中山可穂

攻略対象書籍は以下。


猫背の王子』★★★☆
天使の骨』★★★☆
『サグラダ・ファミリア 聖家族』
『感情教育』
『深爪』
白い薔薇の淵まで』★★★★
『花伽藍』
『マラケシュ心中』
『ジゴロ』
『弱法師』
『ケッヘル』
『熱帯感傷紀行―アジア・センチメンタルロード』


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白い薔薇の淵まで

白い薔薇の淵まで (集英社文庫)白い薔薇の淵まで (集英社文庫)
(2003/10)
中山 可穂

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ジャン・ジュネの再来とまで呼ばれる新人女性作家・塁と、平凡なOLの「わたし」はある雨の夜、書店で出会い、恋に落ちた。彼女との甘美で破滅的な性愛に溺れていく「わたし」。幾度も修羅場を繰り返し、別れてはまた求め合う二人だったが…。すべてを賭けた極限の愛の行き着く果ては?第14回山本周五郎賞受賞の傑作恋愛小説。発表時に話題を呼んだ受賞記念エッセイも特別収録。


これもまた、レズビアン小説か。ひょっとして、この作者の作品って全部レズ小説? 「天使の骨」以上に濃厚で強烈。狂気さえ秘められた二人の不毛な愛の先には、何も残されていない気がする。

性格が破綻した掟破りの純文学作家に出会ってしまったビジネスウーマンが、瞬く間に絡め取られていく。全身全霊を使った直球攻撃で、そこには打算も駆け引きも無い。獣のような欲望だけが存在している。何度も別れようとするが離れられず、父の病気が発覚してからは孫の顔を見せようと男性と結婚するも事件に巻き込まれ、結婚生活は破綻して行く。

冒頭で二人の結末が書かれてしまっており、そこから過去世界へと戻っていくのだが、彼女の身に何が起こったのかは書かれていない。これは非常に気になる。続きは無いのか!?

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猫背の王子

猫背の王子 (集英社文庫)猫背の王子 (集英社文庫)
(2000/11)
中山 可穂

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自分とセックスしている夢を見て、目が覚めた―。女から女へと渡り歩く淫蕩なレズビアンにして、芝居に全生命を賭ける演出家・王寺ミチル。彼女が主宰する小劇団は熱狂的なファンに支えられていた。だが、信頼していた仲間の裏切りがミチルからすべてを奪っていく。そして、最後の公演の幕が上がった…。スキャンダラスで切ない青春恋愛小説の傑作。俊英の幻のデビュー作、ついに文庫化。


劇団を失い放浪の途上にある『天使の骨』より過去にあたる部分。『天使の骨』で第6回朝日新人文学賞受賞を受賞しているのだが、これが持ち込み原稿による本当の一作目。三部作になるようだが、三作目は出ていない。

小劇団と主宰し、芝居と同性愛だけで生きているような王寺ミチル。商業劇を見下しているが、これは作者の思いそのものなのかね? 傍から見れば、金にもならない劇なんて、単なる自己満足であって、芸術だ本物だと主張してみても、資本主義的観点からすれば単なる自慰行為に過ぎないと思うのだが……。

それにしても、内容の大半が同性愛ポルノと化しているし、主人公の性格がキ印一歩手前で無茶苦茶すぎる。こんな暴走機関車みたいな人間相手だと、どんなに我慢強い奴でも仕舞いにはついて行けなくなるだろう。一緒に薬を飲んで死にかけた中学生がどうなったのか心配だ。

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天使の骨

天使の骨 (集英社文庫)天使の骨 (集英社文庫)
(2001/08)
中山 可穂

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ぼろぼろの守護天使たちがわたしにつきまとう…。人生のすべてをかけた劇団を失い、世捨て人のように暮らす劇作家ミチル。絶望の果てに、彼女は天使の幻覚を見るようになる。この天使たちを葬るために―。イスタンブールからリスボンへ、そしてパリへ。ヨーロッパを彷徨うミチル。再生の光は果たして見つかるのか?魂の巡礼を鮮烈に描く青春小説の傑作。第6回朝日新人文学賞受賞作品。


第6回朝日新人文学賞受賞作。

しまった! 第6回朝日新人文学賞受賞作品だから、これが最初かと思ったら、実は二作目だった。単独でも読めるように書かれているけれども、『猫背の王子』の続編だった。幻のデビュー作は図書館に無いな、困った……。

劇団が無くなった後、気が向いた時だけアルバイトをし、後は閉じこもって生きる屍と化している劇作家、王寺ミチル。一緒に劇をやりたいと現れた女性に渡された大金で、欧州を放浪する。その最中にも女絡みの恋愛情事を重ねて行く。

百合物というより、生々しいからやはりレズビアン物と呼ぶのが妥当だろう。腐女子が男同士で興奮するのと同じようには楽しめないが、女同士なので無難に読める。女よりも男が読む方が、同性愛に対する抵抗は少ないと思う。

それにしても日本へも戻らず、中途半端なまま終わっているな。このままではお金を出した女性も、劇団員で因縁のある男との関係も、放置されたままじゃないか。シリーズだからまだ続編が出るとは思うが……。

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