死なないやつら(ブルーバックス1844)

4062578441死なないやつら (ブルーバックス)
長沼 毅
講談社 2013-12-20

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超高温、超高圧、高塩分、強放射線、強重力…過酷な環境をものともしない極限生物たちの驚異の能力と、不可解きわまる進化。シュレーディンガーの生命観、エントロピー増大の原理を超えて40億年も地球にはびこる「不安定な炭素化合物」の本質に迫る。


題名に釣られてしまったのだが、死なないやつらは出て来なかった。不死の生命体なんて、少なくとも三次元生命体では無理だろうから、出て来なくても仕方がないのだろうけど、とりあえず題名詐欺じゃないか(笑)。煮ても焼いても凍らせても攻撃されても「さすがゴッグだ、なんともないぜ!」くらいの、強いやつらを期待していたのに。

死なないやつらはいなかったけど、死ににくいやつらはたくさん出て来る。当初は「極限生物の博物学」という本を書く予定だったらしいが、素直になかなか死なないやつらを集めたほうが面白かったと思う。

最初に「生命とは何か、とは何か」を問うのだが、質問に対して質問で答えるのは狡いよね。シュレーディンガーが定義した「負のエントロピーを食って構造と情報の秩序を保つシステムである」という発想は面白いが。

人間が耐えた最高重力が46.2Gらしいが、実験体となったスタップ大佐は一時的に失明状態となり、もう少しで眼球が飛び出すところだったらしい。スタップ大佐がスタップ細胞で出来ていたら、もう少し強く……

大腸菌とパラコッカス・デニトリフィカンスは40万Gでも平気で増殖したらしい。そこまで耐久値を向上させても、地球では使うところが無いのに、謎すぎる。こいつら、超重力惑星に移民するための準備でもしているのか?

進化はランダムで起こり、必ずしも役に立つ方向に進んでくれるとは限らない。キリンの首が高いところにある植物を食べるために伸びたというのは嘘であって、伸びちゃったから仕方なく高いところにある食べ物を食っているのだ。亀の甲羅も、あばら骨が背後に回った結果らしいが、本書に書かれている通り、もしも突然変異後の亀が話せたら、「まいったなぁ。なんで俺のあばら骨、背中にあるんだよ」ってボヤいた可能性が。

利己的な生物よりも、利他的な生物のほうが結果として子孫を残しやすいケースがあるらしい。例として「少数の強い個体がエサを独占すれば、多くの個体が飢えるため、その集団そのものは衰弱します」と書かれてある。これについては反論もあるので、正しいか否かは分からないけど。なるほど、自分さえ良ければ全体がどうなっても良いという、黒い思想で汚染されてしまった何処かの島国では、“エサ”が独占される事によって、急激に少子高齢化が進んでいるよな。


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宇宙になぜ我々が存在するのか(ブルーバックス1799)

4062577992宇宙になぜ我々が存在するのか (ブルーバックス)
村山 斉
講談社 2013-01-18

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私たちは宇宙の塵からできているといわれています。じつは、宇宙が原子よりもっと小さくて熱かったころ、塵のもとになった物質と、その反物質が衝突しては消え、新しい物質と反物質が生まれては消えて……、そんなことを繰り返していました。それがあるとき、宇宙の温度が少しだけ下がると同じ数だけあった物質と反物質のバランスが崩れ、ほんのわずかな反物質が物質に変わり、私たちが存在する物質だけの世界ができたお蔭で、私たちが生まれてきたというのです。その鍵を握っているのが、いままで質量がゼロだと思われていたニュートリノにあったのです。


題名がこんなのだけど、哲学的、宗教的、若しくは生物学的な内容ではなくて、素粒子の話だった。タイトルと中身がかなり違うので注意。

世界を構成する粒子の働きを解説して行く。ニュートリノやヒッグス粒子など、最近分かってきた最新の内容まで扱っている。分子は原子で出来ていて、原子は原子核と電子で出来ている。原子核の中には陽子と中性子があって、それはアップクォークとダウンクォークから出来ている。

今はクォークが最小単位という事になっているけど、さらに極小の超ひもで出来ているとか言われても訳がわからないよ(><) 全ての物質を形成する素粒子は、極小のひもが異なる動きをすることによって生じるらしい。

ヒッグス粒子が凍り付いて動きを止めたから、他の粒子の邪魔をして自由に動けなくなり、質量を発生させるそうだが、凍り付く温度は4000兆度らしい(((;゚Д゚))) 4000兆度で凍ってしまうとか、口から1兆度の火の玉を吐くゼットンすらビックリするレベル!


