壊れた少女を拾ったので

壊れた少女を拾ったので (角川ホラー文庫)壊れた少女を拾ったので (角川ホラー文庫)
(2007/11)
遠藤 徹

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ほおら、みいつけた―。きしんだ声に引かれていくと、死にかけたペットの山の中、わたくしは少女と出会いました。その娘はきれいだったので、もっともっと美しくするために、わたくしは血と粘液にまみれながらノコギリをふるいました…。優しくて残酷な少女たちが織りなす背徳と悦楽、加虐と被虐の物語。日本推理作家協会賞短編部門候補の表題作をはじめ五編を収録、禁忌を踏み越え日常を浸食する恐怖の作品集。


単行本『弁頭屋』の改題という点に注意。表題作よりも、単行本の時の表題作である「弁頭屋」のほうが気色悪い。政府与党の暴走で戦争が始まり、日本国内でもテロが横行する世界。都内は危険なので田舎に移転した大学の傍で、人間の頭部に弁当を詰めて売る美人姉妹がいた。本物の頭を使用しているのにお咎めなしというのも怖いが、美人姉妹目当てに、その弁当を買って食う大学生も怖い。

「赤ヒ月」は、食べる者と食べられる者に分かれていて、自ら望んで食べられたりする世界観がグロすぎてキモい。ラストで食べる側食べられる側が入り乱れ、赤ヒ月の意味も明らかになる。好きな相手も食べないといけないとか、クレイジーすぎる。

「カデンツァ」は、家電製品の炊飯器と浮気した妻が子供まで生んでしまう話だったが、夫もホットプレートと浮気し始め、上司の相手は冷蔵庫だったりと、無茶苦茶な感じである。ボーカロイドなら何とかなりそうだけど、冷蔵庫とか無理ゲーすぎるじゃないか(笑)。

「壊れた少女を拾ったので」は、姉が嫁入りで出ていった家で、一人残された妹が壊れた少女を拾ってきて修理する話なのだが、最後まで読んでもよくわからない。結局、拾われてきた少女が妹で、妹になってる自分は姉で、無限ループしてるのか?


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むかでろりん

むかでろりんむかでろりん
(2007/11/26)
遠藤 徹

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でろでろぽん。でろでろぽん。隆が暮らす麹町の人々が「結節器」で繋がるにつれ、その音は大きく響いてくる。巨大な毒蜘蛛となってこの麹町へ攻撃してきた扇町の連中に対して、大ムカデとなって反撃するためだった。隆の住む世界では、人は臍に「結節器」という「数世代前に後天的に獲得された大脳皮質直系の連結機関」を持つようになっていた。町が攻撃された時は、「結節器」で近くの人々と繋がる事で強力な巨大生物と化す事が出来るのである。しかし「単なる接続機能のための付加的器官に過ぎず、如何なる生理反応とも無縁である」はずの「結節器」の出し入れに、最近隆は快感を覚えるようになっていたのだった。表題作を含む、全九篇の傑作短篇集。


『姉飼』に負けず劣らず、これも気色悪い作品満載で凄いっ! 最初の「むかでろりん」からぶっ飛んでいる。人々に結節器が7ついている世界で、時々、他の町と戦争が始まる。相手が侵略してくると、みんなが結節器で連結されて、むかでの化け物となって戦うのだ! 町によって巨大カエルだったり巨大毒蜘蛛だったり、化け物の形状は様々である。連結されると気持ち良いらしく、少しエロい。

「鬼を撃つ」は、鬼撃ちに行った男女が取り込まれる話なのだが、殺される鬼に対して、補充が少ないな。減ってしまった鬼が、何処から沸いてくるのか謎である。牛人間が人間の世界に現れ、次第に勢力を拡大する「MEET IS MURDER」も、共存か全面戦争か、未来がどうなるのか分からなくて気持ち悪い。「ピノコな愛」は、海に出かけたはずの男女が巨大キノコに取り込まれてしまう。

「八つ裂けの妻」は、生きたまま五体バラバラになる妻という怪現象に見舞われた浮気中の男が、とんでもない目に遭う話。「肝だめ死」は、町で毎年行われる恐ろしい肝試しに挑む男の話。「もうどうにもとまらない」は気色悪すぎる話だが、頭がアレな人の脳内妄想だから(汗)。

「子供は窓から投げ捨てよ」は、子供投げ捨て現象が広がる中、ある大学教授にインタヴューしに行くと……。「トワイライト・ゾーンビ」は、難病で死んだ妻が、ゾンビになって政府の再生者保護研究センターに入れられている話。


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学校の怪談

学校の怪談 (集英社文庫)学校の怪談 (集英社文庫)
(1995/05/19)
岡崎 弘明

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夏休みを明日にひかえた終業式の夜、立ち入り禁止の旧校舎に、一人の先生と数人の生徒が閉じ込められた。何者が。どうして。―怖くて死にそうな時間は、いつまで続くのか。でも、どこからか懐かしい気持ちが湧いてくるのは、なぜだろう…。謎と、恐怖と、友情の青春小説。平山秀幸監督・話題の映画の小説版。


お子様向けホラー映画になった『学校の怪談』の小説版である。多少、中身が異なるようなので、ノベライズとは少し違う扱いみたいである。お子様向けだけあって、怖さよりもエンタメ成分のほうが高くなっている。

夏休み直前の終業式の日、立ち入り禁止となっている解体寸前の旧校舎に迷い込んだ小学生達が恐ろしい超常現象に襲われる。とはいっても、伸びる階段や準備室の骸骨、トイレの幽霊みたいな定番だらけで怖くは無い。生徒に混じって、ちょっと情けない感じの先生まで閉じ込められてしまうのだが、そのダメっぷりが笑える。

閉じ込められた生徒の中に、一人だけ見知らぬ美少女が混じっているとなれば、これはもういろんな意味でフラグが立ちまくりな訳で(笑)。ラスト付近になると、人喰い校舎っぽくなりすぎて暴走気味だし、元ネタがお子様向けだけあって、やや子供騙しっぽい感じもするが、そう悪くもなかった。

