島本理生

攻略対象書籍は以下。


シルエット』★★★☆
リトル・バイ・リトル』★★☆
生まれる森』★★☆
ナラタージュ』★★★
一千一秒の日々』★★★☆
大きな熊が来る前に、おやすみ。』★★★☆
あなたの呼吸が止まるまで』★★★☆
クローバー』★★★☆
波打ち際の蛍』★★★☆
君が降る日』★★★☆
『真綿荘の住人たち』
あられもない祈り』★★
アンダスタンド・メイビー』★★★☆
『七緒のために』
よだかの片想い』★★★☆
『週末は彼女たちのもの』

エッセイ
『CHICAライフ』
『B級恋愛グルメのすすめ』



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よだかの片想い

よだかの片想いよだかの片想い
(2013/04/26)
島本 理生

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左の目から頬にかけてアザがある理系女子大生の前田アイコ。幼い頃から、からかいや畏怖の対象にされ、恋や遊びはあきらめていた。大学院でも研究一筋の生活を送っていたが、「顔にアザや怪我を負った人」のルポルタージュ本の取材を受けて話題となってから、状況は一変。本が映画化されることになり、監督の飛坂逢太と対談企画で出会う。話をするうちに彼の人柄に惹かれ、作品にも感動するアイコ。飛坂への片想いを自覚してから、不器用に距離を縮めてゆくが、相手は仕事が第一で、女性にも不自由しないタイプ。アイコは飛坂への思いを募らせながら、自分のコンプレックスとも正面から向き合うことになる…。遅い「初恋」を通して成長する女性の内面を瑞々しく描いた意欲作!


顔の左側に大きなアザがある事がコンプレックスとなっていたアイコ。普通の女の子のような恋や遊びは諦め、研究一筋の生活を送っていたところ、友人から「顔にアザや怪我を負った人」のルポルタージュ本の取材を依頼される。本の表紙となり、映画化まで話が進んで映画監督、飛坂逢太と出会った事で、人生が変わっていく。

今回も、もっさり系主人公だったが、コンプレックスに打ち勝ち、一歩前進するのが良かった。トゥルーエンドにはならないが、経験が人生の糧となるのなら良いのではないだろうか。顔にハンディがあったら男でも大変なのに、外見が男以上に重視される女だと堪らんだろうな。


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アンダスタンド・メイビー

アンダスタンド・メイビー〈上〉アンダスタンド・メイビー〈上〉
(2010/12)
島本 理生

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アンダスタンド・メイビー〈下〉アンダスタンド・メイビー〈下〉
(2010/12)
島本 理生

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第145回直木賞候補作。


島本理生作品の中では力作かもしれないが、憂鬱な展開ばかりで非常に疲れた。

母子家庭で母親と上手く関係が築けないでいる少女は、偶々見かけた写真集に心惹かれて写真家に手紙を送り、弟子を志すのだが、最初はただの憧れ程度。

転校して来た少年に接近し、仲良くなるも、自分の衝撃的な過去を写された写真が送られて来て家出、声をかけてきた男に襲われかけて彼氏と破局。高校では仲良くなったはずの不良娘が掌を返して孤立、新たに出会ったイケメン彼氏はバカでロクデナシだし、上手い事言って言い寄ってくる次の男は人間のクズだし、お約束のように強姦発生。何でこの作家はいつもレイプ事件を入れてくるの? そういうの好きなわけ?

学校に行けなくなって退学し、憧れの写真家のところへ逃げ込んでアシスタントに。人生上向きになるのかと思いきや、最初の男とヨリを戻すも散々振り回して困ったちゃん状態だし、だんだん頭おかしくなってきてメンヘルさんになるし、母親はカルト絡みで無茶苦茶だし、消息の分かった父もある意味犯罪者だし。なんなんだこの鬱だらけの展開は……。

人生戦い続けてひらすら負けまくって逃亡状態。自分で勝手に悪いほうに進んだ挙句、周囲の人間にまで迷惑かけまくりの面倒くさい主人公に辟易した。


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あられもない祈り

あられもない祈りあられもない祈り
(2010/05/13)
島本 理生

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〈あなた〉と〈私〉……名前すら必要としない二人の、密室のような恋――山本文緒・行定勲・西加奈子・青山七恵さん絶賛の至上の恋愛小説。読売新聞、毎日新聞でも話題になった島本理生の新境地!