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自分では気づかないココロの盲点 完全版(ブルーバックス1953)

4062579537自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)
池谷 裕二
講談社 2016-01-21

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脳が私をそうさせる。「認知バイアス」の不思議な世界を体感。たとえば買い物で、得だと思って選んだものが、よく考えればそうでなかったことはありませんか。こうした判断ミスをもたらす思考のクセはたくさんあり、「認知バイアス」と呼ばれます。古典例から最新例までクイズ形式で実感しながらあなた自身の持つ認知バイアスが分かります。


完全版という事は、完全版じゃないものもある訳で、どうせなら講談社から出ているこの完全版を読んだほうが良い。様々な例題で、心のズレを体感していくのが面白い。

数学的に正しくても、人の感覚とズレているが故に、例えばモンティー・ホール問題のように、正解又は最適な答えを選べない事はよくある。3つの箱から当たりを選ぶ時に、自分が選ばなかった2個のうち片方を司会者が開けた場合、残りの1個が当たりである確率のほうが高くなる。しかし、最初に自分が選んだ箱をそのままキープする人のほうが多い。

人種を書かせる欄があると黒人の成績が下がるとか、老化を意識させると老人の記憶力が悪くなるという結果を見ると、無意識のうちに自分を特定のクラスタに縛り付けて能力を制限しているよなぁ。

見かけの信頼度が高いほうが議員に当選する可能性が高いという問題は胡散臭かった。国会中継とか見ると、信頼出来ない悪党顔の奴らだらけじゃないか。対立候補のほうがもっと極悪な顔をしていたのか? 東京都の政治資金問題なんて、どう考えても対立候補より某ハゲのほうが極悪人の顔をしているじゃないか。小者を辞めさせてあんな金に意地汚い奴を選ぶなんて、東京都民ってバカなの? かなり粘ったけど、ようやく辞めてくれるようで良かったが。

高級車のほうがマナーが悪くなる問題は、社会的ステータスが上になればなるほど、人間としてはクズになるという現状がよく表れている。ひょっとして、団塊のクズ率が高いのも勝ち組世代だからであって、バブル崩壊後の世代のような酷い目に遭っていれば、そんなに悪い奴らじゃなかったのかもしれないよね。


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講談社ブルーバックス・リスト

科学的な内容に特化したシリーズ。古い番号のやつは図書館に無さそうなので、とりあえず読めるものから少しずつ。

0771 『記憶とは何か

1154 『ゲージ場を見る

1174 『消えた反物質

1214 『ハイテク機はなぜ落ちるか

1262 『図解 古代・中世の超技術38

1329 『人体改造の世紀

1343 『はたして神は左利きか?

1362 『論破できるか! 子どもの珍説・奇説

1388 『タイムマシンの話

1404 『新・核融合への挑戦

1406 『真空とはなんだろう

1444 『「超ひも理論」とはなにか

1537 『「退化」の進化学

1680 『質量はどのように生まれるのか

1731 『宇宙は本当にひとつなのか

1827 『大栗先生の超弦理論入門

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図解 古代・中世の超技術38(ブルーバックス1262)

4062572621図解 古代・中世の超技術38―「神殿の自動ドア」から「聖水の自動販売機」まで (ブルーバックス)
小峯 龍男
講談社 1999-08

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こんな時代に、こんなものが! 今から2000年も前の古代ギリシャには、なんと自動ドアや自動販売機がありました。自然の力しかない時代に、工夫に工夫を重ねて生み出された画期的な技術とアイデアを、楽しく図解します。


