万城目学

攻略対象書籍は以下。

鴨川ホルモー』★★★☆
鹿男あをによし』★★★★
ホルモー六景』★★★☆
プリンセス・トヨトミ』★★★☆
かのこちゃんとマドレーヌ夫人』★★★☆
偉大なる、しゅららぼん』★★★☆
『とっぴんぱらりの風太郎』
『悟浄出立』

エッセイ
ザ・万歩計』★★★★
ザ・万遊記』★★★
『ザ・万字固め』


京都を舞台にした少し不思議系な話と、出身大学の二点から、森見登美彦と比較されやすそうな感じがするが、個人的にはどちらも好きである。

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偉大なる、しゅららぼん

偉大なる、しゅららぼん偉大なる、しゅららぼん
(2011/04/26)
万城目 学

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万城目学の最新作にして、大傑作!!! 琵琶湖畔の街・石走に住み続ける日出家と棗家には、代々受け継がれてきた「力」があった。高校に入学した日出涼介、日出淡十郎、棗広海が偶然同じクラスになった時、力で力を洗う戦いの幕が上がった!


大傑作と絶賛している密林の商品説明はともかく、今回も妙な感じのファンタジーだった。変な能力を持つ一族の話で、今回は琵琶湖が舞台となる。

相手の精神に干渉するというチート能力でのし上がった一族の本家で、能力を使うための修行をする事となった日出涼介。本家の少年、日出淡十郎と同じ赤い制服を着せられ、いきなり浮くし、不良にも絡まれるし、敵対する一族の棗広海には殴られるし、高校生活は最初から痛い展開に。

新たに校長となった男はかつて藩主だった家系で、日出一族と棗家を町から追い出そうと攻撃して来る。日出、棗、双方の能力を持つ謎の校長には、勝ち目が無さそうな感じだったのだが……。いつものような脱力系の展開となり、異能同士のシリアスな戦いには程遠い。


おバカ系ご都合主義的でマンガっぽい内容は、小説としての重みが足りないんじゃないかと言われてしまいそうだが、特殊能力を持つ者の悲劇や悲哀を書いた重苦しい小説はいくらでもあるのだから、たまにはこういう頭空っぽにして楽しめるような、ハジける感じの作品があっても良いじゃないですか。


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ザ・万遊記

ザ・万遊記ザ・万遊記
(2010/04/23)
万城目 学

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万城目学が、世界を日本を駆けめぐる。北京で五輪を堪能し、ロンドンでサッカーの醍醐味を味わい、バルセロナで不遜にもピカソに共感!?全国の湯治場でアキレス腱のリハビリに励み、国会議事堂で大物代議士をちらり見する…。世界のあちらこちらでの驚きや感動を綴ったエッセイ集。


うーん……。小説が面白すぎるので、比較するとエッセイは地味だなぁ。はじけ具合が足りないし、当然、鹿男や式神やマドレーヌ夫人なんかは出てこない。たまに不思議系のエッセイが混じっているかと思ったら、森見登美彦が出てきたりするけど。

会社を辞めたり、金が無くなって来たので簿記検定を受け始めたら小説も受賞してしまい無駄になったり、アキレス腱を切ったりと、いろいろ波乱万丈人生ではあるけれども、エッセイとしては普通。どちらかというと、エッセイを楽しむというよりも、ファンとして楽しむための本だった。

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プリンセス・トヨトミ

プリンセス・トヨトミプリンセス・トヨトミ
(2009/02/26)
万城目 学

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このことは誰も知らない。五月末日の木曜日、午後四時のことである。大阪が全停止した。長く閉ざされた扉を開ける“鍵”となったのは、東京から来た会計検査院の三人の調査官と、大阪の商店街に生まれ育った二人の少年少女だった―。前代未聞、驚天動地のエンターテインメント、始動。


第141回直木賞候補作。

万城目学最高傑作とかキャッチがついているけど、完成度で言えば「鹿男あをによし」で、アイデアだと「ホルモー」のほうが上だと思う。これは単に話が長いだけでは……。

今回は500ページを超えていて長い! いつもの不思議系統な話かと思ったら、最初から2/3くらいは会計検査院が査察に入る日常の話で、なかなか盛り上がらない。他の作者ならこれでもいいけど、万城目だから、やはり鬼が暴れたり、動物が喋ったりする非日常的なものを期待してしまうだろう。普通の話になっている部分が長すぎる……。

