多和田葉子

攻略対象書籍は以下。

『三人関係』
犬婿入り』★★★
文字移植』★★☆
聖女伝説』★★☆
ゴットハルト鉄道』★★★
『きつね月』
飛魂』★★★
ふたくちおとこ』★★★
『カタコトのうわごと』
『光とゼラチンのライプチッヒ』
『ヒナギクのお茶の場合』
変身のためのオピウム』★★☆
球形時間』★★★
『容疑者の夜行列車』
『エクソフォニー 母語の外へ出る旅』
旅をする裸の眼』★★★☆
『傘の死体とわたしの妻』
『海に落とした名前』
アメリカ 非道の大陸』★★☆
『溶ける街透ける路』
『ボルドーの義兄』
『尼僧とキューピッドの弓』
『雪の練習生』


『アルファベットの傷口』=『文字移植』(改題)

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旅をする裸の目

旅をする裸の眼旅をする裸の眼
(2004/12)
多和田 葉子

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社会主義国のベトナムから、東ベルリンへと向かう少女。ふとしたきっかけで、彼女は西ドイツ・ボーフムへと連れ去られてしまう。ボーフムから逃げ出した少女は、やがてパリへとたどり着く―。言語、国家、政治体制、さまざまな“境”を越え移動する少女は、行く先々で、カトリーヌ・ドヌーヴの映画と出会う。境界の向こう側に見えるものを生理的感覚で捉えた長編小説。


世界が東西で対立していた時代。ベトナムで生まれ育った少女が、ベルリンで開催される全国青年大会に出席するため東ドイツへ行ったところ、レストランで偶々居合わせたドイツ人青年のせいで、とんでもない事になってしまう。

東側世界では優等生だったはずなのに、目が覚めるとそこは西ドイツだった。ウォッカを飲まされ、寝ている間に拉致されて西側世界へ。鉄のカーテンに隔たれた東側には戻れなくなり、放浪人生が始まる。

拉致されたのだから、普通に戻れば良いのに、資本主義を批判、否定しつつも、ズルズルと西側世界に居続け、この後は宿主を次々と乗り換えながらのパラサイト生活を繰り返す。居場所や食事だけでなく、時には映画を観るためのお小遣いまで貰いながら、猫のように気ままな生活。とんでもない女だな(笑)。

同棲していたドイツ人青年のところから逃げ出し、無賃乗車で列車に潜り込めば、行き先はパリで、さらに深みに嵌ってしまう。紹介された女性の家にパラサイト状態。その後もふらりと飛び出しては、夫婦の家に住み込んだり、男の家に住み込んだり、何年も経ってから昔住んでいた人のところに戻ったりと、パラサイト人生を続けるのだった。

資本主義を批判するクセに、完全に資本主義に依存しているし、ほとんど労働もせず、他人に面倒見てもらうばかり。そうこうするうちにベルリンの壁が壊され、ソ連すら無くなってしまい、帰るべき東側世界が消滅してしまう。

主人公は、ある女優に惹かれて映画ばかり観ているのだが、映画部分は断片でしか語られない。13に分けられた章全てが、カトリーヌ・ドヌーヴが出演したうちの13作品と対応している。この小説は、対応している作品を全て観ているような映画通じゃないと、本当の意味では楽しめないような気がする。


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変身のためのオピウム

変身のためのオピウム変身のためのオピウム
(2001/10/19)
多和田 葉子

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ギリシア神話の登場人物から22人の女性を選び1人1章をあてて描く連作集。芥川賞作家多和田氏ならではの想像力の限りを尽くしたタペストリーをお楽しみ下さい。


章ごとに主人公が変わると思ったら。ギリシア神話の登場人物から取っているのか。22人もいて、意味不明系で訳がわからないよ。こんなの絶対おかしいよ(><) 会話もほとんど無く、気味が悪い主人公達の現状が淡々と語られるばかりで退屈する。

