本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第一部「兵士の娘Ⅲ」

4864723974本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第一部「兵士の娘Ⅲ」
香月美夜 椎名優
TOブックス 2015-06-25

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病に倒れたマインは一命を取り留めたものの、その「身食い」の影響は大きかった。完治はできないばかりか、治療には貴族が所有する高価な魔術具が必要という。再発までに残された期間は一年。それまでに家族の元を離れて、貴族と共に生きるのか、運命に身をゆだねるのかの決断を迫られてしまう。限られた時間の中で、マインは「本に囲まれて、本を読んで暮らすこと」を夢見て奔走するのだった。やがて、季節は流れ、彼女の世界が大きく動き出す出会いが訪れる…。少女の夢と家族の愛が試されるビブリア・ファンタジー。


ギルド長の孫娘フリーダも、マインと同じ魔力持ちだった。身食いを止めるための魔道具をギルド長がぼったくり価格で貴族から分けて貰っていたので、それをマインに使用して一命を取りとめる。しかし、一時的に魔力を吸い取っただけで、寿命が1年延びただけ。壊れかけたオンボロ魔道具でも小金貨2枚と大金貨8枚。コネが無いと壊れかけの魔道具すら買えないし、毎年魔力を吸い取らないといけないとなれば、普通の庶民はもうゲームオーバーである。

魔道具代はマインが自腹で払っているので、金銭的には貸し借り無しであるが、命を助けて貰ったお返しに、お菓子のレシピを教える。日本ならスーパーで特売されていたりする砂糖が、最近ようやく入荷するようになった高額嗜好品扱いなのは、もはやお約束である。

マインとルッツも7歳になり、洗礼式に行く事になる。7歳になれば市民権を得られるらしいが、外の人間は一生かかっても取れるかどうか分からない市民権を、市民の子として生まれただけで自動的に得られるのだから、貧乏でもまだマシだよね。

ちなみに、洗礼式の神聖なポーズはグ●コのポーズと同じだった。偶々とはいえ、グ●コと同じなんて、絶対にロクな宗教じゃない。グ●コとか滅びれば良いのに。

洗礼式でも、マインはやらかしてしまう。グ●コのポーズに精神的ダメージを受けて倒れたところ、金持ち用の救護室に連れて行かれ、トイレに行きたくなって外に出たら迷子になり、図書室を発見してしまう!

図書室に入るため、巫女になると言い出し、後先考えず、神殿長にお願いしてしまう。神殿長は良い人に見えたが、実際は腹黒貴族の一人でしかなかった。本性を剥き出しにし、マインを神殿に取り込むために親を殺そうとしたところで、マインが激怒して力を解放してしまう。特権階級がクズなのはお約束だよね。中にはまともな人間もいるのかもしれないが。

どんどん面倒な方向に行っているけど、神殿に入れば神器みたいなのに魔力を注ぎ込むだけの簡単なお仕事があるので、延命可能というのが、悩ましいところ。結局、本を作るために商人になろうとしていたら、何故か巫女になる事になった。


この巻で、ギルド長のジジイがただの腹黒い奴ではなかったと発覚。今までギルベルタ商会視点でしか描かれなかったから、悪役にしか見えなかったけど、それなりにギルベルタ商会を気にかけているのに、やる事が空回りしていた件。かなりクセはあるけど、本当に悪人だったらマインを助けたりはしないよな。ギルド長とギルベルタ商会では。保守派と急進改革派くらい違うから、分かり合うのは困難だけど。


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本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第一部「兵士の娘II」

4864723478本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第一部「兵士の娘II」
香月美夜 椎名優
TOブックス 2015-02-25

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見知らぬ世界で、貧しい家の幼い少女マインに生まれ変わってから一年。彼女は本が大好きにも関わらず、手に入れるどころか、読書さえ難しい中、本作りに追われる毎日だった。何とか文字を書き残すべく奮闘するも失敗続きで前途は多難。おまけに「身食い」に侵されて寝込んでばかり。持ち前の頑張りで、お金を稼ぎつつ、近所に暮らす少年・ルッツの助けもあって、ようやく本格的な「紙作り」が始まるが…さて、一体どうなるやら?本好きのための、本好きに捧ぐ、ビブリア・ファンタジー第2章!書き下ろし番外編、2本収録!


マインの家は貧乏だけど、これでもまだ恵まれている方だと発覚。町の中にいるのは、市民権を持っている人だけで、外にいる人は、市民権を買うだけで下手したら一生が終わるレベル。行商人として儲けてきたオットーでも、市民権を買って開店資金が無くなっているから。

マインの父親は門番なので、父親の部下という繋がりで元旅商人のオットーと知り合う。オットーの助手として計算の手伝いをしていたところ、ギルベルタ商会とも繋がりが出来る。ほとんど何も出来ない病弱幼女スタートだったにしては、結構な大物と知り合う事が出来ているよね。

今まで、パピルス、粘土板、木簡と失敗してきたが、ここでギルベルタ商会の援助が受けられる事となり、本命の紙作りが始まる。ようやく本を作るための材料が出来るのか。主人公は様々な本を読み込んできたから製紙法とかある程度知っているけど、ラノベとマンガしか読まない奴は、異世界に行っても何も出来ない子のままだからな。

紙作りとは別に、姉トゥーリの洗礼式用に作った髪飾りが話題となり、ギルド長の孫娘も欲しがる。ギルベルタ商会のベンノが仲介して、特別な髪飾りを作る事に。人物が描かれているカラー・ページにいる桃色ツインテールの養女は、ギルド長の孫だったか。ギルド長は、ギルベルタ商会に嫌がらせをする厄介な爺さんだが、孫娘は可愛かった(*´Д`)

終盤部分で、マインがついに身食いで倒れる。身食いは体内の魔力が溢れて自分を殺す病気で、魔力持ちの貴族しか魔道具を持っていないので、庶民が魔力を持って生まれてきたらもう\(^o^)/ 似たような設定で、魔力持ちの庶民は貴族の養子になる世界と比べたら、ハードモードすぎる。

フリーダと友達になっていなければ、マインの人生はここで試合終了だった。


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本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第一部「兵士の娘I」

4864723427本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第一部「兵士の娘I」
香月美夜 椎名優
TOブックス 2015-01-25

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幼い頃から本が大好きな、ある女子大生が事故に巻き込まれ、見知らぬ世界で生まれ変わった。貧しい兵士の家に、病気がちな5歳の女の子、マインとして…。おまけに、その世界では人々の識字率も低く、書物はほとんど存在しない。いくら読みたくても高価で手に入らない。マインは決意する。ないなら、作ってしまえばいいじゃない!目指すは図書館司書。本に囲まれて生きるため、本を作ることから始めよう!本好きのための、本好きに捧ぐ、ビブリア・ファンタジー開幕!書き下ろし番外編、2本収録!