古代の人々が当時の技術力でも可能な方法で様々な物を作っているのだが、思っていた以上に凄かった! まさか、紀元前の時代に自動ドアや自動販売機があったとは! さすがに、現代のものと比べると非常にショボいのだが、2000年以上前にそんな物が存在したというだけで驚く。

自動ドアは人が乗る度に開閉したりはしてくれないので、あまり実用的ではなさそうだが、神殿に設置する事で神官の権威付けに利用されたのだろう。原理を知らない一般人からすると、勝手に開閉する扉は神の力に見えるだろうし。

一番気に入ったのは、アルキメデスの熱戦砲である。残念ながらアイデアだけで、実際には造られていないのだが、太陽光を集めて敵艦を焼き払うとか、SFすぎてワクテカ感が止まらない。

どれも図で説明されているので、理系の人は楽しめるだろう。残念ながら私はガチ文系人間なので、説明されてもイマイチ頭に入って来なかった。


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大栗先生の超弦理論入門(ブルーバックス1827)

4062578271大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス)
大栗 博司
講談社 2013-08-21

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私たちは「どこ」に存在しているのか?物質の基本は「点」ではなく「ひも」とする超弦理論によって、ニュートンの力学、アインシュタインの相対性理論に続く時空概念の「第三の革命」が始まった。現代物理学における究極のテーマ「重力理論と量子力学の統合」にはなぜ「ひも」が必要なのか?「空間が九次元」とはどういうことか?類のない平易な説明の先に待ち受ける「空間は幻想」という衝撃の結論!


第30回講談社科学出版賞受賞作。


入門という事にはなっているが、理系の超高偏差値大学で習うような最新理論なので、知識皆無状態で読むと、ついて行くのが辛いかもしれない。

なるべく数式を使わずに言葉で説明しようという配慮は、ガチ文系には嬉しいが。理系の先生の中には数式ばかり書く人もいるからね。数式で逃げずに書かれてはいるのだが、入門だからこの程度の内容で良かろうというような、初心者向けに妥協した内容でもないので、内容自体は高度で難解なままである。

分子→原子→原子核(+電子)→陽子+中性子→クオーク→超弦で、弦が最小単位なのかと思ったら、弦が運動するための空間も何か基本的なものから現れて来るとか、もう訳が分からない。弦よりも小さな何かがまだ隠されているという事?

電車の内部で前後の車両から同時に車掌が進入した場合、電車の外にいる観測者から見ると、車掌の進入時間が微妙にズレる。時間の流れは現在しか存在しないという考え方もあるが、観測者によって現在が異なるのはおかしいので、過去と未来も存在するという事になるのか。


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論破できるか! 子どもの珍説・奇説(ブルーバックス1362)

論破できるか!子どもの珍説・奇説―親子の対話を通してはぐくむ科学的な考え方 (ブルーバックス)論破できるか!子どもの珍説・奇説―親子の対話を通してはぐくむ科学的な考え方 (ブルーバックス)
(2002/02/20)
松森 靖夫

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「カラスやスズメは死なないんだよ。だって、死んでるのを見たことないもん」―子どもの奇想天外な発想を幼稚で非科学的なものと片づけずに、あえて回り道をしながら一緒に考えてみると、ふだん見過ごしがちな奥深い自然の原理が見えてくる。大人の側も、日頃いかに科学的事象をあやふやに捉えているかを実感するだろう。本書では、あえて回り道をしながら自然科学の本質を親子で考える。


題名は珍説・奇説となっているけど、そんなにお子様トンデモ理論は出てこない。子供の頃に疑問に思ったはよいのだが、未解決のまま大人になってしまい、未だに間違えたままの問題がチラホラと(汗)。

カラスの死体を見たことが無いからカラスは死なないとか、宇宙人がいる確率はいるかいないかだから50%だとか、ゆとりっぽい奇説も混ざっているけど、温めると五十円玉の穴は小さくなる(間違い)とか、食塩水は下のほうが濃くなる(間違い)とか、大人になっても間違えそうなものも含まれている。ドーナツの穴が小さくなるのだから、五十円玉の穴も小さくなりそうだし、味噌汁も暫くすれば下のほうが濃くなるので、食塩水だって下のほうが濃くなると思ってしまいそうだよね。