これ、評価低いと思ったら、文章力は上がっているのだけど、反比例するかのように物語としての面白さが下がっている。もっさり感のある面倒くさそうな女が主人公で、喪女みたいな性格なのに、何故か実業家に言い寄られ、別に同棲中のキレちゃう男もいるという設定がウソ臭い。もっさりな性格でも、超美女とかなら有り得るけど、文章からは美人成分が読み取れない。

淡々としたままで、物語は起伏に乏しいし、恋愛を始める事すらしない、煮え切らないもっさり主人公のグダグダ感は、読んでいて、ただイライラするばかり。二人の関係は進展せず、ダラダラとラストまで。

人間関係を構築する努力、或いは断ち切る努力、その双方を全く行わず、二人もキープしておいてリア充人生まっしぐらだろうに、喪女風のままでリストカットを行うような主人公には全く賛同もシンクロも出来ず、辟易した。様々な努力をしてなお、運や才能や縁やタイミングに見放され、呪われた人生送る奴もいるというのに、この女ときたら……。

もっさり主人公は金太郎飴的に定番だけど、今までの島本作品の中で、一番ダメキャラっぽくて萎えた。全米が萎えた!


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君が降る日

君が降る日君が降る日
(2009/03)
島本 理生

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恋人・降一を事故で亡くした志保。彼の母親が営む店を手伝う彼女の前に現れたのは、その事故の原因をつくった五十嵐だった。彼の存在を受け入れられない志保だったが、同じ悲しみを抱える者同士、少しずつ二人の距離が近づいていく…。「君が降る日」他、二編収録。


表題作は、事故で恋人を亡くしたのに、運転していた男との距離が近づいて行くという、やるせない物語。忘れようとしてコンパで知り合った男とも親しくなるが、ハッピーエンドには至らない。それにしても、コンパ男だけでなく事故原因男とも寝てしまうというのが納得出来ない。

えっちしても いいじゃない にんげんだもの
こうですか? 私には分かりません。

「冬の動物園」は、長年付き合ってた男にアッサリ振られて傷心の女性が、英会話教室で年下の高校生に声をかけられ親しくなっていく話なので、まだ救いがある。浮気性女も困るけど、ダメっぽい男相手に入れ込んで、なかなか次に行けない喪女というのも難儀だよなぁ。

「野ばら」は、親しくなった異性の同級生相手に、友達以上の感情を持てず、ズルズルと友人関係になってしまう二人の青臭くて苦い物語。友人兄に惹かれるも、横から妹にかっ攫われて、告白以前に敗退。全く脈無し状態で、友人も生殺し状態で別れる事さえ叶わない可哀想な事に。自覚症状が無くて男を翻弄する女は厄介だよなぁ。

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波打ち際の蛍

波打ち際の蛍波打ち際の蛍
(2008/07/31)
島本 理生

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川本麻由はかつての恋人によるDVで心に傷を負い、生きることに臆病になっていた。ある日通院先で植村蛍に出会い、次第に惹かれてゆくが…どこまでも不器用で痛く、眼が眩むほどスイートな恋愛小説!!


