「負けた」教の信者たち(中公新書ラクレ174)

「負けた」教の信者たち - ニート・ひきこもり社会論 (中公新書ラクレ)「負けた」教の信者たち - ニート・ひきこもり社会論 (中公新書ラクレ)
(2005/04/10)
斎藤 環

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増大するニート、高齢化するひきこもり、ネットで先鋭化する少年犯罪。これらを通して見えるのは、コミュニケーションの巧みな人・苦手な人の格差化傾向が進み、はなから「負ける」と思いこむ人たちが増えているということだ本書は、ひきこもり専門医として名高い精神科医が、メディアを騒がせた社会事象にメスを入れ、将来に向けた処方箋を描く。新書では『社会的ひきこもり』以来となる待望の著者2作目となった。巻末に「ニート」の研究者・玄田有史氏との対談を収載。


主に引きこもり論で構成されるが、バラバラに書かれたものを纏めているので、個々の内容はともかく、全体として統一感に欠けるのが微妙だった。「確固たる自信のなさ」とはいうが、没落の一途を辿る今の日本では、なかなか成功体験が出来ないのだし、失敗したら人生終了フラグになりかねない危うさの中、リスクも取れないし、取りたくもないし、取ってもリターンが期待できない、或いは少なすぎるという状況では、仕方ないような気もする。

ビフォーバブル世代とアフターバブル世代で断絶もある事だし、人生頑張って成功する事に価値を見出せなくなった若者も結構いるんじゃないの? ニートが成熟出来ないという点については、別に成熟しなくても良いのでは? 国会中継を見ていても、いい年して成熟していない愚かで幼稚な大人がたくさん登場するではないか。


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「性愛」格差論(中公新書ラクレ214)

「性愛」格差論―萌えとモテの間で (中公新書ラクレ)「性愛」格差論―萌えとモテの間で (中公新書ラクレ)
(2006/05)
斎藤 環、酒井 順子 他

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金があっても必ずしもモテない(!?)時代。格差は「金持ち/貧乏」「モテ/非モテ」「既婚/未婚」等と入り組む。趣味の「棲み分け」が進むなか、男女が番(つが)わない理由を徹底究明。


引きこもり研究の斎藤環、負け犬代表の酒井順子、この二人で経済格差とは異なる軸となる性愛格差について語る。50:50ではなく、斎藤環のほうが話の主導権を握っているにも関わらず、突っ込んだ部分に踏み込めていないのが残念。せっかく二人して書籍にするのだから、おっさんの自己流薀蓄を女子が傍で生暖かく相槌打っているだけじゃなくて、ちゃんと非モテ問題の深部を抉る作業をしようよ(笑)。

金持ちが必ずしもモテるとは限らないが、経済力がモテの上での大きな力となる事は確かなのだから、勝ち組負け組という軸に、勝ち犬負け犬という別の物差しをこさえて目くらましとするのは、底辺非リア組からしたら、なんだか嫌らしく見えるなぁ。

「私は勝ち組だけど恋愛は上手く行かずに負け犬なんだから許してね♥」みたいな言い訳で底辺層の怨念を自分から逸らせている感じがして、どうも頂けない。勝ち組負け犬というパターンもあるだろうが、勝ち組勝ち犬という真の勝者もいるんだし、社会的にはどうしようもなくても何故かモテるという負け組勝ち犬もいるだろうし、当然、最底辺の負け組負け犬な非リア充だっているんだよ!!!1 負け組負け犬以外の全リア充なんてリア充超新星爆発しちゃえばいいのに。


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ぐっとくる題名(中公新書ラクレ227)

ぐっとくる題名 (中公新書ラクレ)ぐっとくる題名 (中公新書ラクレ)
(2006/09)
ブルボン小林

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『ゲゲゲの鬼太郎』が、文法的に正しい『ゲゲゲな鬼太郎』だったら、ここまで印象に残ったか?(助詞の使い方)『課長島耕作』の安定に比べ『取締役島耕作』の落着かなさは、「音」に理由がある!(韻とリズム)ツァラトストラが「こう言った」ではなく、「かく語りき」だったからこその豊かさとは?(古めかしい言い方で)『部屋とYシャツと私』で意図的に隠されている事柄とは?(言葉と言葉の距離)等々、著者が「ぐっときた」55の名タイトルを例に、心に残る理由を考察する。第3章には、本名の長嶋有名義の作品のタイトル付けに関する裏話も収録。


もっと的確にぐっとくるような題名と、その理由について考察しているのかと思ったら、フィーリングやふいんき優先で、説得力に欠けるのが残念。論理的に展開されていないので、いまいちシンクロ出来なかったし、題名にもぐっとこなかった。

ぐっとくる題名については、あまりぐっとくるようなモノが無かったけど、紹介されている書籍やコミックの中身については興味を持てるので、エッセイとして軽く読み流すならアリかな。


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声に出して読めないネット掲示板(中公新書ラクレ114)

声に出して読めないネット掲示板 (中公新書ラクレ)声に出して読めないネット掲示板 (中公新書ラクレ)
(2003/12)
荷宮 和子

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誹謗中傷罵詈雑言。殺伐とした国・日本の殺伐とした巨大匿名掲示板。インターネットに寄せられた膨大な声を“女子供文化評論家”の著者が読み解く。あなたは「ネット向き人間」か否か。


2003年8月1日、広島平和記念公園に保管されていた折り鶴に火がつけられ、14万羽が焼失するという事件があった。その後、2チャンネルで急激に盛り上がった折り鶴オフ等について書かれている。確か、当時見たニュースでは、犯人の所属していた関西学院大学の学生達が折り鶴を折って届けたかのような扱いをされていたと思う。実際には2チャンネラーの力による成果であるとは知らなかった。

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ぷちナショナリズム症候群―若者たちのニッポン主義(中公新書ラクレ62)

ぷちナショナリズム症候群―若者たちのニッポン主義 (中公新書ラクレ)ぷちナショナリズム症候群―若者たちのニッポン主義 (中公新書ラクレ)
(2002/09)
香山 リカ

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「愛国ごっこ」のゆくえ  近頃ニッポンに流行るもの。サッカーの「日の丸ペインティング」、イベントで「君が代」を歌うアイドル、内親王ご誕生フィーバー、空前の日本語ブーム……。 無邪気に“愛国心”を謳歌するかに見える若者たち。これは右傾化でファッショの萌芽なのだろうか?


なんだかこの本も結構叩かれてるよなぁ。でも、否定派の意見は「日本が好きで何が悪い!」「君が代を歌って何が悪い!」という感じの感情論が多くて、論理構成が成されていない。香山リカおかしいとか批判しながら、言ってる本人も論理が展開されてませんから(笑)。

個人的には香山リカが正しいか否かはどうでもよろしい。何年後かにはその答えが出るだろうから。むしろ、香山リカが間違っていて欲しいという隠された欲求によって批判が増えてるのでは? だって、もし正しければ大変な時代を迎えてしまうからね。

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