女子読みのススメ(岩波ジュニア新書754)

女子読みのススメ (岩波ジュニア新書)女子読みのススメ (岩波ジュニア新書)
(2013/09/21)
貴戸 理恵

商品詳細を見る

女性の書き手による女性が主人公の小説を、女性の目線で読み解いていくことを通じて、今を生きる少女たちが「子どもから大人になる過程」で出会うさまざまな経験や悩みを浮き彫りにしていく。主人公たちの抱える「生きづらさ」を多面的にとらえながら、多感な10代の生き方を模索する。巻末には、ブックリストを付す。


べ、べつに表紙のJKとロリータに釣られたわけじゃないんだからねっ!

JCJKをターゲットに書かれたものらしく、性別どころか年齢まで違ってるおっさんが読んでも大丈夫かと思ったが、意外にしっかりした内容だった。女性専用車両やレディースデーみたいにターゲット以外を排除した排他的な書籍ではないので、おっさんが読んでも無問題。

若手の女性作家によって書かれた、女子が主人公の小説を紹介しながら、学校という牢獄に閉じ込められ、行き場のない若者に希望を与える。登場する主人公は、家庭問題、虐め、暴力など、様々な困難に直面している。登場人物によって学校から逃げ出す者、留まって理不尽な悪意と戦い続ける者、最悪の結末に至る者と様々だが、現役世代にはリアルに感じられるであろう内容になっている。(個人的には薄っぺらくて超ツマラナイ作品も混ざっているが。)

男子であっても同様の問題が無い訳ではないが、男は女みたいに執念深くもなく、過度にグループやコミュニティに囚われていない分、やはり女子のほうが深刻だろうなぁ。社会人ならまだ辞めるなり転職するなり引き籠るなり逃げるなり、自己責任の名の元に他の選択肢が用意されているけれど、小学校や中学校は原則として辞められないからなぁ。親に理解があればまだ家庭に逃げ込めるのだが、大抵は家も学校も同じ価値観で動いているので、集団から排除された子供は最悪の場合、最後まで追いつめられる。

男の場合、グループはゆるやかな連合体や同盟のようなものであるのに対して、何で女子は小集団に分裂し、発言権の強いグループ内ボスによって統治される独裁体制みたいになるんだろうね? あれでは教室内ファシズムによって排除されたらもう生きていけないと思う。男集団よりも女集団のほうが学校内カーストによる序列も酷いし。

こういうのを読んだ時だけは、自分が女子じゃなくて良かったと思う。ついうっかり女子に生まれていたら、きっと上位カーストでグループ内ボスの立ち位置だったと思うけど(笑)。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサーサイト

人類vs感染症(岩波ジュニア新書491)

人類vs感染症 (岩波ジュニア新書)人類vs感染症 (岩波ジュニア新書)
(2004/12/21)
岡田 晴恵

商品詳細を見る

紀元前からわたしたちの生命を脅かしてきた天然痘、ペスト、ハンセン病…。これらの感染症に、人類は翻弄されただけではない。病原体をつきとめ、治療法や予防ワクチンの開発に奔走した人びとがいた。今度は、新型インフルエンザやエイズなどの新たな脅威に、免疫やウイルスなどの知識を身につけ立ち向かおう。


病原体発見の歴史から、天然痘、ペスト、エイズ、風疹、麻疹、新型インフルエンザという敵との戦いが記されている。天然痘はただ恐ろしい病なだけではなくて、新大陸に持ち込まれる事によって、アステカやインカといった帝国を崩壊させている。人類の歴史にまで干渉するとは、天然痘恐るべし。天然痘や麻疹によって、アステカの人口は2500万→300万に、インカの人口は1000万→130万まで激減している。

天然痘は世界から消えたが、ヨーロッパで猛威を振るったペストは未だに存在する。ネズミによってもたらされるこの黒死病は、今でも致死率10%程度あるらしい。東京都内ではクマネズミが繁殖しているので、耐性ペスト菌が流行し始めたら酷い事になりそうだ。

エイズに関しては、ごめん、俺みたいな最底辺非リア充クラスタだとリア充病にしか思えない。ロシアやアフリカ南部など、もっと別の事情によって感染拡大している地域はともかく、日本においては薬害や医療ミスなど一部の例外を除いて、性行為による感染ですからね。感染防止対策としてコンドームの使用を強く推しているが、一番の予防策はエッチしない事ですから! この点、エイズだけは他の感染症と違って、非リア充にとっては対岸の火事にしか思えない。成人人口の20~35%が感染しているという恐ろしい国もあるようなので、長い目でみたら国家が崩壊するレベルの脅威ではあるが。エッチしてないのに他の事情によって感染されられた人はご愁傷様としか言いようが無いが、リア充に対してはむしろSchadenfreude(・∀・)

