絲山秋子

攻略対象書籍は以下。

イッツ・オンリー・トーク』★★☆
海の仙人』★★
袋小路の男』 ★★☆
逃亡くそたわけ』 ★★★
スモールトーク』 ★★★
ニート』 ☆
沖で待つ』★★
エスケイプ/アブセント』★★☆
ラジ&ピース』★★★☆
ばかもの』★★★☆
『妻の超然』
『末裔』
『不愉快な本の続編』
『忘れられたワルツ』

エッセイ
絲的メイソウ』★★☆
豚キムチにジンクスはあるのか』★★☆
北緯14度』★★★☆
『絲的サバイバル』


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豚キムチにジンクスはあるのか

豚キムチにジンクスはあるのか―絲的炊事記豚キムチにジンクスはあるのか―絲的炊事記
(2007/12/06)
絲山 秋子

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群馬県高崎市在住、一人暮らし作家の泣くに泣けない自炊生活・・・。雑誌『Hanako』連載中から話題の、あまりにも過酷な(!?)おいしい生活が一冊にまとまりました。ちょっとした思いつきに翻弄され、試作を重ねる著者の日常を味わってください。「他人の失敗は密の味」と著者も本書で書いていますが、失敗と成功の繰り返しがスリリングに楽しめるエッセイ集。加えて、簡単でおいしいレシピも探せます!!


アラフォー女(当事)が適当に料理を作って食いまくるという食べ物関連のエッセイだった。そこそこ評価高いので需要はある様だが、真面目な感じの食べ物エッセイではなく、アラフォー女(しかも美女じゃない)の独り語り脱線が多くて、あんまり楽しめなかった。同世代のアラフォー女性(しかも喪女っぽい読者)が読んだら、上手くシンクロ出来るのではなかろうか。


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ラジ&ピース

ラジ&ピースラジ&ピース
(2008/07/31)
絲山 秋子

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当てのない漂流の果てにたどり着く場所は? 他人とはうまくつきあえない、幼い頃から自分に自信がない女性がたどり着いたのは、北関東の町。ラジオの電波を通じて感じる見えない人々の温度。最新小説。


喪女設定なのに、サッパリしすぎで仕事もちゃんと出来るので、駄目っぽくない件。この作家が書く男は、本当に駄目な奴が多いのに、女はあんまり駄目っぽくない。

三十路を超えてから転職したDJ女は、東北から群馬のラジオ局へ。この時点でもう、喪女設定がぐらつく。今時、相当仕事が出来る人じゃないと、華があるうち専門の仕事で高年齢になってから転職なんてかなり厳しいだろう。という訳で、ご都合主義で適当に転職させてみたのではないならば、この女性はちっとも普通以下じゃない。実はいろんな部分で人並み以上なのに、勝手に自分で自分をマイナス評価して自信を失くしているだけとしか思えない。駄目人間の悲劇と苦悩はこんなものではない。

それにしても、うんこ小説書いてた頃はどうでも良い話が多かったけど、最近の作品は読み応えが出てきたと思う。

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ばかもの

ばかものばかもの
(2008/09)
絲山 秋子

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気ままな大学生と、強気な年上の女。かつての無邪気な恋人たちは、気づけばそれぞれに、取り返しのつかない喪失の中にいた。すべてを失い、行き場をなくした二人が見つけた、ふるえるような愛。生きること、愛することの、激しい痛み。そして官能的なまでの喜び―。絶望の果てに響く、愛しい愚か者たちの声を鮮烈に描き出す、待望の恋愛長篇。


まさしく題名そのもの、主人公は「ばかもの」だった。この作家も、どうでも良い感じでちょっと下品な小説が多いけど、これは絲山秋子の中では力作。

主人公は年上の女に捕まって、遊ばれた挙句に結婚するからという理由で公園で縛られてしまい、恥ずかしい格好で放置プレイ。その後、大学の女友達がディトレーダーから宗教にはまって危ない方向へ行ってしまったり、ご都合主義的にモテ期に入ったり、友人の婚約者の友達が美人で、付き合う事になったりと、人生ウハウハ状態。