コミック版を読んで面白かったので、小説版も第一部だけ一気読み。

本を死ぬほど愛する女子大生が、地震で崩れてきた蔵書に埋もれてしまい、気づけば異世界で幼女になっていた。転生して記憶が蘇ったのか、死んだ幼女の代わりに魂を入れられたのかは不明だが、マインという女の子は、すぐに寝込んでしまう虚弱体質なので、外にもあまり出られない。

そこは中世レベルの異世界で、日本と比べると文明度も劣りまくるので、本が手に入らない。家の中は本が無いどころか、トイレすら存在しないという劣悪な環境である。おまるに排泄して窓から捨てるとか、現代日本に住んでいる人なら、それだけで心が折れそうなレベルである。

母親に背負われて外に行って知るのだが、本屋すら存在しなかった! 本どころか、紙が存在しない。重要文書に使われているのは羊皮紙で、一枚買うだけで父親の給料が吹っ飛ぶレベル。これは地球の中世より厳しい。地球だと、いくら羊皮紙でもそこまで高くないもんな。町の外の話があまり出て来ないから分からないのだが、かなり劣悪な環境で、家畜すらあまり育たない世界なのかね?

羊皮紙が無理ならパピルスを作ればいいじゃない! しかし、マインは5階にある自宅を出て、外の水汲み場にいくだけでも死にそうになるくらい、体力が無い女の子なので、材料を集めに行く事が出来ない。町の外どころか、門にすら自力で辿り着けないのは致命的である。

肉体労働に関してはほぼ役立たずなマインだが、あまりにも不潔な現状に我慢が出来ず、前世知識チートでリンス・イン・シャンプーもどきを開発して髪を綺麗にする。姉や母親も使いたがるのだが、この新発明? が、後でお金に化ける。

本に関しては、材料作りの段階で、パピルス製造失敗、粘土板は踏まれたり爆発したりで禁止、木簡は母親が燃料として燃やしてしまい挫折。近所に住んでいるルッツ少年がいなかったら、ここで人生ゲームは試合終了だった。


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楽園

4041880130楽園 (角川文庫)
鈴木 光司
角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-02-25

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いつかきっとめぐり逢える。この想いがつづく限り―。太古のモンゴル砂漠で暮らしていた男女が、他部族の襲撃により離れ離れになってしまった。伝説の赤い鹿の精霊に導かれた男は、最愛の妻を追う。そして18世紀の南太平洋の小島で、現代のアリゾナノ地底湖で…。一万年の時と空間を超え、愛を探しつづける壮大なファンタジー。


第2回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

太古のモンゴルで暮らしていた男が、禁忌とされていた人物画を描いた事で、部族に悲劇が起こる。妻となる美しい娘の絵に魅せられてしまった他部族の族長が襲撃して来るのだ。北の回廊を越えて連れ去られた妻を追おうとする男だったが、すでに道は閉ざされていた。

第二章では、いきなり時代が飛んで、18世紀の南太平洋が舞台となる。船長のミスで舟を失い、漂流する事になった男達が、南の小島に辿り着く。自分達を裏切った船長に復讐を誓うタイラーだったが、やがて楽園の島にも悲劇が起こる。

続いて現代のアリゾナに物語の舞台が移る。ギルバードが知っている地下洞窟内部で音楽の作成に取りかかるレスリー。レスリーに取材を申し込んでくるフローラ。まだ会った事もない二人だったが、アリゾナの地底湖で物語が繋がる。よく考えれば、最終章の人以外はBAD ENDで終わっているのだが、生き別れた二人が転生して再会したように見えてくる。

えっ!? これって『満ちてくる時のむこうに』という題名でアニメ化されているの? DVD化されていないので、知ったところで観る事は出来ないが。

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ハルベリー・メイの十二歳の誕生日

4062151197ハルベリー・メイの十二歳の誕生日
将吉
講談社 2008-11-21

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「明日、お誕生会をやるの。木実ちゃん、来てくれるよね?」少女メイは頬を染め、秘密の呪文を唱えるみたいに言った。『お誕生日』―そこでは、世界が道草を食う。子どもは子どものまま、美しいものは美しいまま。時間は止まり、寓話のストーリーが現実になる。扉がひらくのは、一年で一日だけ。ふたりの少女と愛犬一匹が、そんな不思議で危険な世界に迷いこむ。奇才・将吉が描く、「大人にならない」少女たちの戦慄の三日間。


題名がこれだから、海外の話かと思いきや、ハルベリー・メイは日本人じゃないか。しかも、主人公じゃなかった。この美しいけど奇人な少女の非日常なトラブルに巻き込まれる同級生が主役だし。

春辺里メイの誕生日に呼ばれてしまった木実は、仕方なく十二歳の誕生日を祝いに行くのだが、メイの飼い犬が喋り出して、黒い誕生日世界へ取り込まれてしまう。そこは、日常に思えて、誰かに童話の役割が与えられており、物語で上位に位置する人には逆らう事が出来ない。黒い話から抜け出すために、意地悪な同級生と教師を犠牲にするのだが……。

この非日常は年に一度訪れ、十三歳の誕生日には、超シスコンで異常なメイの兄が青髭と化して襲って来る。誕生日世界で死んでしまうと、物語の中に取り込まれてしまい、現実世界に戻って来れなくなってしまうのだ。

この後も、十四歳の誕生日に、去年と二年前の出来事が絡んで非日常の世界へ放り込まれてしまうのだが、最後の最後までちょっと黒い感じ。表紙、裏表紙、そして各章の始まりにある絵が綺麗だった。


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コンビニたそがれ堂 星に願いを

コンビニたそがれ堂 星に願いを (ポプラ文庫ピュアフル)コンビニたそがれ堂 星に願いを (ポプラ文庫ピュアフル)
(2010/05/07)
村山 早紀

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大事な探しものがある人だけがたどり着ける、不思議なコンビニたそがれ堂。今回のお客様は、お隣のお兄ちゃんに告白したくて頑張る少女、街角で長くコーヒーをいれてきた喫茶店のマスター、子どもの頃、変身ヒーローになりたかった青年…夜空の星に切なる願いをかけた時、やさしい奇跡が起こる―。つまずきがちな毎日に涙と笑いを運んでくれる、好評シリーズ第3弾。


コンビニたそがれ堂シリーズ第三弾。だんだん仕掛けが尽きてきたのか、1冊目みたいなキレ味が無くなって来た気がする。

「星に願いを」は、遠くに引っ越す事になったお兄ちゃんに手料理を作ろうとする女の子の話で、フラグ立つのかどうかは分からないけど、とりあえず心が温かく……、いや小学生女児のくせに告白とかお父さん許しませんリア充爆発しろ(をいっ!)。