お湯を沸かせると出てくる白いやつは水蒸気である(間違い)。これに関しては理系的な答えではなくて、言葉の定義の問題だったけど、大抵は科学的理論で説明がつく良問が出てくるので、大人になっても為になる。

ここで問題。北極から南極まで穴を掘ったとして、その穴に玉を投げ込むと地球の中心で止まる? 地球の反対側まで行っちゃう? 答えが分からない人は、是非、一読を。


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ハイテク機はなぜ落ちるか(ブルーバックス1214)

ハイテク機はなぜ落ちるか―コンピュータ化が引き起こす新たな航空機事故 (ブルーバックス)ハイテク機はなぜ落ちるか―コンピュータ化が引き起こす新たな航空機事故 (ブルーバックス)
(1998/05)
遠藤 浩

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安全の切り札・コンピュータが新しい事故を引き起こす!空の安全の切り札として、現代最高のコンピュータ・システムを導入したハイテク機。しかし、事故は減少するどころか、今までにない新しいタイプの事故が続発した。コンピュータ/人間システムの不備を指摘し、コンピュータ万能主義に警鐘を鳴らす。


安全であるはずの最新型ハイテク航空機が墜落する原因について書かれているが、専門的な話が多すぎて、航空機関連の技術者じゃないとついていけない部分もある。新書形式だけど、知識0から読めるレベルではなくて、中身が専門書に近くて\(^o^)/

コンピューターによる自動操縦で楽になったのかと思いきや、融通が利かないだけでなく、緊急時においても予めプログラムされた通りに動こうとするので、かえって危険が増大したり、時には墜落原因となるのが恐ろしい。マイクロソフトのうんこプログラムみたいに誤作動したりしない分だけマシではあるが、不親切な設計によってヒューマン・エラーを誘発している。

似たような名前の通過ポイントが複数あるのに、略称だけでインプット出来る仕組みだったために、間違えて入力されて墜落したりと、ちょっと考えれば防げるような初歩的なミスも多い。プログラムの中身がブラックボックス化しすぎて、パイロットが知らない部分があるのも問題である。

自動操縦とパイロットが対立した結果、異常気象もないのに墜落したり、逆に突然異常気象に見舞われて自動操縦が勝手に切られた結果、墜落したりと、本当に融通が利かない。墜落原因をプログラムではなく人間の責とするエアバス社の頑な態度も拙かったと思う。(執筆時期が古いので、過去の問題点はかなり改善されているとは思うけど。)



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質量はどのように生まれるのか(ブルーバックス1680)

質量はどのように生まれるのか―素粒子物理最大のミステリーに迫る (ブルーバックス)質量はどのように生まれるのか―素粒子物理最大のミステリーに迫る (ブルーバックス)
(2010/04/21)
橋本 省二

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ヒッグス粒子とは何かの鍵は真空にある。素粒子物理最大の謎に迫る。2009年、スイスのCERNで人類史上最大の加速器LHCが動き出した。そこでは質量が生まれる仕組みの鍵を握るヒッグス粒子の発見が期待される。しかし、それが見つかれば質量の起源の問題はすべて解決されるのか?質量が生まれる仕組みの理解には、特殊相対性理論や量子力学はもちろん、自発的対称性の破れなど現在の素粒子理論の基本的な考え方が総動員。


質量が生まれる仕組みを解説して行く。入門書としては分かりやすく書かれているものの、物理学に関する基本事項は頭に入っていないと読み進めるのが辛い。知識ゼロ状態のガチ文系人間が読むと、ついていけない可能性がある。とりあえず、高校で習う物理レベルは習得していないと厳しいかもしれない。四つの力とか、原子を構成している物質や、スピンの向きが出てきても、ああ、アレね! と思える程度の能力が欲しいところ。

肝心のヒッグス粒子がまだよく分かっていないので、謎解きはこれからなのだけど。ヒッグス粒子をもってしても、質量を生み出している何かのうちの僅か2%に過ぎないとは(((;゚Д゚))) 残りの98%は一体!?


