恩田陸

攻略対象書籍は以下。
著書、多いなぁ……。

六番目の小夜子』★★★☆
球形の季節』★★★☆
『不安な童話』
三月は深き紅の淵を』★★★☆
光の帝国』★★★☆
象と耳鳴り』★★★☆
月の裏側』★★★☆
ネバーランド』★★★☆
麦の海に沈む果実』★★★☆
『上と外』
puzzle』★★★☆
『ライオンハート』
『MAZE』
ドミノ』★★★★
『黒と茶の幻想』
図書室の海』★★★☆
劫尽童女』★★★☆
ロミオとロミオは永遠に』★☆
『ねじの回転』
『蛇行する川のほとり』
『まひるの月を追いかけて』
『クレオパトラの夢』
黄昏の百合の骨』★★★☆
『禁じられた楽園』
Q&A』★★★☆
夜のピクニック』★★★★
夏の名残りの薔薇』★★
ユージニア』★★★☆
蒲公英草紙 常野物語』★★★☆
ネクロポリス』★★★☆
エンドゲーム 常野物語』★★★☆
チョコレートコスモス』★★★★
中庭の出来事』★★☆
朝日のようにさわやかに』★★★☆
木洩れ日に泳ぐ魚』★★★★
いのちのパレード』★★★☆
不連続の世界』★★★★
きのうの世界』★★★☆
ブラザー・サン シスター・ムーン』★★★☆
訪問者』★★★☆
六月の夜と昼のあわいに』★★☆
私の家では何も起こらない』★★★★
夢違』★★★★
私と踊って』★★★★
夜の底は柔らかな幻』★★★☆
雪月花黙示録』★★★
EPITAPH 東京』★★☆
ブラック・ベルベット』★★★☆
消滅 - VANISHING POINT』★★★☆


怪談えほん
『かがみのなか』

エッセイ・紀行
「恐怖の報酬」日記』★★★
小説以外』★★★
『メガロマニア』
土曜日は灰色の馬』★★★
『隅の風景』
『作家の口福』

戯曲
猫と針』★★☆



にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサーサイト

消滅 - VANISHING POINT

4120047644消滅 - VANISHING POINT
恩田 陸
中央公論新社 2015-09-24

by G-Tools

202X年9月30日の午後。日本の某空港に各国からの便が到着した。超巨大台風の接近のため離着陸は混乱、さらには通信障害が発生。そして入国審査で止められた11人(+1匹)が、「別室」に連行される。この中に、「消滅」というコードネームのテロを起こす人物がいるというのだ。世間から孤絶した空港内で、緊迫の「テロリスト探し」が始まる!読売新聞好評連載小説、ついに単行本化。


巨大台風や通信障害のために混乱する近未来の国際空港が舞台となる。各地から帰国してきた11人と犬1匹が、入国審査で止められ、別室に軟禁されてしまう。

隔離された部屋の中で泣いている若い女性に違和感を感じる者もいたが、正体は人間ではなかった! キャスリンと名乗るそいつは超高性能の人型ロボで、集められた人の中にテロリストが混ざっているので、事件が解決するまで解放する事は出来ないと、仕切り始める。

集められた面々は、お互い疑心暗鬼になりながら、テロリストが誰なのか突き止めなければならなくなる。消滅というキーワードだけが伝わり、どんなテロを起こすつもりのか全く分からない状況なのが不気味である。

物語が進むにつれて、巻き込まれた面々が抱えるそれぞれの事情も次第に見えて来る。容姿は胡散臭いけど善良は普通のおっさん、怒りっぽいおっさん、危険地帯で働く医者、脱税旅行帰りのおばさん等、主要な登場人物は多いけど、キャラ立ちはしているので混乱はしない。相手に触ると色々と見えてしまう子はチート性能すぎるけど。

オチが弱いと不評のようだが、いつものように後半で失速してグダグダなまま終わらず、一応はちゃんと結末まで書かれていたから、個人的には満足かな。予想した通り、犯人? が……なのは、ちょっとアンフェアな感じだけど。アレとアレとどう使ったら、そんな魔法みたいな事が出来るのか謎すぎる。


三行で説明すると
キャスリン可愛いよキャスリン(*´Д`)
「この中にテロリストの方がいらっしゃるということです」
耳栓売り切れ\(^o^)/


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

ブラック・ベルベット

4575238988ブラック・ベルベット
恩田 陸
双葉社 2015-05-20

by G-Tools

外資製薬会社に身を置く凄腕ウイルスハンター・神原恵弥。ある博士の捜索を依頼されてT共和国にやってきたが、博士は殺されてしまう。一方、この国では全身を黒い苔で覆われて死んだ人間がいるらしい。ビジネスで滞在中のかつての恋人・橘は不穏な行動を見せる。恵弥が想像だにしない、これらの背景に存在するものとは――?


神原恵弥が知人に頼まれ、T共和国である博士を探していたところ、目の前で殺害されてしまう。そのまま都市伝説のような謎の薬DFをめぐる陰謀に巻き込まれつつ、観光旅行をする事に。

アンタレスという人物がDFに絡んでいるのだが、相手は日本人で麻薬密売ルートを握っているという噂しか分からない。トルコ警察も正体を掴んでおらず、神原恵弥が疑われてしまったりもする。

危ない話が見え隠れするのだが、ハリウッド映画みたいに思いっきり巻き込まれて酷い目に遭ったりはしなかった。いつものように後半グダグダの展開にはならず、きちんと結末が描かれていたのは良かった。

オネエ言葉を使うバイセクシャルな神原恵弥という主人公が強烈すぎたのだが、これシリーズになっているのか。過去作の『MAZE』と『クレオパトラの夢』が借りる前に書庫行きになってしまったから、手続きが面倒で読んでいない件。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