「喫茶店コスモス」は、よくあるオチだったけど、ささやかだけど幸せな人生を送れたリア充爺さんの物語で、心が温かく……、いやリア充爆発しろ(笑)。

「本物の変身ベルト」は、会社の先輩を好きになったけどフラグが立たずに凹んでいる男が、別会社の人材募集の広告を偶々見て、面接に行く事になったものの、実は悪の組織だったという……。悪の組織に転職してくれたら面白かったのに、結局、コンビニで変身ベルトを買って、一度だけ正義の味方になってしまう。悪の組織のほうが面白そうだったのにな。


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コンビニたそがれ堂 奇跡の招待状

コンビニたそがれ堂―奇跡の招待状 (ポプラ文庫ピュアフル)コンビニたそがれ堂―奇跡の招待状 (ポプラ文庫ピュアフル)
(2010/01)
村山 早紀

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大事な探しものがある人だけがたどり着ける、不思議なコンビニたそがれ堂。ミステリアスな店長が笑顔で迎えるのは、大好きな友だちに会いたいと願う10歳のさゆき、あるきっかけからひきこもりになってしまった17歳の真衣、学生時代の恋をふと思い出した作家の薫子…そこで彼女たちが見つけるものとは?ほのかに懐かしくて限りなくあたたかい4編を収録したシリーズ第2弾、文庫書き下ろしで登場。


コンビニたそがれ堂シリーズ第二弾。

「雪うさぎの旅」は、都会に引っ越して行った少女から手紙を貰った雪うさぎと雪だるま達が、会いに行く話で童話っぽい。雪で出来ているからどんどん溶けて行って、最後にはごく一部しか残らないのが悲しい。

「人魚姫」は、引きこもり少女がハロウィンの夜に、禁断の願いを叶えてしまう話で、普通ならホラーで終わるところだが、せつない系。アウターゾーンやキングにもこういう話があるけれども、死人還りはたいてい、バッドエンドで終わるからね。

「魔法の振り子」は作家になった女性の物語。大学時代に知り合ったものの、海外旅行に行ったまま連絡が途絶えたままの男性とのせつない結末。

エンディングは妖怪絡みの復讐譚。輪廻転生が少しご都合主義すぎる。黒猫妖怪おにゃの子はGJである。


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コンビニたそがれ堂

コンビニたそがれ堂 (ポプラ文庫ピュアフル)コンビニたそがれ堂 (ポプラ文庫ピュアフル)
(2010/01)
村山 早紀

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駅前商店街のはずれ、赤い鳥居が並んでいるあたりに、夕暮れになるとあらわれる不思議なコンビニ「たそがれ堂」。大事な探しものがある人は、必ずここで見つけられるという。今日、その扉をくぐるのは…?慌しく過ぎていく毎日の中で、誰もが覚えのある戸惑いや痛み、矛盾や切なさ。それらすべてをやわらかく受け止めて、昇華させてくれる5つの物語。


何かを探している人だけが辿りつける不思議なお店。誰でも思いつくような、よくある設定だから舐めていた(笑)。だがしかし、あざといくらいに読み手の琴線を突いてくる。何でも売っている不思議なコンビニだけど、アウターゾーンみたいに後味の悪い話ではなくて、せつない系ばかりなのが良かった。

喧嘩別れした女の子の大切なモノをコンビニで見つける少年。母親に大切な人形を捨てられ、探しまわるうちコンビニに迷い込み、別の人形を買う事になる女の子。大切に使われていたテレビによる、見る側見られる側が逆転している話も良い。もう長く生きられないと悟った猫が一晩だけ女の子になる話も猫好きには堪らないだろう。

ちょっとSF入っている「桜の声」が過去と未来が交差して、SF者には堪らない。街のラジオ局でアナウンサーをしている三十路女性が、桜の木の下で戦時中としか思えない姿の少女に出会い、不思議な体験をする。その後、未来からのメールが届き、またしても不思議体験。


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後宮小説

後宮小説 (新潮文庫)後宮小説 (新潮文庫)
(1993/04/25)
酒見 賢一

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時は槐暦元年、腹上死した先帝の後を継いで素乾国の帝王となった槐宗の後宮に田舎娘の銀河が入宮することにあいなった。物おじしないこの銀河、女大学での奇抜な講義を修めるや、みごと正妃の座を射止めた。ところが折り悪しく、反乱軍の蜂起が勃発し、銀河は後宮軍隊を組織して反乱軍に立ち向かうはめに……。さて、銀河の運命やいかに。


第1回ファンタジーノベル大賞受賞作。
第102回直木賞候補作。

面白いと評判だったが、この題名に惑わされて食指が動かなかった。『僕僕先生』の時もそうだったが、題名で敬遠しちゃいかんよね。生きているうちに手に取ってみて良かった(笑)。『雲のように風のように』という題名のアニメ化作品も観てみたい!

架空歴史が後世の研究家によって語られるという形式の大法螺話。銀河という名の平民少女が後宮に入って大国の正妃となり、数奇な運命を辿る姿が、実際に起こった歴史のように語られる。

中華風の世界が舞台だから、漢文っぽい表記が出てきて少し読み難いのだが、主人公となる銀河という少女を始め、世沙明(セシャーミン)、玉遥樹(タミューン)、紅葉といったライバル美女達のキャラが魅力的でグイグイ読ませる。身を守るためとはいえ、まさか男の娘まで登場するとは(笑)。

銀河がまさかの正妃に大抜擢となるのだが、都の権力闘争が原因で反乱軍が勢いを得てしまい、架空歴史は思いもよらぬ方向へ。過去の歴史が語られるという手法なので、途中で帝国の滅亡が語られており、悲しい結末になりそうだと思ったのだが……。


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月のさなぎ

月のさなぎ月のさなぎ
(2010/11)
石野 晶

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森の中の学園に隔離されて育った、性別のない子どもたち。成人するにつれ性別が確定し、ひとり、またひとりと巣立っていく。年に一度の降誕祭を前に「学園の貴公子」と称される薄荷は、外界から侵入してきた少年と恋に落ちた。森への逃避行、フラッシュバックする記憶。17歳の身体と心は、意思とうらはらに変わりはじめる…。


第22回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

樹海に隔離された学園が舞台となるのだが、性別のない月童子と呼ばれる子供達が集められている。大人になる頃、体が成長して性別が決まるという設定なのだが、自分で性別を選べないので、『運河の果て』に出てくるモラトリアムより厄介だなぁ。女になると思っていたのに男性化が始まり凹む登場人物もいるが、あーあー、1/2の確率で負け組性別になったのか、ご愁傷様(笑)。

外部から侵入してきた謎の少年と関わり、外界がウイルスに汚染されて酷い事になっていると教えられる薄荷。少年を手引きした男が何者かに殺されるが、あまりミステリー展開にはならず、パンデミックSF風にもならず、淡々としたままなのが微妙。

