科学者18人にお尋ねします。宇宙には誰かいますか?

430925361X科学者18人にお尋ねします。宇宙には誰かいますか?
佐藤勝彦
河出書房新社 2017-02-22

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宇宙における生命の研究を「アストロバイオロジー」と呼ぶ。天文学、生物学、工学など様々な学問が融合した新分野の研究だ。本書では、この新分野の研究を始めているか、興味を持っている研究者18人に、地球外生命体、知的生命体について聞く。専門分野によって、地球外生命体の在りかを巡る答えは様々だが、共通してくる問題は「生命」「知的」といった言葉の定義だ。これらの捉え方次第で何が「生命体」発見となるかも変わってくるはずである。宇宙には地球とは違った存在形態の生命があるかもしれない。したがって、宇宙における生命について考えるという本書のテーマは、人間中心主義、地球中心主義、太陽系中心主義的な考えに縛られず「生命を考え直す」きっかけを私たちに与えてくれるはずだ。


各分野で活躍中の科学者18人に、8つの質問をしたものになっている。

Q1 ご研究内容について教えてください。
Q2 「生命の定義」について、独自の見解を教えてください。
Q3 地球生命はどこからきたのでしょう?
Q4 地球外生命体が発見されるのはどんな所でしょうか?
Q5 どうすれば地球外“知的”生命体を発見できるのでしょう?
Q6 知的生命体が見つかりました。どういうアクションをしますか?
Q7 知的生命体がいる世界には、どんな社会があると思いますか?
Q8 人類は、太陽系を超えて天の川銀河に広がりうる生命でしょうか?



未だに正解が分かっていない問題だけに、仕方がないのかもしれないが、各自が自分で考えている俺様ルールに基いているのが微妙である。ある科学者は太陽系内惑星に生命の可能性を論じ、別の科学者は全否定していたりするのだが、これだと確実にどちらかが間違っているという事になるのだが。

これだけ宇宙が広いのに、地球以外に生命が存在しないという考え方は、あまりにも地球中心的すぎると思うのだが、本当に人類しか存在しなかったら、1人につき1個銀河系が貰えて、全員が銀河帝国皇帝になってもまだ余りまくるよね?

滅びる可能性がほとんど無い安全な時代の人間が、観念して諦めるべきだという考えている科学者もいるのだが、身勝手すぎると思う。人類滅亡れを受け入れるのか、抗って他の世界に移住するのかは、危機に直面した当事者が決めれば良い事である。

知的生命体に関しても、それだけ長い間生き延びているのだから平和で友好的であるという考え方と、コンタクトを取るのは非常に危険であるという考え方に分かれているのだが、個人的には電波などを撒き散らして地球の位置を知らせるのは危険だと思う。人類の歴史においてさえ、異なる文明同士が衝突した時、劣っているほうは酷い事になっているではないか。

地球人とよく似た思考をする生物なら、植民惑星にされて奴隷生活程度で済むのかもしれないが、『エンダーのゲーム』に登場する、昆虫進化型生物みたいな奴らだと恐ろしい事になるし、アレステア・レナルズの小説に出て来るインヒビター(先進文明を全て滅ぼすのが仕事)みたいな奴らだったら、発見された時点で終わりではないか。

「ようやく人類も成熟しましたね。これからは銀河同盟のメンバーです。仲良くしましょう」みたいな事にはならないと思う。もしかしたら、アーヴやディアーズみたいな非常に美しい種族が来て何かが始まる可能性もあって、それは私がリア充になる確率と比べたら遥かに高いのかもしれないが。

地球が生命体の想像図をイラストで描かされているのだが、これだけメンバーがいるのに、絵の上手い人はほとんどいなくて、「ぼくが かんがえた さいこうの うちゅうじん」みたいな事になってしまっているのには笑った。

参加した科学者は、以下の通りである。

01 井田茂(東京工業大学地球生命研究所〔ELSI〕教授・副所長)
「地球中心主義に、縛られてはいけません」

02 高井研(海洋研究開発機構 深海・地殻内生物圏研究分野分野長)
「出会えないと思っています。でも、我々は孤独ではないです」

03 須藤靖(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授)
「あまりにも危険。直接接触することはお勧めしません」

04 成田憲保(東京大学/自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター 助教)
「"宇宙における生命"というテーマは未開拓な部分も多く、ニッチながら面白いです」

05 小林憲正(横浜国立大学大学院工学研究院教授)
「宇宙のあちこちで、ポコポコできているでしょう」

06 鳥海光弘(海洋研究開発機構 特任上席研究員/東京大学名誉教授)
「宇宙人と関わるなら、多様な地球生命と触れ合うべき」

07 丸山茂徳(東京工業大学地球生命研究所〔ELSI〕特命教授)
「我々は孤独なのかもしれません」

08 長沼毅(生物学者/広島大学大学院生物圏科学研究科教授)
「凶暴性を持たない知的生命であることを期待します」

09 半田利弘(鹿児島大学大学院理工学研究科・理学部物理科学科教授)
「銀河中心を横から見た姿を教えて欲しい」

◎鼎談 佐藤勝彦×内田亮子(人類学者)×縣秀彦
「知的生命は旅を続けるのか」

10 山岸明彦(東京薬科大学生命科学部応用生命科学科教授)
「ロボットになら、会えるかもしれません」

11 藤井友香(NASA Postdoctoral Program Fellow)
「どこで見つかっても、おかしくはありません。」

12 堀安範(自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター特任助教)
「いるとすれば利己的で、その環境に適応できた生き物でしょう」

13 鳴沢真也(兵庫県立大学西はりま天文台天文科学研究員)
「知的生命はレアだが、どこかには存在する」

14 ピート・ハット(プリンストン高等研究所宇宙物理学教授)
「なぜ生命という存在が、可能なのでしょう」

15 縣秀彦(自然科学研究機構国立天文台准教授)
「食べなくても知的活動ができる生命が、いるかもしれません」

16 田村元秀(自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター長)
「地球外生命はいると思います」

17 関根康人(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学准教授)
「どうやら、僕は知的生命がいてほしいと思ってないようです」

