吉田修一

攻略対象書籍は以下。

最後の息子』★★★
『熱帯魚』
パレード』★★★☆
『パーク・ライフ』
日曜日たち』★★★☆
東京湾景』★★★☆
長崎乱楽坂』★★☆
ランドマーク』★★★
春、バーニーズで』★★☆
7月24日通り』★★★☆
ひなた』★★☆
女たちは二度遊ぶ』★★☆
初恋温泉』★★★
うりずん』★★
悪人』★★★★
静かな爆弾』★★☆
さよなら渓谷』★★★☆
元職員』★★★
キャンセルされた街の案内』★★☆
横道世之介』★★★★
空の冒険』★★★
『平成猿蟹合戦図』
『太陽は動かない』
『路』
『愛に乱暴』

『あの空の下で』
作家と一日』★★☆


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作家と一日

4863240929作家と一日 (翼の王国books)
吉田修一
木楽舎 2015-10-30

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吉田修一さんって、どんな人なんだろう? そんな読者の謎に迫る、初のエッセイ集です。ANAグループ機内誌『翼の王国』の人気連載「空の冒険」から、映画『パレード』の舞台化秘話を含む全24篇を収録!


ANAの機内誌に掲載されたエッセイなので、旅絡みの内容が多い。作家ってインドア派のイメージが強い職業だけど、かなりあちこちを旅している。

若い男子のブルーベリー狩りは選択肢に無いだろうと女子達と意気投合しちゃっているが、女性や団塊バブル層のおっさんの頭の固さが、若い世代の息苦しさに繋がっているんじゃないのか? ブルーベリー狩りだけでなく、様々なモノが男に生まれたというだけで許容されなさすぎなんだよなぁ。

ポルトガルの海岸でカメラマンが写真を撮っていたら、向うにアメリカ人幼女がいて通報され、パトカーに乗せられるとか酷いな(笑)。ドン・ペリの食事会に招待されたり、美味しい思いもしているが。


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最後の息子

最後の息子 (文春文庫)最後の息子 (文春文庫)
(2002/08)
吉田 修一

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新宿でオカマの「閻魔」ちゃんと同棲して、時々はガールフレンドとも会いながら、気楽なモラトリアムの日々を過ごす「ぼく」のビデオ日記に残された映像とは…。第84回文学界新人賞を受賞した表題作の他に、長崎の高校水泳部員たちを爽やかに描いた「Water」、「破片」も収録。爽快感200%、とってもキュートな青春小説。


第84回文學界新人賞受賞作。
第117回芥川賞候補作「最後の息子」
第118回芥川賞候補作「破片」収録。

キャッチに「爽快感200%、とってもキュートな青春小説」とあるけど、ちっともキュートじゃなかった(汗)。

初手から文章は上手いのだけど、やっぱりホモ絡みなんだね(汗)。表題作は、オカマと同棲してヒモ状態の駄目男が主人公の、どうでも良い日常が描かれる。ホモ公園で、ホモ狩りで殺された“大統領”も物語には絡んで来るのだけど、結局、仇討ちはされないままだし。

「破片」はホモ小説じゃなかったけど、その代わりに、出てくる弟が飲み屋の年上女に入れ込んで、ストーカーの一歩手前などうしようもない話だった。主人公が付き合っている相手も、ブランド物が欲しいからと、一緒に住んでいる家からテレフォン・セックスのバイトをするような糞女だし。その辺にいくらでも転がっているような、どうでも良い誰かの日常を描いた内容だった。

芥川賞の候補作になっていない「Water」は、高校の水泳部を書いた青春小説なので、一番読めるけれども、やはりホモが出てくるんだね(汗)。なんで吉田修一作品は、無理やり同性愛の男を入れようとするの? ┌(┌ ^o^)┐


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横道世之介

横道世之介横道世之介
(2009/09/16)
吉田 修一

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横道世之介。長崎の港町生まれ。その由来は『好色一代男』と思い切ってはみたものの、限りなく埼玉な東京に住む上京したての18歳。嫌みのない図々しさが人を呼び、呼ばれた人の頼みは断れないお人好し。とりたててなんにもないけれど、なんだかいろいろあったような気がしている「ザ・大学生」。どこにでもいそうで、でもサンバを踊るからなかなかいないかもしれない。なんだか、いい奴。


