平山瑞穂

攻略対象書籍は以下。

ラス・マンチャス通信』★★★★★
忘れないと誓ったぼくがいた』★★★★★
シュガーな俺』★★★★
冥王星パーティ』★★★☆
株式会社ハピネス計画』★★★
プロトコル』★★★☆
桃の向こう』★★★☆
『魅機ちゃん』
『全世界のデボラ』
『マザー』
『有村ちさとによると世界は』
『偽憶』
『3・15卒業闘争』
『出ヤマト記』
『大人になりきれない』
『僕の心の埋まらない空洞』



デビュー作の『ラス・マンチャス通信』と、せつない系の『忘れないと誓ったぼくがいた』は相当良かったのだが、それ以降の作品が普通になって行く気がして残念だ。またラス・マンチャスっぽいのを書いて欲しいなぁ。



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桃の向こう

桃の向こう桃の向こう
(2008/09/26)
平山 瑞穂

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バブルのはじけた不況の中、みんな自分を探していた。頭でっかちで不器用な来栖と金持ちのぼんぼんの多々良。正反対の二人と奇妙に繋がる煌子。3人が駆け抜けた失われた10年の愛と捻れた友情を描く傑作青春小説!


男子二人に女子一人なので三角関係物なのかと思ったら違った。前半はそれぞれの視点で物語が進むのだが、過去の回想シーンが終わると、真ん中にいたはずの女子は出てこなくなる。

バブル崩壊後の世代なのだが、一人がオーナー会社社長の息子で羽振り良すぎ。女子も雇われだとはいえ、社長令嬢。最後の一人は普通の人だが、受験は一番難しく、バブルが弾けて波にも乗れず、就職難で散々と、全く良い事が無かった世代の悲壮感が全然無いじゃないか。

バブル崩壊後もバブルの寵児継続中みたいな金持ち息子はもちろん、グダグダと頭だけでモノを考えている喪男子も好きになれない。最悪なのは、天然で八方美人になってしまっている女子である。怪しい宗教にのめり込んだりして、意外に頭悪そう。途中から退場してしまうので、どんな目に遭ったのかは不明だが。

一番貧乏な喪男ですら様々な面で恵まれすぎである。これではバブル崩壊後の貧乏クジ世代を使う意味ないじゃん……。


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プロトコル

プロトコルプロトコル
(2008/03/19)
平山 瑞穂

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“運命の人”との間には、互いをつなぐ<プロトコル>がある。「膨大な文字列をひとめで記憶できる」という類い稀な能力を持つ反面、人並みの恋愛には縁遠い、大手ネット通販会社勤務、有村ちさと・26歳。社内の派閥争いに利用され、個人情報漏洩事件に翻弄されながら、彼女が手にいれたものは……? 注目度No.1の俊英が贈る、恋愛小説の進化形!


今回も上手いが、物語自体はあまり盛り上がらない。病気になり、ブラントン将軍とともに諸国を放浪するようになってしまった父を持つ女性が主人公なのだが、若くして社内の派閥争いに巻き込まれる形となってしまう。

上司と敵対する派閥に属する別部署の管理職が、インターネットでアダルトサイトを見まくっていた事を理由に解雇されるのだが、その駄目男は逆恨みして、トラップを仕掛けてくる。

余計な事に巻き込まれまくりなのだが、主人公の妹が最悪である。ここまで酷いと自由奔放とは言えない。いくら血が繋がっていても、こんなキチガイ妹は欲しくない。


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株式会社ハピネス計画

株式会社ハピネス計画株式会社ハピネス計画
(2007/07/31)
平山 瑞穂

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「幸せ」をめぐる怒濤のエンタテインメント。婚約破棄、リストラ…不幸のどん底に落ちたサラリーマン・氏家譲が働くことになったのは「幸せ」を売る会社だった。そして、ある謎めいた女性が譲の運命を動かし始め…。怒濤のノンストップ・エンタテインメント!