月童子設定以外は普通によくある感じだし、学園生活の風景も可愛いおにゃの子がいないから楽しめない。男か女か分からん状態の若者同士だと、BLっぽくて萎える。結末も凡庸だったのが残念。どうせなら人類終末ENDだったら良かったのに(をいっ!)。


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エンデュミオン・スプリング

エンデュミオン・スプリングエンデュミオン・スプリング
(2006/06/29)
マシュー・スケルトン

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『最後の書』を手にした者は全世界を支配できる。もし悪人の手に渡ったら、世界は破滅への道をたどるのだ。ただし、その本のページは空白で、選ばれし者しか読むことができない。―1450年代ドイツの章は、グーテンベルクなど歴史上の人物が登場、印刷術秘話も織り込まれる。現代のオックスフォードが舞台の章は、主人公ブレークが追跡者の影に怯えながらも、本の謎を解明していく。果たしてその謎とは―。


グーテンベルクが活版印刷術を発明した1450年代と現代のオックスフォード、二つの時代で物語が展開され、徐々にエンデュミオン・スプリングの謎へと迫っていく。

オックスフォードの図書館で何も書いていない本を見つけた少年ブレークは、何者かに狙われるようになる。本に選ばれた人しか内容を読む事が出来ないエンデュミオン・スプリングは、全世界を支配出来る『最後の書』への道標となっているのだが、誰がそれを狙っているのか、なかなか見えてこない。

未来まで分かるチート級の本が出てくる部分はファンタジーだが、それ以外はごく普通の物語で、主人公も凡庸な少年である。謎の本と関わりながらも、あまり本の能力を引き出せていないし。

本に選ばれなかった妹ダックのほうが賢そうなのだが、変な名前だと思ったら、本名じゃないんだね(汗)。なかなか盛り上がらないのと、ラスト部分が微妙だったのが残念。


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千年ギツネ

千年ギツネ (おはなしルネッサンス)千年ギツネ (おはなしルネッサンス)
(2009/11)
岡崎 祥久

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心を広げてくれる、摩訶不思議。スッポンになって消えてしまったお母さん、千年生きたキツネと人間の智恵くらべなどなど11話。


文章を書いているのは岡崎祥久だが、中身は中国の昔話である。知恵比べしに来た千年キツネが殺されちゃう話など、11話入っている。自分より優れた存在を排除しようとするところなんて、人間の邪悪な部分がよく出ていてGJであるな。

病を治せる神様が来て、正体を見たらただのヤギだったりする話も、神様が殺されてしまい、その後は病気になっても治せる存在がいないというおバカな結末に。やはり人間は愚かである。

母親がいきなりスッポンになって家から出て行ってしまうような訳のわからない不条理なやつも混ざっている。昔話だから仕方ないのかもしれないけど、ちゃんとオチがついていないのもあるから、どう反応したら良いのか困る。「で?」って言いたくなる。


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こころ 不思議な転校生

こころ不思議な転校生 (カドカワ銀のさじシリーズ)こころ不思議な転校生 (カドカワ銀のさじシリーズ)
(2011/03/26)
七瀬 晶

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「私には話しかけないでください。この学校で友達を作るつもりはありません」季節はずれの転校生・昭島こころは、クラスメートを前にいきなり宣言した。自分を押し込め周囲に合わせることで、自らの居場所を作ってきた内気な少女・双葉絆は、そんなこころの謎めいた強い態度に興味を持つ。そんな中、こころの周辺では奇妙な出来事が次々に起こり始め…!?ますますクラスから孤立していく転校生の美少女は、一体何者なのか?そして、こころを知ろうとする絆の決意と、待ち受ける運命とは。


転校して来て自己紹介時に「私には話しかけないでください。この学校で友達を作るつもりはありません」と爆弾発言をした謎の美少女、昭島こころ。なんだこの涼宮ハルヒみたいな女は(笑)。その後も、クラスには打ち解けず、孤立するような言動を取り続ける。
昭島こころに少しずつ惹かれていく双葉絆は、思い切って話しかけ、友達になろうとするのだが、予想もしない事に巻き込まれて行く。ただの不思議ちゃん系転校生なのかと思いきや……。いろいろとネタバレになってしまうので、あんまり詳しく書けない(汗)。

青春小説のように始まりながら、後半はSF方向へ。でも“銀のさじシリーズ”というのはファンタジーとして展開しているんだよね。


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念術小僧

念術小僧

時は江戸。赤ん坊のとき八公に拾われて長屋の住人となった百合五郎は、成長するにつれ、釘を曲げたり先のことを見通したりの不思議な力を発揮する。瓦版屋に見込まれて見世物小屋にデビューするや、たちまち江戸中の大評判。ついに将軍家からもお声がかかったが…。江戸の超能力少年が大活躍する、奇想天外前代未聞明朗SF時代劇。第2回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作。


これは受賞してないのか。面白いのに一発屋で終わっているし、埋もれてしまっているのが残念だ。

落語風に書かれたファンタジー大賞候補作だが、時間の流れも絡んでいるので少し不思議系のSFでもある。江戸の町で拾われ、長屋の住人達に育てられた百合五郎は、整った容姿のハーフである。どこから来たのか謎だったが、外国人の血が混ざっているし、念術でいろいろな事をするので、普通のお子様ではない。

育ての親が賭け事に手を出した事から、百合五郎は大変な事に巻き込まれて行く。ヤクザの借金を肩代わりした瓦版屋にこき使われ、そのうち評判を聞きつけた将軍様に呼び出される。

将軍家と面識が出来るどころか、次期将軍様や姫様と仲良くなったり、かなりご都合主義な部分があるけれども、奇想天外大江戸SFなので無問題! 徳川を潰そうとする謎の敵に姫様が攫われてしまったので、天狗の力を借りて助け出す事に。


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なんか島開拓誌

なんか島開拓誌

明治の終わり、一旗あげんと新しい大陸を目指す人々をのせた移民船〈小林丸〉が難破した。その際したたか頭を打ちつけた船のボーイ吉堀喜市さんはひょんなことから“生き神様”となり、超人的な能力を発揮しだした。南海に浮かぶ「なんか島」に流れ着いた男女十五人と天下無敵の生き神様の巻き起こす奇跡と珍騒動の数々―。第3回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。


第3回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

日本ファンタジーノベル大賞の第3回はハイレベルだったらしく、沢村凛や恩田陸なんかも候補作止まりで受賞出来なかった。読む前に図書館から廃棄されてなくなったので未読なのだが、選考委員が粗探しせず絶賛している『バルタザールの遍歴』は相当凄いのだろうな。