EPITAPH東京

4022512679EPITAPH東京
恩田 陸
朝日新聞出版 2015-03-06

by G-Tools

東日本大震災を経て、東京五輪へ。少しずつ変貌していく「東京」―。その東京を舞台にした戯曲「エピタフ東京」を書きあぐねている“筆者”は、ある日、自らを吸血鬼だと名乗る謎の人物・吉屋と出会う。吉屋は、筆者に「東京の秘密を探るためのポイントは、死者です」と囁きかけるのだが…。将門の首塚、天皇陵…東京の死者の痕跡をたどる筆者の日常が描かれる「piece」。徐々に完成に向かう戯曲の内容が明かされる作中作「エピタフ東京」。吉屋の視点から語られる「drawing」。三つの物語がたどり着く、その先にあるものとは―。これは、ファンタジーか?ドキュメンタリーか?「過去」「現在」「未来」…一体、いつの物語なのか。ジャンルを越境していく、恩田ワールドの真骨頂!!


吸血鬼に導かれ、東京を彷徨う“筆者Kと帯に書いてあって、非常に面白くなりそうな雰囲気だけはあるのに、今回もまた恩田陸らしい、ふいんき小説でしかなかった。いつもなら、前半は面白そうなのに後半で失速して訳がわからないままグダグダになって煙に巻かれる感じなのだが、今回は最初から最後まで面白くならない。

「エピタフ東京」という戯曲を書こうとしている筆者が、いろいろと綴っているだけのエッセイみたいになっていて、肝心の「エピタフ東京」はほとんど描かれない。少しだけ書きかけの戯曲みたいなものが混じっているが。

吸血鬼のほうも、時々見かけて話をする程度の知人で、どこまでが本当か分からないまま終わってしまった。ただの頭がアレな自称吸血鬼なのか、本物なのか分からなかった。

どういう効果を狙っているのか、ページがカラーになっている部分があるのだが、緑色のページが非常に読み辛い。そういう変な部分に凝るのではなくて、もっと小説として普通に楽しめるものが読みたかった。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

雪月花黙示録

4041106702雪月花黙示録 (単行本)
恩田 陸
KADOKAWA/角川書店 2013-12-25

by G-Tools

私は高校生の蘇芳。いとこの紫風(美形なうえに天才剣士!)が当選確実の生徒会長選挙を控えたある日、選挙への妨害行為が相次いだ。また派手好きで金持ちの道博の仕業かと思ったら、「伝道者」を名乗る者が出現。私たちの住む悠久のミヤコを何者かが狙っている!謎×学園×ハイパーアクション。ゴシック・ジャパンで展開する『夢違』『夜のピクニック』以上の玉手箱!!


未来世界の日本なのに、古風な箱庭世界で失敗した旧世界と隔てられたミヤコが舞台となる。未来の日本は大和文化を信奉するミヤコと物質文明に傾倒する帝国主義者に二分されているが、第三勢力として「伝道者」が宣戦布告してくる。

主人公は美形な天才剣士JKで、選ばれし一族で、名前が蘇芳。文章力はともかく、設定が作家気取り厨二病女子中高生が書いたラノベみたいで萎える。

「日本の夏。緊張の夏。」とか、「ルイ・ボトン・モア・ヘレネーグループ」とか、「弁天堂」とか、悪乗りしている部分が多すぎて、あかん節子! これ俺が嫌いなやつや……。『ロミオとロミオは永遠に』みたいな感じのフザケタ内容が満載である。

及川道博というライバル家系の派手な奴が婚約者を名乗り、しょっちゅう絡んで来るのだが、「ミッチーミッチー、ラブラブラブ」とか掛け声がかかってキモい。実写化とかするわけ無いだろうが、映画になったら及川光博がやるのか!?

なかなか敵の正体が見えてこないまま、弁天堂が開発した新兵器や化け物みたいなのと戦うが、アクション・シーンもいまいち盛り上がりに欠ける。蘇芳、紫風、萌黄と出て来る支配者一族達も、あまり書き分けが出来ていないので、どれも同じような奴にしか見えない。

ラストは残念なB級映画みたいなオチに脱力したが、いつものように煙に巻かれなかった分、多少はマシかな。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

夜の底は柔らかな幻

4167904845夜の底は柔らかな幻 上 (文春文庫)
恩田 陸
文藝春秋 2015-11-10

by G-Tools

4167904853夜の底は柔らかな幻 下 (文春文庫)
恩田 陸
文藝春秋 2015-11-10

by G-Tools

恩田陸が贈る、日本版・地獄の黙示録。犯罪者や暗殺者たちが住み、国家権力さえ及ばぬ無法地帯である〈途鎖国〉。特殊能力を持つ〈在色者〉たちがこの地の山深く集うとき、創造と破壊、歓喜と惨劇の幕が切って落とされる――極悪人たちの狂乱の宴、壮大なダーク・ファンタジー。


ある目的のために、途鎖国に入国しようとする女。途中で入国管理官達の騒動に巻き込まれ、因縁のある男と望まぬ形で再会する事になる。日本の一部が独立国家化? していたり、そこで在色者と呼ばれる超能力者が数多く生み出されていたりと、不思議な世界観になっている。

かつて女が片目を奪った入国管理局次長、女が狙う前の夫、世界中で虐殺を繰り返しているシリアル・キラー、並外れた力を持ち監禁されていた老人、山中で恐ろしい力が覚醒してしまった少年と、強力な異能力者がゴロゴロ出てくる。さらに、地中にいる仏と呼ばれる謎の存在。これだけ揃ったら派手な異能力バトルが展開されそうだが、思った通りショボかった(笑)。