それなのに、アル中になって、会社を休み続けて自主退職、記憶が飛んでいる間に暴力を振るいまくって美人な彼女にも愛想を尽かされ、家族にも疎ましがられ、友人は失い、自分で勝手に堕ちていく。

もう、完璧に同情の余地無し! こういうヘタレ人間なうんこ野郎はアルコールで死ねば良いと思う。何ら落ち度が無いのに、地獄のような人生を送っている人に謝れ! この主人公は全然不幸じゃない。勝手に自分で転んでいるだけだ。かなりムカツクから本当の不幸を味わってもらいたいところである。

結局、放置プレイで去って行った年上の女と再会するのだが、相手も不幸な人生に転落しており、なんだかやるせない。主人公は100%自分が悪いのだけど、年上女は事故だからね。

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北緯14度

北緯14度北緯14度
(2008/11/21)
絲山 秋子

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神様と会うためのアフリカ・セネガル紀行! 自分はどんな人間だかわからなくなる、なぜ私はここにいなければならないのか? きわめて文学的なこの問いに答えるために、神様ドゥドゥに会うための魂の旅。


小説ではなくて、セネガルに滞在する紀行文。それにしても、小説も紀行文も地が一緒じゃないか。という事は、小説も作らず飾らず素のままで書いているだけか? 作らない飾らない想像と、作らない飾らない現実では、現実のほうがはるかに面白い。

セネガルという日本には馴染みの薄い場所なのに、その光景が生々しく感じられる。現実世界なのに、うんこネタが入っていたりして、やっぱりこの人、排泄趣味持っているんじゃないかと疑念が湧くのだが、美少女作家じゃなくて絲山秋子だから、単に汚いだけの話にしか思えない件。

それにしても、セネガルの文化に突撃かけていく絲山のほうが偉くて、一般的に偉いとされる外交官婦人とかが糞にしか思えないのは一体!? どこに行っても日本人のエリートは糞野郎ばかりで反吐が出る。

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ダーティ・ワーク

ダーティ・ワークダーティ・ワーク
(2007/04)
絲山 秋子

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今日もどこかで、あの人はきっと生きている。熊井はいつもギターを弾いている。もう何年も会っていないTTのことを考えながら……。様々に繋がる人間関係、それぞれが誰かへの思いを抱えながら、地を這うように生きていく、希望と再生の連作短編。


絲山作品の中ではかなり良いけど、そこまで凄いと思えないのは、この作家との相性悪いからだろうか。視点変更があって判り難い部分あるし、主人公による一人語りもあまり好きじゃないな。あと、安易に病気ネタがあるのもマイナス。連作短編形式になっていて、構成とかは良かった。

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エスケイプ/アブセント

エスケイプ/アブセントエスケイプ/アブセント
(2006/12)
絲山 秋子

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闘争と潜伏にあけくれ、20年を棒に振った「おれ」。だが人生は、まだたっぷりと残っている。旅先の京都で始まった、長屋の教会での居候暮らし。あやしげな西洋坊主バンジャマンと、遅れすぎた活動家だった「おれ」。そして不在の「あいつ」。あきらめを、祈りにかえて生きるのだ。―いつわりと挫折の日々にこそ宿る人生の真実を描く傑作小説。


ちょっと前に読んだうんこ小説よりはマシだが、別に傑作小説とキャッチつけるほどの出来栄えでも無いと思うが。これで傑作なら、村上春樹は一億と二千年に一度の超傑作だろうし、キングやクーンツは宇宙開闢以来の奇蹟だ。

またしても、駄目人間が主人公。で、少しホモ。BLなだけで嫌いだが、中年だからさらに萎える。ホモシーンが出てこないだけ、まだ救われた。政治活動を続けて身を潰した駄目人間と、その双子の片割れで同じく蒸発して居所不明のやはり駄目人間の物語。この作者の著作には駄目人間しか出てこないが、もしかして、そのパターンでしか書けないのか?

