平谷美樹

攻略対象書籍は以下。


エリ・エリ シリーズ
エンデュミオン エンデュミオン』★★★☆
エリ・エリ』★★★★
レスレクティオ』★★★★☆
運河の果て』★★★★
黄金の門』★★★

『ノルンの永い夢』
『君がいる風景』
『スピリチュアル―働かざるモノ喰うべからず』
『約束の地』
『時間よ止まれ』
銀の弦』★★★★
『呪海―聖天神社怪異縁起』
『壺空―聖天神社怪異縁起』
歌詠川物語』★★★★
『歌詠川物語2』
『ヴァンパイア真紅の鏡像』
『精霊のクロニクル』

『百物語―実録怪談集』
『百物語 第二夜 実録怪談集』
『百物語 第三夜 実録怪談集』
『百物語 第四夜 実録怪談集』
『百物語 第五夜 実録怪談集』
『百物語 第六夜 実録怪談集』
『百物語 第七夜 実録怪談集』
『百物語 第八夜 実録怪談集』
『百物語 第九夜 実録怪談集』

『怪談倶楽部 幽魂』
『怪談倶楽部 怨恨』
『怪談倶楽部 廃墟』


平谷美樹と書いて「ひらやよしき」と読む。「ひらたにみき」という女の子が書いているのではないので、読み方注意。最近はSFが低迷しているからか、SFっぽい味付けだけの何か別のモノ、例えばラノベとかが多い気がする。という訳で、雰囲気、或いはふいんき(何故か変換出来ない)だけの少し不思議系ではなく、きちんとサイエンスが入っているハードなSFを書く日本人作家は貴重ですな(・∀・)


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歌詠川物語

歌詠川物語歌詠川物語
(2005/12)
平谷 美樹

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岩手沿岸北部を流れる「歌詠川」には18kmの毛鉤釣り専用区間が設定されている。川を守るリバーキーパーたちのほろ苦いガイドの日々、理想の川造りに残りの人生を懸けた漁協の長老、釣りにのめり込む夫と家族の葛藤、川の小さな命を守るために大人と闘う少年。そして訪れる、大災害の危機―。歌詠川の明日に希望を託した男たちの夢と哀しみを鮮やかに描き切った快作。


釣り好きなあるサラリーマンが、日常に嫌気が差し、辞めるつもりで会社をサボって釣りをするのだが、思い直して会社へ戻る事にする。その男が釣りに行っている事を知り、駆けつけた後輩が代わりに辞めてリバーキーパーになってしまう。

ストレスをガイドに発散する嫌な客が来たり、ある物を護ろうとして釣り人に石を投げる少年が出てきたり、密猟者を捕らえようと張り込んだら意外な姿をした相手が現れたり、歌詠川を舞台に様々な事件が起こる。フライフィッシングに興味が無い人が読んでもそれなりに楽しめる。

初め、同姓同名の別人が書いたのかと思った。普段はSFを書いているのに、何故か釣り小説、しかもつり人社から出ている。どうやら、趣味のために書いた話らしい。専門用語が多いので、釣りをしない人間には辛いものもあるが、知らない言葉は巻末にある用語集で調べられる。読み終えてからその存在に気づいたのは失敗であった。


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黄金の門

黄金の門黄金の門
(2005/02)
平谷 美樹

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終末の日。混沌の聖地(エルサレム)に救世主が現れ、その門は開くという…。「エリ・エリ」「レスレクティオ」でSF的発想を無限に駆使しながら「神とは何か?」を追究し続けてきた著者による3部作の完結篇!


日本を出て放浪する一人の若者が、東南アジアから中近東へ、ついには迷路のようになったエルサレムへ辿り着く。そこで発掘調査の仕事にありつくのだが、ある物を巡って、対立する勢力の抗争に巻き込まれていく。発掘現場で出会う不思議な少年の正体は救世主なのか!? 「エリ・エリ」「レスレクティオ」へと続く入り口にして完結編なのだけど、先の作品に比べて小さく纏まりすぎなのが残念。

著者が一貫して神は不在であるというスタンスを取り続けるのは、個人的には高評価。実際のところ、神が人間を創ったのではなく、人間が神を作ったのだからね。この世に神など存在しない。