これも密林の評価が高いな。全くシンクロ出来ないから、何がどう面白いのか理解出来ない件。文章力優先で意味不明系の小説は苦手だ。


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ふたくちおとこ

ふたくちおとこふたくちおとこ
(1998/10)
多和田 葉子

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ティルは、口と肛門のふたつの口でしゃべった。ドイツの伝説にあらわれた無用で無意味な奇蹟のおとこたち!多和田葉子が誘うマジカル・ミステリー・ツアー。


ティル・オイレンシュピール、ハーメルンの笛吹き男をアレンジした感じの妙な物語になっている。表題作の「ふたこちおとこ」と、「かげおとこ」「ふえふきおとこ」の三篇あるが、世界観は共有しているの?

「ふたくちおとこ」は、口と肛門でウソばかり喋る男が主人公で、本当に口から生まれて来たようなティルのやりたい放題な物語。「かげおとこ」は、日本人留学生と、かげおとこの絡みがいまいち分からないし、BAD ENDだから楽しくなかった。「ふえふきおとこ」は、ハーメルンの笛吹き男なのだけど、「あ」から始まって「ん」で終わるまで、物語が細かく分断されている。


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ゴットハルト鉄道

ゴットハルト鉄道 (講談社文芸文庫)ゴットハルト鉄道 (講談社文芸文庫)
(2005/04/09)
多和田 葉子

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“ゴットハルトは、わたしという粘膜に炎症を起こさせた”ヨーロッパの中央に横たわる巨大な山塊ゴットハルト。暗く長いトンネルの旅を“聖人のお腹”を通り抜ける陶酔と感じる「わたし」の微妙な身体感覚を詩的メタファーを秘めた文体で描く表題作他二篇。日独両言語で創作する著者は、国・文明・性など既成の領域を軽々と越境、変幻する言葉のマジックが奔放な詩的イメージを紡ぎ出す。


表題作なのに、「ゴットハルト鉄道」が短すぎる。ゴットハルト鉄道に乗った女性の話なのだが、途中で引き返して山岳電車に乗る。雪景色の中を歩くのだが、何事も起こらないまま、面白くなる前に終わってしまった。

ページの大半は「無性卵」という話で、住んでいる家の二階しか使わないという、ちょっとおかしな物書きの女性が主人公。この女性のところに、正体不明の少女が迷い込んできて一緒に暮らし始めるのだが、この娘もどこかおかしくて、意味不明の言動をとる。物語としてはこれが一番普通に読めたが、最後がBAD ENDなのがちょっとなぁ……。

最後の「隅田川の皺男」は、二浪目に突入した男娼みたいな男と、その男を金で買う女の話なのだが、かなり不条理で意味不明系。こういう現実と妄想の境界が曖昧で訳の分からない話はあまり好きじゃない。


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飛魂

飛魂飛魂
(1998/05/06)
多和田 葉子

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森の奥に亀鏡という女虎使いが住んでいた。彼女を師と慕う若い女たちが、大勢、家を捨てて森に入っていった。女たちは森の寄宿舎で寝食を共にし、「虎」を求めた。さまざまな授業に出席するほか、「原書室」に備え付けの原典360巻を読まなければならない──主人公、梨水は、そこでどんな体験をし、何を見るのか?読者を酪酊させるイメージの奔流。幻想的世界に誘う長篇綺譚。


亀鏡という女が師となっている、森の中にある寄宿学校に入る事になった梨水。選ばれた者しか行く事は出来ないのだが、選ばれるかどうか分からないまま、ただ待ち続ける者もいる。

寄宿学校でライバル達と学び始めるのだが、途中で投げ出しそうになったり反発したり、時には逃げ出して、変な薬を飲まされて頭がおかしくなり、薬草を採る奴隷みたいになっていたりもする。

中国によく似た設定なのだが、常識外だったり不条理だったりする出来事に巻き込まれるので、ひょっとすると「十二国記」みたいに、中国っぽい異世界の物語なのかもしれない。