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沖で待つ

沖で待つ沖で待つ
(2006/02/23)
絲山 秋子

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仕事のことだったら、そいつのために何だってしてやる。そんな同期の太っちゃんが死んだ。約束を果たすべく、私は彼の部屋にしのびこむ-。仕事を通して結ばれた男女の信頼と友情を描く表題作のほか、「勤労感謝の日」を収録。


「勤労感謝の日」第131回芥川賞候補作。
「沖で待つ」第134回芥川賞受賞作。

セクハラ上司との諍いで無職になった36歳がお見合いするも、相手が見栄っ張りキモメンで、お見合いの途中で抜け出して飲みに出かけてしまう「勤労感謝の日」。

出てくる男、相当酷いよな。これじゃあ一流会社に勤めていても売れ残るは必定かと……。女のほうも男前な性格以外は、あんまり魅力的じゃないけど。飲みに行くために呼び出された元後輩の水谷さんのほうが好きだな。
 
 
予期できぬ不幸により死んでしまった同僚との密約に従い、家に侵入してPCのHDDを破壊する女を描いた「沖で待つ」。漁師の話か何かかと思ったら、全然違った(汗)。

みられたくないモノが入っているから、どちらかが死んでしまったらHDDを破壊しあおうと、お互いに協定を結んでいたところ、同僚のほうが自分より先に死んでしまうのだ。しかも、上から落ちてきた人にぶつかり、頭を打って死亡。様は、飛び降り自殺の巻き添えな訳ですが。最後のほうで同僚の幽霊が出てきて普通に会話しているのが非常にウソっぽい。まるで、ティム・バートン版「猿の惑星」を見たときのような気分だ。そのウソっぽい幽霊が全てを台無しにしている。個人的にはブーイング。

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絲的メイソウ

絲的メイソウ絲的メイソウ
(2006/07/22)
絲山 秋子

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迷走、瞑想? 生きることは、ジグザグだ。ああ、人生はなんてジグザグにしか進まない! 「袋小路」からジグザグへ、いつもあちこちに本気で立ち寄り続 けて考えた、そして感じた。絲山秋子、初のエッセイ集。今の時代に鈍感でいることはできない。


絲山秋子の初エッセイという事で「絲的メイソウ」を読んだ。やはり女流エッセイは面白くないんだよな。他人の日常を読まされても、正直「だからどうよ?」としか思えないし。非日常的日常なら、少しは話に引き込まれるんだけど。どうやら、読み手にエッセイを楽しむ為の適性が欠けている模様。

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スモールトーク

スモールトークスモールトーク
(2005/06)
絲山 秋子

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「じゃ、回り道してやろうぜ。どうせこの世の全てが回り道なんだ」 6台のクルマをめぐる、回復と喪失の物語。車好きの楽しめる小説。さらに書下ろしエッセイ、徳大寺有恒との対談も収録。


車を題材にしているからか、意外に面白い。以前読んだ、芥川賞候補作になったやつは、かなーりつまらなかったけど、これは結構イケてます。まぁ、車好きじゃなかったら大したこと無いと思うのかもしれないが……。徳大寺のおっさんが絶賛とか書いてるから、思わず借りて来てしまった一冊。

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イッツ・オンリー・トーク

4167714019イッツ・オンリー・トーク (文春文庫)
絲山 秋子
文藝春秋 2006-05

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引っ越しの朝、男に振られた。やってきた蒲田の街で名前を呼ばれた。EDの議員、鬱病のヤクザ、痴漢、いとこの居候―遠い点と点とが形づくる星座のような関係。ひと夏の出会いと別れを、キング・クリムゾンに乗せて「ムダ話さ」と歌いとばすデビュー作。高崎での乗馬仲間との再会を描く「第七障害」併録。


第96回文學界新人賞受賞作。
第129回芥川賞候補作。

橘優子という、男との交友関係が結構広い女が主人公となる。寝る度に男友達が減ったという設定からすると、かなり良い女でなければならないと思うのだが、絲山秋子が書くと、何故か喪女にしかみえない。