仮に世界の外に何かがいたとしても、2000億の恒星系が回転する島宇宙が何千億あるのか数えられない宇宙で、たかだか銀河系の辺境に住んでいる原始的な生命体の生き死になんて、いちいち関っていられないし、信者がゴミのように死んでいく現状を見る限り、存在しないのと同じ。

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銀の弦

銀の弦銀の弦
(2006/04)
平谷 美樹

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渓流釣りに来た片倉は一瞬の目眩ののち、一緒に来たはずの上嶋を見失い、手首の生えた岩を発見する。その手首には上嶋と同じ傷が。そこへ持ち物までそっくりの「もう一人の自分」が現れた!混乱し、現場から逃走する片倉。携帯電話も機能しない。おれはこの世界に適合していないのか!? 片倉に生じたゆがみが次々と広がっていく…。気鋭が描く幻惑の意欲作。


一週間の長期休暇を得て、渓流釣りに出かける主人公。だが、山中で意識を失い、気づくと一緒に来た仲間が岩と融合して死んでいる。直後、自分達のドッペルゲンガーと遭遇。正確には、自分がパラレルワールドに迷い込んだので、向こうが本物であり、自分自身こそが彼のドッペルゲンガーなのだが。

自分がいた世界とほぼ同じでありながら微妙に異なる平行世界で行き場を失った彼は、この世界の自分自身に助けを求めるが攻撃され、反撃しているうちに自らを殺害してしまう。

これ、途中までは非常に良いのだが、後半になると無数に存在する弦世界が崩壊し始め、重なり融合しながら場面が転換しまくるので訳わからなくなってくる。

この作者は、話を大きく広げすぎるのが特徴で、難しくなりすぎでついて行けなくなってくる。次々に変化し続ける世界に放り込まれて行く主人公。正確には、主人公自身が湾曲しつつ、本来は交差する事の無い平行世界を通過しまくる状態なのだが。もう最後のほう、本当に訳がわからないです。脳みそシェイクされまくり。


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レスレクティオ

レスレクティオレスレクティオ
(2002/03)
平谷 美樹

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「憂鬱な神の座」 それは究極の叡智か、それとも…。遥か未来の宇宙で異星文明間の争闘に巻き込まれた一人の男が、果てしなき試練の彼方に見たものとは? 壮大なるSFドラマ。


当時、これを見かけて、何となく表紙のデザインが「ヴィドック」に似ているなぁという訳判らない理由で手にして読んでみた訳ですが、前作以上に凄かった! いろいろな意味において。これは文庫になっていないのか。『エリ・エリ』を読んで続編に進みたい人は困るだろうな。

前作で体を失ったはずの神父は、神に匹敵するイキッスィアの力で再生する。そして別の宇宙で自分探しの巡礼に!? 彼を追ってきたカズミ、そして時々登場する謎の男クレメンタイン。

別の宇宙で神探しや自分探し、或いは恋愛SFといった感じには収まってくれない。やがて、イキッスィアの力を畏怖したウォダが戦争を始める。その戦いは時の終わりまで続き、イキッスィア文明圏とウォダ文明圏の間で銀河を二分する大戦争が繰り返される。新たに勃興した文明はどちらかの陣営に組み込まれ、際限なく戦争が続いていく。

しかし、片方の盟主であるはずのイキッスィアは現れなくなり、彼らに啓蒙された異星人だけが戦闘を継続している。イキッスィアの超兵器かと思われる、銀河を貫くギニルトゥル噴流、その正体は……。実のところ、神の如きイキッスィアは、世界を存続させるために戦争どころじゃなかった訳で。ここまで大風呂敷広げても良いのだろうか。


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運河の果て

運河の果て運河の果て
(2001/06)
平谷 美樹

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29世紀。アニス・ソーヤーは、男女の性の決定を自ら選択するため火星運河へと旅立つが、その途上、原火星文明にかかわる衝撃の事実を知る。広大な宇宙と未来のヴィジョンを通じて生命の無常と文明の儚さを謳い上げる。


読んでから時間が経っているのであやふやなのだが、確かエンデュミオン・エンデュミオンのシリーズと世界は同じだったと思う。テラフォーミングにより緑化した29世紀の火星が舞台となる。