変な題名だと思ったら、井原西鶴が書いた「好色一代男」の主人公と同じ名前の大学生が主人公なのか(笑)。どうでも良い作品ばかり書く吉田修一にしては、久しぶりに面白かった。

大学生となって上京した横道世之介の新生活。好色でも何でもないし、ややモテ期に入っている部分以外は、何処にでもいそうな普通の青年といった感じである。実は物語の舞台が現在ではなく、全てが輝いていた80年代の頃。バブルの大波もやって来ているし、この世代は美味しい部分を吸いすぎだと思う。

横道世之介は主人公でありながら、時々挟み込まれる現在パートにおいては、それぞれの人間を通り過ぎて行くだけの脇役となっている。若い頃に自らの運命に深く関わった者、過ぎ去った時代の微かな記憶、中には横道世之介の存在すら忘却の彼方となった人もいたりして。

この現在パートにおいて、途中で横道世之介の結末がネタばれしているのは残念。実際にあった事件を多少アレンジした程度というのも不満である。バッドエンドで終わるにしても、最後まで伏せておいて欲しかった。

お嬢様と横道世之介は、運命の糸で結ばれていて欲しかったのだが、やはりハッピーエンドで終わるのは御伽話だけか。


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空の冒険

空の冒険空の冒険
(2010/08/30)
吉田 修一

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ままならない現実の中で、その先にある光をめざして進む主人公たちの物語。ANAグループ機内誌『翼の王国』から生まれた、心に寄り添うようなショートストーリーの数々。映画『悪人』の原作者であり、脚本も手がけた著者の制作エピソードも収録。


なんで「空の冒険」なのかと思ったら、ANAの機内誌「翼の王国」で書かれた短編が入っているからか。図書館にはエッセイとして入っていたのだけど、2/3くらいは短編小説で、最後のほうに少しだけエッセイが混ざっている感じだった。

どちらかと言えば、エッセイ部分のほうが良い。やはり、小説のほうはどうでも良い話が多い。長編でも、どうでも良い結末のものがあるけれども、短編だからたくさん入っているので、一編読み終える度に、「で?」「だから、何?」と言いたくなって疲れた。オチの無い話が多すぎる。まだまだ続きがありそうなのに、突如、物語から投げ出される。


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キャンセルされた街の案内

キャンセルされた街の案内キャンセルされた街の案内
(2009/08/22)
吉田 修一

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東京、大阪、ソウル、そして記憶の中にしか存在しない街―戸惑い、憂い、懼れ、怒り、それでもどこかにある希望と安らぎ。あらゆる予感が息づく「街」へと誘う全十篇。


短編が十篇入っているのだけど、どれもこれも、どうでも良いような話で、しかもオチも無い。相変わらず文章だけは上手いのだけど、心に残らず、ただ眼に映った文字が通りすぎて行くだけの小説だなぁ。

そして、お約束のホモネタ! なんで吉田修一はホモネタ入れてくるの? ホモが好きとか!? 読み終えても、ほとんど何も残らなかったけど、電車の中で男に痴漢される男の話だけは記憶に残ったOrz

文章力の無駄使いをせずに、「悪人」みたいな力作を書いて欲しいんだけど。勿論、ホモネタ抜きで。


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パレード

パレード (幻冬舎文庫)パレード (幻冬舎文庫)
(2004/04)
吉田 修一

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都内の2LDKマンションに暮らは男女四人の若者達。「上辺だけの付き合い?私にはそれくらいが丁度いい」。それぞれが不安や焦燥感を抱えながらも、“本当の自分”を装うことで優しく怠惰に続く共同生活。そこに男娼をするサトルが加わり、徐々に小さな波紋が広がり始め…。発売直後から各紙誌の絶賛を浴びた、第15回山本周五郎賞受賞作。


都内のマンションで一緒に暮らしている男女四人と、その部屋に紛れ込んでくる男娼一人の視点で語られる連作。主要な登場人物は五人で固定されているが、章ごとに主人公が代わる。どうって事ない日常の物語だけど、視点が切り替わるので飽きずに楽しめる。

みんな少しずつ問題を抱えていて、ほんの少し狂っている。ラストが釈然としない終わり方で、後味があまりよろしくない。

それにしても、この本でもホモネタ入っているんだね……。吉田修一作品って、何が何でもって感じでホモネタ入れて来るよなぁ。何でそんなにホモネタ好きなの?