普通の恋愛小説じゃなくて、主人公となる女性がメンヘルさんだったのが、かなり痛い。しかし、元から精神異常だったり電波さんだったりしたのではなく、過去付き合った男のDV攻撃によって壊れてしまったという外的要因となっているので、それほど本人に責任がある訳でもないだろう。

しかし、痛いシーンが出てくる訳でもなく、本人が隠したがっている事もあって、過去の出来事はほとんど語られない。新たに出会った男性を上手く関係が作れない状態で苦悩する姿が描かれるのだが、淡々としたままで楽しい物語ではなかった。

この作者は痛い要素を入れたがるのだが、実体験が無いからか、その部分が非常に薄口になってしまうのが毎度のパターン。中途半端なのはいけない。無難に抑えるか、徹底的に人の醜悪な部分を抉り出さないと……。

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シルエット

シルエット (講談社文庫)シルエット (講談社文庫)
(2004/11)
島本 理生

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そっと抱きしめたい。17歳のデビュー作。女性の体に嫌悪感を覚える元恋人の冠(かん)くん。冠くんと別れ、半ばやけでつき合った遊び人の藤井。今の恋人、大学生のせっちゃん…人を強く求めることのよろこびと苦しさを、女子高生の内面から鮮やかに描く群像新人賞優秀作の表題作と15歳のデビュー作他1篇を収録する、せつなくていとおしい、等身大の恋愛小説。


ようやく島本理生もコンプリート。これが一作目になるのだが、図書館に蔵書していないので最後になってしまった。読んだのは文庫版。シルエットより後の「リトル・バイ・リトル」や「生まれる森」よりも出来が良いと思ったら、文庫化される際に修正しているようだ。どの程度修正したのは分からないが、もし執筆当時からこのレベルならば驚きである。

女子高生(当時)が書いたにしては、かなり高水準になっている。基本的な文章作法すら備わっていない作家志望中高生が書くネット小説と比べたら、その隔たりは月とスッポンである。小ネタに文学作品も使用されているし、きっと、数多くの文学に触れてきたに違いない。

オーソドックスとか安易だとか言われてしまう様に、ごく平凡な日常を描いた作品が多いので、一見地味だけど、こういう地に足がついた作家こそ芥川賞に選んでいくべきじゃないのだろうか。最近の選考委員は派手だったり奇をてらったゲテモノばかり選びたがるからなぁ。困ったものだ。

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クローバー

クローバークローバー
(2007/11)
島本 理生

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世界はうつろい、大切なものさえ変わってゆく??それでも一緒にいたいよ。ワガママで思いこみが激しい、女子力全開の華子。双子の弟で、やや人生不完全燃焼気味の理科系男子冬冶。ふたりの恋と未来は???キュートで痛快、やがてせつない恋愛長編。


さらに上達したと思う。性別の違う双子が主要人物。当初は女の方を主役にする予定だったのが、絡む男が最初の方で固定されてしまった為に、男のほうが主役となってしまったらしい。

今風で自由奔放でかなりわがままな姉の華子。華子に振り回される感じの、人生不完全燃焼男な弟の冬冶。この二人周囲の人間に絡む形での恋愛模様。あとがきで書かれているように、恋愛小説でも青春小説でもなく、モラトリアム小説というのが妥当か。ちょっとモテナイ系のオーラが無くなり洗練されてきた。

エロ小説やオナニー散文に受賞させているのだから、そろそろ島本理生にも芥川賞をあげて良いのではないのか!? 青山七恵より上手いだろ? 何で青山が受賞しているのに、島本は貰えないのか謎。今回なんて、ノミネートすらされてないし……。

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あなたの呼吸が止まるまで

あなたの呼吸が止まるまであなたの呼吸が止まるまで
(2007/08)
島本 理生

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十二歳の野宮朔は、舞踏家の父と二人暮らし。夢は、物語を書く人になること。一風変わった父の仲間たちとふれ合い、けっこう面倒な学校生活を切り抜けながら、一歩一歩、大人に近づいていく。そんな彼女を襲った、突然の暴力。そして少女が最後に選んだ、たった一つの復讐のかたち――。『ナラタージュ』から二年、新たな物語の扉が開く。


帯のキャッチの中に『一歩、一歩、大人に近づいていく彼女を襲った、突然の暴力』というのがあったから、また「ナラタージュ」みたいになるのかと一瞬怯んだ。

まあ、それらしい事は起こるけど、「ナラタージュ」程の無理やりっぽさは無い。その行為自体を肯定するつもりは無いけれども、問答無用で手加減無しでは無い分、まだ救いはある。それにしても、別にコレは無くても少女の内面は描けたのでは?