18 矢野創(JAXA宇宙科学研究所学際科学研究系助教)
「「誰」がいるかは、考えかた次第です」



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もう一つの地球が見つかる日 系外惑星探査の最前線

4794219210もう一つの地球が見つかる日―系外惑星探査の最前線
レイ ジャヤワルダナ Ray Jayawardhana
草思社 2012-08

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太陽系以外の惑星、つまり地球から遠く離れた恒星を回る惑星を「系外惑星」という。この系外惑星の探査は現在、科学界でも最も熱い領域となっている。1990年代以降、数々のブレイクスルーにより、遠い星を周回する惑星が数百個発見され、さらにはその惑星の大きさや軌道、組成までもが次々と明らかになっているのだ。地球外生命の証拠をとらえる日もそう遠くないだろう…。生命は地球にしか存在しないのか、地球のような惑星は他にはないのかという、人類はじまって以来の疑問に、今、答えが出ようとしている。系外惑星探査の歴史から技術的背景、将来への展望、発見に次ぐ発見で熱気溢れる研究現場の興奮までを、第一級の研究者が描く科学ノンフィクション。


常識的に考えれば、これほど多くの恒星系が存在しながら、太陽系だけが特別とするほうがおかしいのだが、最近までは系外惑星が存在するのか否か、議論がされて来た。ドップラー法による観測と計算で、絶対に行けないような遠方の惑星の存在だけでなく、質量や成分まで分かるようになるとは、驚きである。

恒星の至近距離をホット・ジュピターと呼ばれるような大型ガス惑星が回っていたり、地球の何倍もある地球型惑星スーパー・アースが見つかったり、巨大惑星が楕円軌道を描いていたりする。赤色矮星や褐色矮星も惑星を持つ事が分かってきた。

320天文単位を超えるような遠距離に惑星を持つ恒星もあり、太陽系の狭い常識では考えられない世界が広がっていて面白い。ちなみに、1天文単位がどれくらいの距離なのか分からなかったのでグーグル先生に聞いたところ、149,597,870,700mで、これは地球と太陽の距離らしい。現在、太陽系で最も外側にある海王星が30天文単位しか離れていないようなので、320天文単位だと、とんでもない遠距離に惑星が存在する事になる。


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気が遠くなる未来の宇宙のはなし

気が遠くなる未来の宇宙のはなし気が遠くなる未来の宇宙のはなし
(2013/11/16)
佐藤 勝彦

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60億年後、太陽が地球を飲み込む!?地球に超大陸出現?銀河系とアンドロメダ銀河が衝突?新たな「子ども宇宙」の誕生?宇宙最後の「イベント」が起きる?


小説とは違うから読む順番を間違えても大丈夫だが、これは三部作で『眠れなくなる宇宙のはなし』『ますます眠れなくなる宇宙のはなし』と続いた最後の一冊だと!? しかも、三冊目に当たるこの本しか図書館に置いていないだと!?

順番に読めなかったのは残念だが、気が遠くなる未来の事が書いてあって興味深い。まだ宇宙に関して全てが分かっている訳ではないので、無限に膨張を続けた場合や、収縮に転じた場合など、様々な未来予測について書かれてある。気が遠くなる未来だけではなく、スーパーフレアや地磁気の消滅など、人類が生きている間に起こり得る危機についても語られる。

北極星の話もなかなか面白い。人類の歴史が始まった後も、時代によって北極星が変わっているのだが、中国では帝の星らしい。秦の始皇帝が眺めた帝の星はコカブであり、8000年後の世界だとデネブになり、1万2000年経つとベガがその位置に来る。ベガは織姫であり、天帝の娘でもあるが、1万2000年後に帝の座に就くとか……。

マルチバース理論まで登場するが、カラビ=ヤウ空間で無数の宇宙が繋がっていて、様々なパターンの宇宙のうち、偶々この宇宙は人類が進化するバランスが取れていただけとか言われると、もう訳が分からなくなってくる。神とかいう悪意ある無能な輩の仕業にするよりは、余程、理に適う説明だが。


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リサ・ランドール―異次元は存在する

リサ・ランドール―異次元は存在する (NHK未来への提言)リサ・ランドール―異次元は存在する (NHK未来への提言)
(2007/05)
リサ ランドール、若田 光一 他

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21世紀の人類が抱える課題について、日本の各界の第一人者が世界のキーパーソンに徹底インタビュー。未来を切りひらくヒントを探り、道しるべを提示します。


題名だけ見ると、トンデモ本みたいに思えるが、物理学に関する真面目な内容である。宇宙飛行士の若田光一氏が、世界最高峰のハーバード大学で物理学を教えるリサ・ランドール教授にインタビューした内容を本にしただけなので、本のページ数だけでなく中身も非常に薄いのが残念。

最新の物理学について何も知らない人が入門書的に読むのなら良いが、そうでないなら『ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く』を読んだほうが良いと思う。


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宇宙が始まる前には何があったのか?

宇宙が始まる前には何があったのか?宇宙が始まる前には何があったのか?
(2013/11/29)
ローレンス クラウス

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ビッグバンの前には何があったのか?その最大の謎を、現代の量子物理学は解きあかしつつある。物質と反物質のわずかな非対称から生じたゆらぎ、それが今日の私たちの宇宙を形作った。それは無から有が生まれることであり、無からエネルギーが生じるという物理学の直感と常識に反したことだった。全米でベストセラー、アリゾナ州立大学の宇宙物理学者による衝撃の書。


数式を使わず、文系頭でも理解出来るように書かれてあるのは良いのだが、宇宙が始まる前に何があったのかについては書かれていない件。まあ、宇宙創生よりも前の事なんて、人類には分からないだろうけど。衝撃の書とかいうキャッチで釣ってはいるけれども、すでに他の書籍に書かれてある事ばかりなのが残念。

かなり高度な内容なので、初心者はついていけないかもしれない。もっと親切に書いてある他の書籍を選んだほうが良い。ビッグバン直後の出来事から、遠い未来に宇宙がどうなるかについての予測まで、さらには超ひも理論やマルチバース理論まで書かれているので、守備範囲は広いけど。

神の敵である私は読んでいて何とも思わなかったが、著者は反神論者なので、随所で有神論者に対して反論している。神という名の悪魔を信じる人は腹が立つかもしれない。


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小さい宇宙をつくる

小さい宇宙をつくる―本当にいちばんやさしい素粒子と宇宙のはなし小さい宇宙をつくる―本当にいちばんやさしい素粒子と宇宙のはなし
(2012/12/22)
藤本順平

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中学生、高校生、文系でもわかる!知れば知るほどおもしろい!素粒子の世界と宇宙誕生のひみつ。世紀の大発見!人類史上もっとも巨大な実験装置・加速器がとらえたヒッグス粒子の謎に迫る。


題名が『小さい宇宙をつくる』となっているが、エドモンド・ハミルトンの小説『フェッセンデンの宇宙』に登場するフェッセンデン博士みたいに宇宙そのものを創るのではなく、宇宙を構成する素粒子を作り出すという内容になっている。

程度の高い理系学部に進学した人しか習わないであろう内容を、数式を使わず、中高生でも理解出来るように書かれている良書だった。

物をどんどん分解して行くと、分子、原子、原子核、陽子、クォークという、世界を作っている小さな存在が見えて来る。今のところ、人類テクノロジーでは大きさを測定出来ないので、素粒子の大きさはゼロという事になっている。ゼロであるはずのモノをたくさん足していくと大きさがあるなんて、訳がわからないよ。こんなの絶対おかしいよ(><)

宇宙には電磁気力、強い力、弱い力、重力という4種類の力しか存在しないのだが、素粒子が、4種類つの力に対してどのように関わっているのか、平易に説明してくれる。粒子加速器やヒッグス粒子発見のエピソードを交えて、最後は宇宙を構成する成分について説明する。宇宙に存在する通常物質は僅か4%である。残りはダークエネルギー73%、ダークマター23%で、この96%については、ほとんど分かっていない。

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宇宙って面白いの?