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元職員

元職員元職員
(2008/11/05)
吉田 修一

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栃木県の公社職員・片桐は、タイのバンコクを訪れる。そこで武志という若い男に出会い、ミントと名乗る美しい娼婦を紹介される。ある秘密を抱えた男がバンコクの夜に見たものとは。


あまり食指が動かない平凡な題名。これが一体何を意味するのかと思ったら……。さほど捻りもなく、そういう意味なのか。

旅行でバンコクに来た男。しかし、その精神は不安定で、些細な事でキレたりして、おっさんなのにゆとりな子みたいである。まあ、やっている事はゆとり系等だけど。こいつが本当にクソくだらない男で、タイの美人を紹介してもらって売買春したりと、どうでも良いつまらない出来事ばかり。

結局、ある事が原因で精神が不安定になっているのだが、悪事がバレて修羅場になったり、人生終了フラグが立ったりはしないのが不満。何でこの作家は、こういう糞みたいな男ばかり書くのだろう。せめて、破滅するシーンまで行って欲しかった。文章力だけはあるのだけど、読み終えても何にも残らない。

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ランドマーク

ランドマーク (講談社文庫)ランドマーク (講談社文庫)
(2007/07/14)
吉田 修一

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大宮の地にそびえたつ地上35階建ての超高層ビル。それはフロアがねじれながら、巨大な螺旋を描くという、特異な構造をもっていた。設計士・犬飼と鉄筋工・隼人、ふたりの毎日もビルが投影したかのように不安定になり、ついにゆがんだ日常は臨界点を超える。圧巻の構想力と、並はずれた筆力で描く傑作長編。


キャッチに「吉田修一 長編小説最高傑作」(当時)と書かれているけど、ちっとも最高傑作(当時)な感じがしない。何て事のない高層ビル建設現場の従業員の、どうでも良いような日常。しかし、ネット通販で貞操帯を買って身に付けるからキモイ。

で、貞操帯で何も出来ないし、小便すらままならないから、どんどんストレスが溜まって暴力的になって行く。誰かにやらされプレイならまだしも、自分で勝手にやっているだけにキモすぎる。最後の最後も中途半端に途切れてモヤモヤが残ったままになるので、読み終えても消化不良。

とりあえず、貞操帯男がひたすらキモキャラだった。この作者は本当に、どうでもいいような小説が多いよなぁ。『悪人』より前の作品って、こんなのばかりだし。

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さよなら渓谷

さよなら渓谷さよなら渓谷
(2008/06)
吉田 修一

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きっかけは隣家で起こった幼児殺人事件だった。その偶然が、どこにでもいそうな若夫婦が抱えるとてつもない秘密を暴き出す。取材に訪れた記者が探り当てた、 15年前の"ある事件"。長い歳月を経て、"被害者"と"加害者"を結びつけた残酷すぎる真実とは――。『悪人』を超える純度で、人の心に潜む「業」に迫った長編小説。


どうでも良い、あたりさわりの無い恋愛小説を書いていた吉田修一だが、最近は路線変更なのか、ヘビーな題材に変わってきた。前作の『悪人』ではどうしようもなくやるせない殺人だったが、今回は婦女暴行ですか……。何で一部の女性から異様に低い評価をされているのかと思っていたら、痛い内容だからだったのか。

実際、小説の中だけの話ではなく、巷でも脳筋なロクデナシがよくこういう事件を起こすのでやり切れない。被害者の人生が泣きっ面に蜂どころかスズメバチ、オオスズメバチ、ジャイアントホーネット状態で酷すぎる。脳みそちんこ達がその報いを受けてくれたらまだ救われるのだが、一人しか沈んでいなくて、中には順風満帆なままの奴もいて萎える。

それにしても、最初に殺人事件が起こるのに、本筋とあまり関係ないというのはどうよ? キャッチも誇大広告で、『悪人』の完成度を超えていないし。

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悪人

悪人悪人
(2007/04/06)
吉田 修一

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保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。彼と出会ったもう一人の女。加害者と被害者、それぞれの家族たち。群像劇は、逃亡劇から純愛劇へ。なぜ、事件は起きたのか?なぜ、二人は逃げ続けるのか?そして、悪人とはいったい誰なのか。