後半のグダグダ感はなくなってきたものの、やはり結末が何処かにすっ飛んで行って煙に巻かれちゃう仕様はいつも通りだった。もっとキッチリした結末にならないものか。地中にいる気色悪い何かも正体不明のままだし。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

夢違

夢違夢違
(2011/11/11)
恩田 陸

商品詳細を見る

夢を映像として記録し、デジタル化した「夢札」。夢を解析する「夢判断」を職業とする浩章は、亡くなったはずの女の影に悩まされていた。予知夢を見る女、結衣子。俺は幽霊を視ているのだろうか?そんな折、浩章のもとに奇妙な依頼が舞い込む。各地の小学校で頻発する集団白昼夢。狂乱に陥った子供たちの「夢札」を視た浩章は、そこにある符合を見出す。悪夢を変えることはできるのか。夢の源を追い、奈良・吉野に向かった浩章を待っていたものは―。人は何処まで“視る”ことができるのか?物語の地平を変える、恩田陸の新境地。


第146回直木賞候補作。

TVはほぼ見ないので知らなかったけど、これ『悪夢ちゃん』なのか(汗)。ドラマとは内容が違うらしいけど。

人の夢を可視化する機械が実用化された時代。夢を解析する職種についた浩章が、予知夢を見ていた結衣子の幽霊? に出会う。各地で頻発する集団白昼夢。子供達は何かを見て怯えるのだが、それが何なのかは分からない。自らも予知していた事件に巻き込まれて死んだはずの古藤結衣子が関わっている様なのだが、夢だけでなく、現実世界にまで出現するようになる。

夢が現実世界に浸食して来る感じと、死んだはずの能力者が出て来て貞子っぽい怖さがあるのに、全然怖くならずに少し不思議系のままで終わるのが、恩田陸らしい。後半からグダグダになってしまう毎度の展開ではなく、最後まで引っ張ってくれたので他の著作よりは楽しめたのだが、評価低いよね……。ラスト1ページで煙に巻かれたので、よく分からない結末だったのが残念。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

私と踊って

私と踊って私と踊って
(2012/12/21)
恩田 陸

商品詳細を見る

この世の終わりに踊る時も、きっと私を見ていてね。ダンサーの幸福は、踊れること。ダンサーの不幸は、いつか踊れなくなること――稀代の舞踏家ピナ・バウシュをモチーフに、舞台を見る者と見られる者の抜き差しならない関係をロマンティックに描いた表題作をはじめ、ミステリからSF、ショートショート、ホラーまで、物語に愛された作家の脳内を映しだす全十九編の万華鏡。


19編入った短編集。このページ数で19編もあると、かなり力量がなければ、どうでもいい話が混ざって残念な事になりがちだが、本書は全てクオリティが高い。ミステリー、SF、ホラーなど、ジャンルも様々なので飽きさせない。チラシの裏ならぬ、表紙小説? が混ざっているらしく、図書館で借りると1編読めないという点だけが残念だった(´・ω・`)

突然消えた同期を社内で探していて、恐ろしい事実に気づく「心変わり」。賢くなった犬に助けられる話と猫に……される話が対になっていて面白い。人々が引き籠って動かなくなったから、世界のほうが動くようになってしまった「少女界曼荼羅」も秀逸である。やはり恩田陸は綺麗に纏っている短編のほうが良い。



にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

象と耳鳴り

象と耳鳴り―推理小説 (祥伝社文庫)象と耳鳴り―推理小説 (祥伝社文庫)
(2003/02)
恩田 陸

商品詳細を見る

「象を見ると耳鳴りがするんです」 退職判事・関根が喫茶店で出会った老婦人が語り始めたのは、奇怪な殺人事件だった-。ねじれた記憶、謎の中の謎、驚愕の仕掛け…そして純なるロジック。12編の連作本格推理コレクション。


退職した元判事、関根多佳雄が関わる奇妙な事件。12編の連作になっているので、長編物のような後半グダグダで煙に巻く終わり方にならないのが良い。状況から推理するだけで、事件の核心に迫ったのかどうか分からないまま終わってしまうものもあるけど。

かなり前に読んだので、よく覚えていないのだが、関根多佳雄はデビュー作「六番目の小夜子」に登場した関根秋の父親らしい。関根多佳雄だけでなく、息子や娘もやり手で有能なのが、くっそくっそ! リア充爆発しろ(笑)。とりあえず春と夏が有能なのは分かったが、秋はどうした!?


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

ネバーランド

ネバーランド (集英社文庫)ネバーランド (集英社文庫)
(2003/05/20)
恩田 陸

商品詳細を見る

舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。ひとけのない古い寮で、4人だけの自由で孤独な休暇がはじまる。そしてイブの晩の「告白」ゲームをきっかけに起きる事件。日を追うごとに深まる「謎」。やがて、それぞれが隠していた「秘密」が明らかになってゆく。驚きと感動に満ちた7日間を描く青春グラフィティ。


冬休み中に寮居残り組の男子高校生四人が、それぞれが抱える過去を告白して行く話なのだが、何かが起こりそうで何も起こらず、淡々としたまま終わってしまうのは、いつもの恩田陸クオリティ。

青春小説と呼ぶには暗闇が多すぎるな。家庭や各自の置かれている状況が特殊すぎて、上手くシンクロ出来ない。ミステリー要素はたっぷり含まれているのに、ミステリー展開にならない。

脇役以外は男子高校生しか出てこないのだが、これは男よりも腐女子お姉さんが読んだほうが楽しめるのでは!?