本作は大賞ではなくて優秀賞なので一段落ちるのだが、それでも普通以上に面白い。明治の終わりに移民船が難破してしまい、全員死にかけるのだが、船のボーイで最底辺クラスタだったはずの吉堀喜市が頭を強打したのが原因で謎の覚醒を遂げ、生き神様と化す。

船は沈み、救命ボートもバラバラになるなか、嵐の海を泳いで来た吉堀喜市は、神がかりの力で一艘のボートを南国の島に漂着させる。生き残ったのは男女十五人と生き神様の吉堀喜市。なんか、ロビンソン・クルーソーと十五少年ほにゃららを混ぜたみたいだな(笑)。

南の島で暮らす事を決めた吉堀喜市は、少年少女達を導いて村を作り始める。生き神様がチート性能なので、生活に必要な物資は海を漂流する船を島まで誘導して来て調達。実は無人島ではなかったので、原住民と遭遇して危ない事になるのだが、生き神様の能力で近隣の部族を従えてしまう。

人食い部族や某邪教の原理主義者が上陸して悪事を成したり、さらには日本軍と連合軍が上陸して戦火に巻き込まれそうになったりと、南国暮らしも結構大変。どうやら、島の時間の流れは他所と異なるようである。

結構面白いと思うのだが、これ一作で終わってるっぽいのは残念だ。


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ダブ(エ)ストン街道

ダブ(エ)ストン街道 (講談社文庫)ダブ(エ)ストン街道 (講談社文庫)
(2003/10)
浅暮 三文

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タニアを見かけませんか。僕の彼女でモデルなんですけど、ひどい夢遊病で。ダブエストンだかダブストンだかに探しにきたんです。迷い込むと一生出られない土地なんで心配で。王様?幽霊船?見ないなあ。じゃ急いでるんでお先に。推理作家協会賞受賞作家の原点。メフィスト賞受賞作。


第8回メフィスト賞受賞作。
第8回日本ファンタジーノベル大賞候補作。

メフィスト賞なのに、ちっともメフィストっぽくない異色作なのだが、ファンタジーノベル大賞系の作品として見れば違和感が無い。メフィスト賞では珍しいファンタジーになっている。

重度の夢遊病を患う恋人のタニアが行方不明となり、やがてダブエストンに辿り着いている事を知る。彼女を追って地図でも分らないダブエストンに辿りついたケンだったが、全員がこの地に迷い込んできたような場所なので、何処に何があるのかサッパリ分からない。

郵便配達夫アップルはポストを探しているし、楽団は町を探している。何もかも忘れてしまう全裸の男まで出てくるし。様々な人々が何かを探して彷徨う地で、ケンもタニアを探して彷徨い始める。

海賊船の幽霊や不吉な赤い影、行進し続ける王様の一行、アマゾンから迷い込んで来て故郷に戻れない異形まで! 驚くような人物まで彷徨い続けているのだが、ダブエストンに迷い込んだら、もう戻れないのである。

受賞はしていないものの、日本ファンタジーノベル大賞らしい作品なので、普通のファンタジーとも違う方向にぶっ飛んでいてクセが強い。日本ファンタジーノベル大賞関連作品を読んでいる層なら気に入るだろう。


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酒仙

酒仙 (新潮文庫)酒仙 (新潮文庫)
(1996/09)
南條 竹則

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一文無しとなった旧家の御曹司・暮葉左近は、世をはかなんで死のうとしたところを、「蓬莱酔八仙人」の一人・鉄拐李に助けられる。徳利真人として蘇った左近は、日々清らかな酒を飲んで酒仙の道に精進する。ある時は「龍宮」で泡盛の古酒を、ある時は崑崙山の仙酒竹葉青酒を味わい、そして甲州勝沼の葡萄酒ルバイヤートから、果ては洞庭君の秘蔵酒龍涎香にまでも酔いしれる。そんなある日、邪悪な酒〈魔酒〉を醸す酒蔵業主・三島業造が目の前に現われて―。バラモン教の祭式、西方の三博士から哲学ギャグまで盛り込んだ、抱腹絶倒、酩酊確実の酔っぱらい小説誕生。


第5回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

咽返る程の酒呑み小説で、読んでいるだけで二日酔いになりそう(笑)。豪商だった家系の御曹司が、バブル崩壊で無一文となり、酒風呂に浸かって死のうとしたところを、蓬莱酔八仙人の一人、鉄拐李に助けられる。

徳利真人として蘇った暮葉左近が、ひたすら美味い酒を飲み歩き、珍しい物を食い、酒仙の道を究める。世界中の神話や伝説や歴史上の人物が絡んできて、酒で繋がっているのがたまらない。



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月桃夜


月桃夜月桃夜
(2009/11/20)
遠田 潤子

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想いは人知れず、この世の終わりまで滾り立つ―。死んでもいいと海を漂う茉莉香に、虚空を彷徨う大鷲が語りかける。熱く狂おしい兄の想いを、お前はなかったことにできるのか?かつて二百年前の奄美にも、許されぬ愛を望んだ兄妹がいた…。苛酷な階級社会で奴隷に生まれた少年は、やがて愛することを知り、運命に抗うことを決意する。第21回「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞作。


第21回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

日本ファンタジーノベル大賞は毎回安定してハイレベルだ。ペラい純文学系新人賞とは大違いである。

カヤックで流されて死を覚悟する茉莉香のもとに、人の言葉を話す大鷲が降りてきて物語が始まる。海の話、島の話が交互に続くが、大鷲が語る島の話がメインとなる。海で遭難した茉莉香の海の話部分は繋ぎ程度の分量しか無いが、兄妹の悲しい関係が微かにシンクロして来る。

大鷲が語るのは、島津に虐げられた奄美の物語で、登場するのは血の繋がらない兄と妹。親を失い、二人で育ったフィエクサとサネンは最底辺の身分であり、労働力として虐げられている。

あまりにも貧しくて過酷な奄美の暮らし。島から逃げる事も出来ず、搾取する者にこき使われる。何故、ここまで島の人々が貧しいのか、薩摩から来た役人にその仕組が明かされて、ちょっと島津が嫌いになる。が、島津もまた、江戸にいる大きな悪意によって毟り取られる側だとは……。

酷い世界で育ち、虐げられ、最後には悲劇しか待っていない。どうにも救いの無い話で読むのが辛い。死によってバッドエンドで終わるのではなく、別のモノに姿を変えて彷徨っているので、まだ希望は残されているのかもしれないが。世界の終わりまで飛んでいかなければならないフィエクサに全米が泣いた!