宇宙って面白いの?宇宙って面白いの?
(2012/07/13)
岩崎 夏海、星出 彰彦 他

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まったく宇宙に興味がなかった作家。夢をかなえて旅立つ、同級生の宇宙飛行士。素朴な疑問から取材を重ね、ついには母校に帰って宇宙の「魅力」「生活」「未来」について語り合う。


昭和の特撮物みたいなベタベタな表紙に釣られた。もしドラ作家と宇宙開発事業に関わる人々との対談。宇宙に興味もなくて知識もないのに、企画段階から妙に上から目線なのが微妙。

バックで支えているディレクターやマネージャー、JAXA副理事長の話はまあまあ面白いのだが、同級生でもある宇宙飛行士との会話が面白くない。面白さを上手く引き出せないのは企画者が悪いと思うのだが、「面白くない」と相手のせいにしているのもなんだかなぁ……。

岩崎「光の速さで進んだとしても80光年先のところに行って帰ってくるのは不可能じゃん」
( ゚д゚)なに言ってるだこいつ?

宇宙が面白いと思っていない人が不勉強なままで適当にくっちゃべっても、面白い内容になるわけがない。対談相手による「もしドラ」ヨイショも要らない。

将来、宇宙開発事業に関わりたい中高生が軽く読む程度なら価値があるかもしれないが、宇宙そのものの面白さについては全く引き出せていないのが残念。せめて特殊相対性理論の基本事項くらいは知っている人を起用して企画すべきだったのでは?


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不都合な生命―地球二億二千五百万年銀河の旅

不都合な生命―地球二億二千五百万年銀河の旅不都合な生命―地球二億二千五百万年銀河の旅
(2009/01)
チャールズ・S. コケル

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地球は二億二千五百万年ごとに、すべての生命を搭載したまま、銀河系を一回転する。宇宙・銀河・地球、そして微生物…その生存と死滅を壮大なスケールで描く。


題名と表紙から、宇宙に関するリスクが書かれた本だと思っていたのに、内容が違いすぎて残念。著者は微生物学者で、微生物レベルの話だった。小惑星衝突や超新星爆発に関するリスクは書かれているが、宇宙視点ではなくて、災厄が起こった場合に微生物が生き延びる可能性について論じている。

大深度地下や高高度にも微生物が存在しているのには驚いた。南極の氷の下にも生命がいたりする。プルトニウム耐性のある奴らや、宇宙まで連れていかれても死なない微生物がいて、銀河レベルでの災厄を生き延びるには、こういう原始的な生命体のほうが都合が良い事がわかる。

タイトルにある二億二千五百万年という数字は、銀河系が一回転するのにかかる時間である。確率的には、一回転する間に二度くらい、大量絶滅するようなリスクに晒されるらしいが、近所の恒星が超新星爆発したら、今の科学力では人類も終了フラグだろうな。


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地球がもし100cmの球だったら

地球がもし100cmの球だったら地球がもし100cmの球だったら
(2002/09/01)
永井 智哉

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宇宙規模で地球を見ると大切なことが見えてきます 地球を1000万分の1で考えながら、地球と月、太陽の大きさと距離、また、山の高さや空気の厚さ、水の量など、感覚としてとらえていく。


スケールが大きすぎて感覚としてて捉え難いものを、縮小さえて考えてみる。地球を100cmの球体に縮めてみても、太陽は東京ドームの大きさである。太陽系の位置関係をJR東海道線で例えているのは、首都圏に住んでいないと実感が湧いてこなくて残念である。

地球が100cmの球だと仮定した場合、飛行機が地表1mmのところを飛んでいるのはともかく、宇宙ステーションも3cmしか離れていないのか。もっと高い位置にあるのかと思っていた。

最初のほうはいろいろと比較されていて面白いのだが、途中からオゾン層破壊などの環境問題が入ってきて、お説教っぽくなるのが残念である。金儲け優先で、金が命より重い資本主義という怪物が暴れまわっているのだから、個人が何やっても無駄なんじゃないの? 常任理事国のクセに金儲け優先で国際法すら守らない外道国家もあるし、自分達で決めた国内法すら守れないような、金が命より重い何処かの家畜人ヤプーな島国も……おっと誰か来たようだ。


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惑星地質学

惑星地質学惑星地質学
(2008/01)
宮本 英昭、 他

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近年の探査技術の進歩は目覚しく、長年地球のみを扱ってきた地質学の対象はいまや地球以外の天体にも及んでいる。表面地形のみならず、大気環境、内部活動、生命の可能性までをも探る本分野の最先端の成果を、カラー画像をふんだんに用いて解説する。


東大博物館で開かれていた「異星の踏査」展の図録を一般書籍化したもの。地球外惑星の地質学を研究した貴重な一冊。真面目すぎるくらいに地質学の本なので、基礎知識が足りないと冒頭部分は多少厳しいかもしれないが、地球を離れて別の惑星や衛星の章に進むと面白くなってくる。

研究されて判明している部分までしか含まれていないので、太陽系外惑星まで話が飛ばないのは残念だが、数多くの資料やデータに基いた太陽系の各惑星や衛星に関する内容は圧倒的。

水資源の多い地球型惑星も、温度が下がり始めると太陽光を反射して全体が凍結したり、暖かくなりすぎると温室効果で灼熱地獄となったりするらしく、生命が進化するのに最適な環境とは限らないらしい。

彗星に希薄だが大気があったり、金星に地球では考えられない高速気流が4日で一周していたり、タイタンに海があったり、なかなか興味深い内容で楽しめる。小惑星によって外惑星の軌道が乱れ、外側の惑星が遠くに飛ばされる一方、木星のような巨大惑星が内側にズレて行く部分の説明には驚いた。太陽系外にあるホットジュピターに関しても、これで説明がつくのでは!?

