こどもの一生

こどもの一生こどもの一生
(2003/12/15)
中島 らも

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瀬戸内海の小島をレジャーランドにするためにヘリを飛ばし下見に来た男二人は、セラピー施設に治療のためと称して入院し一週間を過ごすことになった。しかしすでにそこには女二人、男一人の患者―クライアントがいた。五人は投薬と催眠術を使った治療で、こども時代へと意識は遡る。三分の二は笑いに溢れ、最後の三分の一は恐怖に引きつる。鬼才・中島らもが遺した超B級ホラー小説。


ホラーだという情報を入手していたのに、全然怖くなかった。発想はともかく、その内容はむしろ馬鹿らしい。中島らも本人は傑作が書けたと満足しているが、微妙作だと思う。「こどもの一生」という題名なのだが、出てくるのは大人ばかり。集められた大人が催眠療法と薬物により子供化してしまうのだ。こどもとして島で生活するから、外見は大人なのにやる事はこどもという笑えない状況に。

そして、実業界で成功した老人みっちゃんが虐めっ子となって大暴れ。みんなは、みっちゃんに仕返しするために架空の人物、山田のおじさんを捏造する。しかし、その事を知ったみっちゃんが、パソコンに入力されていた山田のおじさんデータに、おじさんは頭がおかしいから出会った人間を殺すと書き加えるのだ。直後、なぜか存在しないはずの山田のおじさんが施設を訪れ、連続殺人の幕が開く!?

これは、役柄変化による巧妙なトリックなのだとばかり思っていたら全然違った。大人がこどもになってしまったように、登場人物の誰かが山田のおじさんに成り代わり、次々にみんなを殺して回る推理小説なのだとばかり思っていたら、思いもしない直球勝負で、しかも全てが夢オチに匹敵する馬鹿らしさ……。

素材は面白いのだが、捻りが無く微妙。こども変化した後はひらがなだらけだから非常に読み辛いし、作中に出てくる歌が入った付属CDもあまり良くなかった。


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