あと、プリンセスの側に、プリンセスを守るべき役割を与えられている少年がいるのだが、ヘタレで弱くて逆にプリンセスから守られている件! しかも女の子になりたくて、さらにはイケメンや美形設定じゃないらしく、セーラー服を着て登校したらキモいからと不良にフルボッコ……。せめて喪じゃなくて「こんな可愛い子が女の子な訳ないじゃない!」設定でやって欲しかった。喪女装ではちっとも萌えない(笑)。というか、この男の娘って、性同一性障害設定にする必要があったのか疑問なんだけど……。

東京から来た会計検査院の三人が調査するうち、OJOという謎の組織に不明金が流れ込んでいる事に気づき、査察を進めるのだが、次第に大阪国という正体不明の組織が見えてくる。

それにしても、今や教育も福祉もセーフティネットもズタボロなのに、こんなしょうもない物に多額の税金を費やしているというのは、やはり許されたものではないと思う。土建屋と天下り官僚くらいしか喜ばないような、金権政党の議員がオラが村へ利権誘導している腐敗構造と比べたら多少はマシかもしれないが……。

いっその事、腐敗した中央ごと断ち切って、大阪国として正式に独立してしまえば面白いんだけどな(笑)。でも大阪も、前の知事が私腹を肥やすだけで何も仕事をせず、借金ばかり増やしてグチャグチャにしてしまったからもう駄目か。

ところで、富士山の不思議な光景という伏線っぽい部分は回収されないのだが、別の話か続編で使うのかね? 単なるネタで、本当は全然関係ないのかもしれないけど、気になるので是非使って欲しい。

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ザ・万歩計

ザ・万歩計ザ・万歩計
(2008/03)
万城目 学

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オニを遊ばせ鹿に喋らせるマキメ・マナブのマーベラスな日々。初エッセイ集。


万城目学の初エッセイ。小説とエッセイの両方が面白い作家にはあまり当たらないのだが、万城目はエッセイも面白かった。明らかにエッセイ用に吐いた嘘も混じってはいるのだが、鼻にかけるような感じも無く、嘘吐き呼ばわりしたくなる部類のものでもなく、小説ともリンクしている茶目っ気ぶりが良い感じである。

全体通して毒はほとんどなく、書いている小説と同じ心地良さである。あちこちで書かれた文章なので、本来はバラバラな筈なのだが、きちんと章立てもされ、上手く纏った書籍に仕上がっている。

万歩計って、登録商標なのか……。

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ホルモー六景

ホルモー六景ホルモー六景
(2007/11)
万城目 学

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このごろ都にはやるもの、恋文、凡ちゃん、二人静。四神見える学舎の、威信を賭けます若人ら、負けて雄叫びなるものかと、今日も京にて狂になり、励むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。このごろ都にはやるもの。元カレ、合コン、古長持。祗園祭の宵山に、浴衣で駆けます若人ら、オニと戯れ空騒ぎ、友と戯れ阿呆踊り。四神見える王城の地に、今宵も干戈の響きあり。挑むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。古今東西入り乱れ、神出鬼没の法螺試合、若者たちは恋謳い、魑魅魍魎は天翔る。京都の街に咲き誇る、百花繚乱恋模様。都大路に鳴り渡る、伝説復古の大号令。変幻自在の第二幕、その名も堂々「ホルモー六景」、ここに推参。


読む順番に注意。続編ではないけれども、やはり『鴨川ホルモー』を先に読んでおかないと面白さ半減状態に陥るだろう。

前作からそのまま続く続編かと思いきや、ホルモー絡みの短編集であった。よって、シリーズではあるけれども続編ではない。細かい部分で前作と繋がっている部分があったりして、再確認したくなって来るのだが、残念な事に図書館で借りたので、現在手元にない。

ホルモーで敗北した事による罰ゲームでチョンマゲになったり、戦国時代の長持と文通したり、橋の上でアノ言葉を絶叫したり、今回もいろいろある。しかし、この正体不明の試合? が京都だけでなく……。別の都市で繰り広げられるホルモーも読みたい!