表紙が可愛くなっているのだが、何で最初からこれにしてくれないのか。私が買った『学校の怪談』は、不気味な夜の校舎だけが描かれていたのだが。


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姉飼

姉飼 (角川ホラー文庫)姉飼 (角川ホラー文庫)
(2006/11)
遠藤 徹

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蚊吸豚による、村の繁栄を祝う脂祭りの夜、小学生だった僕は縁日で初めて「姉」を見る。姉はからだを串刺しにされ、伸び放題の髪と爪を振り回しながら凶暴にうめき叫んでいた。第10回日本ホラー小説大賞受賞作他全4編収録。


第10回日本ホラー小説大賞受賞作。

題名だけで判断すると、姉を飼いならす近親相姦的なエロスを連想してしまいそうだが、全く違う。出てくる姉は、血の繋がった姉ではなくて、「姉」と呼ばれる化け物のような何かである。かなり気持ち悪い話だが、一気に読まされてしまった。従来の作品には見られないようなホラーである。
 
4つの短編から成っているけど、やはり題名になっている「姉飼」が他を圧倒している。怖くは無いけれども、とりあえず気色悪さは天下一品。


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仄暗い水の底から

仄暗い水の底から (角川ホラー文庫)仄暗い水の底から (角川ホラー文庫)
(1997/09)
鈴木 光司

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大都市の欲望を呑みつくす東京湾。ゴミ、汚物、夢、憎悪…あらゆる残骸が堆積する埋立地。この不安定な領域に浮かんでは消える不可思議な出来事。実は皆が知っているのだ…海が邪悪を胎んでいることを。


第115回直木賞候補作。

映画を観る位なら、原作を読んだほうが良い。というより、映画は黒木瞳のプロモなので観なくていいと思う。水に絡んだ怖い話の短編集だけど、最初と最後で一つに連なるような感じ。『仄暗い水の底から』として映画化されたのは、この中の短編の一つである。

映画は、映像の薄暗さで安易に雰囲気出そうとしているので、非常に見づらい。水死した(と思われる)子どもが出てくるとこは少しだけ気味が悪いけど、そんなに怖くない。結局、貯水タンクに沈む死体も出てこないし、母親がどうなったかもわからないまま、意味不明のエンディング。黒木瞳が出るという以外に褒める点が見当たらなかった。

実際にあった話で、表題作に似た事件を知っているので、尚更これは恐かった。


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レフトハンド

レフトハンド (角川ホラー文庫)レフトハンド (角川ホラー文庫)
(1998/12)
中井 拓志

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製薬会社テルンジャパンの埼玉県研究所・三号研究棟で、ウィルス漏洩事故が発生した。漏れだしたのは通称レフトハンド・ウィルス、LHVと呼ばれる禅く未知のウィルスで、致死率は100%。しかし、この三号棟がなぜこのウィルスを扱っていたのかなど、確かなことはなにひとつわからない。漏洩事故の直後、主任をつとめていた研究者・影山智博が三号棟を乗っ取った。彼は研究活動の続行を要請、要求が受け入れられなければウィルスを外へ垂れ流すと脅かす。研究所側は脅迫に屈し、一般市民二人を実験台として三号棟へ送りこむが…。第4回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。


第4回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。

多少、荒削りだけど、バイオハザード物では異色かつ面白い。製薬会社の研究棟が致死率100%のLHV(レフトハンド・ウィルス)ウイルスに汚染される。このウイルスに感染すると、人間本体は死に至るが、左手だけが肥大化して分離し、別個の生命体として活動を開始する。汚染施設内を這いずり回る「左手」の群れ。系統としては、「遊星からの物体X」的なノリである。

物語の最中、そのウイルスに感染してしまった少女は、致死性ウイルスからの攻撃から生還した唯一の例となるが、その左手は肥大化し、「左手」の群れの女王となる。世界を震撼させたエボラ・ウイルスですら致死率90%なのに、致死率100%ウイルスとは……。


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不思議じゃない国のアリス

不思議じゃない国のアリス不思議じゃない国のアリス
(2003/10)
沙藤 一樹

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乙一氏絶賛!!
「この本、運転手が沙藤一樹でなければ、きっと旅は快適だったでしょうに」

とかキャッチついているから期待したら、見事にハズれた。
 
 
巷での評判は悪くないが、個人的には微妙。意味不明系の内容で、オチにもキレが無い。キレが無いどころか、何を意図しているのか掴めない難解な終わりのものもあって、どうにも読後感が宜しくない。単にノワール系だから受けているんじゃないだろうな!?

表題の「不思議じゃない国のアリス」も、修学旅行の事故で唯一生き残った女性が不思議少女アリスと出会う摩訶不思議系の物語かと思ったら、風邪で寝込んで修学旅行に参加しなくて生き残っただけじゃないか! 本当に不思議でも何でもないツマラナイ話になってやんの……。アリスという固有名詞に見事騙されました。

「青い月」も、クローンを題材にした、ありがち設定。というか、このパターンは書き散らされたネット小説でも非常に多く見られます。つまり、月並み。題名が月だから、月並み設定にしてみたとかいうブラック・ジョークじゃないだろうな!?