ヤンチュやヒザがいない世界になったと知った大鷲は、この世界に希望を見出すが、その代わりに黒企業奴隷や派遣奴隷が誕生してる件。本当に世界は少しでも良くなったのか? ヤンチュやヒザだった存在が、社畜や派遣のような使い捨て要員に、名や姿を変えただけじゃないのか!? 血統でほぼ全てが決まった江戸時代と比べたら、運で身分が決まる平成のほうが、ほんの少しだけマシなのかもしれないけど。




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夢をかなえるゾウ

夢をかなえるゾウ夢をかなえるゾウ
(2007/08/11)
水野 敬也

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「お前なぁ、このままやと2000%成功でけへんで」ダメダメなサラリーマンの前に突然現れた関西弁を喋るゾウの姿をした神様“ガネーシャ”。成功するために教えられたことは「靴をみがく」とか「コンビニで募金する」とか地味なものばかりで…。ベストセラー『ウケる技術』の著者が贈る、愛と笑いのファンタジー小説。


借りてきたけど、メモる前に返さないと駄目だったので、あんまり覚えてない(汗)。

駄目な人のところに、ちょっと間抜けなゾウの神様が現れて、いろいろと絡まれて酷い目に遭っているうちに、少しずつ成功の目が出てくるというお話。自己啓発本として読むと非常に胡散臭い、ただの企画本であって、ごく普通の事しか書かれていない。

やはりこれはただのファンタジーとして楽しむべきでしょう。関西弁を喋る胡散臭いゾウの神様が笑福亭鶴瓶のイメージで脳内に侵食して来るので非常に暑苦しかった(笑)。ただの小説として読めば、結構面白いよ。自己啓発本としては極めて胡散臭いけど。


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死せる魔女がゆく 魔女探偵レイチェル

死せる魔女がゆく 上 [魔女探偵レイチェル] (ハヤカワ文庫FT)死せる魔女がゆく 上 [魔女探偵レイチェル] (ハヤカワ文庫FT)
(2007/09/21)
ハリスン キム

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あたしの名前はレイチェル・モーガン。優秀な魔法使いで〈異界保安局〉のもと敏腕捜査官だ。本来なら邪悪な魔法を操る黒魔法使いの逮捕や、人狼や吸血鬼がらみの難事件があたしの仕事。なのに、このところ上司のデノンはネチネチと嫌味ばかりで、ロクでもない仕事しかまわしてこない。あたまにきたあたしは、同じ捜査官仲間の〈生ける吸血鬼〉アイヴィといっしょに局をやめて、私立探偵をはじめることにしたのだが……。


異界保安局の敏腕捜査官だった魔法使いレイチェルは、糞上司デノンに干されまくり、ロクな仕事を与えられないので活躍する事すら出来ず退職する事に。しかし、同時に生ける吸血鬼であるアイヴィも辞めてしまったから、デノンに逆恨みされてしまい、呪い攻撃を受けまくったり暗殺部隊を送り込まれてしまう羽目に陥る。

いきなり住処も追い出され、アイヴィと一緒に住む事になったのは郊外の教会だし、相手は吸血鬼だから襲われそうになるしで、散々な目に。異界捜査局を辞めてからも、大きなネタを追うのだが、逆に敵に捕らえられてしまうところで上巻は終わる。

それにしても酷い上司だな。暗殺部隊まで送り込んでくるのだから逆襲して殺してもOKでしょ!?


死せる魔女がゆく 下 [魔女探偵レイチェル] (ハヤカワ文庫FT)死せる魔女がゆく 下 [魔女探偵レイチェル] (ハヤカワ文庫FT)
(2007/09/21)
ハリスン キム

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あたくしの名前はアイヴィ・タムウッド。〈生ける吸血鬼〉にして〈異界保安局〉のもと敏腕捜査官。赤毛の女魔法使いレイチェルといっしょに局をやめ、二人で私立探偵をはじめることにしたのだけれど、まったくレイチェルったら! もと上司のデノンに、首に賞金をかけられるわ、その賞金めあての殺し屋につけ狙われるわ、あげくに大富豪トレントの犯罪を暴くため屋敷に忍びこんで捕まるなんて、ほんとうに手がかかる相棒だわ!


後半へ。

魔女のほうが主役なのに、黒魔術を使うのが嫌で弱いままなのがもどかしい。ミンクになった状態で犯罪者トレントに捕まってしまい、ペット状態になるのは笑える。あまり活躍しないけれども、コンビを組んだアイヴィの方が桁違いに強い気がする。キャラを食われてしまうからあまり動かさないのだろうか?

相変わらず異界保安局の元上司に差し向けられた暗殺者に狙われつつ、違約金を稼ぐためにトレントの悪巧みを暴こうとするのだが、結局は黒幕を逮捕するには至らないので、あまり盛り上がらないなぁ。

敵になるトレントも、本格的な犯罪者といった感じではなく、遺伝子操作で自滅しそうになった人類が禁じ手にしてしまったテクノロジーを使っているだけだしなぁ。世界が滅びかけた原因だったために、トマトが人類のトラウマになっているという設定なのは……。

これ、題名だと魔女物みたいだけど、吸血鬼物に分類されてしまっているな。現代風吸血鬼小説には恋愛相手がつきものだが、本書では主人公も相手の吸血鬼も女なので、百合っぽい。時々襲われそうになるのだが、まだ未遂なのでかろうじてノーマル。

ホローズ・シリーズとして5作出ているらしいが、邦訳で続きが出ないっすOrz


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愛をみつけたうさぎ―エドワード・テュレインの奇跡の旅

愛をみつけたうさぎ―エドワード・テュレインの奇跡の旅愛をみつけたうさぎ―エドワード・テュレインの奇跡の旅
(2006/10)
ケイト ディカミロ

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「考えてごらんなさい。愛がないのに、どうやって“いつまでも幸せに”くらせますか?」持ち主の女の子に愛されていても、自分はだれも愛していない陶器のうさぎエドワード。でも、そのおばあさんの言葉は、ずっとエドワードの心にかかっていた。女の子とはぐれ、さまざまな人に出会い、別れる旅のなか、エドワードは遠く語りかける。―ぼくは愛することを学んだ。でも愛なんてつらいだけだった。助けてよ!『ねずみの騎士デスペローの物語』の著者ディカミロ、感動の最新作。


陶器でつくられたうさぎ、エドワード・テュレイン。時折、馬鹿メイドに掃除機で吸われたり、進入した犬に噛まれたりはするけれども、アビリーンの大切なうさぎとして平凡な日常を過ごしていた。その頃のエドワードは愛を知らず、高慢で嫌なうさぎだった。

ある時、ロンドンへ引っ越すことになるのだが、移動する途中の船の上で、クソガキがうさぎでキャッチボールをはじめ、海へと転落してしまう。

クソガキ、逝って良し!

何百日も海中で泥にまみれた後、漁師に引き上げられて大切にされるが、漁師の馬鹿娘がやってきて、ゴミ捨て場へと捨ててしまうのだ。

馬鹿娘、逝って良し!