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鹿男あをによし

鹿男あをによし鹿男あをによし
(2007/04)
万城目 学

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「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」。二学期限定で奈良の女子高に赴任した「おれ」。ちょっぴり神経質な彼に下された、空前絶後の救国指令!?「並みの天才じゃない」と金原瑞人氏激賞!


第137回直木賞候補作。

作家にとって重要なのは二作目だと思う。確かに一作目も大切だが、最初は十分な準備期間があるから作家にとっての最高水準のものが出来て当然。そして、一定レベル以上のものが出来上がらなければ入賞しないので、駄目であってもそれは一作目にはならない。問題は二作目。デビューしたら間を置かずに次を出さなければ忘れ去られてしまう。デビュー作を読んだ人間は当然、期待して待っているから、一作目以上のものを出して来なければならない。ここで面白いものを投入して来られるならば、その書き手はホンモノだと思う。

さてさて、万城目学。二作目にして直木賞候補作にまでなってしまった。出てきたのが微妙な感じのボイルドエッグ。デビュー作品も「鴨川ホルモー」という、ホルモンの誤植なんじゃないかと思ってしまう変な名前。他のボイルドエッグ作品が全部ハズレだったのでちっとも期待していなかったのだが、読んでみたら石に混じった玉だった。二作目も「鹿男あをによし」とかいう妙な題名だが、今回は期待度大!

本当はすぐに読みたかったのだが、図書館での予約数の多さにめげてしまい、今の時期までずれ込んでしまった。この回の直木賞レースは同系統の森見登美彦もいるから無理だろうとは思っていたが、決して負けてはいない。というか、少なくとも第135回で受賞してしまった三浦しをんには勝っている気がするのだが……。なんで受賞出来ないの?

大学の研究室から出されて奈良の女子高に赴任する羽目になってしまった男。最初は普通の小説っぽかったので、今回は奇抜設定じゃなくて普通の物語なのかと落胆しかけたら、突如鹿が喋り始めた。「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」

今回も期待を裏切らず、見事なまでに妙な世界へ突入して行く。鹿に選ばれてしまった男は、京都の狐からある物を渡される役目を担うのだが、大阪の鼠が邪魔をして、受け取る事に失敗してしまうのだ。このままでは日本が危ない! 任務に失敗した男は、ペナルティとして鹿男に!?

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鴨川ホルモー

鴨川ホルモー鴨川ホルモー
(2006/04)
万城目 学

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このごろ都にはやるもの、勧誘、貧乏、一目ぼれ。葵祭の帰り道、ふと渡されたビラ一枚。腹を空かせた新入生、文句に誘われノコノコと、出向いた先で見たものは、世にも華麗な女(鼻)でした。このごろ都にはやるもの、協定、合戦、片思い。祇園祭の宵山に、待ち構えるは、いざ「ホルモー」。「ホルモン」ではない、是れ「ホルモー」。戦いのときは訪れて、大路小路にときの声。恋に、戦に、チョンマゲに、若者たちは闊歩して、魑魅魍魎は跋扈する。京都の街に巻き起こる、疾風怒涛の狂乱絵巻。都大路に鳴り響く、伝説誕生のファンファーレ。前代未聞の娯楽大作、碁盤の目をした夢芝居。「鴨川ホルモー」ここにあり!!第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞作。


ボイルドエッグズ新人賞は、前回のオカルトコスプレで外したから期待していなかったのだが、意外に面白かった。本当は題名が妙だから借りるのはやめようと思ったのだけど。

長年に亘り京都市内で密かに戦われているホルモー。なにやら怪しげなサークルに勧誘された主人公は京大生。いつの間にか、正体不明の京大青竜会なるものに入れられてしまうのだが、その正体はホルモーを戦うチームなのでした。他に、京都産業大学と立命館大学と龍谷大学にチームがあり、4勢力で勝負するのである。あれ? 何で同志社が入ってないんだ!?

このホルモー、契約した式神を飛ばして戦うのだが、自分の式神が全滅すると、自らの意思に反して……。あまり魑魅魍魎は跋扈しないので、式神目当てなら、陰陽師を読んだほうが良いです。陰陽師的なものではなくて、式神を飛ばすラブコメ小説って感じでしょうか。ラブ10%でコメディ90%くらいですけど。

ああ、一度ホルモーやってみたい。

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