「飛行熱」は、ホンモノ人間とニセモノ人間がいて、ニセモノ人間を殺す話だが、その相違は全く述べられないし、ミサイルが飛んでくるという社会情勢も全く語られない。実際のところ、ホンモノとニセモノの違いなど無いし、予想出来てしまう展開で捻りが無い。

「空中庭園」は、ネットゲームを題材にしているから結構好きだけど、意図的にか、作者がMMOを知らないのか不明だが、非常に古臭いテキストなのが萎える。ドラクエでもやっている感じで非常にウソ臭い。MMOって、もっと派手でスピーディだって。こんなチマチマしたゲームは数十種類覗いてひとつも存在しなかったぞ。意図して古臭い形式にしているのだとしても、川端裕人の「The S.O.U.P. 」で登場するバーチャルワールドの描写には遠く及ばない。最後のオチも解りにくい。

「銃器のアマリリ」は、少女の妄想なのか現実に存在する異形か、羽根の生えたアマリリという少女が現れて、周囲の人間を銃器で虐殺しまくるという、いかにも昨今の歪んだお子様が好みそうな内容。実際に死ぬ訳ではなく、後で何事も無かったかのように元通りになっているので、復元されただけなのか、逃避による単なる妄想なのか判別出来ない。

「旅をする人」は、短いけれども、ちょっと気味悪い設定。こういう感覚、死後の世界が存在して自縛霊にでもなれば体感するのだろう……。
 
 
 
「この本、運転手が沙藤一樹でなければ、きっと旅は快適だったでしょうに」
うん、運転手が乙一だったら、この素材でもきっと面白く纏っていた。
この言葉はもしかして、そういう皮肉を言いたかったんじゃないの?

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絶叫仮面

絶叫仮面絶叫仮面
(2009/08/26)
吉見知子

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「声を聞いたら、殺される―」一年前から流行りはじめた都市伝説、「絶叫仮面」。退屈な夏休みを送る高校生、神山沙月はその伝説に魅せられ、インターネットの世界に飛び込んだ。顔の見えない相手。無機質なデータのやり取り。そこは最初、とても安全な場所のはずだった。しかし徐々に、現実と虚構の境界線は曖昧になっていく。果たして、それは本当にただの都市伝説なのか?それとも狂気の世界から舞い降りた怪物なのか?小さなひびがひとつ、またひとつと現実を引き裂いていく時、命をかけた謎解きが始まる―。


声を聞いたら死ぬと噂される、絶叫仮面の都市伝説。絶叫仮面を題材に、ネット世界でHPを開いている女子高生、神山沙月。ある日、謎の相手から、絶叫仮面の声を聞かせてあげるという書き込みがあり……。

途中から、ただの都市伝説なのか、狂気の殺人犯がいるのか、あるいは主人公本人の頭がおかしくなって作り出された虚構なのか、曖昧になって来る。が、ネタが明かされると、そんなに意表をつく結末でもなかった。

都市伝説だけど、軽快な文章で進むので全然怖くは無い。ラノベ感覚で読める、軽いミステリーといった感じかな。


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九十九怪談 第二夜

九十九怪談 第二夜九十九怪談 第二夜
(2009/07/01)
木原 浩勝

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累計100万部を超え、実話怪談ブームを巻き起こした「新耳袋」。その後継シリーズとなる現代百物語の新スタンダード第2弾。ちょっと不思議な話、背筋の凍りつく話、泣ける話……怪はあなたの隣りにひそんでいる。


九十九怪談の二冊目を読む。これも、狐狸に化かされる系統の不思議な話が多くて、新耳袋と比べたら幽霊比率が低く、あんまり怖くないなぁ。狐狸、物の怪っぽい何か、ある特定の人にしか見えない不思議なもの、変な話が多い。

一話、場所を特定出来るものが混じっていて、夜中に佇む何かは、私の知り合い数人が同じモノを見ている。こうして本にまで載るのだから、あの幽霊も全国区か……。その場所は何度も通っているが、私は見た事が無いですけど。

最後に恐ろしい事実が発覚した! どうやら第三夜まで出版されているようだが、何故か近所の図書館には第ニ夜までしか蔵書していないようであるOrz


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九十九怪談 第一夜

九十九怪談  第一夜九十九怪談 第一夜
(2008/08/09)
木原 浩勝

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そっと身近に現れては消えるさまざまな「怪」。「新耳袋」シリーズで全く新しい現代の怪談スタイルをうち立てた木原浩勝の新シリーズが始動。満を持して送る、現代百物語の新スタンダード誕生!


新耳袋に似た感じだけど、お化けよりも狐狸に化かされた感じの話が多いので、あんまり怖くない。何かに化かされるなり何なりして、ある特定の場所から逃げられなくなったりする話が多かった。

車止めが墓石になっているコンビニは気色悪かったが、都市伝説みたいなレベルじゃなくて、実在するの? 罰当たりすぎて有り得ない気がするんですけど。お風呂に出る大仏は、女子高生と同じ湯船に浸かるとか、仏のクセに煩悩ありすぎなんじゃないのか?

リフォーム業者が図面とは違う中身に気づいて壁を壊そうとしたら、お札が貼られて封印された変な空間があったりするのは気持ち悪い。何でそんな事がされているのか分からないままなので、さらに気味が悪い。そんないわく付き物件は、是非、探偵ナイトスクープで秘密を暴いてもらいたいところである。

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コスプレ幽霊 紅蓮女

コスプレ幽霊 紅蓮女(ぐれんオンナ) (宝島社文庫 603) (宝島社文庫)コスプレ幽霊 紅蓮女(ぐれんオンナ) (宝島社文庫 603) (宝島社文庫)
(2008/01/11)
上甲 宣之

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陰気で、友人も恋人もいない史代は、周囲からダメ教師のレッテルを貼られ敬遠されている。そんな彼女の生きがいは、ちまたで有名な幽霊「紅蓮女」の変装をして人を驚かすこと。怪奇スポットや自殺の名所を徘徊し、その場に居合わせた人々を怖がらせることに喜びを感じていた…。口裂け女、都市伝説パーティー、生き神信仰、呪いの手紙、電話男―徘徊先で遭遇する事件に紅蓮女が立ち向かう。


題名がヤバすぎる(笑)。ゲテモノだと思っていたけど、それなりに読めた。紅蓮女は幽霊だけど、本物ではなくて幽霊のコスプレをした生身の人間である。その正体は根暗な女教師なのだが、溜まりまくったストレスを幽霊コスプレで発散しているという、かなりの問題教師なのである。

コスプレ素材となる紅蓮女は、自らが時間をかけて流布した都市伝説という気合の入り方。普段は駄目教師なのだが、変身すると性格まで変わるという強烈な電波さん。そんな彼女が口裂け女と出合った!?