他の恒星系で巨大惑星が生命生存に最適なハビタブルゾーンを横切って楕円軌道を巡ったり、太陽に近づいてホットジュピター化しているのを見ると、例え地球型惑星があったとしても弾き飛ばされてしまうので、生命が芽生えて知性体まで進化するのは大変そうだ。


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宇宙入門

宇宙入門(アルケミスト双書)宇宙入門(アルケミスト双書)
(2010/05/12)
マット・トウィード

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宇宙の果てはどうなっているのか? 宇宙の始まりは? 本書は宇宙という空間と時間の束を縦横に旅する旅行書である。宇宙の果てのグレートウォールという巨大構造から、われわれの住む天の川銀河、太陽系までの宇宙の構造をわかりやすく解説。さらに、現在、標準的宇宙論とされるビッグバン理論に挑戦するプラズマ宇宙論、クエーサー、ブラックホールなど、興味深いトピックスも数多く掲載する。コンパクトにまとめた文章と多数の図版で、宇宙の全体像を記します。


アルケミスト双書というシリーズで、これの他にもいろいろある様だ。ページ数が少ないので手軽に読めるし、イラストが多いので理解しやすい。59ページしかないけれども、宇宙の入門書として必要な要素は全て入っていると思う。

長さ35億光年、幅25億光年、厚さ5000万光年もある銀河系集団の壁構造があったり、その壁の向こう側に巨大重力源があって、天の川銀河が所属する局所銀河群と、おとめ座銀河団ごと引き寄せていたりして、話のスケールが大きすぎて訳が分からなくなってくる。銀河系を何千個何万個も引き寄せてるとか、一体何なの? アザトースさんのお家でもあるのか!?

宇宙だけでも大きすぎるのに、別宇宙が数多く漂っていて、宇宙同士が衝突する理論まであるから、ますます混乱して来る。これだけ広くて地球人しかいないわけがない。


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ブラックホールを見つけた男

ブラックホールを見つけた男ブラックホールを見つけた男
(2009/07/22)
アーサー I.ミラー

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ブラックホールがこの宇宙に存在する―1930年にそれをはじめて理論的に指摘したのは、インドからきた19歳の天才少年、チャンドラセカールだった。しかし、学界の重鎮エディントンはこの発見を無根拠に否定、その結果、ブラックホールの研究は40年近くも停滞し、チャンドラセカールの人生にも大きな影を落とすことになる…。ブラックホール研究の草創期の科学者たちのドラマを中心に、冷戦時代の軍拡競争がもたらした意外な研究成果、最新の研究事情まで、天体物理学最大の発見がたどった数奇な歴史を描き出す。


時代より進みすぎた天才の悲劇といった感じか。幸い、後半では時代や科学が追いついて来て、その功績が正当に評価されるので、栄光無き天才では終わらないのだけど。

ブラックホールの存在が理論的に指摘されたのって、1930年なのか! しかも、見つけたのは19歳のインド人、チャンドラセカール。しかし、人種差別もあってか、イギリスの学会ではまともに相手にされず。最大の障害となるのが、学会の重鎮だったアーサー・エディントン。

自分の理論を守るため、物理学すら捻じ曲げてしまう横暴なやり口は、もはや科学者とは言い難い。別の理論や根拠も無く、何でここまでブラックホールを否定したのか理解出来ない。要は、真実を追究するよりも、保身を選んだキンタマの小さい男だったという事か。前半は、このアーサー・エディントンが邪魔をしすぎてウンザリしてくる。

題名がこれだから、チャンドラセカールの伝記になっているのかと思ったが、ブラックホールに関連する他の物理法則の話も出てくるし、核兵器開発に関わる部分まで、チャンドラセカールが死んだ後も話が続く。よって、本書の真の主人公は、ブラックホールを見つけた男であるチャンドラセカールではなくて、ブラックホールそのものだと言える。

結局、正しかったのはエディントンではなく、チャンドラセカールだった。近年、観測機器や科学技術が急速に発達し、ようやくチャンドラセカールが正しいと実証出来るようになって来たのだが、恐ろしいものが見つかっているよね。弾き飛ばされて、秒速100kmで暴走しているブラックホールがあったとか……。

話題になるためにも、ここは是非、2012年中に太陽系に突撃して来て欲しいところ。
来たれ! 暴走ブラックホール(をい!)。


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タイムマシンと時空の科学

タイムマシンと時空の科学 (図解雑学)タイムマシンと時空の科学 (図解雑学)
(2011/02/16)
真貝 寿明

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タイムマシンに関連する最新の物理学研究を紹介し、タイムトラベルの可能性と問題点をやさしく解説します。物理や宇宙の不思議な世界へご招待。


図解雑学とか書かれているけど、図解がたくさんあるのはともかく、雑学というレベルじゃなくて、高度で専門的な内容が含まれているので、全くの初心者が読んだら苦戦するのではなかろうか。

左側に説明文、右側に図解といった作りになっている。分かりやすく説明してくれてはいるが、目次を見てみれば分かるように、ニュートンの運動方程式と因果律、絶対空間と絶対時間 、特殊相対性理論 、電磁波の方程式、光円錐と因果律、加速度と重力、重力場の方程式、ブラックホールと膨張宇宙、ブラックホール解の発見、膨張する宇宙の解、回転時空型・宇宙ひも型タイムマシンのモデル、回転する時空を利用する過去への旅、宇宙ひもを利用する過去への旅、ワームホール型タイムマシンのモデル、ホワイトホール、アインシュタイン・ローゼン橋、時空特異点の問題、ブレーンワールドといった感じで、扱っている内容はかなり高度である。

本書を読めば、タイムマシンといっても机の引き出しから出てくる青い悪魔が使っているような代物ではなく、荒唐無稽な話ではないという事が分かって来る。実際のところ、理論上は可能でも、未だ核融合すら手にしていない人類の拙い科学力では、夢物語に近いのだが。時空に穴を穿ちワームホールを作るなんて、原子力すら安全に使いこなせないような原始的種族では絶対に無理な話だし。

理論上は否定されていないので、タイムマシンを造る事は可能である。未来から来た人間が存在しないから、タイムマシンを造る事は出来ないと否定する人もいるけど、ギガゾンビみたいに、しずかちゃんそっくりなタイムパトロールの婦警さんに逮捕されているだけかもしれないじゃないか。(『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』参照。)

もし誰も時間旅行をしていなかったとしても、人類がタイムマシンを造る前に滅びただけかもしれない。次元の壁に穴を穿つような先進文明なら、きっと時間の壁も越えられるはず。

時間を遡行して過去を改変できるという事は、敵対者に対して圧倒的に有利な立場になるのだから、もしかしたらSFみたいに、先に時間遡行技術を開発した種族が、後からタイムマシンを完成させた種族を滅ぼして回っている可能性だってある。人類もタイムマシンを造ってしまったから何かに滅ぼされて、結果として誰も未来から来ないなんて事はないよね!?