父子家庭で育つ、ちょっとファザコン気味の大人びた小学生が主人公。こんな大人っぽい小学生っているのだろうか? 主人公だけなら例外で済まされるけど、友人も言動が異様に大人びているしなぁ。最近のお子様はゆとり教育の弊害で、もっともっとガキな気がするぞ。学校教師すらガキだらけになっているのに、小学生がここまで大人風味だと、ちょっと不気味である。

エピソードはともかく、今までで一番上手かった。力作扱いの「ナラタージュ」よりも進化したと思う。

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一千一秒の日々

一千一秒の日々一千一秒の日々
(2005/06/16)
島本 理生

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最新作「ナラタージュ」は各方面で絶賛され、好評である。若い読者を中心に確実に売れる作家になった島本理生の小説集。「ウフ」連載の短編6編に「ダヴィンチ」に掲載された1編を加える。大学生の男女を主人公にした連作は、みずみずしい青春小説であり、ちょっと苦い恋愛小説でもある。


短編集だけど、独立した別個の物語ではなく、他の話に出てきた主人公が脇役として絡んでくる連作短編。それにしても、島本理生の作品はどれも、人間の薄汚れた部分を書き流してしまうので、さほど不快感は抱かずに済むものの、心に響いて来ないアッサリ風味。

構成は結構面白かったけど、もう恋愛小説自体には何の反応も出来なくなって来た全私が泣いた! こういう作品にシンクロ出来る現役世代を見ると、「これが、若さか……」と、カミーユに殴られたクワトロ・バジーナ大尉みたいに涙を流したくなって来る。いや、本当に羨ましいです。人生の春なんてアッと言う間に過ぎてしまいます。枯れ果ててから「短けぇ夢だったなぁ……」と、融解した巨神兵を見ながら嘆いたトルメキア軍所属の貧乏軍人クロトワみたいな溜息つかなくても済む様に、せいぜい人生を謳歌して下さいまし。

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大きな熊が来る前に、おやすみ。

大きな熊が来る前に、おやすみ。大きな熊が来る前に、おやすみ。
(2007/03)
島本 理生

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徹平と暮らし始めて、もうすぐ半年になる。だけど手放しで幸せ、という気分ではあまりなくて、転覆するかも知れない船に乗って、岸から離れようとしている、そんな気持ちがまとわりついていた――。新しい恋を始めた3人の女性を主人公に、人を好きになること、誰かと暮らすことの、危うさと幸福感を、みずみずしく描き上げる感動の小説集。書き下ろし1編を併録。


第135回芥川賞候補作。

随分上手くなってきた。とは言っても、初期の二作しか読んではいないけれども。もしこれを高校生くらいで書いてデビュー作だったら、話題性で芥川賞取れたかもしれないのに。惜しい。他の若手と少し違うと思ったら、島本理生は群像新人文学賞受賞組なんだな。道理で文藝賞の奴らとは毛並みが違うわけだ。ちなみに、群像新人文学賞は村上春樹、村上龍も受賞している由緒正しき? 賞なので、やはり有象無象の新人賞とは違うのでしょう。とはいっても、最近は妙なのも受賞してますが……。

表題作は、今は無き父が未だにトラウマとなっている女性の話。悪い子は大きな熊が来て食べられてしまうと聞かされ、逆に熊が来て父親ごと自分を食べてしまう事を望んだままに、大人になってしまった不安定な女性の心情を描く。もう少し抉り込んだら芥川賞に届いたかも知れないのに、惜しい。でもこの回って伊藤たかみが受賞してるんだよな。その次は青山七恵だし、その程度なら島本理生にもダブル受賞であげてしまって良かったんじゃないのか? どうせイロモノなんだし(笑)。というか、今からでも太宰にあげろよ! もう本人いないけどさ。なんで太宰が貰えないものを、伊藤とか青山が貰っているんだ!?