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

私の家では何も起こらない

私の家では何も起こらない (幽BOOKS)私の家では何も起こらない (幽BOOKS)
(2010/01/06)
恩田 陸

商品詳細を見る

この家、あたししかいないのに、人がいっぱいいるような気がする……。ようこそ、丘の上の幽霊屋敷へ。恩田陸が描く、美しく不穏なゴーストストーリー。小さな丘の上に建つ二階建ての古い家。この家は、時がゆっくり流れている。幽霊屋敷と噂されるその家にすむ女流作家は居心地のよいこの家を愛している。血の海となった台所、床下の収納庫のマリネにされた子どもたち……。いったいこの家にはどんな記憶が潜んでいるのだろう。幽霊屋敷に魅了された人々の美しくて優雅なゴーストストーリー。恩田陸が描く幽霊屋敷の物語。ラストには驚愕の書き下ろし短編が!


恩田陸作品は雰囲気優先で、後半グダグダになりがちなので、ミステリでは消化不良になりがちなのだが、ホラーだと語られない事によって不気味さが増すのが良い。

短編だけど九編+附記の全てが、ある幽霊屋敷で繋がっていて、時系列は前後するけれども、読み終えると長編として纏まる。題名では「私の家では何も起こらない」となっているけれども、実際には様々な事件や怪異が起こっていて、その積み重ねでとんでもない場所になっている。

一番新しい所有者は、ある作家なのだけど、彼女が所有する以前に、猟奇殺人事件や自殺、変死と、様々な出来事があり、実際にはハイレベルの心霊スポットとなっている。恐ろしさは全面に出していないけれども、程よく気味が悪い話ばかりである。黒乙一から毒素を抜いたくらいかな?

それにしても、やはり一番恐ろしいのは生きた人間である。この物語でも、人を殺すのは生きた人間であって、大抵の場合において、死者は人を殺したりはしない。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

「恐怖の報酬」日記

「恐怖の報酬」日記―酩酊混乱紀行 (講談社文庫 お 83-6)「恐怖の報酬」日記―酩酊混乱紀行 (講談社文庫 お 83-6)
(2008/05/15)
恩田 陸

商品詳細を見る

イギリスとアイルランドには行きたい。だが、飛行機には乗りたくない。恩田陸、初のエッセイ集。


何が恐怖なのかと思ったら、飛行機が怖いのか。飛行機だけ怖がる人って結構いるけど、船やバスや原発や遺伝子組み換え食品まで、人類の拙い科学で弄っているだけのモノは、何でも同じくらい怖いと思うぞ。むしろ、規制の壁と国土交通省の庇護に甘んじて高給優遇されている航空業界よりも、ブラック同士の喰い合いをしているバスなんかのほうが余程怖いというのは、最近のニュースを見ても明らかなはず。

初めて海外に出て、イギリスやアイルランドを巡るのだが、中身の大半は飛行機の怖さを語るか飲んでいるだけなのが残念。残りも、夢ネタや小説用の妄想ネタなので、紀行文を期待すると大きく裏切られるだろう。中身は恩田陸ファンブック。



にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

六月の夜と昼のあわいに

六月の夜と昼のあわいに六月の夜と昼のあわいに
(2009/06/19)
恩田 陸杉本 秀太郎

商品詳細を見る

よび覚まされる記憶、あふれ出る感情、たち上がる論理。言葉によって喚起される、人間のいとなみ。ミステリー、SF、私小説、ファンタジー、ルポルタージュ…あらゆる小説の形式と、恩田作品のエッセンスが味わえる「夢十夜」的小説集。フランス文学者・杉本秀太郎による詩、俳句、短歌に秘められた謎と、希代の新鋭画家による十のイメージに誘われた、摩訶不思議な十の作品世界。


短編集でも『朝日のようにさわやかに』は読める作品が多かったのだが、これは実験作混じりまくりのごった煮な感じで、だから何? と言いたくなるものだらけだった。恩田陸らしい雰囲気フェロモン攻撃は健在なので、ファンなら楽しめるかもしれないが。

どれを読んでも印象に残らない。ひたすら苦行のように読み進めるが、ほとんど何も覚えていない。文章はともかく、淡々と物語が進むだけでオチも弱いし、何を楽しめば良いのか途方に暮れた。

つーか、読み終わった直後なのに、多和田葉子みたいだと感じた二人称小説と、大いなる運命を持って産まれて来た筈なのに、どこかで間違えて、駄目親に育てられ、パチンコ屋の駐車場で死んでしまう幼児の話しか覚えてない(笑)。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

いのちのパレード

いのちのパレードいのちのパレード
(2007/12/14)
恩田 陸

商品詳細を見る

恩田ワールドの原点<異色作家短編集>への熱きオマージュ。ホラー、SF、ミステリ、ファンタジー……クレイジーで壮大なイマジネーションが跋扈する、幻惑的で摩訶不思議な作品集。


妙な話だらけで、本当に摩訶不思議な作品集に仕上がっている。15編入っていて全部が短編だから、長編作品のようなグダグダ感が無く綺麗に纏っている。変な話がたくさん入っているので、お気に入りから全然面白さが判らないものまで様々。

奇抜な設定だらけなのは良いのだが、オチの弱い物が多いので、サプライズはあまり感じる事が出来なかった。これで唸らせる終り方ばかりなら神作品なのだが……。各話については、内容に触れすぎると、読んだ時の面白さが削がれてしまうので控える事にする。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

木洩れ日に泳ぐ魚

木洩れ日に泳ぐ魚木洩れ日に泳ぐ魚
(2007/07)
恩田 陸

商品詳細を見る

一組の男女が迎えた最後の夜。明らかにされなければならない、ある男の死。それはすべて、あの旅から始まった――。運命と記憶、愛と葛藤が絡み合う、恩田陸の新たな世界。


出だしは良くても、また後半はグダグダになって中途半端なまま煙に巻かれるんだろうと思いながら読み始めたのだが、この作者には珍しく、ちゃんと結末まで導いてくれた。

登場人物は引越しを控えた男女二人だけ。今後は別々の人生を歩むという事で、最後の夜を過ごす部屋の中が物語の舞台となり、ほぼ回想シーンで進行するが、実際の時間は夜更けから夜明けまでの間である。