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真空とはなんだろう(ブルーバックス1406)

真空とはなんだろう―無限に豊かなその素顔 (ブルーバックス)真空とはなんだろう―無限に豊かなその素顔 (ブルーバックス)
(2003/03/18)
広瀬 立成

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負エネルギーの電子が充満している状態―これが現代の物理学が明らかにした、真空の正体だ。物質、空間、力、宇宙…すべてを明らかにする鍵は、「なにもない」はずの真空にあった。


真空について書かれてあるのだが、まず真空とは何なのか分かっていないと進まないので、wiki先生に聞いてみた。

真空(しんくう、英語:vacuum)は、物理学の概念で、圧力が大気圧より低い空間状態のこと。意味的には、古典論と量子論で大きく異なる。(wikiより)



古典論においては「何も無い状態」なのだが、実際のところは目に見えない物質が存在しているし、対生成や対消滅も行われるので、何も無い状態の真空は存在しないって事? 世界の外側には何も存在していないかもしれないけど。

真空に関して深い内容が書かれているのかと思ったら、宇宙や素粒子の話だらけなので、宇宙論や素粒子論に関する知識が無いと分かり難いだろうし、知識があるなら本書の内容は中途半端。数式も多用しまくりなので、数学に強くないと読むのが辛すぎる。ガチ文系泣かせの本である。


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タイムマシンの話(ブルーバックス1388)

新装版 タイムマシンの話―超光速粒子とメタ相対論 (ブルーバックス)新装版 タイムマシンの話―超光速粒子とメタ相対論 (ブルーバックス)
(2002/10/18)
都筑 卓司

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30ページもあるプロローグでは、翌日の新聞を入手できたため、1966年2月に羽田沖で起こった航空機事故を免れた、という著者自身の体験から始めて、過去へ情報を送るための物理学の解説をしている。ひと言で言うと、超光速粒子が存在すれば、それが可能である。そして第1章であらためて、時間とは何か、因果関係とは何か、タイムマシンとは何かといった順で話が進む。小説でタイムマシンを扱った H.G. ウエルズと、M. ラインスターのタイムトンネルなどを例にあげて、因果律とタイムマシン小説での苦心に触れている。第2章で時間の逆行の可能性について物理学の視点で解説し、第3章で超光速粒子タキオンについて述べている。第4章は超光速粒子の存在を前提としたメタ相対論について説明し、第5章で超光速現象を解説して、短いエピローグで全体をまとめている。


ブルーバックスなのに冒頭が小説になっていて、ちょっと驚く。前半はSF者が喜びそうな内容が結構あって楽しいのだが、後半は数式がたくさん出てきてガチ理系な内容となるので、ガチ文系人間には辛いデス……Orz

超光速粒子タキオンについて、かなり紙面を割いているのだけど、最近ではハーバードのリサ教授とかが存在を否定しているよね。結局のところ、光よりも速い粒子って存在するのだろうか。悪い噂については、通常とは別の法則に基くので、光よりも速く広がるんだけどね(笑)。


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宇宙は本当にひとつなのか(ブルーバックス1731)

宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門 (ブルーバックス)宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門 (ブルーバックス)
(2011/07/21)
村山 斉

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宇宙の全体を調べてみると目に見える物質は5パーセントにも満たなくて残りの約96パーセントは正体不明の暗黒物質と暗黒エネルギーだというのです。その正体を突き止めていくうちに不可思議な現象にぶち当たることに…。宇宙は多次元で、いくつも存在するとしたら。今までの宇宙の概念をくつがえす最新宇宙論入門。


最新宇宙論入門として読むには良書だが、タイトルと中身が合っていない。題名を見て多次元宇宙論の本かと思ったが、最後のほうで少し触れられているだけだった。暗黒物質に関する内容が多め。未だに正体が掴めない暗黒物質に、超ひも理論まで用いて迫っていく。


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記憶とは何か(ブルーバックス771)

