月は無慈悲な夜の女王

月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 207)月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 207)
(1976/10)
ロバート A.ハインライン

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原題を勝手に変えてしまうというのはよくある話で、実はこれもそのまま訳したら「月はきびしい女教師」になってしまうのだ。時々、センスの無い人が的外れな邦題つけている場合もあるが、これに関しては見事というしかない。女教師では売れないだろう。絶対に、無慈悲な女王のほうが良い。

近未来世界において、月は世界連邦の植民地となっていたが、実情は犯罪者や政治犯を投げ込んだだけの究極の監獄であった。どこにも逃げられない、最強の監獄である。すでに、犯罪者だけではなくてその子孫も生まれ、独自の世界を形成してはいるのだが、一方的に搾取されるだけの存在である事は、従来の植民地と何も変わらなかった。

ここで、人工知能コンピューターが登場する。それは人間同様に思考する事が出来た。しかし、その事は彼(コンピューター)に関るエンジニアしか知らなかった。他に誰も、機械が自律的に思考するなどと考えはしなかったのだ。彼は生きていた! 攻殻機動隊的に言えば、ゴーストが宿ったのだ。その人工知能を仲間にして、月世界を独立させるための戦いが始まる。

経過がアメリカ独立戦争に似ていて面白い。これは自国に対する、ハインラインの皮肉なのでしょうか? ともかく、作者が巷で言われているような単なる右翼ではないという事は、本書を読めば判るでしょう。

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