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サイエンス・インポッシブル

サイエンス・インポッシブル―SF世界は実現可能かサイエンス・インポッシブル―SF世界は実現可能か
(2008/10/25)
ミチオ カク

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今でも当たり前のGPSや携帯電話は、かつて想像の世界にしか存在しなかった。だとしたら、タイムトラベルやテレポーテーションも、実現できる日が来るかもしれない。『スター・トレック』や『透明人間』など、古今のSF作品に登場する「ありえない」テクノロジーは、いつ、どのように実現できるのか…。現代物理学界を代表するミチオ・カク博士も、昔はSF大好き少年だった!だれもが持つ「少年時代の夢」をかなえる最先端の科学理論をカク博士が熱く語った、全米ベストセラーのポピュラー・サイエンス書。


ただの空想で片付けられがちな、SFに登場する様々な新技術が実現可能か否かを真面目に考えてみた書籍である。ライトセイバー、デススター、テレポーテーション、タイムマシンまで、夢物語に思える架空の技術が、実は物理学上制限されておらず、ほとんどのモノに関して不可能では無いという事に驚く。

GPSや携帯電話もかつては架空の技術であったし、ロケットは宇宙を飛べないとか、空気より重い物が空を飛ぶのは不可能だと思われていた時代もあったのだ。


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パラレルワールド―11次元の宇宙から超空間へ

パラレルワールド―11次元の宇宙から超空間へパラレルワールド―11次元の宇宙から超空間へ
(2006/01)
ミチオ カク

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ブラックホールへの決死の旅や、タイムマシン、もうひとつの宇宙、そして多次元空間―本書は宇宙論の世界を席捲する革新的な宇宙の姿を鮮やかに描き出す。今日、ひも理論とその発展理論であるM理論は圧倒的な支持を得て、世界の名だたる物理学者や天文学者が、最先端の波検出器、重力レンズ、衛星、天体望遠鏡を動員し、多宇宙(マルチバース)理論の検証に取り組んでいる。もしパラレルワールドが存在するのなら、いつかこの宇宙が暗く凍ったビッグフリーズを迎えるとき、われわれの未来の先進文明は、次元の「救命ボート」によってこの宇宙を脱出し、パラレルワールドへと至る方法を見つけるであろう。


題名だけ見るとトンデモ本に間違われそうだが、サブタイトルを見れば宇宙に関する真面目な書籍だと分かる。ビッグバンからマルチバースまで、順に説明してくれるし、難解な数式は使わないので分かりやすい。少し前までは異端として冷遇されてきた超紐理論も加えて、宇宙の謎に迫る良書である。


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なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか 記憶と時間の心理学

なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか 記憶と時間の心理学なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか 記憶と時間の心理学
(2009/03/26)
ダウエ・ドラーイスマ

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子ども時代の長く、けだるい夏はどこへいってしまったのだろう?年をとるにつれて、なぜ時間はスピードを上げ、私たちから逃げていくように思えるのだろう?老年になると、なぜ遠い昔の出来事がまるで昨日のことのように、鮮やかに蘇ってくるのだろう?既視感“デジャ・ヴュ”、臨死体験、サヴァンの驚くべき記憶力、極度のトラウマが記憶想起に与える影響など、記憶にまつわる不思議な現象を解き明かした。脳科学を超えた記憶にまつわる知の冒険。


題名から思い浮かぶような内容ではなくて、時間が加速していく現象に対する考察は全17章のうちの1章分に過ぎなかった。人間の記憶を様々な角度から論じて行くので、きっと題名からイメージすると中身が違いすぎて驚くだろう。

幼少期のある時点以前の記憶が闇に包まれている理由、匂いとリンクした記憶、過去に遡るのに逆方向ではなく順方向に思い出す理由、サヴァン症候群にみられるような絶対記憶、トラウマと記憶、既視感体験、忘却、そして走馬灯のような臨死体験まで、記憶に対する現象を様々な角度からアプローチする。

登山中に滑落したりした場合、地に叩きつけられる直前まで、恐ろしい勢いで過去の記憶が再現されるようだが、日本で走馬灯と呼ばれるこの現象は、どうやら自ら望まず事故に遭った者にしか起こらないようである。事故や戦乱から生き延びる事が出来た人を調査すると、かなりの人数がこれを体験しているのに対し、自ら自殺しようとして飛び降りたりして死ななかった者は、ほぼ体験していないという結果が……。何故そうなるのかは分からないが、自殺すると臨死体験は得られず、苦しみながら死ぬという事になる。

タイトルとなっている時間が加速していく現象は、どうやら錯覚のようである。「10歳の子供にとっての1年は一生の1/10だから長く感じ、60歳の人にとっては1/60だから短く感じる」というピエール・ジャネの仮説はどうやら正解ではない。年をとるにつれ、体内時計が実時間とズレるので、このような錯覚が生じるようである。時間の流れが速くなるのではなくて、自分のほうが遅れていくので速く感じるようなのだが、明快な答えは未だ得られていない。


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ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く

ワープする宇宙―5次元時空の謎を解くワープする宇宙―5次元時空の謎を解く
(2007/06)
リサ ランドール

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物理学界がいま最も注目する5次元宇宙理論とは? すぐそこに存在するという第5の次元はなぜ目に見えないのか? そもそもそれは存在するのか? 現代物理学の歩みから最新理論までを数式を一切使わずわかりやすく解説したベストセラー。


リサ・ランドールはプリンストン大学、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学で終身在職権をもつ女性教授。まだ若いのに、これは凄すぎる。競争の無い日本の硬直した学閥システムでは、どれ程実力があろうと、絶対にこのポジションに就く事は出来ないだろう。どの位凄いかというと、東大と早稲田と慶応義塾で同時に教授になった人の、さらに界王拳100倍位凄いハズだ! 上3つの大学は、世界大学ランキング一桁クラスですからね。

なんか変なサブタイトルを付けられているがために、今流行りの五次元ブームに乗っかったトンデモ本と同列だと誤解されてしまいそうだが、これは英米の超一流大学でテキストとして使われている物理学の本なので、オカルト書籍のつもりで買ったりしないように!