記憶とは何か

事故や病気に拠らず、正常な人間でも記憶が曖昧になる。様々な学説に検討を加え、大脳には保存された記憶など無いという結論を引き出して行く。

脳内のトラブルで、書くことや話す事は出来ないのに読めなくなったり、特定の単語しか使えなくなったり、会社に通っていたという特定の記憶だけが欠落したり、様々な事例が出てくる。

言語に関する認識がおかしくなったり、幼児が間違えて使用してしまう具体例については、日本語ではなく英単語なので、あまりピンと来なかった。


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ゲージ場を見る(ブルーバックス1154)

ゲージ場を見る―電子波が拓くミクロの世界 (ブルーバックス)ゲージ場を見る―電子波が拓くミクロの世界 (ブルーバックス)
(1997/03)
外村 彰

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電磁気力や核力といった自然界のあらゆる力、そして、それらが引き起こす現象は、ゲージ場という共通の言葉で語ることができる。だが、そのような「場」は実在のものなのか、思考の上だけのものなのかという問題は、つい最近まで解決されなかった。このゲージ場を、電子の波を使って写真に撮り、目で見ることにより直感的に理解する。これが、本書の狙いである。


電磁気力や核力が引き起こす現象を、解き明かして行く。理論優先ではなく、図や画像も多く使われているし、アハラノフ=ボーム効果の検証実験に成功する過程を取り上げたりしていて興味深い。

アハラノフ=ボーム効果とは、電子が電場、磁場が存在しない空間でも電磁ポテンシャルの影響を受ける現象である。電磁ポテンシャルはスカラー、ベクトルどちらでも成り立つ。1986年、著者が電子線ホログラフィーの手法を用いて、その存在を実証した。

この分野に関する入門書としては良書であるが、専門外のガチ文系人間が読むには、やはり内容的に厳しいものがあった(汗)。


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「退化」の進化学(ブルーバックス1537)

「退化」の進化学 (ブル-バックス)「退化」の進化学 (ブル-バックス)
(2006/12/20)
犬塚 則久

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サメの顎が退化した耳小骨、トカゲの眼のなごりの松果体、舌にのこる「二枚舌」の痕跡、男にもある「子宮」、サメ肌から生まれた歯など、祖先とは機能を変えたり、失ったりした器官をみれば、ヒトの進化の道をたどることができる。


退化と聞けば、進化の逆で旧式に戻されるようなイメージがあるが、工業製品ならともかく、生物学では事情が違ってくるようである。進化も退化も進行方向は同じで、生存により適した形態に変化していくというイメージがより正しいのだろう。

必要な部分は進化して行き、使わなくなった部分は退化して行く。それは決して旧バージョンに戻ってしまうのではない。退化も進化の一形態なのだ。それにしても、生き物が自ら望んでいる訳でもないのに、遺伝子が都合の良いように体を変形させていくというのは、非常に上手く出来ているけれども、ある意味、怖い話ではある。

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はたして神は左利きか?(ブルーバックス1343)

はたして神は左利きか?―ニュートリノの質量と「弱い力」の謎 (ブルーバックス)はたして神は左利きか?―ニュートリノの質量と「弱い力」の謎 (ブルーバックス)
(2001/08)
山田 克哉

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不思議なことにニュートリノは左巻きスピンのものしか発見されない。この世界と「鏡の中の世界」との対称性の破れに密接にからむ「弱い力」のなせるわざだ。物理学者を悩ませ続けた「弱い相互作用」の複雑なしくみをわかりやすく解説する。


少し前まで、ニュートリノは仮説上の粒子だったし、実際に発見されてからも、ほとんど何にも干渉せずに地球を突き抜けてしまうほどの存在なので、質量の有無すら分からなかった訳だが、スーパーカミオカンデのように巨大な設備を造って様々な事が分かってきたようである。

ニュートリノには質量がある。という事は移動速度は光速より遅く、右巻きのスピンも発見されなければおかしい事になる。何で左巻きスピンばかりなのか? それは、神が左利きだから、クセが出てしまっただけなのか?