「クロコダイルの午睡」は、色気の無い女と、彼女がいるクセに上手い手料理が食いたくて通ってくる男の微妙な関係を描いた作品。苦労しているとは言え、せっかく女に生まれておいて、それを武器として使わないのは頂けません。一説によれば、女は結婚するまでに男が費やしてくれるお金が一千万円くらい差が出てしまうらしいからな。武器にしないと損だ。

「猫と君のとなり」は、個人的には一番好き。猫が出てくるからか!? モテナイ女が酔っぱらった学生時代の後輩を介抱して、翌日告白される話。なんか、島本理生の小説にはモテナイ女がたくさん出てくるな。地味だけど背伸びしない日常視線でいいと思う。エンタとしては物足りないから、賞を目指すならもっと金原とか綿矢みたいにあざとくやったほうが良いだろうけど。

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ナラタージュ

ナラタージュ (角川文庫 し 36-1)ナラタージュ (角川文庫 し 36-1)
(2008/02)
島本 理生

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壊れるまでに張りつめた気持ち。ごまかすことも、そらすこともできない―二十歳の恋。これからもずっと同じ痛みを繰り返し、その苦しさと引き換えに帰ることができるのだろう。あの薄暗かった雨の廊下に。野間文芸新人賞を最年少で受賞した若手実力派による初の書き下ろし長編。


島本理生の中でも一段評価が高い「ナラタージュ」、さすが噂通りに力作だった。途中まで普通の恋愛小説なので、ちょっと読み流し気味で飛ばしてしまったのだが、後半は良かった。痛ましい事件も起こるので、やるせない感じが最後まで付きまとうのは疲れるが……。

安易に相思相愛ハッピーエンド型でもなく、お涙頂戴の悲愛型でもなく、煮え切らない主人公がダラダラとどっちつかずのままなのが、いかにも純文学。読み手に恋愛小説を楽しむ感性が欠如しているので、このダラダラ感は本当に疲れた。

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生まれる森

生まれる森 (講談社文庫 し 75-3)生まれる森 (講談社文庫 し 75-3)
(2007/05/15)
島本 理生

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恋人に別れを告げられた痛手から、自棄になっていた主人公の「わたし」。友だちの部屋を借り、期間限定の独り暮らしを始めたが、いつまでも失恋の記憶は拭えないままだった。そんな主人公に新たな風を送ってくれたのは、高校時代の同級生キクちゃんと、キクちゃんの家族だった。ガテン系の父、中学生の弟、そして主人公の悲しみを知ったうえでそれを受け止めてくれる兄の雪生。本当の家族のように親しくしてくれる一家に見守られ、終わった恋を整理しながら、次第に主人公は癒されていく。


第130回芥川賞候補作。

『リトル・バイ・リトル』より後に書かれているので、ややストーリーの完成度は上がっている。小奇麗にまとまっていて、ドロドロとした人間の葛藤がない。中高生の頃に読めばちょうと良いかもしれない。

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リトル・バイ・リトル

リトル・バイ・リトル (講談社文庫)リトル・バイ・リトル (講談社文庫)
(2006/01)
島本 理生

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高校生作家の芥川賞候補作。少しずつ、少しずつ、歩いていこう。楽しいことも悲しいことも、みんな大切な家族の時間とひらかれてゆく青春の息吹。


第128回芥川賞候補作。

傍から見れば、少しだけ困難な状況に置かれている女の、ごくごく平凡な日常。血沸き肉踊るような冒険譚も、おぞましい事件も起こらない。淡々と話は進み、盛り上がりもなく終わってしまった。あとがきにも、「淡々と流れていく日々を照らす光を書きたかった」と述べられているので、これは良しとしよう。

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