最初に出てくる小道具が一枚の写真で、この男女の他に三人目の中年男性が写っているのだが、すでに故人である。そして、この第三の男を殺したのが相手ではないかと互いに疑い、真実を突き止めようと腹を探り合うのである。

最初は別れる寸前の男女に絡んだ殺人ミステリーなのかと思ったが、一緒に住んではいるけれども、実は恋人同士ではなかった。真実を解き明かそうと記憶を探るうちに明らかとなって行く二人の関係。いつも通りに淡々と物語が進んでは行くけれども、後半ダレる事無く、最後でさらにもう一段階サプライズが用意されていたのが良い感じである。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

朝日のようにさわやかに

朝日のようにさわやかに朝日のようにさわやかに
(2007/03)
恩田 陸

商品詳細を見る

ビールについての冒頭から、天才トランペッターや心太へ話題は移り、最後は子供の頃に抱いていた謎の解明へと至る―。虚実の狭間を、流れる意識のごとく縦横に語る表題作他、ホラー、ミステリ、SF、ショートショート等々、恩田陸のあらゆる魅力がたっぷり詰まった、物語の万華鏡。



恩田陸が描く様々なジャンルの短編詰め合わせ。長編だと後半が雰囲気だけでグダグダになるのだが、短編なのでダレずに終わっているのが良い。長編よりも短編のほうが出来が良いのではないか?

初っ端から、理瀬のパートナーとなるヨハンの腹黒い短編。寂しい子供を連れ去りにくるみどりおとこの話も面白い。短すぎて意味不明(これはページの制約があって背景を語ることが出来なかったためだが)のスプラッターホラーも気味悪くて良い。ちょっとダーク乙一が入った感じのノワール系。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

不連続の世界

不連続の世界不連続の世界
(2008/07)
恩田 陸

商品詳細を見る

『月の裏側』の塚崎多聞、再登場!詩情と旅情あふれる、恩田陸版「怖い話」。


独立した五編なのだが、「月の裏側」の塚崎多聞が出てくる。ところで、塚崎多聞ってどんな人だったっけ? 「月の裏側」を読んだのが結構前だったので、もう印象に残ってない……。というか、あの作品に出ていたのなら、もう別の何かに変えられてしまったりするんじゃ!?

物語には直接絡んで来ないのだが、どことなく都市伝説風な「木守り」男がちょっと不気味だったり、聞いた人が死んでしまうという伝染歌風な話に隠された、真実かどうかは確認出来ない意外な結末など、不思議系の話が多い。内容としてはホラー領域にも入っているけど、怖くは無い。

「幻影キネマ」は、呪いのように思えるが、実際のところは思い込みな訳で。この世に存在する呪いが全て思い込みとは言い切れないけど、大抵の呪いは単に確率の問題だと思う。たとえ当事者にとっては呪い以外の何物でも無いとしても。それにしても、この程度で呪われていたら、この物語に出てくる呪いの持ち主より1万と2000倍は呪われている私の立場はどうなる……。

これ、塚崎多聞だけじゃなくて、「中庭の出来事」や「象と耳鳴り」などの他作品からも、登場人物が脇役で出てきてるみたいだが、「中庭の出来事」はもう忘れたし、「象と耳鳴り」は未読……。

連作短編形式だからか、途中からグダグダにならず、上手く纏っている。こっちのほうが「きのうの世界」よりハイレベルなのでは!? なんで「不連続の世界」を直木賞候補にしなかったのか。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

きのうの世界

きのうの世界きのうの世界
(2008/09/04)
恩田 陸

商品詳細を見る

塔と水路がある町のはずれ、「水無月橋」で見つかった死体。一年前に失踪したはずの男は、なぜここで殺されたのか?誰も予想できない結末が待っている!!恩田陸が紡ぐ、静かで驚きに満ちた世界。


第140回直木賞候補作。

またしても、重量級! このページ数だと躊躇してしまう。

ある町にある水無月橋で殺された男の謎に迫る! しかし、最初のほうから中盤にかけて、ところどころに「あなたは……しました」形式の二人称部分があるので、非常に読みづらい。これがあるために、物語の中に入っていく事が出来ずに苦戦した。

視点も、町に住む様々な人物に切り替わって行くので疲れる。一体、誰を軸として物語を読み進めば良いのやら……。真相に迫るにつれて、ミステリーとはかけ離れて行き、トンデモな結末へ。キャッチに「誰も予想できない結末が待っている!!」なんて書かれているが、こんなトンデモ展開、宇宙からの電波を受信している人以外は予想出来ないし、する必要も無いです。

とりあえず、ミステリーだと思って読み始めた人は、最後で地団駄踏んで憤りたくなる事だろう。ファンタジーか何かだと思って読むにしても、恩田陸らしく、毎度の後半グダグダな展開だし……。これはもう、通常の三倍は恩田陸ファン専用だね(笑)。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

puzzle

puzzle (祥伝社文庫)puzzle (祥伝社文庫)
(2000/10)
恩田 陸

商品詳細を見る

学校の体育館で発見された餓死死体。高層アパートの屋上には、墜落したとしか思えない全身打撲死体。映画館の座席に腰掛けていた感電死体―コンクリートの堤防に囲まれた無機質な廃墟の島で見つかった、奇妙な遺体たち。しかも、死亡時刻も限りなく近い。偶然による事故なのか、殺人か?この謎に挑む二人の検事の、息詰まる攻防を描く驚愕のミステリー。


廃墟となった島で発見された三つの死体。体育館裏からは餓死死体が、高層アパートの屋上には、墜落したとしか思えない全身打撲死体、映画館の座席には感電死体。あり得ないような状況の死体は、死亡時刻も限りなく近い。果たして、これは事故か、事件か!?