麻疹と風疹に関しては、正直舐めていたけど、結構危険な病気だったのか。日本では行政の拙さから、予防対策が取られていない空白の世代が存在する。米国が国家レベルで対策を講じているのに対して日本がいい加減だから、「日本は車と麻疹を輸出している!」と非難されたりもする。仕方ないじゃない。ジャップランドはアメリカ様と違って、金が命よりも重い国なんだよ。

予防接種を受けられなかった空白の世代が妊娠中に感染した場合、胎児に深刻な影響を及ぼす場合がある。「他人のために予防接種を受けましょう」とか言われても、善意だけに頼っていては無理だろう。そんなに高くないとか言われても、予防接種が高いと感じる階層もいるのだから。他人のために受けるのが当たり前だと考えている裕福な階層は、じゃあ自分に無関係な他所の子どもに深刻な影響を及ぼす可能性のある新型感染症が発生したとして、予防接種1回100万円で予防可能だった場合、ホリエモンみたいな金持ちに「たったの100万円なんだから予防接種を受けるのは当たり前」とか言われたら文句言わずにちゃんとお金払うの?

もう無料で全員に予防接種しろよ。いや、完全無料なだけではまだ行かない人がいるからね。死ぬギリギリ手前まで働かせる黒企業奴隷だと、予防接種に行くような時間があるなら睡眠時間にあてるだろうし。黒企業対策もしないと解決しないだろうな。

ちなみに、1回感染したり予防接種を受けたら二度と感染しないと思われて来た麻疹だが、どうやら無自覚なまま流行期に何度も感染する事によって耐性がついていたのが、最近は感染する事があまり無いので、耐性が弱くなって二度以上罹る可能性があるらしい。

ラストの新型インフルエンザに関しては、致死率60%とか70%とか言われている恐ろしい感染症なのに、鳥インフルエンザという名前だから舐められすぎ。ちょっと軽めのエボラ出血熱くらい危険じゃないか。鳥インフルエンザじゃなくて呪怨インフルエンザとか貞子インフルエンザとか、もっと怖そうな名前だったらこんなに軽視されなかったのに(をいっ!)。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

カラー版 宇宙に行くニャ!(岩波ジュニア新書539)

カラー版 宇宙に行くニャ! (岩波ジュニア新書)カラー版 宇宙に行くニャ! (岩波ジュニア新書)
(2006/07/20)
山田 ふしぎ

商品詳細を見る

流星の正体を知ってるかい?ロケットがなぜ飛ぶかは?流星群や日食の観察、プリズムを使った実験をしながら、宇宙や自然のしくみに迫ろう。飛ぶヒミツを探るために、野菜ロケットの打ち上げ実験もするぞ。シリーズ初のオールカラーマンガで楽しく遊びながら学んじゃおう。かっこいい写真、きれいな写真もいっぱい。“なぜなにネコ”のタンメンと“もの知りネコ”のビーフンをナビゲーターに宇宙旅行に出発だ。


二匹の猫が宇宙や自然について学びながら、宇宙旅行に出発する。ロケットに羽がついている理由、宇宙服が白い理由等、様々な疑問を、トラネコが体を張って答えていく。宇宙服は白くないと危険なのか……。じゃあ、銀河帝国の一般兵が白いのは当然あるべき姿で良いとして、ダースベーダーは黒いから大変な事になりそうで心配だ(笑)。

野菜ロケットの作り方とか、実験もいろいろ載っているのだが、ゆとりな子が失敗して怪我をしたら、ゆとり脳モンスターペアレンツが「岩波書店が実験方法を書いてあるのが悪い」とか暴れ出しそうで心配だ。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

カラー版 宇宙はきらめく(岩波ジュニア新書579)

カラー版 宇宙はきらめく (岩波ジュニア新書)カラー版 宇宙はきらめく (岩波ジュニア新書)
(2007/11/20)
野本 陽代

商品詳細を見る

ハッブル宇宙望遠鏡をはじめとする天文衛星、ハワイ・マウナケア山上などに建設された望遠鏡が撮った興味深い天体写真の数々。「バラのつぼみ」にひそむ若い星たち、星の光とまわりにあるチリがつくりだした「ライトエコー」、ヘルメットのような星雲、きらめく宇宙の姿を、約120点の美しい写真を使って紹介します。