主人公は、モラトリアムの若者。従来の意味ではなくて、性別を決定していない者がモラトリアムと呼ばれる存在となっている。全員がそうなっているのではなく、誕生前に操作されたものだけが、生後に自分の決定で性を選択する機会が与えられるのだが、決定する際、若者は師匠を二人選ぶ事になっている。

外惑星連合の政治家と、火星の考古学者が師匠となるのだが、地球・火星連合と外惑星連合の対立が絡んできて……。


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エリ・エリ

エリ・エリ (ハルキ文庫)エリ・エリ (ハルキ文庫)
(2005/05)
平谷 美樹

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「ホメロス計画」―信仰心を失った人類は、新たなる神を求めて地球外知的生命体との接触を試みていた。それは存続の危機にあった教会にとっても「神の科学的証明」による信仰回復の可能性を秘めていたが、反体勢力による抵抗も進行していた。そんな中、地球外生命体からと思われる大量のニュートリノが観測されたのだが…。人類・神・宇宙の関係に鋭く迫る、第一回小松左京賞受賞の一大SF、待望の文庫化。


第1回小松左京賞受賞作。

思えば、これが平谷美樹との出会いであった。そして、当時は平谷美樹(ひらたにみき)という女性だとばかり思っていて、さらに書名の「エリ・エリ」は、ミサミサとかリサリサとかまりまりとか、女の子の名前を二重にして呼ぶ愛称みたいなものだとばかり(爆)。実は、「エリ エリ レマ サバクタニ!(神よ、神よ、なぜ見捨てたまう!)」だった訳ですが。

それにしても、女みたいな名前の作家多すぎ。長嶋有とか、平谷美樹とか、伊藤たかみとか、藤原伊織とか……。逆に、有川浩とか桜庭一樹は女だしな。男は女っぽく、女は男っぽくPNつけるのが流行りか!?

太陽系に飛来した超大型宇宙船は人類を無視したまま、高速で去って行く。その軌跡を逆に辿る事になる神父(の脳?)。ファースト・コンタクトは完璧に人類が無視されたまま終わってしまうのだが、それは人類が拙すぎて、彼らが求める技術を全く有していなかったからであるが。宇宙船の軌跡を辿って行くと、異星人は別の宇宙から来た事が明らかとなる。別の宇宙から穴開けて何かを探しに来た地球外生命体……。続編はさらに強烈になるのだが、この物語も風呂敷広げすぎだったなぁ。

エンデュミオン・エンデュミオン』と同じく、宗教が絡んでくるが、やはり神は不在。きっと、地球外知性体と遭遇してしまったら、既存の宗教は大打撃を受けてしまうだろう。早く何か来て欲しい。それにより、人類が滅亡する可能性は大だけど。


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エンデュミオンエンデュミオン

エンデュミオンエンデュミオン (ハルキ・ノベルス)エンデュミオンエンデュミオン (ハルキ・ノベルス)
(2000/06)
平谷 美樹

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21世紀初頭、月面や地球上の至る所で怪現象が発生し始めた。月面基地エンデュミオンの設置に参画した宇宙飛行士たちは、その現象をもたらす主が、人知に放逐され、月を最後のよすがとする神々であることを感知する。彼らは米政府の依頼により、神との交わりを自覚する少年ヤンと共に月へ旅立つ。が、それは神々の怒りを深める以外の何ものでもなかった―。神の領域を冒した人類の受ける報いは?月神セレネの嘆き哀しい、本格SFノベル。


角川春樹賞受賞作。

短編はこれ以前にも書いているみたいだけど、この作品が長編デビュー作。本格SFとキャッチついているけれども、集合無意識を素材としている時点で、ちょっと違うんじゃないかと思う。

地球や月面で生じる超常現象。人類が行うのは不可能だと思えるその現象に、人々は異星人の存在を疑うのだが……。地上で繰り返されてきたエンデュミオン殺し。今回も、エンデュミオンだとされる少年ヤンが、神の啓示を受けた狂人に狙われる。ヤンは、何度も現れる月神セレネに逢うため、月へ上がる事を決意する。

この作家は、宗教絡みのSFが多いですな。一貫して神不在のスタンスなのに、この物語はやたらと神が出てくると思っていたら、その正体は……。

この作品が、エリ・エリ・シリーズの最初にあたるらしい。


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