第34回大佛次郎賞受賞作。
第61回毎日出版文化賞受賞作。
2008年度本屋大賞第4位。

吉田修一作品にしては、かなりページ数があるし、内容も憂鬱になりそうで苦戦するかと思ったが、結構普通に読めた。ある殺人事件に絡んだ人間模様が描かれるが、現実世界で多発しているような、何の落ち度も無い人がキチガイが起こす快楽殺人の餌食になるという内容ではないので、不快感やストレスは感じなかった。

人を殺すという行為は、原則として認められない事ではあるが、殺される側の女も、自分自身を危機に追いやっている馬鹿女なので、自業自得な部分もあるだろう。この死には、二人の男が関わっているのだが、犯人ではない男の方が悪人に思えて仕方が無いのは何故だろう……。

人と関係を結ぶのが下手なヘタレ犯人や、もう一人のクソ男、被害者となってしまった馬鹿女だけでなく、キャッチセールスのチンピラや無名の誹謗中傷する無名の悪人等、嫌になる位、糞人間ばかり出て来る。人間の汚さと愚かさがよく現れている。

犯人と逃亡する事になる三十路女も駄目人間だなぁ。人を見る目が無いから、こういう駄目人生を歩む事になるのだ。犯人と逃げた事が駄目なのではなくて、その想いを見切れないという点において、どうしようもない節穴さんである。

今までの、どうでも良い内容の作品と比べたら一段違う出来栄えだけど、誰一人として救われる人間がいないというのはやるせない。被害者の父が、この事件の原因を作ってしまったクソ男を成敗してくれたら、少しはスカッと出来たのに。

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ひなた

ひなた (光文社文庫 (よ15-1))ひなた (光文社文庫 (よ15-1))
(2008/06/12)
吉田 修一

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新堂レイは、誰もが知っているブランド、Hの広報に就職したばかりの新卒。昨年、元同級生の大路尚純と偶然再会して付き合い始めた。尚純は一浪でまだ学生、文京区小日向の実家に家族と暮らしている。その実家に兄浩一と兄嫁の桂子が引っ越してくるという。兄嫁はファッション誌の副編集長だ。浩一には離婚しそうな友人、田辺がいる。田辺はいつも日曜の午後浩一に電話をかけてきては浩一を連れ出していく…。


夫婦二人とその弟、そして弟の彼女。四人の視点変更により物語が綴られる。これにプラスして絡んでくるのが兄の友人にして、サラ金で首が回らなくなり転がりこんできたダメ男。

ちょっと複雑な家庭の事情はあれど、どこかにありそうな家族模様。吉田修一だから文章は上手いので読めるが……。なんか、この作者ってところどころホモネタを使うよね。この作品にもホモが……。年齢が結構イッテいるので、BLではなくてホモと呼ばせて頂きます。いや、両方っぽいからバイが正しいのか。

あえてホモ絡みにする理由はあるのだろうか? これは、単に作者の趣味なだけ? 吉田修一って、もしかして……。

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7月24日通り

7月24日通り (新潮文庫 よ 27-3)7月24日通り (新潮文庫 よ 27-3)
(2007/05)
吉田 修一

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地味で目立たぬOL本田小百合は、港が見える自分の町をリスボンに見立てるのがひそかな愉しみ。異国気分で「7月24日通り」をバス通勤し、退屈な毎日をやり過ごしている。そんな折聞いた同窓会の知らせ、高校時代一番人気だった聡史も東京から帰ってくるらしい。昔の片思いの相手に会いに、さしたる期待もなく出かけた小百合に聡史は…。もう一度恋する勇気がわく傑作恋愛長編。


日付に絡んでくるのかと思ったら、7月24日とは関係無かった。住んでいる町の通りを自分の中でリスボンの通りに置き換えるという、女主人公の1人遊びだった。ちなみに、7月24日通りはリスボンに実在する。

どうという事のない恋愛話なのだが、いつもより素直に読めたのは、女主人公だからか!? 吉田修一作品には、ホモとロクデナシ男がよく出てくるのだが、今回は出てこなかったのも大きいかもしれない。