うーん、どうしたものか……。不条理で不気味な処女作を書いた平山瑞穂は、二作目で切ない系の恋愛を書いた平山瑞穂は、どこへ行った!? なんかこれ、素材も内容も普通すぎで、肩透かしを喰らった感じである。

読んだら幸せになること間違いなし!
(ジュンク堂書店池袋本店 小海さん)

とかキャッチついてるから、「ペイフォワード」みたいな深遠さが隠されているのかと思ったら、馬鹿を相手にインチキ商法で儲ける悪逆非道な会社じゃないか……。読んで幸せになるよりも、むしろ“辛せ”になりそうだった。ちなみに“辛せ”は誤字脱字変換ミスじゃないからね。最後まで読めば意味が通じると思う。

同僚がたてる音にキレて暴れてしまい、諭旨解雇となった男。直後、恋人にもフラれてしまい駄目人間化しているところを、少年時代の同級生に誘い出され、そいつの二号さんの面倒を見る事に。さらには、株式会社ハピネス計画という胡散臭い会社で働く羽目になってしまう。

二号さんに無理やり連れて行かれたインチキ霊能者に御祓いされた後に、多少は不思議な出来事を体験するのだが、その部分の良さはインチキ商法に関わっている部分で相殺されてしまう感じだ。


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冥王星パーティ

冥王星パーティ冥王星パーティ
(2007/03)
平山 瑞穂

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なんで私はいつも「男」で間違っちゃうんだろう?迷走する恋愛の果てに射しこむひとすじの光。透明に深く輝く青春小説。


題名だけ見るとSFっぽいのだが、全然違った。ちょっとやるせない感じの青春物語。

偶然見つけたホームページで淫らな画像を掲載しているのは、あの娘かもしれないと男は思った。顔は隠されているものの、同姓同名の女性が作るページの記録に、あの夜の出来事が書かれているのを読み、それは確信へと変わっていく。

かつては素朴で純情、今ではやり手に華麗なる変身を遂げた男と、出会う男に翻弄されて少しずつ人生が狂っていく女の、二人の主人公視点から物語が綴られる。せつなく、やるせない物語だが、今回も上手い! 

嫉妬して女を追い落とそうとする汚らしい友人や、ストーカーっぽい金持ちバカボン、他人の業績を掠め取る糞男など、脇役も非常にクセがあってよろしい。人間の汚らしさがよく描かれている。

あの日が人生の分岐点だったかもしれないと、再開した二人は思う。互いに自らが歩んできた道を修正するために、お互いの軌道が一瞬だけ交差する。しかし、人生をあと戻りする事は出来ないのだ。あの日、もしも一緒に過ごしていたらどうなっていたかと想いを馳せながらも、もう二度と交差する事は無いであろう互いの人生へと踏み出していく。

男視点と女視点に別れるので、同性視点で読み進めるからか、どうも女性受けは悪いようだ。


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シュガーな俺

シュガーな俺シュガーな俺
(2006/10/20)
平山 瑞穂

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本書は、若年層の増加などで社会問題にもなっている糖尿病(糖尿病患者740万人、予備軍は880万人)がテーマの"世界初の糖尿病小説"です! 8月から@nifty上で連載がスタートしたと同時に話題沸騰。すでに朝日新聞や讀賣新聞でも紹介され、ブログでは「シュガーフレンド」なる造語もできる盛り上がりよう。『ラス・マンチャス通信』(新潮社刊)で第16回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した作家・平山瑞穂が自らの糖尿病体験をもとに、33歳で突然発症した、サラリーマンの遭遇する決して甘くない波乱の日々を描く。シュガーな人もノンシュガーな人も、とにかく面白く読めてタメになること間違いなし!の、一級のエンターテイメント小説です。