ページ数と文字数が少ないので、軽く読める。この奇妙な事件を調べるため、二人の男が廃墟となった無人島に上陸する。状況証拠から、片方の男が推測するのだが、確定には至らず。

最後はグダグダにならず、ちゃんと解決編があったのは良かったが、あり得なさ過ぎるご都合主義だった。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

中庭の出来事

中庭の出来事中庭の出来事
(2006/11/29)
恩田 陸

商品詳細を見る

瀟洒なホテルの中庭。こぢんまりとしたパーティの席上で、気鋭の脚本家が不可解な死を遂げた。周りにいたのは、次の芝居のヒロイン候補たち。自殺? それとも他殺? 芝居とミステリが融合した、謎が謎を呼ぶ物語のロンド。


最近の恩田陸は演劇に凝っているのか? 『チョコレートコスモス』もそうだったが、今回も演劇だった。殺人なのか単なる自殺なのか、よくわからない事件が起こるのだが、次第にそれが現実なのか脚本通りに演じられている虚構なのか判らなくなってきて、最後は……。

話の骨格を複雑にしていくのは程々にして、もっと内容自体を面白くしてくれたらいいのにな。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

猫と針

猫と針猫と針
(2008/02)
恩田 陸

商品詳細を見る

友人の葬式の帰り、久々に学生時代の仲間が集まった。噂によれば、仲間たちはみな、何らかの個人的事情を抱えているらしい。一見なごやかな宴だが、それぞれが諸事情で少しずつ席を外す間、残った人間は様々に憶測を巡らし、不在の人物について語り合う。やがて漂う不穏な空気―。噂はどこまで本当なのか?そして、この集まりの本当の意図とは?恩田陸“初戯曲”ついに書籍化。閉鎖空間で展開する、心理サスペンス会話劇。創作の舞台裏を綴った長文エッセイ、「『猫と針』日記」も書き下ろしで収録。


猫も針も関係ないような気がする、恩田陸の戯曲。実際に芝居を見たら面白いのかもしれないけれども、文章だけだといまいち乗り切れない。戯曲だと、どうしても本谷有希子と比較してしまう。やはり、本谷有希子のほうが面白い。

やはり、小説家が書くと小説っぽい戯曲に纏ってしまうのだろうか? もう少し、内容も登場人物も大げさに描いて良いと思うのだが。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

Q&A

Q&AQ&A
(2007/04)
恩田 陸

商品詳細を見る

2002年2月11日午後2時過ぎ、都内郊外の大型商業施設において重大死傷事故発生。死者69名、負傷者116名。未だ事故原因を特定できず―。質問と答え(Q&A)だけで物語が進行する、リアルでシリアスなドラマ。謎が謎を呼ぶ“恩田陸ワールド”の真骨頂。


様々な組み合わせの人物による質疑応答で、ある事件の真相に迫るという手法。Q(質問)は地の文で、A(回答)は会話文という構成になっている。

恩田陸は、物語の意外性とか天才的な文章ではなく、こういった独創的な文章構成自体のヒネリ具合で勝負している作品が多いような気がする。なるほど、こんな使い方もあったかと思わせる。

あるショッピングセンターで事件が起こり、たくさんの人が亡くなるのだが、その原因が不明の為、聞き取り調査をするという内容。ラストで事件の真相を匂わせる部分はあるのだけど、いかにも恩田陸らしい淡々とした終わり方。毎度の事ながら、盛り上がりも盛り下がりも無く、といった感じだ。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

ネクロポリス

ネクロポリス 上ネクロポリス 上
(2005/10/13)
恩田 陸

商品詳細を見る

死者が現われる土地――V.ファーで起こる連続殺人、そして「ヒガン」という不可思議な儀式。東洋と西洋、過去と現在、生と死、あらゆる境界線が揺らぐ世界観を、いまだかつてないスケールで描き、ミステリーとファンタジーの融合を果たした恩田陸の最高傑作! 本屋大賞&吉川英治新人文学賞W受賞『夜のピクニック』、直木賞候補作『ユージニア』につづき、さらなる新境地に挑んだ渾身の1600枚!


死者が蘇るアナザー・ヒルと呼ばれる聖地を舞台に超常現象が起こり、殺人事件も発生する。題名はホラーっぽくて良いのだが、内容的にはキング作品みたいに死者が復活して恐ろしい事が起こったりもしない。殺人事件が起こってもトリックが明らかにされて真犯人逮捕に至らないし、淡々としたままである。上巻の終わりは上手いとこで切っているけどね。ここで途切れたら気になって下巻も読んでしまうだろう。


ネクロポリス 下ネクロポリス 下
(2005/10/13)
恩田 陸

商品詳細を見る

『お客さん』は、何処から来て、何処に往くのか?あらゆる可能性が検証されるなか、アナザー・ヒルが変質しはじめる。証言する死者たち、地下への冒険、そして、ヒガンの行方は―めまぐるしく展開するエンターテインメントの新しい神髄。


変容していくアナザー・ヒル。何が起こっているのか明らかにされないまま、次々に起こる事件や超常現象。全体としての雰囲気は非常に良いのだが、やはり恩田陸。腰砕けで何それ? なラストが待っている。

恩田陸って、淡々とした作品ばかりなんだよな。最初から最後まで同じでメリハリが無い。川の下流域を流れる水の如く、ゆるゆると話が流れて気がつけば終わっている。もっと激流でハラハラドキドキさせて欲しい。まぁ、この一本調子な語りでファンを掴んでいるのかもしれないが。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