引っ越しをする途中で、寺井という何の取り柄もない男に捨てられるが、新しい街へとやってくると、大学時代の友人だった本間俊徳が都議となり、拡声器で演説中だった。本間とはフラグが立たず、ついでに本間のあそこも立たなかった。

福岡にいるいとこからは狂言自殺メールが来たので呼び寄せて居候にするし、心の病繋がりで安田昇というヤクザの知り合いもいる。小川誠が大学を卒業して地元に戻る日に告白されたが、まだ優子を好きらしい。ブラックバイトをした時に知り合った痴漢男とも交友関係があるし、結構モテ女でビッチちゃんなはずなのに、やはり喪女臭しかしない。なんでこんなに喪女に思えて仕方がないのかと思ったら、優子の言動がいちいち、おっさん臭いからか。金原ひとみが書いたら、もっとビッチちゃんに見えるんだろうな。

男友達ばかり出て来るが、野原理香という友人が登場する。但し、記憶の中の存在として。優子に説教してくれた唯一の存在であるが、26歳で事故死したらしい。この主人公と野原理香は『スモールトーク』にも登場するらしい。

交友関係は広いものの、痴漢男は起きたらいなくなっているし、インポ政治家は当選して忙しいし、ヒモいとこは地元に戻るし、鬱病ヤクザは裏の仕事が入ってお別れを言いに来るし、みんな通り過ぎていくだけの人間で、誰ともフラグが立たなかった。


もう一編「第七障害」という短編が収録されているのだが、これは乗馬中の事故で馬を殺してしまった早坂順子が、悔み続ける話だった。都会では就職出来なかったので、群馬の予備校にいたのだが、何もかもが嫌になり東京に出てきている。

競馬好きだった警官の義宏とも別れたが、義宏の妹、美緒とは交友関係が続き、東京では一緒に住んでいる。三軒茶屋に住んで1年後に、群馬の乗馬をしていた永田篤とぶつかりそうになって再会する。年下の彼も、東京に出て来て、ケーキ屋で修業中だった。

表題作よりも「第七障害」のほうが、楽しくなりそうな余韻を残して終わってくれるから好きだ。


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袋小路の男

袋小路の男 (講談社文庫 い 113-2)袋小路の男 (講談社文庫 い 113-2)
(2007/11)
絲山 秋子

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第30回川端康成文学賞受賞。指一本触れないまま、「あなた」を想い続けた12年間。<現代の純愛小説>と絶讃された表題作、「アーリオ オーリオ」他1篇収録。注目の新鋭が贈る傑作短篇集。


見掛け倒しな駄目男に惚れる、どうしようもない駄目な女。次の話は、そのどうしようもない駄目男側からの言い訳。よくあるパターンである。どうして駄目な男に執着する女性が多いのだろう? 利己的な遺伝子に損傷があってエラー出てるんじゃないのか? この手の話はどうも体が受け付けない。

最後の「アーリオ オーリオ」だけは良かった。中年男(叔父さん)が兄の娘と文通する話。

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逃亡くそたわけ

逃亡くそたわけ (講談社文庫)逃亡くそたわけ (講談社文庫)
(2007/08/11)
絲山 秋子

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21歳の夏は一度しか来ない。あたしは逃げ出すことにした。軽い気持ちの自殺未遂がばれて、入院させられた病院から。逃げるのに思いつきで顔見知りを誘った。24歳の茶髪で気弱な会社員。すぐに「帰ろう」と主張する彼を脅してすかして車を出させた。東へ。そして南へ。__おんぼろ車で九州の田舎町を駆け抜けるふたりの前にひろがった暑い夏の物語。


第133回直木賞候補作。

うーん……。これって、芥川賞候補系じゃないのか? どういう基準でノミネートされるのか理解に苦しむ。一体、誰がどうやって候補作を選んでいるんだ? 