数式を使わずに、出来るだけ判りやすく説明してくれてはいるのだが、内容が四次元立方体とかプランク定数とか超ひも理論なので、やはり一般人が読むには難解。例えば、三次元を二次元に置き換えて、二次元世界上で三次元球体が通過した際の見え方は、円が大きくなり、中心を越えると小さくなるという説明をされるのだが、これを一次元上乗せすると……。三次元世界を四次元立体が通過した場合は、球が拡大縮小するように見えるというのだが、実際には四次元立体は球体では無いのである。高位次元世界なんて見た事が無いので、ちっともイメージが出来ません。

こういう想像の域を超えられない仮説だけでなく、後半は純粋に物理学の話になっていく。題名から考えると、宇宙を舞台にしたSFっぽい内容をイメージしてしまうが、実際には本書で扱われているのは極小世界である。ヒッグス粒子等、まだ発見されていない存在を、高性能の粒子加速器で見つけ出す為の試みは、すでに始まっている。SFで出てくる光速よりも早く動く事しか出来ないタキオンは、理論上の誤りで考え出されたものであるとされ、本書では否定されてしまった……。

タキオンは無かったのか。じゃあ、これからのSF作家はタキオンを使えないね。少し残念だ。


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星間旅行への誘い

星間旅行への誘い星間旅行への誘い
(1996/09)
ジュディス ハーブスト

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超高速や長時間飛行を可能にするためのエネルギーは?ニュートンやアインシュタインの法則はどうのりこえるか?映画やSFを材料に、やさしい比喩で相対性理論や素粒子物理をわかりやすく解きあかし、人類の果敢なチャレンジの歴史を語る。星間旅行への具体的なアプローチの術がわかる、宇宙の歩き方入門。


ただの夢物語ではなくて、理論と現実を駆使しながら説明する。ロケットでは時間がかかりすぎる。現在のロケット技術の応用では、最高速度を成し遂げたとしても、一番近いプロキシマ・ケンタウリまで9万5千年もかかってしまうらしい。NASAが研究している原子力宇宙船では? せいぜい火星あたりまで飛ばすのが限界だろう。

じゃあ、時間がかかってもいいからノアの箱舟方式で飛ばしては? 何世代もかかって、いきついた先に移民できる惑星が存在しなかったらどうなる? 途中で亜光速船が発明されて追い抜かされるという悲劇(喜劇)は?

ならば、未だ未完成の核融合ならどうだ? 核融合パルス式では無駄が多すぎる。核融合ラムジェット推進でも原材料集めが大変。しかも、速度が上がれば上がるほど重くなるという相対性理論の壁を前にしては、せいぜい光速の30%が限界。光速になるために、無限大の推進剤が必要となる。

対消滅ならどうだろうか? タキオンで光速を超えたら? ブラックホールで空間を超えて……。書いてある事の多くは夢物語にすぎない。しかし、物理学で可能性が明確に否定されている事以外は、理論上可能な事も多いのだ。人類にとっての夢物語が、必ずしも他の誰かにとっても夢だとは限らない。人には無理でも、きっとどこかで誰かが……。


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望遠鏡でさがす宇宙人

望遠鏡でさがす宇宙人望遠鏡でさがす宇宙人
(2009/04)
鳴沢 真也

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宇宙に生命が存在する可能性は?どうしたらさがすことができるの?SETI(地球外知的生命探査)をおこなう著者が宇宙の謎に迫る。


題名がこれだけど、別にUFOを探そうという内容ではなく、兵庫県の西はりま天文台にある、なゆた望遠鏡に関する話である。公開天文台としては最大級のなゆたは、遠く離れた恒星系の周囲を回る惑星を探す事が可能である。

ハビタブルゾーンに適当な大きさの惑星が見つかれば、生命が芽生えている可能性が高くなり、その中のどれかは知性体が存在しているかもしれない。他にも電波やレーザー等、様々な方法で地球外知生体の探索が続けられている。

現在、世界中の科学者が、様々な方法で地球外文明を探しているのだが、個人的には、安易に地球の位置を教えてしまうのはどうかと思う。筆者も「こちらからも宇宙にメッセージを送ることがエチケットというものでしょう。」と言っているが、仮に何かが存在するとして、必ずしも善良な相手とは限らない。

地球人同士でさえ、毎日何処かで殺しあっているというのに、何で地球外知生体だけが善良であるという前提で動くのか謎である。中には自分の言う事を聞かない奴は殲滅するような、某大国みたいな正義の地球外知生体もいるかもしれないし、あまりにも形状が異なるが故に、人類がゴキブリに対して感じる嫌悪感と同程度の理由で絶滅させようと目論む相手だっているかもしれない。アレステア・レナルズのSFに登場するインヒビター(抑制者)みたいな奴がいて、見つけた文明を滅ぼしている可能性だってある。

文明度や技術が圧倒的に異なる文明同士が衝突した際に何が起きたか、世界史を再度確認して見ると、その危うさがよく分ると思う。

地球外文明の電波やレーザーが見当たらない理由も、単にそんな旧式の通信方法を用いていないだけかもしれない。例えば、南太平洋の小島にいる少年が必死で伝書鳩を探していても、彼の頭上を飛び越える日本~アメリカ間のインターネット網は見つけられないだろう。つまり、近所に何かがいたとしても、同程度のテクノロジーしか持っていない相手でなければ、発見出来ないのだ。

仮に、1000光年に跨る星間帝国が存在したとしよう。両端に住む者同士だと、例えニュートリノ通信を用いても、返事を待っているだけでジーザス・クライストが死んでからワールド・トレード・センターが破壊される位の時間が経過してしまう。このような先進文明があったとして、光速以下の通信網を使っているとは思えないのだが。

余剰次元へ漏れ出す重力波なりヒッグスなりヒッグシーノなりタキオンなり磁気単極子なり、何らかの手段を用いたアンシブルのような物で通信しているという可能性は無いのか? とりあえず、人類の拙い科学力では、重力波、ヒッグス粒子、超対象性パートナー粒子、超光速粒子、磁気単極子、ボソンひも、どれひとつとして見つけられないのだから、“伝書鳩”を飛ばし続けるしかないのだろうけど。


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ガリレオがひらいた宇宙のとびら

ガリレオがひらいた宇宙のとびらガリレオがひらいた宇宙のとびら
(2008/12)
渡部 潤一

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400年まえにガリレオ・ガリレイが望遠鏡をもちいてひらいた宇宙のとびら。そのとびらの向こうにある宇宙のすがたを、ガリレオやその後輩たちはどのように探求してきたのでしょうか…。