口裂け女? との対決、電波入った猟奇事件犯人との対決、鄙びた村での鏡伝説、呪いの手紙と続いて、最後に白いメリーさんに似た電話男との決戦。連作短編みたいになっているが、ラストで一本に繋がる。繋がるどころか、紅蓮女だけで完結せず、他作品にまでリンクしている……。しまった、図書館に置いてないから、執筆順に読んでない。

紅蓮女の火炎攻撃が人間業とは思えないし、ちょっと強引なのでミステリーとして読むには物足りないかもしれないが、都市伝説を上手く取り入れていて面白い。作中に火の玉アイスが出てくるのだが、実在するらしい。


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親指さがし

親指さがし (幻冬舎文庫)親指さがし (幻冬舎文庫)
(2005/10)
山田 悠介

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「ねえ、親指さがしって知ってる?」由美が聞きつけてきた噂話をもとに、遊び半分で死のゲームを始めた武たち5人の小学生は、女性のバラバラ殺人事件に端を発した呪いの渦に巻き込まれる。「バラバラ殺人事件」と奇妙な儀式の噂話をもとに、武たち5人が遊び半分で始めた「親指さがし」。が、終わって目を開くと一人の姿がなかった。それから7年後、武は噂の事件が事実だったことを知り…。戦慄のリアル・ホラー。


「リアル鬼ごっこ」は、もう10回以上挫折しているので、とりあえず親指から(笑)。

子どもの頃にやった他愛の無いゲーム「親指さがし」。そこから恐ろしい事件が起こる。ホラーとしての切り口、内容はなかなか良いんだけど、やはり作者としての力量不足が文章に出てしまっている感じを拭えない。

なんというか、ホラーなのにドロドロした部分がなくて、まるで赤川次郎を読んでるようなライト感覚。当然、赤川次郎には及ばない。『リング』を赤川次郎ノリで書いたらこんなん出ましたぁ! って感じの仕上がりに全米が泣いた。もっと深みと奥行きがある文章なら、きっと良作になっていた筈なのに、残念です。

この内容のままで坂東眞砂子あたりが書いたら、かなり怖い話になると思う。


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紗央里ちゃんの家

紗央里ちゃんの家紗央里ちゃんの家
(2006/11)
矢部 嵩

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叔母からの突然の電話で、祖母が風邪をこじらせて死んだと知らされた。小学五年生の僕と父親を家に招き入れた叔母の腕もエプロンも真っ赤に染まり、変な臭いが充満していて、叔母夫婦に対する疑念は高まるけれど、急にいなくなったという従姉の紗央里ちゃんのことも、何を訊いてもはぐらかされるばかり。洗面所の床から、ひからびた指の欠片を見つけた僕は、こっそり捜索をはじめるが…。第13回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。


第13回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。

選考委員がかなりヨイショしているのにもかかわらず大賞受賞作ではない点で怪しいと思ったのだが、やはり今一歩という感じであった。

お祖母ちゃんが何ヶ月も前に死んだと知らされるのだが、辿り着いた紗央里ちゃんの家にいる叔母さんは血塗れで玄関に現れるし、叔父さんも変だし、お爺さんも変だし、紗央里ちゃんは行方不明になっている。家の中は腐臭が充満しているし、冒頭から殺人事件の予感が漂います。この辺りまでは良いのだが、少年が転がっている指を見つけた後が気味悪い。恐らく殺されたであろう祖母か紗央里らしき人間のパーツを探し出す事に没頭してしまうのだ。

やがて、真相が明らかになるのだが、最後の最後で衝撃の結末が用意されているのだろうと思って期待していたら……。ものすごくヘタレで凡庸な結末に、逆の意味で衝撃を受けてしまった。何だよ、最後にサプライズが全く用意されていないではないか!!

結局、登場人物全員がキ印だったというオチでFA。


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逢魔が時物語

逢魔が時物語 (小学館文庫)逢魔が時物語 (小学館文庫)
(2004/07)
結城 伸夫

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大阪府下のベッドタウンH市を走る最終バス。最後の客が降りると必ず乗り込んでくる若い女性がいる。だが終点に着いて車内を見回しても、その姿は見えない。バス会社はこの便に限り、ワンマン運行から乗務員を二人に増やすことにした。地元のタクシーも夜のそのルートは拒絶するというのだ(『最終バス』)。一九九七年にスタート以来怪談系メルマガとして最大の三万人の読者を抱える人気サイト「逢魔が時物語」。…読者から寄せられた恐怖体験の実話から、四〇編余りを厳選し自費出版された幻の書『逢魔が時物語』(原著完売)を一部改編して文庫化。怪談ファンは必読。


メールマガジンで配信されていたものを自費出版という形で纏め、さらにそれを焼き直して小学館から出版したもの。しかし、期待に反して怖くないし面白みにも欠ける。どうも、怖さのオチが無いような「新耳袋」のような話が多いのだ。また、都市伝説のような、作り話としか思えないものもある。思いっきりテケテケさんそのものな内容のまであるし。

どうも内容が中途半端なので、これに怖さを期待すると大きく裏切られる事でしょう。これ読むよりも、「あなたの知らない世界」でも観た方が100万倍涼しくなると思うよ。

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伝染る「怖い話」

伝染る怖い話

地下鉄サリン事件の現場にはなぜ幽霊が出ないのか…怪奇物件はいかにして現実社会で洗われてゆくのか…四肢切断された「だるま女」の伝承の真偽は…サイコパス系都市伝説から、バラバラ死体遺棄、呪いのビデオ、奇病、心霊事件、電脳怪異譚の深層まで、世紀末ニッポンを跳梁する「ぶきみな話」「怖い話」の正体を追った怪作ホラーノンフィクション。


これ、怖い話を集めただけかと思ったら、違った。都市伝説や幽霊話が生み出される理由をさらって行くのである。手法は科学的とは言えない部分もあるが、そもそも題材が人類の科学では解明出来ないモノであるから仕方が無い。