二人の精神病患者が病院を抜け出して博多から鹿児島の南端まで逃亡するという、なんだか劣化ヤジキタを読まされているような内容。つまりは淡々としていて盛り上がりに欠けるという事だ。正直に言うと、さほど面白くない。

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ニート

ニートニート
(2005/10/29)
絲山 秋子

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現代人の孤独と寂寥、人間関係の揺らぎを完璧な文体で描いた傑作短篇集。かけだしの女性作家と、会社を辞め、引きこもりをつづけて困窮を極める青年との淡い関係を描く表題作。大阪の彼女と名古屋の育ての母との間で揺れる東京のホテルマンを描いた「へたれ」他全5篇。気鋭の傑作短篇集。


「ニート」という言葉に釣られると後悔します。気になる人はいきなり買わずに、図書館や書店で中身を確かめましょう。特に、最後にある地雷に注意!

なんだか、最近流行りの言葉を題名にして釣っているけれども、表層的でツマラナイ。もっとニートの内面と苦悩を追及した作品だと思ったら、サラリと終わってしまう短編だった。これなら、『NHKにようこそ』を読んでいる方がはるかに良い。

ズラズラと駄目人間が出てくる話が続いて、最後はうんこ

最後の最後でスカトロエロ小説が出てきて、すごく嫌な気分にしてくれた。間違いなく、絲山秋子最高のうんこ作品。浣腸して、うんこ体中になすりつけて、後ろのほうに挿れてアレの先にうんこがついて悦ぶ変態男が出てくる。これなら18禁エロ小説読んだほうがマシである。少なくとも題名は「ニート」より「うんこ」のほうが似合っている。なんで最後に強烈な地雷を仕込んでおくのかね……。

海の仙人

海の仙人 (新潮文庫)海の仙人 (新潮文庫)
(2006/12)
絲山 秋子

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碧い海が美しい敦賀の街。ひっそり暮らす男のもとに神様がやって来た―。「ファンタジーか」「いかにも、俺様はファンタジーだ」「何しに来た」「居候に来た、別に悪さはしない」心やさしい男と女と神様。話題の新鋭、初の長編。


第130回芥川賞候補作。

敦賀の海辺で仙人のような生活をしている河野勝男のところに、ファンタジーという名のおっさん神様が現れる。神様なのに、特殊能力で助けてくれたりするわけでもなく、何のために存在しているのか不明である。こいつさえ居なければ、ごく普通の恋愛小説で終わるのに、ファンタジーが出て来るせいで、妙に嘘くさい話になっている。

勝男は、宝くじで3億円が当たったから、会社も辞めて魚を釣って暮らしているのだが、ジープに乗って港まで来ていた中村かりんと出会う。その後、中村かりんと付き合い出したという事になっているのだが、ちっとも登場せず、代わりにかつての同僚だった片桐妙子が、赤いアルファロメオに乗ってやってくる。

妙子は勝男に片想い中なのだが、ちっともフラグが立たないままである。何年か前に読んだ時は、ファンタジーの存在感の前に気が散ってしまい、喪女にしか見えなかったのだが、赤い高級車が似合う男前な女である辺り、実は宝塚の男役系統のいい女なのではないかと、イメージが逆転した。

勝男には、過去の出来事が原因で、心に傷を抱えているので、異性とはまともに付き合う事が出来ない。小学生の時、姉に押し倒されて何度も犯されたそうだが、姉は勝手に記憶を改竄し、勝男が自分を襲った事にしてしまっている。弟の人生を壊したくせに、自分が被害者であると逆恨みするクズじゃないか。自己愛性人格障害なのかな。

勝男が妙子に過去の心の痛みを明かす間も、ファンタジーは鼻毛を抜いていたりする。本当にふざけた神様である。ちっとも役に立っているようには見えないのに、ファンタジーは「人間が生きていくためには俺様が必要なのだ」と断言する。祖母の遺品を渡すため、クズ姉のところへ行くのだが、用事が済むとファンタジーはいなくなり、妙子は東京に戻って行く。

ファンタジーが消えた後、中村かりんが再登場してくるが、月日が流れるのが早くなり、かりんが転勤、いつの間にか病が進行と、悪い方向へ。かりんの親兄弟は、遺産を狙うクズなハイエナ共で、下衆な干渉をしてくる。死んだり、失明したり、登場人物が誰も幸せにならないので、読むのが辛かった。