ニュートリノも捉えられるようになって来たのだから、そのうちヒッグス粒子とか超対称性粒子とか重力子とかも見つかるのかね!? SFに出てくる超光速粒子タキオンに関してはハーバード大学の教授が存在を否定していたけど……。

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人体改造の世紀 (ブルーバックス1329)

人体改造の世紀―ヒトゲノムが切り開く遺伝子技術の功罪 (ブルーバックス)人体改造の世紀―ヒトゲノムが切り開く遺伝子技術の功罪 (ブルーバックス)
(2001/05)
森 健

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怒濤のように突っ走るバイオの最先端で、いま何が起こっているのか。「Web現代」連載時より話題騒然のノンフィクションが、大幅な加筆・修正を経て、新書で登場。ゲノム研究の最先端を斬る、衝撃のリポート! 金髪、ブルーの瞳、背が高く頭もいい……望どおりの子供がオーダーメイドで手に入る!?ゲノム解読が終了し、ますます高度化する遺伝子や細胞の操作技術は、ついに人体の改変を可能にしつつある。遺伝子導入、異種移植、臓器創出、再生工学、万能細胞、クローン人間……、続々と現実化する技術はいったいどこまで進展するのか。それらをどこまで使うのか、私たち1人1人の決断が、人類の未来を左右する。


遺伝子改変により、かなりいろいろな事が出来るようになって来た。しかし、科学が進歩すれば、そこには必ず光と影があるもの。治らなかった病気に対する療法が出てくるのは良い事だが、保険会社による選別、社会による優生学的な選別、遺伝子改変による格差社会という影の部分も孕んでいるという事は認識しておかなければならないだろう。

欧米とは異なり、日本で出生前診断が普及していない部分については疑問。遺伝子の欠陥を持って生まれてしまった人を差別する気は無いけれども、五体満足で高学歴な人すら、少し転んだらもう復活戦が絶望的なこの日本において、産まれる前からハンディを持つという事が、どれだけ大変かという事を考えたら、自分なら障害のある子供は持てない。経済的にも耐えられないし。「出生前診断はするな、その代わり、ハンディを持っていた場合は社会として、国家として責任を持つ」というのならば話は分かるけど。結局、何かあった場合は個人ですべて背負わされる訳だから。

今はまだ、負け組に産まれても個人の凄まじいまでの努力で何とかなりそうな社会であるけれども、今後は遺伝子改変技術が進んで、遺伝子貴族みたいな奴らが支配する世界になるんだろうなぁ。基本性能が違いすぎたら、絶対とは言わないまでも、ほぼ勝てなくなるだろうし。平等じゃないからと禁止しても、人類という愚かな種族は、手にしたものは必ず使いたがるという性質を持っているのだから……。

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「超ひも理論」とはなにか(ブルーバックス1444)

「超ひも理論」とはなにか (ブルーバックス)「超ひも理論」とはなにか (ブルーバックス)
(2004/05/21)
竹内 薫

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物理学の究極理論 超ひも理論がわかる! 相対性理論と量子力学を結びつけ、4つの力を統合する究極の理論と期待される「超ひも理論」。さらに「多次元宇宙」「ブレーン世界」など超ひも理論によって導き出される驚異の宇宙像を、数式を使わずにわかりやすく解説する。


イラスト、図、表が多用されているので分かりやすい。尤も、扱っている内容が量子物理学の中でも相当高度な部分になるので、これでも分からなければ、まだ読み手が理解するのに相応しいレベルに到達していないかと……。

ニュートンとグレゴリーの林檎を並べる話は笑った。それにしても、余剰次元だけに止まらず、最近では時間軸すら複数という理論を考え始めた物理学者も出てきた様で、一体、量子物理学の世界は何処まで行くんだ!?