ライターが創作してるのではないかと思えるような軽快なタッチの文章もあって、読み物としても面白いと思う。半面、怖がりたい人には物足りないかもしれない。


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メイドインジャパン

メイド イン ジャパンメイド イン ジャパン
(2001/01/15)
黒田 晶

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この国が産みおとした子どもたちによる、この国にしか起こりえない少年犯罪。リアルで残酷な殺人描写とグルーヴ感あふれるクールな文体に、全選考委員が不快な絶賛をおくった、22歳の戦慄の問題作。第37回文芸賞受賞作。


第37回文芸賞受賞作。

幼女を嬲り者にした挙句、殺害したビデオを観て影響された、帰国子女の馬鹿青年達がキ印となる。自分も殺されたいと影響された馬鹿が、殺してみたいと思った馬鹿に殺害されてしまう、とてつもなく不快な内容だった。

なにこれ? 公明党は秋葉原を巡回している場合じゃないだろう。架空の幼女の人権を守りたいなら、まずはこういう作品を選んだ文芸賞と、河出書房新社を弾圧してみてはいかがだろうか。エロゲー批判をしている民主党のファシスト議員、円より子も、まずはこういうのから弾圧してみたら?

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スカイハイ

スカイハイスカイハイ
(2004/01)
高橋 ツトム小川 智子

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怨みをもって死んだ者がたどり着く――、そこは「怨みの門」。そこにいるのは門番のイズコ。彼女は言う「お逝きなさい」と…。コミックやTVシリーズでも大人気の『スカイハイ』がついに小説になった!


ノベライズは駄目なのが多いのであまり読まないのだが、小川洋子なら大丈夫かとおもって借りてみました。

……小川洋子じゃなくて、小川智子だった(汗)。

おい、図書館職員! 思いっきり小川洋子の場所に並べているじゃないか。

まあ、結構出来栄えは良かったのでいいですけど。前半の「ヒトソダテ」は原作にあるキチガイ殺人少年と事故で先に死んだ両親の話。もう結末が判っているだけに、あまり食指は動かない。

やはり、後半の「骨」が良い。オリジナルだし、原作の良さを損なう事も無く、見事に仕上げている。太平洋戦争で死んだ事も知らないままの魂が、死してなお苦悩する。かつての想い人は病死寸前、ただ一人生き残った弟は、自分が残したモノを宝だと思い込んで狙う、どうしようもない孤独老人に。意外なところで、駄目老人と想い人の孫娘が接点に。誰も呪い殺せない哀れな亡霊。なかなか力作だった。

スカイハイだから亡霊は出るけど、あまりホラー系な話ではない。

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青酸クリームソーダ 〈鏡家サーガ〉入門編

青酸クリームソーダ〈鏡家サーガ〉入門編 (講談社ノベルス)青酸クリームソーダ〈鏡家サーガ〉入門編 (講談社ノベルス)
(2009/02/06)
佐藤 友哉

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普通の大学生、鏡公彦18歳。ごくごく平均的な、何気なくコンビニエンスストアに行こうと思って出かけただけの夜。運悪く、最悪なことに目下殺人中の灰掛めじかに出会ってしまう。それを「見て」しまった責任を取らされる公彦。それは、めじかの「殺人の動機」を1週間の期限で探ることだった―。―ここから始める。ここから始まる―。「鏡家サーガ」入門編、遂に幕開け。


説明文に、“入門編、遂に幕開け”とあるのだけど、ここから入門編としてシリーズ化して行くのか? ラスボスの例え話とかもあるので、書く気満々なのかもしれないけど。とりあえず、初期作品があまり売れず、「クリスマス・テロル」でクリスマスじゃなく作家テロルな感じで大暴れしちゃった頃が懐かしいよね(笑)。

まだ普通の大学生な、鏡公彦が殺人現場に居合わせてしまった為、トラブルに巻き込まれて死にそうになる。殺人鬼は灰掛めじか。目撃した責任を取って、自分が人を殺す動機を推理しろと強要して来るのだが、断って逃げようとしたところ、とてつもなく厄介な事になってしまう。

鏡稜子が物語をサブカルチャー方面に脱線させすぎる。今回は脇役なはずなのだが、キャラ立ちしすぎて、灰掛めじかを喰ってしまった気がする。

登場キャラのネーミング・センスとか、異様に長い一人語りとか、ゲーム感覚な殺人とか、だんだん西尾維新に似てきたなぁ……。

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鏡姉妹の飛ぶ教室 〈鏡家サーガ〉例外編

鏡姉妹の飛ぶ教室 (講談社ノベルス)鏡姉妹の飛ぶ教室 (講談社ノベルス)
(2005/02/08)
佐藤 友哉

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佐奈を待つもの、それは死か? それとも死か? 誰もが365日分の1日で終わる予定でいた6月6日。鏡家の三女、鏡佐奈は突然の大地震に遭遇する。液状化した大地に呑み込まれていく校舎を彩る闇の色は、生き残った生徒たちの心を狂気一色に染め上げてゆく。衝撃の問題作、『クリスマス・テロル』から3年の沈黙を破り、佐藤友哉が満を持して放つ戦慄の<鏡家サーガ>例外編。あの90年代以降の「失われた」青春のすべてがここにある!みんなで飛ぼう!!


キチガイ・ファミリーの一員にしては、普通っぽすぎる妹キャラだな。主人公よりもさらに下の妹は、やはり鏡家らしい感じの暗黒面が備わっていたけど。

冒頭から、いきなり正体不明の大地震。そしてクラスメイトや教職員の大半が死亡フラグ。さらに、無理やりな液状化現象により、地中に埋まってしまう。そんな液状化現象の具体例、聞いた事も無いんですけど。この学校だけが大きな被害に遭っているので、本当は裏財閥の秘密兵器で、局所大地震でも起こして埋めたという設定とか?