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女たちは二度遊ぶ

女たちは二度遊ぶ女たちは二度遊ぶ
(2006/03/25)
吉田 修一

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本当になんにもしない女だった。炊事、洗濯、掃除はおろか、こちらが注意しないと、三日も風呂に入らないほどだった―。甘く、ときに苦く哀しい、“日本の美しい女たち”11人の物語。女の生態と男の心理をリアルに描く、著者会心のイレブン・ストーリーズ。


最初に読んだのがあまり印象に残らなかったので、さほど期待はしていなかったのだが、文章が上手くてサラリと読めるお手軽感は良いかもしれない。本書に関しては、そこそこ楽しめたし。

短編だけど、物足りなく感じたりはしない。どうでも良い誰かの日常ばかりなのだが、文章力で読ませる。題名だけ見ると、女が主役みたいだが、どれも男視点。そして、キャッチや各話のタイトルからは女のほうがヤバそうに思えるが、実際のところ、男のほうがロクデナシとなっているパターンが多い。

11編あるうち、ほとんどが「●●の女」というタイトルなのだが、ひとつだけ「最初の妻」となっているものがある。そして、妻となっているのに中学生の男女が主人公。ほろ苦い結末が待っている。

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静かな爆弾

静かな爆弾静かな爆弾
(2008/02)
吉田 修一

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テレビ局に勤める早川俊平は、ある日公園で耳の不自由な女性と出会う。取材で人の声を集める俊平と、音のない世界で暮らす彼女。2人はやがて恋に落ちるが…。恋愛小説の新境地を切り開く意欲作。


吉田修一の最新作。「悪人」のほうは予約数がエライ事になってしまったので、断念して後回しにする。失敗した。最新作よりも「悪人」を優先して予約入れておくべきだった……。

耳が聞こえない女性との恋愛小説か? だが、中途半端に仕事モードも入ってきて、ぐだぐだな物語に。何か事件が起こる訳でもなく、主人公の男も嫌な感じの性格をしていて好きになれない。等身大だから、その辺に転がっていそうな物語ではあるが、そんな物を読まされても……。

これならまだ、有川浩の『レインツリーの国』を読んでいたほうが楽しい。吉田修一作品は、さして中身が無いような恋愛小説ばかりだが、今回も文章だけは上手かった。

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初恋温泉

初恋温泉初恋温泉
(2006/06)
吉田 修一

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温泉に泊まる5組の男女の恋愛小説集。突然妻に別れ話を切り出され、とまどう夫。雪の一軒宿の謎めいたカップル。初めて恋人と温泉旅館に泊まる高校生。熱海・青荷・黒川ほか、日常を少し離れた温泉宿で繰り広げられる男と女の風景。


題名がこれだから、もっと癒し系でほのぼのとした恋愛小説かと思ったら、離婚、喧嘩、不倫と、結構嫌な話が多い。表題作の初恋温泉なんて、いきなり離婚だし、どこが初恋温泉なのかと小一時間……。それにしても、吉田修一作品に出てくる男って、どうして性格悪そうな奴ばかりなんだろうか。

綺麗にオチが決まっている話もあれば、中途半端に途切れて「だから何?」と言いたくなる話もある。全部で5つ、温泉絡みの短編。とりあえず、最後の純情温泉だけは希望が持てて良かった。

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東京湾景

東京湾景 (新潮文庫)東京湾景 (新潮文庫)
(2006/06)
吉田 修一

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「愛してないから、こんなに自由になれるの」「それでも、お前と一緒にいたかったんだよ」。品川埠頭の倉庫街で暮らし働く亮介が、携帯サイトの「涼子」と初めて出会った25歳の誕生日。嘘と隠し事で仕掛けあう互いのゲームの目論見は、突然に押し寄せた愛おしさにかき消え、二人は運命の恋に翻弄される。東京湾岸を恋人たちの聖地に変えた、最高にリアルでせつないラブストーリー。


出会い系サイトで知り合った二人の物語。実はどちらも恋愛に不器用で、心よりも身体が先に出てしまう。女の方は正体隠したままでミステリアスだが、男の方は単なるロクデナシ。

好きでもないのに紹介されたからと付き合っていた彼女を、出会い系サイトの女を捕まえられそうになった途端、捨ててしまう。相手は拒食症でボロボロになり、ストーカーじみた行為までしてしまうが、男運が無いのはロクデナシを選んでしまう自分が悪い。「馬鹿な女はロクデナシ男を選んでしまう」の法則が見事に成立している。