ガリレオだけではなくて、愚かな天動説が主役だった頃から、最新の宇宙理論までの内容で、浅く幅広い。専門的な内容をガッツリ読みたい人には不向きだろうけど、知識のない一般人や中高生くらいなら良書かも。

それにしても、某邪教による弾圧には反吐が出る。結局、邪神の教えは何ひとつ正しくなかった。天動説は間違いだったし、地球は宇宙の中心ではなかった。太陽は銀河の僻地だし、銀河系すら宇宙の泡構造の中では辺境でしかない。きっと、彼らのデミウルゴス神が創ったのは太陽系の内側半分くらいで、その外にある世界は、アザトースさんとか、もっと偉い何か別のモノが創ったのだろう。


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地球外知性体―宇宙物理学、探査40年の到達点

地球外知性体―宇宙物理学、探査40年の到達点地球外知性体―宇宙物理学、探査40年の到達点
(1997/05)
桜井 邦朋

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夜空に輝く星々が私達の太陽で同類であるならば、私達と同じような知性を持った存在が暮らしているのではないか。「彼ら」はどこにいるのか? 宇宙物理学と生命物理学の両面から、ETI研究の成果に迫る。


未だ、人類以外の知性体の痕跡は何ら認めらないが、この銀河系だけで、太陽の様な恒星が2000億もあるというのだから、きっとどこかに、何かはいるのだろう。むしろ、これほど広大な世界(宇宙)の中で、この地球にしか知性が存在しないなんて驕りを平気で言いきる宇宙人否定派の論拠を知りたい。

ただ、肯定派のほうも、自説を証明する為には、現在の科学技術があまりにも拙いので、まだまだ時間がかかりそうである。考えて見れば、地球人は未だにお隣はおろか、自分の庭先すら行けないのだから……。いや、月にしか行けないなんて、玄関くらいまでしか行ってないよね、きっと。

太陽を野球のボールくらいの大きさに例えて、それをアメリカの西海岸に置くと、それに一番近い次のボールは、アメリカの東海岸に転がっているらしい。広大すぎる世界に圧倒されてしまう。

今、人類は懸命に玄関から外の世界に出て行こうとしている。ふと、ロシア人天才科学者の言葉を思い出した。

地球は人類のゆりかごである。
しかし何人たりともゆりかごの中で一生を過ごすことはできない。

コンスタンチン・エドアルドビッチ・ツィオルコフスキー




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見えない宇宙 理論天文学の楽しみ

見えない宇宙 理論天文学の楽しみ見えない宇宙 理論天文学の楽しみ
(2008/07/03)
ダン・フーパー

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現代宇宙論の最大の研究テーマになっているダークマターとダークエネルギーの正体を追い求める物語。銀河の回転速度の観測から、宇宙は望遠鏡では見えない物質に満ちているらしいことが数十年も前から知られている。それはダークマターと呼ばれ、世界中の天文学者と物理学者がその正体を解明しようと努めてきた。ダークマターを検出しようとして世界中でさまざまな実験施設が作られ、検出まであと一歩のところまで来ていると考えられている。本書はダークマターの候補として有望なものを一つずつ、理論的な面から吟味してゆく。理論的な検討の結果、ダークマターはまだ発見されていない新しい粒子であることが明らかにされる。余剰次元を動き回る粒子などが有力な候補の一つとされる。もしそうだとすればダークマターが物質に見えているのは実は錯覚であり、本当は高次元の幾何のために隠されてしまう粒子の運動である。ダークエネルギーの発見はもっと最近のことで、宇宙の膨張速度が加速しているという観測結果に基づいている。宇宙の何もない空間にもエネルギーがあり、それはアインシュタインの重力方程式の宇宙項にあたると考えられている。ダークエネルギーがなぜ今のような大きさなのかという問題が取り上げられ、超ひも理論の真空の種類や人間原理といった最近のアイデアを検討している。理論的な天文学の最前線の雰囲気を楽しめる一冊だ。世界天文年2009日本委員会の公認書籍でもある。


宇宙というとてつもなく大きいものを理解するために、とてつもなく小さな正体不明の何かに焦点を絞る。一見、何も無い空間に思える場所も、実際には完全な真空や虚無状態ではなく、何らかの物質なりエネルギーが存在している。むしろ、星々を形成している物質のほうが少数派で、大部分はダークマターやダークエネルギーという、何だかよく分からないもので出来ているのだ。

しかし、現段階ではそれが小さすぎて見えない粒子なのか、超対称性パートナー粒子なのか、超ひも理論のストリングなのか、知られている四つの力以外の何かなのか、全く分かっていないのが現状である。

ダークマターが、まだ発見されていない新しい粒子である可能性が高いのだが、余剰次元側を動き回る粒子であるならば、それは重力子の超対称性パートナー粒子とかじゃないの? 私は量子物理学の専門家ではないから、素人判断でしかないけど。

それにしても、宇宙空間が広がっても、その正体不明の何かは密度が下がらないというのだから、これはもう宇宙の外側から入り込んでくるとしか想像出来ないのだけど……。外側にあるのが別宇宙なのか、余剰次元なのか、アザトースさんのお家なのかは謎だけど。

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系外惑星

系外惑星系外惑星
(2007/06)
井田 茂

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1995年、はじめて太陽系外に惑星が発見された。この発見は、太陽系惑星を中心に組み立てられてきた惑星形成理論を大きく変更させることとなった。現在、最もエキサイティングで、さまざまな発展の可能性を秘めた本分野の魅力と研究の到達点をあますところなく解説する。


常識で考えたら、他の恒星系にだって普通に惑星くらいあるだろうと思うのだが、思っているだけでは駄目で、そこに惑星が存在するという証拠が必要となる。という訳で、かつては太陽系みたいな状態は稀有かもしれないという、奢りとしか思えないような説まであった訳だが……。

太陽系外の恒星系で、初めて惑星が発見されたのは、ペガスス座51番星である。地球から見るとペガスス座の四辺形の近くに位置するペガスス座51番星は、地球から約50光年の距離にある、太陽に似た恒星である。この恒星が惑星を有する事が確認されたのは、1995年10月6日である。

人類が初めて発見したこの系外惑星は、ディミディウムという名前がつけられた。ディミディウムはラテン語で「半分」を意味する言葉であるが、発見された惑星の質量が木星の半分である事に由来している。

近年、他の恒星系で次々と惑星が発見されて、周囲に惑星が廻るという状態は、ありふれたものとなりつつある。従来の予測では考えられないような内側軌道に巨大ガス惑星があったり、妙な楕円軌道を描くものもあったりと、新たな発見がある度に、従来の理論と常識が揺らいでいる。それにしても、まだ火星にすら手が届かないのに、他所の星まで見えるのには感心する。