校舎ごと生き埋め状態なのに、妙なキャラばかり生き残って、やっている事は殺し合い。相変わらずキ印入って殺伐とした内容だな。痛みを感じない大量殺人鬼に、それを捕獲しに来た姉弟。個人的に仇討ちしようと乱入するちびっ子ツインテールに、殺人鬼に憑依してしまった妹。さらに、生き残った普通キャラっぽかった同級生も普通じゃなかった。

こうしてみると、一見すると佐奈が一番パンピーっぽく思える。しかし最後がまともじゃない。やはり鏡家の一員だった! もしかして、この妹が最強なのか!? 別の話も含め、複数回死んでいるし、一般人に思えて、実はチート性能なのか?

それにしても、出てくるのはクセのある奴らばかりで、それぞれの一人語りが多すぎる。西尾維新の登場人物並に、お喋りを止めてくれない(笑)。何が「例外編」なのかよく分らなかった。

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水没ピアノ―鏡創士がひきもどす犯罪

水没ピアノ―鏡創士がひきもどす犯罪 (講談社文庫)水没ピアノ―鏡創士がひきもどす犯罪 (講談社文庫)
(2008/04/15)
佐藤 友哉

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工場で働く単調な日々に鬱々とするヒキコモリ気味の少年。少女を見えない悪意から護り続ける少年。密室状況の屋敷内で繰り広げられる惨殺劇。別々に進行する三つの物語を貫くものは、世界を反転させる衝撃の一文と、どこまでも深い“愛”である。なぜピアノは沈んだのか?著者渾身の戦慄純愛ミステリー。


キチガイファミリー鏡家シリーズの三作目なんだけど、鏡創士がほぼ脇役で、関係無さそうな三つの物語が同時進行。駄目人間一歩手前な感じの青年と、ある研究所で脳を壊されてしまった影響で家族を殺しまくるキチガイ女と、大好きな娘のために敵を抹殺していくキチガイ少年。

鏡創士が脇役としてしか登場しない。他の鏡家の面々と比べたら人を殺しまくったりもしないし、随分とまともな人間に見えるぞ。しかし、最後の最後でバラバラだった三つの物語が一気に纏る。物語の接着剤として、鏡創士が必要だったのか! 物語としては同時進行だったけど、実際のところ時系列は……。

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エナメルを塗った魂の比重<鏡稜子ときせかえ密室>

エナメルを塗った魂の比重<鏡稜子ときせかえ密室> (講談社文庫)エナメルを塗った魂の比重<鏡稜子ときせかえ密室> (講談社文庫)
(2007/09/14)
佐藤 友哉

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青春は美しくない。私の場合もそうだった。二年B組に現れた転校生。校内で発生した密室。それらを起点として動き出す、不可解な連中。コスプレを通じて自己変革する少女。ぐちゃぐちゃに虐められる少女。人間しか食べられない少女。ドッペルゲンガーに襲われた少女と、その謎を追う使えない男。そして…予言者達。私は連中の巻き起こす渦に呑まれ、時には呑み込んで驀進を続けた。その果てに用意されていたのは、やはりあの馬鹿げた世界。…予言。あの時の私は、それで何を得たのだろうか。ま、別に知った事じゃないけどさ。


キチガイファミリー鏡家シリーズの二作目。フリッカー式で出てきた姉、鏡稜子が出てくるが、物語の中心線におらず、傍観者っぽい立ち位置にいるので、主人公っぽくない。視点も鏡稜子基準ではないし、これって誰が主役なの? まだ鏡稜子が学生なので、フリッカー式よりも昔の話となる。

いきなり出てくるのが人喰いキチガイ。その他にも、ドッペルゲンガー? とか、預言者とか、コスプレ女とか、頭おかしいやつらのオンパレードで、相変わらず狂っている。出血多いし、ゲーム感覚で人が死にまくるし、ノワールというよりも、単にキチガイ小説な感じ。虐めシーンは反吐が出そうになる。思わず★ひとつにしようかと思ってしまった。まあ、最後に立ち位置がガラリと変わるので、不快感も多少は拭えたが……。

やはり、ゲーム感覚で嘘っぽくて、人は死ぬけど何から何までフェアじゃないし、有り得ない設定だらけだし、実は現実じゃなくてヴァーチャル・リアリティでした、とかじゃないと納得は出来ない内容だな。物語というよりは、読むドラッグ。これも、ゆとりな子が好みそうな内容だった。

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フリッカー式―鏡公彦にうってつけの殺人

フリッカー式 <鏡公彦にうってつけの殺人 > (講談社文庫)フリッカー式 <鏡公彦にうってつけの殺人 > (講談社文庫)
(2007/03/15)
佐藤 友哉

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妹が首を吊った、とイカレた母親からの電話。愉快そうな侵入者は、妹の陵辱ビデオを見せたうえ、レイプ魔たちの愛娘がどこにいるか教えてくれる。僕はスタンガンを手に捕獲を開始。でも街には77人の少女を餌食にした“突き刺しジャック”も徘徊していた―。世界を容赦なく切り裂くメフィスト賞受賞作。


第21回メフィスト賞受賞作。

内容を聞いただけで、もう読む気失せて来るので敬遠していたが、メフィスト賞攻略のために読んでみる事にした。さすがゲテモノ揃いのメフィスト賞。初っ端から「おにーちゃん、おは」と言いながら合鍵使って入ってくるギャルゲー仕様。しかしこの妹が事件に巻き込まれて自殺してしまうから、復讐モードでノワール小説に。

妹にやられた事を、加害者の娘に返すという形のクロスカウンター攻撃が展開されるのかと思いきや、出てくる重要人物が主人公含めて全員壊れているから、そう単純には行かない。キチガイだらけです。キャラつくりがゲーム感覚で、ちっとも現実感が沸いてこない。登場人物が狂いまくりで、人が死んでもゲーム中の出来事みたいだから、嫌悪感すら覚えない程。シンクロする要素皆無なので、後は惰性で読み進めるのみ。

構成としては非常に面白いと思うのだが、文章がかなり下手なのは覚悟しておくべきだろう。小説じゃなくてゲームを読まされている感じだし、ちょっとこれは微妙だなぁ。多分、見つけたら続きも読むだろうけど。それにしても、空虚でキティなノワールモードは、ゆとり世代がいかにも悦びそうな内容ではある。

