ビブリア古書堂の事件手帖 6

4048691899ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ (メディアワークス文庫)
三上 延
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-12-25

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太宰治の『晩年』を奪うため、美しき女店主に危害を加えた青年。ビブリア古書堂の二人の前に、彼が再び現れる。今度は依頼者として。違う『晩年』を捜しているという奇妙な依頼。署名ではないのに、太宰自筆と分かる珍しい書きこみがあるらしい。本を追ううちに、二人は驚くべき事実に辿り着く。四十七年前にあった太宰の稀覯本を巡る盗難事件。それには二人の祖父母が関わっていた。過去を再現するかのような奇妙な巡り合わせ。深い謎の先に待つのは偶然か必然か?


今回は、太宰治絡みの長編になっている。栞子が所有する太宰治の「晩年」を奪おうとして危害を加えた男が、再び現れる。今度は栞子の「晩年」とは別の「晩年」を探して欲しいという依頼だったが、過去に起こった盗難事件から、栞子の祖父や大輔の祖母にも絡んで行く。

今まで「走れメロス」くらいしか知らなかったけど、人間としてはかなり残念な人だったんだな。一緒に死のうとして女だけ死んでいるし、薬物中毒だし、「走れメロス」とは違って、友人を借金のかたに置き去りにしたまま戻って来ず、碁を打って遊んでいたとか、酷い男である。

今回も古書マニアのサイコパス率が高すぎ。欲しい物を手に入れるためなら犯罪者になる事も厭わないとか、あまりにもキ印すぎる。この国では何の落ち度が無くてもちょっとミスしたら人生終了フラグが立つのだから、こういう奴らは完璧に人生が終わればいいと思う。


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ビブリア古書堂の事件手帖 5

4048662260ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)
三上 延
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-01-24

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静かにあたためてきた想い。無骨な青年店員の告白は美しき女店主との関係に波紋を投じる。彼女の答えは―今はただ待ってほしい、だった。ぎこちない二人を結びつけたのは、またしても古書だった。謎めいたいわくに秘められていたのは、過去と今、人と人、思わぬ繋がり。脆いようで強固な人の想いに触れ、何かが変わる気がした。だが、それを試すかのように、彼女の母が現れる。邂逅は必然―彼女は母を待っていたのか?すべての答えの出る時が迫っていた。


ようやく五浦大輔と栞子の仲が進展……しそうなところで、答えを留保されたまま。4月中に告白を受け入れるか否か答えてくれる事になっていたのだが、さらに一ヶ月も延長されるのは辛いな。しかし、最近のHIJKみたいなビッチと比べたら、こういう古風な考えの美女って最高だよね。

今回は、手元にある「彷書月刊」という雑誌を売っては買い戻すという謎の行為を、あちこちの古書店で続けている人物が登場する。大輔が他の店主から噂を聞いた後、ビブリア古書堂にもその人物が現れるのだが、ただの頭がおかしい客ではなく、ある目的があっての行為だった。

続いて、父が所有していた「ブラック・ジャック」が盗まれたので助けて欲しいという依頼が。ブラック・ジャックって、出版時期によって中身がそんなに違うのか。加筆修正されたり、順番が変えられたり、中身が違ったりするのは知らなかった。全部読もうと思ったら大変だな。犯人自体は息子なので、無くなった本を探すのは比較的簡単なのだが、ブラック・ジャックの同じ巻が複数蔵書になっている事から、そんな家族の秘密まで見抜いてしまうなんて!

三話目は、過去に盗んだ本を売ってビブリア古書堂に迷惑をかけた男が現れ、亡くなった兄から寺山修司の初版本を譲り受ける事になっていたからどうにかして欲しいと依頼してくる。遺言状として残されている訳ではなく、あまりにも嘘くさい話なので、最初は誰も信用しなかったのだが……。


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ビブリア古書堂の事件手帖 4

4048914278ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)
三上 延
アスキー・メディアワークス 2013-02-22

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珍しい古書に関係する、特別な相談―謎めいた依頼に、ビブリア古書堂の二人は鎌倉の雪ノ下へ向かう。その家には驚くべきものが待っていた。稀代の探偵、推理小説作家江戸川乱歩の膨大なコレクション。それを譲る代わりに、ある人物が残した精巧な金庫を開けてほしいと持ち主は言う。金庫の謎には乱歩作品を取り巻く人々の数奇な人生が絡んでいた。そして、深まる謎はあの人物までも引き寄せる。美しき女店主とその母、謎解きは二人の知恵比べの様相を呈してくるのだが―。


冒頭から、あの大震災が! 大災害があると価値ある書物が放出される場合があるらしく、ついにあの人物が登場する。今回は江戸川乱歩作品が絡んだ長編になっているのだが、開かない金庫の中身を狙って、失踪していた母親が現れる。

本を追いかけて家族を見捨てるのは、人としてどうよ? 価値ある江戸川乱歩作品の購入権を巡り、母娘対決もあるのだが、強敵なだけでなくて、相当意地も悪いよね。


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ビブリア古書堂の事件手帖 3

4048866583ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)
三上 延
アスキー・メディアワークス 2012-06-21