このロクデナシ男は、過去の失恋が原因で人間の心が信じられなくなっているのだが、与えない者に対して誰かから何かを与えられる事は無いだろう。サカリがついた単なる猿みたいで、底が浅い。少しだけキ印要素も入っているし。

文章は上手いけれども、あまり印象には残らない消費型恋愛小説だった。吉田修一作品の中では結構良いと思う。

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うりずん

うりずんうりずん
(2007/02)
吉田 修一

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前半は写真ばかりで、後半、その写真に対応するショートストーリーがあるという形式。各話が短すぎて感情移入出来ないから微妙だけど、それなりに面白い。ただ、やるせない系の話が多いので読後感はあまりよろしくない。ある程度の齢を重ねた人間なら、過去の古傷が痛んだり、今現在の窮状に塩を塗りこまれた感じになるかもしれない。我が身と重ね合わせて、いろいろと痛い話が多い。人生の酸いも甘いも噛み分けた人向けだろう。中高生が読んでも、きっとこの痛さは判らない。

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長崎乱楽坂

長崎乱楽坂 (新潮文庫)長崎乱楽坂 (新潮文庫)
(2006/12)
吉田 修一

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風呂上りの火照った肌に鮮やかな刺青を躍らせた猛々しい男たちが、下穿き一つで集い、日々酒盛りに明け暮れる三村の家。人面獣心の荒くれどもの棲む大家族に育った幼い駿は、ある日、若い衆が女たちを連れ込んでは淫蕩にふける古びた離れの家の一隅に、幽霊がいるのに気づくのだった。湾の見える町に根を下ろす、昭和後期の地方侠家の栄光と没落のなかに、繊細な心の成長を追う力作長編。


これも微妙だなぁ。吉田修一は、文章だけは上手いのだが、読み終えても心に残らないお手軽小説が多い。このストーリーで文章が下手だったら★★だなぁ。

没落していく地方ヤクザの家に生まれ育った少年たちの物語。『強い引力を感じながらも、少年たちは、彼らとは違う男に育ってゆく。』なんて説明ついているから、極道の家に生まれつつ、弁護士にでもなって活躍するのかと期待したら、学校もまともに出ずにチャラチャラした挙句、ガソリンスタンドのバイト店員って……。

結局、親たちみたいなヤクザにすらなれなかった男の物語でしかなかった。フィクションなのだから、ご都合主義と言われようとサクセスストーリーが読みたい。現実世界のどこにでも転がっているような、ショボくれた誰かの負け組人生を読まされてもなぁ……。最後の最後で家が燃えて唐突に終わるのも頂けない。

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日曜日たち

日曜日たち (講談社文庫)日曜日たち (講談社文庫)
(2006/03/15)
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ありふれた「日曜日」。だが、5人の若者にとっては、特別な日曜日だった。都会の喧騒と鬱屈した毎日のなかで、疲れながら、もがきながらも生きていく男女の姿を描いた5つのストーリー。そしてそれぞれの過去をつなぐ不思議な小学生の兄弟。ふたりに秘められた真実とは。絡みあい交錯しあう、連作短編集の傑作。


基本的に各話は独立した短編なのだが、どれにも脇役として母親を探す薄汚れた兄弟が出てくる。“長編最高傑作”とキャッチで煽る程素晴らしくは無いと思うが、軽く読み流すには十分楽しめると思う。

等身大の出来事ばかりだが、ドロドロしていたり悲壮感が漂わないので、読み心地も後味も悪くない。反面、感動したり泣いたりもしないので、手元に置いて何度も読み返したくなったりしない。このお手軽感が吉田修一の醍醐味か!?

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春、バーニーズで

春、バーニーズで (文春文庫 よ 19-4)春、バーニーズで (文春文庫 よ 19-4)
(2007/12/06)
吉田 修一

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最初の話がホモ絡みで、ちょっと躊躇する。危険な描写は無くて、過去に関係があったような記述だけなので助かったが。五編入っているけど、全部同じ登場人物なので、連作短編。

これを最初に選んだのは、分量少なめで読みやすそうな気がしたから。黒くて飾り気の無い表紙が、春よりも、むしろ冬っぽかったというのもある。事実、食事前にサラリと読めた。子供付きのバツイチ女と結婚した男の日常。凝った物語ではないけれども、文章は上手いと思う。

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