土曜日は灰色の馬

土曜日は灰色の馬土曜日は灰色の馬
(2010/08/07)
恩田 陸

商品詳細を見る

ホラー、SF、ミステリーなど、さまざまなジャンルの物語を書き分け、多くの読者を魅了し続ける小説家・恩田陸さん。汲めども尽きぬ物語の源泉はいったいどこにあるのでしょうか!? ブラッドベリにビートルズ、松本清張や三島由紀夫まで、恩田さんが大好きな本・映画・マンガなどを大胆奔放に語る、ヴァラエティに富んだエッセイ集。


なんか出だしが面白くないと思ったら、小説じゃなくてエッセイだった(汗)。題名が「土曜日は灰色の馬」だから、きっと理瀬とかが出てくるシリーズっぽい連なりの最新作だとばかり思っていたのだが。

小説だけじゃなくて、コミック、映画など、様々なジャンルの作品を語っているので、きっとそういう系統のモノを観たり読んだりしていたら楽しいのだろう。残念ながら、恩田陸が熱く語る作品を、あまり観たり読んだりしておらず、しかも趣味や興味の方向が異なる物がかなり多いので、いまいち楽しむ事が出来なかった。コミックなんて、世代が違うから読んでないし。60年代生まれの女性が読んだら楽しめるのではなかろうか。

初めて読むのに、読んだ事のある内容が混じっていて、なにこのデジャヴュは? と、一瞬焦ったのだが、これは他のエッセイと内容が被っているからであった。新しいエッセイなのだから、一部分であっても同じ事は書かずに、新しい内容にして欲しいなぁ。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

小説以外

小説以外 (新潮文庫)小説以外 (新潮文庫)
(2008/05/28)
恩田 陸

商品詳細を見る

本好きが嵩じて作家となった著者は、これまでどのような作品を愛読してきたのか?ミステリー、ファンタジー、ホラー、SF、少女漫画、日本文学…あらゆるジャンルを越境する著者の秘密に迫る。さらに偏愛する料理、食べ物、映画、音楽にまつわる話、転校が多かった少女時代の思い出などデビューから14年間の全エッセイを収録。本に愛され、本を愛する作家の世界を一望する解体全書。


あちこちで書かれた14年分のエッセイなので、内容に纏まりが無いのは仕方が無い。かなり初期の頃に書かれたものが結構あるので、ただのエッセイではなくて恩田陸歴史といった感じのものになっており、一気に14年分読むと面白い。

自分の小説に関する裏話も結構あって、「夜のピクニック」は通っていた学校のイベントが題材になっているようだ。修学旅行が無く、代わりに夜中に歩き続けるだけのイベントって……、そんな嫌な学校が本当にあるとは(笑)。

お気に入りの小説を紹介しているエッセイも多く、読みたい本がさらに増えて困った。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

訪問者

訪問者訪問者
(2009/05/14)
恩田 陸

商品詳細を見る

山中にひっそりとたたずむ古い洋館―。三年前、近くの湖で不審死を遂げた実業家朝霞千沙子が建てたその館に、朝霞家の一族が集まっていた。千沙子に育てられた映画監督峠昌彦が急死したためであった。晩餐の席で昌彦の遺言が公開される。「父親が名乗り出たら、著作権継承者とする」孤児だったはずの昌彦の実父がこの中にいる?一同に疑惑が芽生える中、闇を切り裂く悲鳴が!冬雷の鳴る屋外で見知らぬ男の死体が発見される。数日前、館には「訪問者に気を付けろ」という不気味な警告文が届いていた…。果たして「訪問者」とは誰か?千沙子と昌彦の死の謎とは?そして、長く不安な一夜が始まるが、その時、来客を告げるベルが鳴った―。嵐に閉ざされた山荘を舞台に、至高のストーリー・テラーが贈る傑作ミステリー。


事故死した若き映画監督に関する取材という名目で、朝霞家の一族が住む古い洋館を訪れた男。だが、男は取材に来た雑誌記者などではなく、映画監督峠昌彦の遺言を持ってきた弁護士であると判明する。

不審な死を遂げた実業家と、その後に事故死した映画監督。実は事故ではなく事件だったのではないかという疑惑が生じる中、この世にいないはずの実業家、朝霞千沙子らしき人物が洋館の外にいるのを一同が目撃してしまう。

監督の弁護士、DVから逃げてきた女性、二階から押し入ろうとしたDV夫の死体、そして、幽霊を演じた役者。物語が進むにつれ、館への訪問者が増え、人間関係が複雑に絡み合って行く。

面白くなりそうなまま、物語は淡々と進むのだが、戯曲を手掛けた事で悪い癖でもついたのか、現実感が乏しく劇でも見ているかのような展開。そして、予想した通り、正解が得られないまま煙に巻かれて物語は終わりを迎える。

結局、事件なのか事故なのか、何かが仕組まれていたのか偶然なのか、様々な部分が曖昧なままで物語から放り出される。終盤に奇想天外なトリックや謎解きがあれば、上質のミステリーになるところ、いつも通りの何が何だかハッキリしない結末だからなぁ。

後半で失速してグダグダになっていないのは良かったけど、ラストにインパクトのある捻りを入れるようにしないと、いつまで経っても直木賞に届かないと思う。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

ブラザー・サン シスター・ムーン

ブラザー・サン シスター・ムーンブラザー・サン シスター・ムーン
(2009/01/23)
恩田 陸

商品詳細を見る

ねえ、覚えてる? 空から蛇が落ちてきたあの夏の日のことを――本と映画と音楽……それさえあれば幸せだった奇蹟のような時間。『夜のピクニック』から4年、恩田陸が贈る、青春小説の新たなスタンダードナンバー誕生!