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鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。すっかり常連の賑やかなあの人や、困惑するような珍客も。人々は懐かしい本に想いを込める。それらは予期せぬ人と人の絆を表出させることも。美しき女店主は頁をめくるように、古書に秘められたその「言葉」を読みとっていく。彼女と無骨な青年店員が、その妙なる絆を目の当たりにしたとき思うのは?絆はとても近いところにもあるのかもしれない―。これは“古書と絆”の物語。


業界内で商品を都合し合う市場で商品が盗まれる。やたらビブリア古書堂を敵視してくる同業のヒトリ書房のおっさんが、店主を疑って来るのだが、手元には盗まれたとされる『たんぽぽ娘』が!?

最初の話からSF者には堪らん作品が登場するが、本の読めない主人公に美人店主が内容を説明しちゃうので、かなりネタバレするのに注意。読む予定のある人は、先に『たんぽぽ娘』を読んでおいたほうが良い。今ならマニアックな絶版古書を探さなくても、河出書房の奇想コレクションで読めるから。

続いては、以前、自分の愛読書を売りに来たおっさんの妻から依頼されて、「たぬきとワニと犬が出て来る絵本みたいなの」を探す事になる。曖昧すぎる情報から、次第に捻じれてしまった人間模様が見えて来る。ちなみに、見たことも読んだ事も無い、全く知らない本だった\(^0^)/

その後は、身内に盗まれた本を取り戻したいという依頼が舞い込んでくる。なんか、どんどん古本屋じゃなくて便利屋みたいになって来るな。価値ある古書は絡んでくるけど。


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ビブリア古書堂の事件手帖 2

4048708244ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)
三上 延
アスキー・メディアワークス 2011-10-25

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鎌倉の片隅にひっそりと佇むビブリア古書堂。その美しい女店主が帰ってきた。だが、入院以前とは勝手が違うよう。店内で古書と悪戦苦闘する無骨な青年の存在に、戸惑いつつもひそかに目を細めるのだった。変わらないことも一つある―それは持ち主の秘密を抱えて持ち込まれる本。まるで吸い寄せられるかのように舞い込んでくる古書には、人の秘密、そして想いがこもっている。青年とともに彼女はそれをあるときは鋭く、あるときは優しく紐解いていき―。


2冊目の最初は『時計じかけのオレンジ』から。以前、せどりのおっさんから大切な本を盗んだ女子高生の妹が、この本を読んで書いた読書感想文を巡る問題。女子中学生にしては、あざとい程上手く纏められた読書感想文だが、完全版と不完全版があって結末が違うのか(汗)。読んだ事がないので知らなかった。暴力描写の多い『時計じかけのオレンジ』だから問題になるのかと思ったら……。

続いて『名言随筆 サラリーマン』に絡んで、五浦大輔の前カノが登場。金持ちの家に生まれながら、いろいろと微妙な立場だった彼女とは上手く行かず終わってしまったのだが、売却される遺品に秘密が!? 福田定一なんて聞いたことないと思ったら、司馬遼太郎の本名なのか!

ラストは超レア漫画『UTOPIA 最後の世界大戦』とビブリア古書堂の過去が絡んだ話。これも足塚不二雄とかいう手塚と藤子不二雄を足して割った偽物みたいな著者名だと思ったら!? 大昔に出版された本に関しては激レアのようだが、読むだけで良いのなら復刊されたものが普通に買えるようだ。


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ビブリア古書堂の事件手帳

4048704699ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
三上 延 越島 はぐ
アスキーメディアワークス 2011-03-25

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鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。だが、古書の知識は並大低ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも、彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。これは“古書と秘密”の物語。


本が絡んだ人間模様を美人店主が謎解いて行く。人見知りが激しいのに、本が絡むと水を得た魚のように饒舌になるのがいいよね。主人公は高身長マッチョ系青年で感情移入し難かったのだが、店主が事故に遭い体が不自由だから、この設定が必要だったのか。

冒頭部分、まだ高校生だった五浦大輔が古本屋の前を通りかかったところ、いつものおっさんではなく初めて見かけた美女が開店作業をしていたのに、気になりつつ、そのまますれ違ってビックリ! えっ!? 出会いフラグ立たずに終りなのか(汗)。

時は過ぎ、無名大学を卒業したが就職予定の会社が倒産してプーさん化した五浦大輔は、祖母の遺品となった夏目漱石全集に書かれたサインが本物なのかどうか確かめるべく、ビブリア古書堂に持ち込む。店番は女子高生で、昔見かけた美女はいなかったのだが……。

第二話は、店の常連客となっているせどりのおじさんが女子高生に盗まれた本、『落穂拾ひ・聖アンデルセン』を取り戻そうとする。第三話はヴィノグラードフ・クジミン『論理学入門』を売りに来た初老男性の話。そして最後は美人店主、篠川栞子が秘蔵する太宰治の『晩年』が狙われる。予め次の話の伏線が仕込んであるのが良い感じ。


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