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新・核融合への挑戦 (ブルーバックス1404)

新・核融合への挑戦―いよいよ核融合実験炉へ (ブルーバックス)新・核融合への挑戦―いよいよ核融合実験炉へ (ブルーバックス)
(2003/03)
狐崎 晶雄吉川 庄一

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核融合によって無限とも思えるエネルギーを降り注いでくれる太陽の表面温度は6000度、中心部でも1500万度といわれている。それに対して日本の核融合実験装置JT-60では5億2000万度というとてつもない超高温プラズマをすでに実現している。そう、この30年間、核融合の研究開発は確実に進展してきているのだ。超高温プラズマ科学や超高真空技術などをも含む膨大な分野の研究成果と技術進歩を総合することで進展してきたこの巨大科学技術の到達点と将来への展望は、心をかき立てないではおかない。


核融合炉の場合は、安定して超高温を維持する事のほうが難しく、温度が下がると反応も終わってしまう。不安定になると放射能を撒き散らし続ける従来の核分裂炉とは全く別物なのだが、東電がやらかしてしまったので、日本だと「核」の一文字が入っているだけで、一緒くたにされて反対されそうなのが心配だ。

核融合炉は、ウランやプルトニウムの原子核分裂反応を利用する核分裂炉とはかなり異なる。核分裂炉がメルトダウンを起こせば、スリーマイル島やチェルノブイリや福島のような事になってしまうが、水素やヘリウムによる核融合反応を利用してエネルギーを発生させる核融合炉の場合は、安定させて核融合状態を続けるほうが難しい。不安定になると、すぐさま反応が終了してしまうのだ。よって、制御不能に陥ると、いつまで経っても終わってくれない核分裂炉と比べて、遥かに安全である。

核融合なんて本当に可能なのか、疑問に思う人も多いだろうが、夜空を見上げると、この銀河系に2000億もの天然核融合炉が輝いているではないか。要は、太陽で起こっている事と同じ状態を人為的に作り出せば良いのである。

太陽と同じ温度を作るの? そんな無茶な!? と思いそうであるが、太陽の表面温度は6000度、中心部でも1500万度にしかならない。それに対して、日本の核融合実験装置JT-60では5億2000万度というとてつもない超高温プラズマをすでに実現しているのである。

核融合と聞けば、かなり未来のSF的技術に思ってしまうが、意外にも手に届く直前まで来ているのに驚く。あんな超高温をどうやって制御するのかと思いきや、遮断する技術もちゃんと確立されている。後は、実験的に成功している核融合状態を、どうやって安定して維持していけるかという部分が、今後の課題となっている。

すでにドイツは、世界最大のステラレータ型核融合炉「ヴェンデルシュタイン7-X (W7-X)を完成させているようだが、やはり「 ドイツの科学力は世界一ィィィィ!」なのか!?


最初は独走状態なのに、いつも最後の最後で抜かされて負ける日本だけに、今回もまた負ける予感しかしないのだが。自民党がガンダムを造るとか言っていたけど、モビルスーツの動力は核融合炉だから、当分出来そうにないよね(´・ω・`) 日本より先に、ドイツがヤクト・ドーガやゲーマルクを開発しそうな勢いである。

それにしても、この内容を読むと、核融合発電所を造るのはそう困難ではなさそうだが、この技術を応用して核融合推進システムで宇宙船を飛ばすのは、まだまだかかりそうな気がする。常温核融合に至っては都市伝説に近いし。


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消えた反物質 (ブルーバックス1174)

消えた反物質―素粒子物理が解く宇宙進化の謎 (ブルーバックス)消えた反物質―素粒子物理が解く宇宙進化の謎 (ブルーバックス)
(1997/06)
小林 誠

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本書は、“粒子と反粒子が実は完全に対等な存在ではない”ことを示すこの現象に、一般書としては初めて核心をつく解説を与え、それが宇宙の物質優位の問題にどうつながっていくかを平易明快に語るものである。


なんか人気が出ていると思ったら、ノーベル賞を受賞した人か。ミーハー的な気分で借りてきたのではなくて、反物質について知りたかっただけなので、これはたまたま。

それにしても、内容がちっとも平易ではない件! ブルーバックスにしては、かなり数式が多くて、これは数学的素養が無いと、何を書いてあるのかよく理解出来ないのではなかろうか……。うーむ、内容が専門書クオリティですが。

とりあえず、数学が鬼門の私にはもうお手上げOrz

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