シオドア・スタージョン

攻略対象書籍は以下。

海を失った男』★★★
『不思議のひと触れ』
ヴィーナス・プラスX』★★★★
『輝く断片』
『一角獣・多角獣』
『時間のかかる彫刻』
『人間以上』
『夢みる宝石』
『きみの血を』
『影よ、影よ、影の国』
『千の脚を持つ男』
『〔ウィジェット〕と〔ワジェット〕とボフ』

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ヴィーナス・プラスX

ヴィーナス・プラスX (未来の文学)ヴィーナス・プラスX (未来の文学)
(2005/05)
シオドア スタージョン

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チャーリー・ジョンズが目を覚ましたのは、謎の世界レダム。銀色の空に覆われ、荒唐無稽な建物がそびえ立ち、奇天烈な服を着た“男でもなく女でもない”住人が闊歩している世界だった。故郷に戻りたがるチャーリーに、レダム人たちが持ち出した交換条件は「あなたの目で私たちの文明を評価して下さい」。彼は承諾した。自分の本当の運命も知らずに―異空間での冒険とアメリカの平凡な家庭生活の情景を絶妙に交錯させながら、スタージョン的思考実験が炸裂する!ジェンダーの枠組みをラディカルに問い直した幻の長篇SFがついに登場。


題名がこれだから、チャーリー・ジョンズが目覚めたらヴィーナスにでも改造されちゃってて、「俺がヴィーナスでこんなに可愛いわけがない」みたいな物語だと勝手に想像していたら、全然違った(汗)(をいっ!)。

目覚めたチャーリー・ジョンズがいたのは、人類ではない知的種族の世界レダム。そこの住人は両性具有で人類のような性別は無い。すでに人類は滅亡しており、特殊な機械を使ってチャーリーをこの世界へ取り寄せたと説明される。

自分がいた世界へ戻る条件は、レダムの世界を観察する事。奇妙だが人類より進化したテクノロジーを有する種族を観察するチャーリーだったが、やがて衝撃の事実を知ってしまう。

未来世界? レダムと、人類世界の平凡な女性の生活が混ぜられているのだが、この二つは無関係で、最後までリンクして来ないんだね。解説を読むまで意図が分からず、50年代のアメリカ人パートのほうは軽く読み流してしまった。勿体無い……。

普通のタイムトラベル物かと思っていたら、ラスト付近で驚愕の展開が待っていて驚いた。


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海を失った男

海を失った男 (晶文社ミステリ)海を失った男 (晶文社ミステリ)
(2003/07/11)
シオドア・スタージョン

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白痴の少女の美しい手に魅入られた青年ランは、その手を我が物とするために少女の家に移り住むが…エロスとタナトスの極致ともいうべき異形の愛をえがいた絶品「ビアンカの手」、頭と左腕を残して砂に埋まった男の内的世界を追求して圧倒的な「海を失った男」、交通事故で妻を亡くした男が、墓地で出会った不思議な男に墓を“読む”術を習う「墓読み」の三大傑作に、本邦初紹介の力作中篇「成熟」「三の法則」「そして私のおそれはつのる」、さらに名短篇集『一角獣・多角獣』から「シジジイじゃない」「ミュージック」を収録。めくるめく思考のスリルと異様な感動に満ちた不滅のスタージョン・クラシックス。


難解な構成でSFという枠だけでは収まりきらない内容のものが多いためか、同時期にいた他のSF作家と比べて明らかに不遇だったスタージョン。没後に再評価の機運が高まっているのが物悲しい。まあ、そのお蔭で今から読み始める人には絶好の環境が整いつつあるのだが。近年、各社から過去作品が復刊されて入手しやすくなっている。

それにしても後味が悪い話が多い。手に魅せられて殺される手フェチとか、具現化した妄想がそれに気づかず人間として生きているつもりになっていたり、成熟を求めて死に至るスーパー人類とか、海が存在しない世界で放射能にまみれて死につつある男がいたり……。

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