世界初、糖尿病小説? 著者が自らの体験を踏まえ、糖尿病になった主人公の物語を書いたもの。糖尿病小説なんて、ちっとも面白くなさそうだが、この人が書くと面白いな。まだ作品数は少ないが、期待大。

名前は有名だけど、その症例はよく知らない病気だった。いやぁ、糖尿病って怖いんだね。毎回インスリンを注射しないと生命を維持出来なくなってしまったり、食事はカロリー計算しながら食べないといけないし。私には無理だろう。発病してもそのままの生活を続け、不具合出たら素直に死んでしまいそうだ。


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忘れないと誓ったぼくがいた

忘れないと誓ったぼくがいた忘れないと誓ったぼくがいた
(2006/02/20)
平山 瑞穂

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たとえ世界中の誰もが君を忘れてしまっても、ぼくだけは君を憶えてる!君の存在を証明するのは、ぼくの手元に残されたたった数分の映像だけ。高校時代。優等生だったぼくの心を一瞬にして奪い去った君。大好きで、いつも一緒にいたくて仕方がなかった。なのに、いま、ぼくは君の顔さえも思い出せないんだ…。いったい、なぜ?君はホントに存在したの?―時の裂け目に消えゆく少女と、避けられない運命を変えようと必死にもがく少年の恋を描いた、激しく切ない恋愛小説。


表紙と題名につられて借りてみた。題名が過去形になっているように、結果としては忘れてしまっている訳である。大好きな娘がいたはずなのに、記録としては残っていても、すでに記憶としては残っていないのである。そして、大好きだったはずの少女はもう、世界のどこにも存在しない。ただの恋愛小説かとおもったけど、普通の恋愛小説とは全然違った。セカチューなんか足元にも及ばない。個人的にはセカチューの1億と2000倍は素敵で切ない。

世界から消えていく少女と出逢った少年の物語。死んでしまうのなら、誰かの心の中には残るのだが、記憶の中にすら存在しなくなるのだ。次第に世界から消滅していく少女と、それを食い止めようと絶望的な努力を続ける少年。最後に残されたのは、1本のテープ。


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ラス・マンチャス通信

ラス・マンチャス通信ラス・マンチャス通信
(2004/12/21)
平山 瑞穂

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僕は常に正しく行動している。姉を犯そうとした「アレ」は始末されるべきだし、頭の足りない無礼なヤンキーが不幸になるのは当然だ。僕のせいではない。でも、なぜか人は僕を遠巻きにする。薄気味悪い虫を見るように―。カフカ+マルケス+?=正体不明の肌触りが、鈴木光司氏の絶賛を浴びた異形の成長小説。第16回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。


第16回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。

平山瑞穂デビュー作にして、著書の中で最高評価をされている日本ファンタジーノベル大賞受賞作。ネットリとまとわりつくような、気味の悪い連作短編の連なり。結末が明かされぬままに次の話に飛んでしまったりして、やや消化不良になる。

物語に登場する、人間ではない様々な何かも、描写が少なくてよく判らない。これは、描写不足というよりも、あえてボカす事により不気味さを醸し出す為だと思うけど、何がいるのか非常に気になる。

いつも不条理な出来事に翻弄され続ける一人の男。姉を救う為にアレを殺したのに、施設に入れられてしまう。施設でも不条理な事だらけで、出てから就職した先でも酷い仕打ちを受けた上、馬鹿上司に代わり退職させられる。続いて世話された先でも、妙な状況に陥った挙句、得体の知れない何かに殺されそうになる。

何が襲ってきたか明かされぬまま、その後の話になり、詐欺師として働くうちに姉と再会。姉は何かに連れ去られ、そいつを生かすために子供をさらって食わせていた。さらに時が過ぎ、裏社会のフィクサーみたいな男の屋敷で下働きする事になるのだが、そこにいた人形が……。

なんか不条理だらけで救いが無いな。異色だけど、読了後に幸せな気分になれない。乙一系統の気持ち悪い話が大好きな人には堪らないかもしれない。


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