佐藤多佳子

攻略対象書籍は以下。

『サマータイム』
『おかわりいらない?』
『レモンねんど』
『ごきげんな裏階段』
『ハンサム・ガール』
『スローモーション』
『黄色い目の魚』
『しゃべれどもしゃべれども』
『イグアナくんのおじゃまな毎日』
『神様がくれた指』
一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ-』★★★☆
一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ-』★★★☆
一瞬の風になれ 第三部 -ドン-』★★★☆
『夏から夏へ』
第二音楽室―School and Music』★★★☆
聖夜 ― School and Music』★★★☆



にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサーサイト

聖夜―School and Music

聖夜 ― School and Music聖夜 ― School and Music
(2010/12/09)
佐藤 多佳子

商品詳細を見る

“俺は記憶のないころから鍵盤に触れてきた”。聖書に噛みつき、ロックに心奪われ、メシアンの難曲と格闘する眩しい少年期の終わり。


題名がこれだから、クリスマスの夜に“きゃっきゃうふふ”するリア充恋愛小説なのかと思ったら、音楽小説だったのか。ドイツ人に母を奪われ、異性を信頼出来ず斜に構えた感じのモテ期少年が主人公だった。美少女とのフラグをへし折るなんて酷すぎる。リア充爆発しろ。

オルガン部という、あまり聞かないような部活動に参加しているのだが、青山学院に実在するのか。高校の頃って、凄くつまらない事にいちいち反応して苦悩するよね。学生時代の悩み事なんて、社会に出て悪意に晒され続ける事に比べたら、大抵は些細でどうでも良い事ばかりだよなぁ。

時代設定が古い気がしたのだが、あとがきで気づいて題名をよく見ると、1980の数字が! 1980年に高校生だと、もう主人公は中年のおっさんか(笑)。こいつらはバブル世代で、リアル人生ゲームをイージーモードでプレイ出来たんだよなぁ。羨まし過ぎるから、リア充超新星爆発しろ。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

第二音楽室―School and Music

第二音楽室―School and Music第二音楽室―School and Music
(2010/11)
佐藤 多佳子

商品詳細を見る

重なりあい、どこまでも柔らかく広がる四つの旋律。眩しくて切なくてなつかしい、ガールズストーリー。


長編だと思っていたら、音楽絡みの短編が四つだった。表題作は、いきなり山田某クオリティの文体で萎えそうになったが、小学生視点なので、あえて幼く書いてあるのだと分かり、納得。

「デュエット」は、二人組になって歌うという音楽の課題をこなす事になった少女の話。好きな男女でペアになれと言われ、困るのだが……。

「FOUR」は四人で演奏する事になった中学生の話なのだが、これだけ超時空要塞マクロスの歌を勝手に演奏してみたり、ドラゴンクエストのBGMをやったりしているので、時代が古い(笑)。

「裸樹」は、学校で虐めに遭い、不登校になった少女が、知り合いのいない高校に進学するも、人間不信になっているので、牙を剥かれてやられないよう、怯えながら他人の顔色を伺って過ごす話。とても重苦しいのが、これが一番読ませる。学校という名の牢獄に入れられている閉塞感が良く表現されている。痛いけど、公園で出会った相手との再会等、救いもある。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

一瞬の風になれ 第三部 -ドン-

4062764083一瞬の風になれ 第三部 -ドン- (講談社文庫)
佐藤 多佳子
講談社 2009-07-15

by G-Tools

いよいよ始まる。最後の学年、最後の戦いが。100m、県2位の連と4位の俺。「問題児」でもある新人生も加わった。部長として短距離走者として、春高初の400mリレーでのインターハイ出場を目指す。「1本、1本、走るだけだ。全力で」。最高の走りで、最高のバトンをしよう―。白熱の完結編。


第136回直木賞候補作(但し三冊まとめて)。

いよいよ最終巻。三年に進級し、高校最後の戦いへ。問題児な一年が戦力に加わった事により、もっと波乱万丈な展開があるのかと思ったけど、大した事は無かったね。

ただ走るだけで精一杯だった二年までと違い、もっと高い場所まで手が届きそうになって来た。これは、是非、強豪を押し退けて次のステージまで進んで欲しいところ。後半、二人だけでなく、他の部員も含めてどんどん強くなって行く。男子だけでなく、女子も頑張る。

まだまだ高みに登って行きそうな雰囲気のまま、良い感じに終わるのだが、ひとつだけ気になるのが……。

女子陸上部員、谷口若菜とのラブロマンスは花開くのか!? この恋の行方は一体……。もう走る事だけで頭がいっぱいになってしまったのか、フラグ立ちかけなままで終了しちゃったので、この後の展開が気になる。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ-

4062764075一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ- (講談社文庫)
佐藤 多佳子
講談社 2009-07-15

by G-Tools

オフ・シーズン。強豪校・鷲谷との合宿が始まる。この合宿が終われば、2年生になる。新入生も入ってくる。そして、新しいチームで、新しいヨンケイを走る! 「努力の分だけ結果が出るわけじゃない。だけど何もしなかったらまったく結果は出ない」。まずは南関東へーー。新二と連の第二シーズンが始まる。


第136回直木賞候補作(但し三冊まとめて)。

2巻に進み、新二達も二年生へと進級する。先輩が去り、後輩が新たに入ってくる。最初は経験不足だった新二も、徐々にレベルを上げて行く。

何も無い人々と比べたら、天から才能を賦与されている分、多少は有利な立場にあるのだが、描かれているのは「ららのいた夏」に出てくるような圧倒的な天才ではないので、リアリティがある。才能があるとは言え、それは凡人と比較しての話であって、全国レベルで見ると、その程度の能力がある人間は何百人といるのだから。

普通の人よりは走るのが速いとはいえ、ライバル校にはなかなか勝てない。徐々に力をつけて来たとは言え、惜しいところで及ばないもどかしさ。

それはそうと、作中でやたらとゲキを飛ばすのが気になる。これは、新二が用法を間違っているだけな設定なのか? 作者が素で間違えていたら、ちょっと問題だよな……。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ-

4062764067一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ- (講談社文庫)
佐藤 多佳子
講談社 2009-07-15

by G-Tools

野台高校陸上部、一年、神谷新二。スポーツ・テストで感じたあの疾走感…。ただ、走りたい。天才的なスプリンター、幼なじみの連と入ったこの部活。すげえ走りを俺にもいつか。デビュー戦はもうすぐだ。「おまえらが競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」。青春陸上小説、第一部、スタート。


第136回直木賞候補作(但し三冊まとめて)。

中学までサッカーをしていた主人公の神谷新二は、優秀な兄と比べて自分の能力に限界がある事に気づき、高校では新天地の陸上に。走りの天才である幼なじみ連は、陸上から遠ざかっていたものの、触発されて活動再会。

最初の巻はまだ一年生という事もあり、精神的にも双方が幼い感じ。肉体的にもまだ発展途上段階。新二はスタミナだけはあるけど、まだ走り方が分かっていない。連は、才能はあるけどスタミナが無くてよく逃げ出す。

新二の独り語り視点で進むので、慣れるまでとっつき難いのだが、物語の波に乗り始めると、一気に読めてしまう。作中人物と一緒に走るかのような一体感で、読み手も風に……なれるといいよね(笑)。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