カラー写真が多用されているので、眺めているだけでも面白い。遠くから見ているだけだと美しい写真ばかりなのだが、実際には放射線が飛び交っていたり、高温のガスが広がっていたりするので、もし超光速航行が可能でも、間近では見られません。

太陽系何個分もの広範囲に広がっている青白い高温のガス、銀河系同士が衝突した衝撃で中心部が吹っ飛んでリング型銀河系になっているもの、中には銀河系としての形すら維持する事が困難になり、拡散し、消滅しつつあるものまで、様々な天体写真が紹介されている。数兆個の恒星が密集する巨大銀河とか、数十万個も銀河系が連なる大都会のような場所まであって、とにかくスケールが大きすぎる。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

図書館へ行こう(岩波ジュニア新書423)

図書館へ行こう (岩波ジュニア新書)図書館へ行こう (岩波ジュニア新書)
(2003/01/21)
田中 共子

商品詳細を見る

図書館ではどんなサービスがうけられる? 調べ学習で図書館を使いこなすには? ちょっと変わった図書館とは? 図書館の仕事をしてみたい! 図書館についての素朴な疑問から,最大限に活用するためのテクニックまで,まちの図書館員がていねいに語ります.本が好きでも嫌いでも,読書の初心者でも達人でも,きっと今すぐ図書館へ行ってみたくなる楽しい入門書。


岩波ジュニア新書だし、内容的にも子供向けかもしれないが、図書館について知るための良書だと思う。小中学生あたりで出会えたら最高なのでは?

分類の仕方、探し方から蔵書の選別方法等まで、表側からは、なかなか見えない業務内容まで書かれている。職員側からの一方的な目線ではなく、利用者と関わりながら、具体例を挙げて説明しているのも良い。

ベストセラー本と回転率の低い本、どちらを蔵書に加えるべきかについては様々な意見があるだろうが、読まれない本こそ蔵書しておく必要があるという部分には賛同したい。時々、民間企業みたいな視点で利用率のみを追求しようとする人がいるが、図書館は貧富の差による知識格差を解消する最終防衛ラインなのだから、むしろ回転率が低くても誰か一人でも必要とする人がいるのならば、持っておくべきだと思う。

よく読まれるからと言って、例えば村上春樹を何冊も入れろというような意見には全く賛同出来ない。むしろ、ベストセラー本こそ自分で買えと言いたい。どうせ時期が過ぎれば書架の肥やしと化すのは読まれない本と変わらないのだし、そのうちブックオフでも100円で並ぶのだから。読まれない本は巷でも探すのが困難で、誰も持っていなかったりする。

だいたい、利用率のみで論じようとしている人は、自分の町の図書館の利用されている本の内容を調査した事があるのか? 私の町でも利用率最優先で考えようとしている某実力者がいるけれども、この町で最も読まれているのは「ドラえもん」である。

利用率で蔵書を決めると、きっとマンガばかりのマンガ図書館と化すだろう。「HUNTER×HUNTER」や「ワンピース」は揃っているけど、あまり読む人がいないから岩波文庫や岩波新書、ドストエフスキー、トルストイ、ブルガーコフの無いような、ゆとり図書館になるだろう。ちなみに、我が町でも「HUNTER×HUNTER」はあるけど、ブルガーコフは無い。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

この本、おもしろいよ!(岩波ジュニア新書572)

この本、おもしろいよ! (岩波ジュニア新書)この本、おもしろいよ! (岩波ジュニア新書)
(2007/07/20)
岩波書店編集部

商品詳細を見る

各界で活躍している本好きのみなさんに、話題のベストセラーや人気沸騰中のライトノベル、長く読み継がれてきた古典的名作など、とっておきのお薦めの本を紹介していただきました。青春小説、恋愛小説、歴史小説、ファンタジーなどジャンルはさまざま、きっとあなたの心に響く本に出会えます。


16人の著名人による、お勧め本紹介本。岩波だからか、セレクトが無難で手堅い気もするが、ジュニア新書だけに、中高生あたりがこれから読み進めるための指針としては使えるだろう。本格的な活字中毒者なら、すでに読んでしまっている本が多いかもしれないけど。

古典ばかりとか、ライトノベルだらけとか、人により偏りがあるので「貴方はこのジャンルを紹介して下さいね」という岩波書店側からのリクエストがあったのではないかと思いたくなる。とりあえず、16人の中にSF者がいないのは遺憾である。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