今度はゴミの中から拾い上げられ、渡り者とともに各地を放浪する事、七年間! ある日、無賃乗車した貨車で寝ているところを車掌に見つかり、外へ蹴りだされる。

車掌、逝って良し!

道端へ転がっているところをクソババアに見つかり、今度はカラスを追い払うための案山子にされてしまう。クギで打ち付けられて畑へ。

クソババア、逝って良し!

下働きの少年に助けられて、少年の妹に与えられるが、病気の妹は死んでしまう。ダメ親父に憤った少年は、うさぎを連れてメンフィスへ行くが、レストランで食事代金が足りず、怒ったコックがうさぎの頭部を破壊。うさぎ脳挫傷により死亡(いや、最初から生きてはいないけど)。

暴力コック、逝って良し!

人形修理師の手で修復されたうさぎは、人形とともに店に飾られる。すべての希望を無くして心を閉ざしたうさぎの前に現れたのは……。

うさぎのエドワードは愛を見つけた。
全米が泣いた!


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鉄塔武蔵野線

鉄塔 武蔵野線 (ソフトバンク文庫 キ 1-1)鉄塔 武蔵野線 (ソフトバンク文庫 キ 1-1)
(2007/09/21)
銀林 みのる

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“鉄塔小説”という異色の分野を切り開き、第6回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した本作。鉄塔武蔵野線1号から81号まで500枚以上の写真を掲載し、幼き日の美しい思い出を遡る。


第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

前代未聞の鉄塔小説として紹介されていたが、なるほど、ここまで鉄塔にこだわった物語は他に無い。鉄塔武蔵野線に番号がついているのを見た少年は、近所のアキラを誘って、鉄塔の始まる場所まで辿り始める。

鉄塔の形状をこと細かく説明し、男鉄塔とか女鉄塔、婆ちゃん鉄塔、ピッコロ鉄塔など、独自ルールで分類して行くのだが、鉄塔に思い入れが無いので、読んでいても右から左へと流れて行く。写真まで入っていて、少年と一緒に鉄塔を辿るような気分になってくるのだが、ちっともファンタジーっぽくないな(笑)。

中には、工事現場やゴルフ場など、入りづらい施設の中に鉄塔が建っているところもあって、大人達に怒られたりしつつ、それでも少年は諦めない。まだまだ先が長いのに、夕暮れが迫ってきて、終点まで間に合わず終わるんじゃないかと焦った。

のどかだった時代の、古き良き少年時代の冒険といった感じで面白かったが、ラスト部分以外は、ファンタジーっぽくなかった。


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ベイスボイル・ブック

ベイスボイル・ブックベイスボイル・ブック
(1997/12)
井村 恭一

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正体不明の「海上委員会」が管理する南の島。「わたし」はそこで、前代未聞の奇妙な野球を観戦する仕事を引き受けた…。第9回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。


第9回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。

ベイスボイル? ベースボールじゃなくて? と思ったけど、ほぼベースボールだった。王がいた時代に作られた野球場がある南の島は、今や海上委員会が管理している。主人公はこの島でベイスボイルを観戦してレポートするという仕事を、半ば無理やりな感じで引き受けさせられる。

島に行って淡々とベイスボイルを観戦するのだが、この仕事が何の意味を持つのか全く分からず、依頼主の意図も見えてこない。そして、物語そのものも非常に退屈である。

狂犬イドリアンと主人公の関係性もよく分からないままだったし、死人扱いされているのに存在する人物も謎のまま。影が薄すぎて読み流していると、いるのかどうかすら見落としそうになる売春婦ヒロイン? 何の罪を受けているのかよく分からないピッチャー。これは読んでいて、かなり苦痛だった。

芥川賞と戦えそうな作品だと思ったら、芥川賞候補作家だった。私は日本ファンタジーノベル大賞という事で、ファンタジーを期待して手に取ったため、読み進めるのが辛かったのだが、純文学が好きな人なら気に入るかもしれない。


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竜岩石とただならぬ娘

竜岩石(りゅうがんせき)とただならぬ娘 (MF文庫ダ・ヴィンチ)竜岩石(りゅうがんせき)とただならぬ娘 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
(2008/08/21)
勝山 海百合

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大富豪・李大人の屋敷で働くことになった少年・李衛は、白家へ大事な書物を借りてくるというお遣いに出る。雨が降っているわけでもないのに、着ている物が濡れて重くなる。路地には蟹の鋏で首を挟まれた猫、人気のない白家では壁から一抱えもある魚が泳ぎ出て来て仰天。果たしてその魚は、白家のお嬢様?不思議な話の数々、中国志怪風の“怪しい話”20話。第2回『幽』怪談文学賞短編部門優秀賞作品の文庫化。


第2回『幽』怪談文学賞短編部門優秀賞受賞作。

メディアファクトリーだから、ラノベに毛が生えた程度だろうと思っていたら、意外にハイレベルだった。中華風の妖しげな怪談が盛り沢山。中華だけでなく、朝鮮、インド、日本と思われる部分まで広範囲にカバーしている。ただし、不条理で不幸な結末に至る短編が多く、オチも弱いのが惜しい。読み終えて「だから何なの?」とか、「えっ!? こんなところで終わり」と思う話が結構あった。もう少しサプライズが欲しかった。文章力もある事だし、次は中篇以上でやってくれないかなぁ。

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昔、火星のあった場所

昔、火星のあった場所

今もぼくは、あの星のことを思ったりするのだ。あの、空のむこうで分解してしまった赤い星のことを―。ある事故によって生れた、現実感のゆらいでいる世界の中で、火星をとり戻そうと働く、「ぼく」と「彼女」と「タヌキ」。昔話と量子力学を小道具に駆使し、失われゆく世界への郷愁、都会で暮す人間のメランコリーを描く、SFロマン。第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。


第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

題名からするとSFっぽいけれども、中身は全然SFじゃない。舞台は火星だけど、二つの対立する会社によって分裂してしまった世界になっており、狸が暗躍するのである。分割ではなくて分裂、ここが重要。一種のパラレルワールドか妄想世界っぽくなっており、夢と現実の境目すら怪しい意味不明のファンタジーなのである。

最後まで読みきっても、何がなんだかよくわからない不思議な話で、いかにも日本ファンタジーノベル大賞らしい作品ではある。

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ふしぎの国のレイチェル

ふしぎの国のレイチェルふしぎの国のレイチェル
(2004/12)
エミリー ロッダ

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レイチェルが迷いこんだのは超常気象・ブタ嵐のせいで人々が奇行に走るという不可思議な世界。意外な結末が待ちうける謎めいた物語。オーストラリア児童文学賞最優秀賞受賞作。