「夜のピクニックから4年。青春小説の新たなスタンダードナンバー」というキャッチに期待したら、かつて青春時代を謳歌した人々の回想としてしか青春は無い。すでに社会に出ている人の視点から回顧しているだけじゃないか。夜のピクニックとは全然違う!

大して苦労もせずに大学へ入り、その後もバブルの波に乗って、日本社会の美味しいところばかりを消費した当たりクジ世代の物語。その後も、小説家になったり、一流大企業から映画監督に転進したりと、順風満帆人生ばかりで、とてもご都合主義的。しかし、単に願望が入ったフィクションではなくて、こういう世代が本当にいたのだから嫌になってくる。そういえば、この作者も美味しい世代に含まれているよなぁ。

……こいつらが日本の美味しいところばかり喰らい尽くしたから、その後のやつが受験地獄、バブルの波に乗ろうとしたら自分の番が来る前に波どころか水まで無くなって焦土状態で、ひたすらババクジばかり引かされてるんじゃないか! 不公平すぎる! リストラされて一度くらい地獄見ろよ畜生め!!!!1

なんしか、人生の谷を経験していない幸福世代が主人公だから、どす黒い感情しか湧いてこなかった。夜のピクニックと同じジャンルみたいにキャッチつけているのも納得が行かないし。まあ、グダグダ感がないだけ良かったか。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

劫尽童女

劫尽童女 (光文社文庫)劫尽童女 (光文社文庫)
(2005/04/12)
恩田 陸

商品詳細を見る

この世のものならぬ真実。我々の持ち得ぬ叡知。…この少女は人間なのか? いま最も注目される作家が拓く新境地。季刊『ジャーロ』連載に加筆修正しまとめる。


恩田陸作品の多くは、後半になると物語が失速してしまい、ファンタジーっぽい何かグダグダなものだったり、SFっぽい何かグダグダなものだったり、ミステリーっぽい何かグダグダなものだったりするのだけど、これは最後まで緊張感が途切れずラストまで行き着いたのが良かった。なんだ、ちゃんと起承転結がある作品も書けるんじゃないか。

秘密の研究をしているらしきZOOと呼ばれる謎の組織と、組織を裏切った天才博士親子の戦い。博士の子は自らが操作されて特殊能力を持っており、普通の人類とは全く異なる事から、常に孤独感に苛まれる。超能力者の絶望と孤独はありがちなシチュエーションだけど、主人公が魅力的。そして、恩田陸なのに後半戦で煙に巻かず終わったので満足。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

月の裏側

月の裏側 (幻冬舎文庫)月の裏側 (幻冬舎文庫)
(2002/08)
恩田 陸

商品詳細を見る

九州の水郷都市で、一年に三件の老女失踪事件が起こった。彼女たちは失踪中の記憶を喪失したまま、じきにひょっこり戻ってきた。事件に興味を持った元大学教授とその娘、それに教え子は、「人間もどき」の存在に気づいた。


ジャック・フィニィのパクリですな。

雰囲気だけの恩田陸には珍しく、プロローグだけでなく本編がある。いつものように、さあこれから物語が始まりそうだぞ! というところで終わってしまい、呆然とする事は無い。しかし、結末が薄いから、起承転だけで終わっているような気分になり、不完全燃焼気味なのはいつもと同じ。

内容は、ジャック・フィニィの『盗まれた町』から毒を全部抜いてしまった感じである。ある町で、何か得体の知れないモノが、徐々に人間と入れ替わってしまうのだが、入れ替わった人間ですら、あまりそれを自覚していない。記憶までコピーされた別のモノが自分になっているのか、別のモノに変えられただけで従来通りの自分なのか謎のまま。実際に入れ替わる場面が出てこないし、何がどういう目的で人間を入れ替えていくのかが明かされないのが、かえって不気味だ。

ここでハリウッド映画なら、入れ替わる途中のモノを倒して人類を守るのだけど、このお話の登場人物は入れ替わりの過程を撮影したり観察したり記録したりするだけ。そのうち自分たちも入れ替わったほうが楽なんじゃないかと思い始めたりして……。本当は、オリジナルはどこかで処分されて偽者が戻ってくるのかもしれないのに、安易すぎだぞ!

題名が「月の裏側」だから、地球から見えない場所にエイリアン基地でもあるのかと思ったけど、月は話の内容に99%関係無かった。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

夏の名残りの薔薇

夏の名残りの薔薇 (文春文庫 お 42-2)夏の名残りの薔薇 (文春文庫 お 42-2)
(2008/03/07)
恩田 陸

商品詳細を見る

山奥のクラシックなホテルで、毎秋開かれる豪華なパーティ。その年、不吉な前兆とともに、次々と変死事件が起こった。果たして犯人は…。巧妙な仕掛けで読者に挑戦する渾身の一作。


恩田陸が推理物に挑戦したのかと思いきや……。うーん、これもまた雰囲気だけで、よろしくない。技巧に凝りすぎで内容を捉えづらいし、三姉妹(とはいってもオバサンなので、ちっとも萌えないぞ)のウソ話が延々と展開されていき、事実なのか虚構なのか判らなくなってくる。

それがラストへ向けての大掛かりな伏線となっていくのだが、300ページも淡々としたまま続くから、読んでいて苦痛すら感じた。つまり、その300ページまではつまらない。最後だけ面白くなりかけたところで終わってしまう。なんだか、全然発進しないジェットコースターに乗せられて、最初の上り坂で降ろされてしまったような気分だ。

個人的には『ロミオとロミオは永遠に』に次いで面白くない。まだ全作品コンプリート出来てないけど、おそらく下から2番目。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