三代に亘る女の物語。三部構成で祖母、母、娘と主人公が変わるのだが、全体を通して娘による視点で、一部、二部は過去の出来事となっている。

正体不明の民に置き去りにされ、拾われて育てられた祖母が名門、赤朽葉家の嫁に指名されてしまう第一部。この祖母は千里眼を持っており、少しだけ不思議な話。第二部は自由奔放に育ち、不良娘として中国地方制覇に燃えるレディースの頭、引退後はその体験を描き少女漫画家として大成するも、それがライフワークであったかのように、最終回を描き切った直後に燃え尽きる。三部はごく普通の女性で、印象としては一番弱い。

各時代ごとの出来事に翻弄されつつも生き続ける一族絵巻といった感じだが、物語が中国地方に限定されているだけに、ジェフリー・アーチャーの「ケインとアベル」や「ロスノフスキ家の娘」を、スケール小さくした感じが否めない。

もう少し不思議テイストがあれば良かった。千里眼能力が代々引き継がれたら、もう少し面白かったのだが。それにしても、ラノベから出てきた作家が直木賞に名を連ねるまでになるのは凄い。


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少女七竈と七人の可愛そうな大人

少女七竈と七人の可愛そうな大人少女七竈と七人の可愛そうな大人
(2006/07)
桜庭 一樹

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わたし、川村七竈十七歳はたいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった。鉄道を愛し、孤高に生きる七竈。淫乱な母は、すぐに新しい恋におちて旅に出る。親友の雪風との静かで完成された世界。だが可愛そうな大人たちの騒ぎはだんだんと七竈を巻き込んで……。


題名が少女七竈なのに、冒頭に出てくる女性は25歳。ちょっと少女と呼ぶには無理がありすぎるんじゃないかと思いきや、この人は主人公ではなく、少女七竈を産む事になる母親なのであった。面白みに欠ける人生を真面目に生きてきた母は、突然壊れ、短期間に七人もの男を喰らい尽くす。そして産まれて来たのが七竈。

淫乱の母を持ち、父親が誰なのかは判らないはずなのだが、凡庸な母に似ず、とても美しく育つ七竈の姿が、誰の遺伝子を受け継いでしまったのかを、ほぼ証明してしまっている。かつて母と交わったうちの一人で、唯一の超美形だった男は、今では幼馴染の少年雪風の父親。鉄道模型で硬く結びついた二人だったが、お互いに、あえて核心からは目を逸らしたままで生きている。しかし、どんどん似てくる二人。雪風の妹、夢実も七竈そっくりに成長し始める。やがて訪れる少年との決別。

白雪姫と七人の小人みたいな話かと思ったら、全然違った。七竈と雪風の満たされぬ想いはせつなくて可愛そうだけど、大人たちは可愛そうじゃないです。


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少女には向かない職業

少女には向かない職業 (創元推理文庫)少女には向かない職業 (創元推理文庫)
(2007/12)
桜庭 一樹

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中学2年生の1年間で、あたし、大西葵13歳は、人をふたり殺した-。これは、ふたりの少女の、血の噴き出すような闘いの記録。痛切なストーリーが胸を抉る衝撃作。


ラノベ越境型作家なので、やはり文体がラノベっぽいのだが、会話だけで誤魔化さず、ちゃんと地の文も使っているので、普通の小説として読める。ミステリ・フロンティア・シリーズではあるが、ミステリー要素は低いので注意。

内容は、非常にあざとい! 大人が読んでもさほど感銘は受けないだろうが、いかにも中高生ウケしそうな物語だ。行き場の無い閉塞感で若者の琴線に触れてくる辺り、狙ってますね(笑)。

人殺しは、確かに少女には向かない職業である。冒頭で少女は、二人殺したと独白するが、少なくとも一件は、実際には能動的な殺人ではなくて、不作為による作為である。ノワール小説に出てくるような、ちょっと頭がいかれた猟奇的殺人少女を期待してはいけない。


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