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1000の小説とバックベアード

1000の小説とバックベアード1000の小説とバックベアード
(2007/03)
佐藤 友哉

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僕は「片説家」。「小説家」と違って、純粋に「特定の個人に向けて物語を書く」仕事だ。そこにあるのは、創作とはいえないリクエストとマーケティングだけ。いや、正確には「片説家」だった。四年間この仕事をしてきたが、今さっき解雇されたのだ。27歳の誕生日だというのに…。あてもなく過ごしていたところへ、「私のために小説を書いて欲しい」という女性が現れた。奇しくも、失踪しているという彼女の妹は、かつて僕のいた会社が、片説の原稿を渡した相手だという―。


第20回三島由紀夫賞受賞作。

バックベアードって水木さんのアレか!? と思ったら、やはり……。

万人向けではなく、顧客に頼まれて、読み手が一人だけの物語を書くのが片説家である。片説家として四年間も仕事をしてきたのに、二十七歳の誕生日にいきなり解雇。そこから読めない書けない状態に陥るヘタレ青年。

そこから物語に害悪を及ぼすとされるモノと関わったり、殺されそうになったり、普通の人間が行けない図書館に拉致監禁されたりするのだが、訳が判らない。作者のお遊びというか、実験みたいなものが混ぜられまくりで、しかも文章が鼻につく。森見作品も鼻がつくけど、エンタとして完成されているから普通に読める。しかしこれは実験作臭すぎて楽しめない。

瘴気がプンプン臭う怪作ではあるけれども。三島由紀夫賞って、こういう香ばしいのが好み!?

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子供たち怒る怒る怒る

子供たち怒る怒る怒る (新潮文庫)子供たち怒る怒る怒る (新潮文庫)
(2008/04/25)
佐藤 友哉

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過去の呪縛から逃れるため転校した神戸の小学校では、奇妙な遊びが流行っていた。「牛男」と呼ばれる猟奇連続殺人鬼の、次の犯行を予想しようというのだ。単なるお遊びだったはずのゲームは見る間にエスカレートし、子供たちも否応なく当事者となっていく―(表題作)。新世代文学の先鋒が描き出す、容赦ない現実とその未来。ボーナストラックとして書き下ろし二編を収録。


短編6つだが、どれもこれも殺人鬼やキチガイばかりでウンザリしてくる。無茶苦茶で、意味不明で、不条理なのばかりだ。校内で大量殺戮を始める高校生四人組とか、苦しみまくって病死した少女の遺体が絡んで、関わった人間が死にまくる話とか、黒いものばかり。命の重みが微塵も感じられない、ゆとり世代が好みそうな狂気の缶詰。

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クリスマス・テロル―invisible×inventor

クリスマス・テロル―invisible×inventor (講談社ノベルス)クリスマス・テロル―invisible×inventor (講談社ノベルス)
(2002/08)
佐藤 友哉

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そこで出会った青年から冬子はある男の「監視」を依頼される。密室状態の岬の小屋に完璧にひきこもり、ノートパソコンに向かって黙々と作業をつづける男。その男の「監視」をひたすら続ける冬子。双眼鏡越しの「見る」×「見られる」関係が逆転するとき、一瞬で世界は崩壊する!「書く」ことの孤独と不安を描ききった問題作中の問題作。


うわ~! 久しぶりにうんこ作品踏んだ。 Orz

何がやりたかったのか判らないけど、物語の途中で差し込まれる意味不明な自慰行為的文章に萎える。女子中学生冬子にはちっとも萌えないし。表紙の絵も怖い。アンデッド少女みたいだ。

いきなり家出して船に密航したら、何も無い過疎の島へ辿り着き、そこで廃品回収の手伝いをさせられる冬子。体力が無くて役に立たないから、廃品回収じゃなくて家に篭る男の監視を命じられる冬子だが、監視対象がいきなり消えてしまう!? しかし、密室の正体が物凄くルール違反。アンフェアすぎて失笑。

最後の最後で、途中で物語を投げ出したまま、チラシの裏になってしまう。問題作とか駄作どころじゃなくて、これでは単なるチラシの裏。この結末は、エヴァンゲリオンの投げ捨てと比べても1億と2000倍は酷い。

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新耳袋―現代百物語 第10夜

新耳袋 第十夜  現代百物語 (角川文庫)新耳袋 第十夜 現代百物語 (角川文庫)
(2008/06/25)
木原 浩勝中山 市朗

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この世の理から離れた、不可思議な何か。口から口に伝えられ、だからこそ、語られた言葉の源はどこかにある。誰かが確かに出会った怪異は、言葉となってあなたの、すぐ側に―。古の作法によると、百を語ると、何かが起こるという百物語。当代きっての怪異蒐集家の二人が集めた、かつてない怪談集、ついに迎えし最終夜。十夜語れば、何が起こるか…。


このシリーズも、ついに完結。最後だから、相当怖い話が来るのかと期待したが、そうでもなかった。最終巻にしては、どれも無難な内容。というか、オチが無くて微妙な話が多い。

それにしても、常識では説明出来ない話が多いよなぁ。しかし、人の常識が正しいとは限らないのだから、説明出来ないのは、単に超常現象に対して知識が不足しているからだろう。現代科学だって、数千年前に持っていけば魔法ですからね。

さて、ここまでで怪異は終わりなのだが、各巻、99話しか収録されていない。(但し、扶桑社版の最初は100話らしい。)これは、100話入れてしまうと、本当におかしな事が起こるかもしれないという配慮によるものなのだが……。

ここに来て、百物語が完成してしまったよ(汗)!

プレステ2をやりかけて、コントローラーを手放したまま、PCで情報を仕入れている最中、後方でゲームの音が!! 振り返ると、勝手にセーブが始まっているじゃないか! バグか何かかと思って見守っていると、3回連続でセーブした後、キャラが勝手に移動し始めた。しかも、コマンド入力までしてやがるですっ!! 勝手に遊びやがるなですっ!!