1987年度オーストラリア児童文学賞最優秀賞受賞作。

ローワンと比較して、随分とタッチが違う仕上がりになっている。どことなく軽快で、まさに不思議の国のアリス現代版といった趣。ブタが空を飛んだりして、世俗の毒に埋もれてしまった私としては、なんだか辟易とさせられる展開だったが、最後のほうで明かされる伏線は見事。消化不良状態でページ捲っていたのが、気分爽快になった。


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沢蟹まけると意志の力

沢蟹まけると意志の力沢蟹まけると意志の力
(1996/07)
佐藤 哲也

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小説だからってフザケるのもいい加減にしろ!日本人に欠けているものは何だ?それは言うまでもない。堅牢強固な意志の力だ。日本ファンタジーノベル大賞受賞後初の書下ろし長編小説。今、とぼけた調子で、世に問う。世界一弱いヒーロー活躍、天才・サトウのナンセンス・ワールド!カニジンジャー沢蟹まけるは改造人間である。彼を改造したマングローブは世界征服を狙う秘密結社である。沢蟹まけるは人間の自由のためにマングローブと戦うのだ。


一応、題名に出てくるように沢蟹まけるという人が主人公の小説みたいだが、絡んでこない部分も相当含まれているので、印象は薄めである。ロクでもない目にばかり遭っているし、変な会社に就職して改造人間にされてしまう、可哀想な人物だった。

沢蟹まけるを改造したのは、世界征服を狙う秘密結社マングローブである。カニジンシャーとなってしまった沢蟹まけるは、人間の自由のため、マングローブと戦う事になる。設定だけみると、思いっきり仮面ライダーである。

物語が程よく進んだところで
「いや、ほんにいい湯じゃ。まったくいい湯じゃ」
「じゃが」と老婆は叫んだ。「これが無事では済まなんだ」
それから老婆は臭い立つ野壺を指差し、このように言ったのである。
「狸に化かされておったのじゃ」

とオチが来る事が多々あり。

物語がある程度進んだと思っていたら、狸に化かされていた事になってしまう。主人公であるはずの沢蟹まけるよりも、老婆のほうが目立っているのではなかろうか。野壺風呂トラップが多すぎるじゃないか。何度も騙されるから、そろそろかな? と、期待しながら読み進めるようになってくるけど。

全体通して、狸どころか作者に化かされた感じの脱力感でいっぱいになった。あまりにも馬鹿らしいので、「もう、本当にこの作者は仕方がないなぁ」という苦笑しか浮かんでこない。堅牢強固な意志の力無くしては読了出来ないだろう(笑)。

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イラハイ

イラハイ (新潮文庫)イラハイ (新潮文庫)
(1996/09)
佐藤 哲也

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婚礼の日にさらわれた花嫁を追って、波瀾をのりこえて駆ける青年の冒険の物語…。「贅沢な遊び、これこそがファンタジー」と絶賛された新古典。第五回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。


第5回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

この賞に相応しい奇書である。一応、ファンタジーというジャンルにかすってはいるが、中身は強烈な風刺小説みたいになっていて、馬鹿らしい部分に笑えば良いのか、誇張された悪ふざけに憤れば良いのか迷ってしまう。

風刺とは言っても、「ガリバー旅行記」みたいにオブラートされておらず、直球攻撃であるから、読んでいて胃もたれしてくる。佐藤哲也の著書って、全部こんな感じなのか? 短編だけでお腹いっぱいになるのに、長編でこの書き方なのは……。

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ロスト・トレイン

ロスト・トレインロスト・トレイン
(2009/11/20)
中村 弦

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誰も知らない場所行きの列車が、いま、目の前で動き出す―なつかしくなる、旅に出たくなる、じんわり切ない大人の青春小説。


説明にもあるように「青春小説」とでもするしかないようである。ミステリのようでもあり、ファンタジーも含まれていて、恋愛要素もある。ジャンル分けするのが難しい小説だった。

ある日、主人公の牧村は、廃線で年配の男、平間要一郎と出会った。一期一会の出会いかと思いきや、帰りの電車で偶然再会し、隠れ家的な店で不定期に会い、酒を飲み交わす仲となる。

ところが、誰も知らない廃線について語った平間は、その日を最後に失踪してしまう。鉄道仲間として平間と知り合いだった倉本菜月を訪ねて行った牧村は、彼女と一緒に平間を探し始める。

鉄道仲間を訪ね歩くが、足取りがなかなか掴めない。平間が最後に語った廃線は、最後まで辿れば奇蹟が起こるというのだが、その場所すら分からない。行き詰った頃、戦時中の時刻表に、存在を消された謎の路線があるのを発見する。

路線の存在自体が無かったことにされている理由、戦時中に起こった事件、超常現象が起こる聖地。ミステリ風の失踪事件から、だんだんファンタジー要素が濃くなって来る。そして奇蹟が!

今の世にウンザリしている人はかなり多いだろうから、こんな場所が本当にあったら、今いる世界を捨てて向こう側に消えて行こうとする者が押し寄せるんじゃないか? 引き返せなくなる向こう側に何があるのか気になる。


ところで、カバー裏とかにもネタバレか何かがあるの? 図書館で借りたからその部分が見えない。とても気になる!


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彼女の知らない彼女

彼女の知らない彼女彼女の知らない彼女
(2008/11)
里見 蘭

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パラレルワールドからやってきた男に、「君は、すごいんだ」って言われた。私には、気付いていない可能性があるんだってさ。金メダルが狙えるくらいの―だから、走ってくれないかって。「私」の影武者として、あっちの世界で。信じてみよう、この人の言葉を。素人だけど、走ってみる。42.195km。 2016年、東京オリンピックを目指して。本気を出しもせずに、生きているつもりでいるのはもうやめた。並行世界の「私」のために、私自身のために―。第20回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。


第20回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

2016年の東京オリンピックを目指して走るという内容に、書いた後で未来予測が外れてしまったのかと思いきや、平行世界の日本では東京に決まったという設定だった。

ごく平凡に生きている女性が別の世界ではオリンピックで金メダルを狙える程のマラソン選手。別世界の選手が怪我をしているため、コーチは平行世界を移動出来る車を使い、影武者を走らせようとする。

平行世界で、別の自分が大物として成功しているという設定は、凡庸な運命しか待っていなかった小市民なら誰でも憧れる妄想だけど、平行世界を移動出来る車で別の場所に行って大活躍というのは、なんだかバックトゥ・ザ・フューチャーを劣化借用した感じで安易すぎるよなぁ。身体的能力は同じだから4ヶ月しか無いのに、天性の才能を発揮して活躍するというのも、努力よりも才能ですかという感じで萎えて来る。

売れそうなネタがたくさん仕込まれてあるので読みやすいけど、ご都合主義設定満載だから、読後に残るモノが少ない感じである。


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