難解な計算式だらけなので、数学に強い人間じゃないと、半分も理解出来ないのが残念だった。

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超ひも理論への招待

超ひも理論への招待超ひも理論への招待
(2008/06/19)
夏梅 誠

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万物の理論と言われる「超ひも理論」の読み物。光の偏光のように身近な観察や、「電球ではなぜ日焼けしないのか」といった素朴な疑問からスタートして、超ひも理論の基礎にある物理的な考え方をわかりやすく伝える。「端をもつひもが電磁気力を表し、ループ状のひもが重力を表すと考えるのはどうしてなのか」、「なぜ高次元の空間を考える必要があるのか」、「量子力学と一般相対性理論を一緒にしようとすると何が起こるのか」、「最小の長さというものがあるのか」、といった一般の読者が持つ疑問にていねいに答えている。またひもの振動エネルギーを表す数式は、正の整数を全部足しているのに答えは有限でしかもマイナスになるという。この不思議な計算の仕方も紹介している。最先端のトピックとして、超ひも理論の新しい双対性である「ホログラフィック理論」を紹介している。ホログラフィック理論によれば、5次元時空のブラックホールと4次元時空のゲージ理論は同等である。すなわち、ブラックホールを使ってゲージ理論を研究したり、ゲージ理論を使ってブラックホールを研究できるという。


本当に「招待」という感じだった。非常に難解な理論を判りやすく説明してくれているのは良いのだが、それは最初の方だけで、結局、超ひも理論で考えた場合において、何故世界が10次元まで存在しなければならないのかよく判らないままに終わってしまった。

この方面に関する判りやすい書籍がほぼ皆無なので、これだけでも助かる事は確かなのだけど、後半は携わる科学者の現状等に話が移ってしまう。結局、説明に不十分な箇所があるのは、最前線にいる人達でも判らない部分が多すぎるという事なのだろうけど。

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宇宙授業

宇宙授業宇宙授業
(2006/07/20)
中川 人司

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宇宙の予備知識がまったくない人にも宇宙の神秘、宇宙の不思議さ、宇宙の面白さを感じてもらい、人類の宇宙への営みをともに味わってもらおうと思ってこの本を書いた。内容も宇宙とは特に縁のない一般の人々からの素朴な質問に対する回答をもとに構成している。


宇宙についての基本的な事を、平易な文章と内容で分かりやすく書いている。本当に基本的な部分だけなので、すでに様々な媒体で知識を得ている人には物足りないかもしれないが、小学生や中学生くらいで、まだあまり分かってない段階なら、かなり有用なのではないだろうか。短いからすぐ読めるし。

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宇宙旅行はエレベーターで

宇宙旅行はエレベーターで宇宙旅行はエレベーターで
(2008/04/23)
ブラッドリー C エドワーズフィリップ レーガン

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2029年、宇宙エレベーターが実現する。アーサー・C・クラーク、本書を大絶賛!



えっ!? エレベーターなんかで宇宙まで行けるの? と思ってしまうが、本書を読めば、それが決して夢物語ではないという事がよく判る。かつては軌道エレベーターと呼ばれていたもので、今では宇宙エレベーターと呼ばれるのが普通になって来た。

SFに出てくるエレベーターがバベルの塔構造になっている場合が多いので、どうしてもそのイメージで捉えてしまうのだが、実際に計画されているのは蜘蛛の糸構造のものである。エイリアンテクノロジーでも使わない限り、現段階では人類がバベルの塔方式の宇宙エレベーターを建造する事は出来ない。

蜘蛛の糸でも無理なのではと思うかもしれないが、バベルの塔のように巨大な重量を地上で支えるのではなく、宇宙から梯子を垂らす状態になるので、十分実現が可能なのである。

現在、垂らすための糸として使用可能なカーボンナノチューブという新素材が発明された事により、夢物語から一気に現実の物となりつつある。但し、どこにでも建造可能という訳ではなく、地球上における気象条件等を加味した結果、その予定地はある程度決まっている。

それにしても、物凄い予算が必要なのでは? と思っていたら、著者は2兆円程度と試算している。たったの2兆円!? それなら、ビル・ゲイツ級の金持ちなら1人で出資出来る金額ではないか! 2京円くらいはかかるのかと思っていたのに……。どこかの馬鹿な島国がドブに捨てたお金で何百本も宇宙エレベーターが造れるじゃないか……。

新素材の登場により、技術的にはほぼ可能な状態が整った。(実際には、理論値まで新素材の強度を高める必要があるが、これは数年でクリア可能だと考えられている。)予算も、国家どころか人によっては個人で賄える金額。後は、政治的な調整と駆け引きだけである。宇宙エレベーターを所有した勢力が、21世紀の勝者となるので、利害調整は絶対に必要となる。国家ではなく勢力としたのは、巨大企業や投資家でもその利権を獲得出来る可能性があるからである。

宇宙エレベーターが出来れば、世界はどう変わるのかという点についても言及している。現在、宇宙へ行くためにかかるコストの98%は打ち上げにかかっている。これがなくなるので、98%オフの値段で宇宙へ行けるようになる。材料も燃料もエレベーターで運んでから使う事が出来るので、宇宙ステーションやコロニー、太陽光発電施設を簡単に建造出来るようになるし、月や火星まで探査船や移民船を飛ばせるようになる。これにより、人類の版図は木星まで広がると予想される。(宇宙エレベーターまでのテクノロジーだと、土星より遠くは手が届かない訳だが、それでも地面にへばりついているだけの現段階からすれば、格段の進歩である。)

月へ到達してから四十年近く経ても火星にすら行けないのだから、もうすっかり諦めていたのだが、自分が生きているうちに人類が火星よりも遠くに行ける可能性が出て来たのは驚きである。

どこかの島国がドブに捨てたお金でエレベーターを造っていれば、今頃は借金帳消し、エネルギー問題解決、月や火星の資源取り放題だったのにな(笑)。まあ、アダルトゲーム規制でピーピー啼くような小物政治家しかいない国では不可能ですが。

実際に造る順番は本書予測の通り、アメリカ、アメリカ、EU、ロシア、中国、インドで、日本はその後になるのだろうな。アメリカが二回なのは、間違いではなくて、最初の二本はアメリカだろうという予測である。

アメリカが最も覇者に近い。EUも恵まれている。ロシアは立地的に不利で、中国とインドは技術力と立地に難あり。日本は、立地、技術力、政治力、全てが問題となるだろう、ご愁傷様。

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