なにこの怪現象は!? バグというレベルを超えて、目に見えない誰かが遊んでいるとしか思えないんだけど……。勝手にセーブまでしやがって(笑)。お、おにぃちゃんそのスロットにセーブしちゃらめー!!

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新耳袋―現代百物語 第9夜

新耳袋―現代百物語〈第9夜〉 (角川文庫)新耳袋―現代百物語〈第9夜〉 (角川文庫)
(2007/06)
木原 浩勝中山 市朗

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ある警備会社。一人しか派遣していないのに、なぜか報告書に“本日、無事終了。配置人員二名”と記されることが、ある現場で続いた。クライアントからは、うちは一人しか依頼していないとクレームがついた。ある夜、その現場に入った警備員がよくその顔を見ると―。職務上必要にせまられて、偶然に、さまざまな理由で残された怪異の痕跡、記録に関する「記にまつわる十一の話」。九章九十九話収録。


お化けネタじゃないけど、同じ夜に同じ場所で同じ客を二度ずつ乗せるタクシーの話があって、出来すぎな偶然が面白い。まだお化けが乗るほうが有り得る感じ。しかも、二度乗る客が三人もいるから、偶然を遥かに超えて、何者かがシナリオを描いたとしか思えない出来栄え。

毎晩見る夢で、赤い女の人が包丁を持って自分の部屋へ上がってくる話は、白いメリーさんをもっと凶悪にした感じで、非常に気持ち悪い。しかし、これも出来すぎて都市伝説みたいである。本当にあった話だとしたら、相当怖い。

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新耳袋―現代百物語 第8夜

新耳袋―現代百物語〈第8夜〉 (角川文庫)新耳袋―現代百物語〈第8夜〉 (角川文庫)
(2006/06)
木原 浩勝中山 市朗

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ある夜どしゃぶりの国道を運転していると、赤いコートの女性がうつむいて自転車をこいでいる。街灯の下で追い越すと、その先にはまた赤いレインコートが。なぜか三度も街灯の下で赤いレインコートを追い越した。不思議に思い振り返り、レインコートの中を覗き込むと、その中には―。人に語られ、人に伝わり命が宿るという怪談を、集め伝える新耳袋。そこに集まった『「新耳袋」にまつわる話』を収録。


誰かが何かをした痕跡があるのに、何のためにやったのか分からないままの、気持ち悪い話が結構あるなぁ。動物が怖がって寄り付かない家の庭に、妙な石がたくさん埋めてあったり。天井から音がするので調べたら、表札がたくさん落ちていたり。

映像化された作品のひとつ、呼ばれたら返事をしなければならないという話も載っている。おじさんの出張中、マンションを使う事になった青年が、家の中で名前を呼ばれたら変事をするようにと言われるのだが……。これは、文章で読むよりも、映像で観たほうが怖いと思う。そう言えば、この話をDVDで観た時に、ある怪現象が起こった。偶然か、機器の不具合で説明はつくかもしれないけど、結構、気味悪かったのは確かである。

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新耳袋―現代百物語 第7夜

新耳袋 第七夜 現代百物語 (角川文庫)新耳袋 第七夜 現代百物語 (角川文庫)
(2005/06/25)
木原 浩勝中山 市朗

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当代きっての怪談の名手が現代の恐怖を採取した、新耳袋第七集。声高に語られるのではなく、日常の隙間に囁かれる妖を集め綴った十章九十九話。


この手の怪談では、怪異を見極められる坊主や霊能力者がよく出てくるけど、実際のところ、その能力は本物なのだろうか。少なくとも、TVに出てくるような奴らは胡散臭いのばかりなのだけど。

神隠しネタでは、目の前で人が消え失せるものがあって気持ち悪い。大抵は、犯罪者の隠蔽工作だったり、カルト教団や某国工作員みたいな奴らの仕業なのだろうけど、さすがに目の前で消失したりすると……。いなくなった人達って何処へ行くのだろうか。よく似た平行世界なのか、時間軸がズレて過去か未来へ飛ばされるのか、次元の狭間みたいなところに落とされるのか謎である。基本的に片道キップなので、向こう側に何があるのか分らないしね。

後半、何話分も使った、死者によるストーカー行為みたいなのがあるけど、これは怖い。死んだ後も執着されて、一緒に連れて行こうとするなんて、死神よりも性質が悪い。

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新耳袋―現代百物語 第6夜

新耳袋―現代百物語〈第6夜〉 (角川文庫)新耳袋―現代百物語〈第6夜〉 (角川文庫)
(2004/06)
木原 浩勝中山 市朗

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二階の部屋で宿題をしていると、ベランダでドン!とすごい音が。カーテンを開けると、男が斜めに傾いて浮いている。おでこをガラスに張りつけ、ひと筋の血を垂らしながら。男の右手は、ベランダの向こうにある何かを指さしていた…。親から子へ、人から人へ、異界から現実へ、語り継がれる「怪」を蒐集した怪談実話。八年かけて選りすぐった現代版『稲生物怪録』ともいうべき傑作恐怖集、「居にまつわる二十の話」を収録。


何処か他所へ行って怪異に遭うのも怖いが、自分が普段住んでいる場所で遭うのは、もっと怖い。非日常で出会うだけでも恐怖体験なのに、それが日常の中に侵食して来るなんて!

後半部分で、新耳袋のDVDでも少し触れられていた話が載っている。ちなみに、この話はほとんど取材も出来ず、映像化もされてはいない。DVDの本編終了後に、怪談として語られているだけなのだが。

京都にある高層マンションにまつわる話で、具体的すぎるのが怖い。これが都市伝説みたいな創作ではなく、実際にあった事ならば、地元に住んでいる人なら簡単に場所を特定出来るのではないのか?

八階建ての賃貸マンションで、一階が半地下状態の店舗になっていて、大通りに面した物件ってあります? 最上階が、問題の部屋らしいのだが、出現する方の名前まで分っているというのが恐ろしい。美女らしいけど。怖いから内容は書きたくないので、気になる方は第6夜の後の方を読んでみて。

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