湊かなえ

攻略対象書籍は以下。

告白』★★★★
少女』★★★☆
贖罪』★★★★
『Nのために』
『夜行観覧車』
『往復書簡』
『花の鎖』
『境遇』
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贖罪

贖罪 (ミステリ・フロンティア)贖罪 (ミステリ・フロンティア)
(2009/06/11)
湊 かなえ

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誇るべきところは空気のきれいさ、夕方六時にはグリーンスリーブスの音色。そんな穏やかな田舎町で起きた、惨たらしい美少女殺人事件。犯人と目される男の顔をどうしても思い出せない四人の少女たちに投げつけられた激情の言葉が、彼女たちの運命を大きく狂わせることになる――これで、私の罪は、償えたのでしょうか? 衝撃のベストセラー『告白』の著者が贈る、新たな傑作。


美少女殺人事件から始まった負の連鎖。主要な登場人物が、ひたすら暗黒面に堕ちて行く。エミリを選んで殺害した犯人は捕まらず、ある者は怯えたまま、ある者は精神を病んで引き篭もりとなる。

生き残った四人は過去を引きずったまま大人になり、自らも事件を起こしてしまう。過去の事件がトリガーとなり、それぞれが事件を起こしたり、巻き込まれてしまうのだが、この部分を書いてしまうと面白くなくなってしまうから、詳細は書けない……。

最後の人物の過去が、最初の美少女殺人事件へと繋がるのは見事だが、結局は想定の範囲内といった感じで、サプライズが足りなかった。

三作目も、人間の悪意を見事なまでに表現しているのだが、今回は主な登場人物よりも、名も無き脇役のほうが読んでいてムカついて来る。そして、善人は一人も登場しない件。どうして、ここまで悪意に満ち溢れた物語ばかり書けるのか。

登場人物の独り語りという形式で、なんだか金太郎飴戦法な気がしないでもないが、純文学系の内容が無いよう系の金太郎飴と比べたら、プロットが緻密な分、遥かに上質である。


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告白

告白告白
(2008/08/05)
湊 かなえ

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「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞。


第6回本屋大賞受賞作。

最初に「少女」のほうを読んだのだが、巷の噂通り、このデビュー作のほうがシッカリとしている。辟易するほど、悪意のある人間ばかり出てくるのだが、後味の悪さは「少女」ほどではない。プロット優先になりすぎているのだが、これで伊坂幸太郎みたいなエンタメ性が備われば、大化けしそうなんだけどな。

娘を失った教師による告白から始まるので、最初はとっつき難かったのだが、プールでの事故死として片付けられている娘の死は、本当は殺人で、犯人はクラスにいると語り始める。

視点は教師から生徒、母親、様々な登場人物に切り替わり、告白という形をとりながら、負の連鎖が続いていく。本当に殺人事件だったのか、教師の被害妄想なのか曖昧な状況が、次第に真実へと近づいて行く。

それにしても、この作者の作品に出てくる人間は、どうして悪意ある者ばかりなのか。物語が始まった時点ですでに死亡している女の子はともかく、他の被害者はモンスターペアレンツとか虐待女とかで、キチガイを産み出してしまった部分において、ある程度、自業自得な気がするので不快感はさほど残らなかった。

法に抵触するギリギリのラインを衝いた教師の復習方法が素晴らしい、と言っては不謹慎だろうか。被害者の人権をないがしろにするこの国においては、自分でどうにかするしかないからね。しかし、ここまで大事になっても、キチガイは少年法という名のキチガイ保護法で守られるのだから、ウンザリして来る。常人の人権を究極の形で蹂躙してまで、キチガイの権利を守る意味はあるのか?

「さすが日本だ、キチガイだらけで何ともないぜ!」こうですか? わかりません。
「ひとをころしたって いいじゃない にんげんだもの」こうですか? わかりません。


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少女

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)
(2009/01/23)
湊 かなえ

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高2の夏休み前、由紀と敦子は転入生の紫織から衝撃的な話を聞く。彼女はかつて親友の自殺を目にしたというのだ。その告白に魅せられた二人の胸にある思いが浮かぶ――「人が死ぬ瞬間を見たい」。由紀は病院へボランティアに行き、重病の少年の死を、敦子は老人ホームで手伝いをし、入居者の死を目撃しようとする。少女たちの無垢な好奇心から始まった夏が、複雑な因果の果てにむかえた衝撃の結末とは?


話題になっていたので借りようと思ったら、図書館の予約が30人待ちとかになっていて断念。忘れた頃に、本棚に戻っているところを偶然通りかかってゲット!

由紀と敦子のW主人公で、視点が切り替わりすぎるので読みにくい。名門校から転校してきた紫織に聞かされた、親友の自殺という話に魅せられる二人。人が死ぬ瞬間を見たくなった由紀と敦子は、それぞれ別行動を取るのだが、次第に両者が絡み合ってくる。

それにしても、登場人物全てが糞ばかりでウンザリして来る。まともな人間はいないのか。現実世界だけでもウンザリなのに、虚構の中でまで、人間不信になりそうな糞だらけなので、ちっともワクワクしない。

最後が最初に繋がって……。衝撃の結末といった感じはしなかったが、最初のページから、まさかのミスリードだった訳か。バッドエンドなので読後感が悪い。構成は凝っていて良かったのだが、この不快感はどうすれば良い?

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