物語の構造よりも文章優先な感じで、あまり楽しめなかったのだが、ファンには高評価のようである。

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聖女伝説

聖女伝説聖女伝説
(1996/06)
多和田 葉子

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「少女」から「美しき死」が奪い去られてしまったら、「少女」はいったい誰になるのか。オフィーリアの系譜に決別する画期的な少女小説の誕生。性と生と聖の少女小説。


なんか、最初から最後まで、中途半端にファンタジーが入ったような話で、意味不明だった。妙な能力を持つ男の力で人形みたいに動かない状態にされた少女が、動けるようになっても普通には戻らず、精霊が勝手に言葉を喋り出すようになる。

しかし、それが本当に憑依して来た何者かによる言葉なのか、多重人格障害的に、自分の中の別の部分が勝手に喋るだけなのか、よく分からない。子供なのに、やたら難解な言葉を喋り始めるので、これが別の何かによるものでなければ、相当、知能指数が高い事になってしまうけど。

そのうち、体の一部を切り取る怪しげなカルトに目をつけられ、追われ始める。何だかよく分からないものから逃げるため、窓の外に飛び出して落下して行く主人公。地面に激突する寸前で宙に浮いて終わるのだが、本当に何が何だかサッパリ分からない物語だった。


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文字移植

文字移植 (河出文庫文芸コレクション)文字移植 (河出文庫文芸コレクション)
(1999/07)
多和田 葉子

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現代版聖ゲオルク伝説を翻訳するために火山島を訪れた“わたし”。だが文字の群れは散らばり姿を変え、“わたし”は次第に言葉より先に、自分が変身してしまいそうな不安にかられて…言葉の火口へあなたを誘う魅力あふれる代表作。


わざわざ南の島までやって来て、観光したり泳いだりする訳でもなく、ひたすら翻訳の仕事をして悪戦苦闘する主人公。翻訳に苦しんでいる途中のところだけ、句点だらけ。残りの地の文は句点無しという妙な手法なので読み難い。

翻訳を行っている島での日常を描いただけかと思いきや、ラスト付近になって、一気にファンタジーがかった意味不明系になってしまう。

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犬婿入り

犬婿入り (講談社文庫)犬婿入り (講談社文庫)
(1998/10)
多和田 葉子

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多摩川べりのありふれた町の学習塾は“キタナラ塾”の愛称で子供たちに人気だ。北村みつこ先生が「犬婿入り」の話をしていたら本当に「犬男」の太郎さんが押しかけてきて奇妙な二人の生活が始まった。都市の中に隠された民話的世界を新しい視点でとらえた芥川賞受賞の表題作と「ペルソナ」の二編を収録。


第107回芥川賞候補作「ペルソナ」
第108回芥川賞受賞作「犬婿入り」収録。


「ペルソナ」は、弟と共にドイツへ留学している女性の日常。会話が会話文ではなく、地の文に埋没しているのが特徴的。とりたてて何も起こらない海外での日常生活なのだが、文章はこちらのほうが読みやすい気がした。この頃の芥川賞は妙な方向へ走っていないので、普通に物語として読める。

「犬婿入り」のほうが、内容としては面白いのだが、一文が長いのが引っかかる。何で芥川賞系統の人は、読点を使わずに長い文章を書きたがるのか。

題名からイメージして、八犬伝的な昔話なのかと思ったら全然違った。キタムラ塾を経営する北村みつこのところに、太郎と名乗る男が勝手に住み着き、ご近所の噂になるというもの。ラストが少し意味不明系。

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アメリカ―非道の大陸

アメリカ―非道の大陸アメリカ―非道の大陸
(2006/11)
多和田 葉子

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未知の記憶を背負った人々の移り住む土地アメリカであなたを見舞う、数奇な出来事。旅する作家が切りひらく物語の新世界。恐怖と愉楽のトラベル・ノベル。


なんだか珍しい二人称視点の小説。ちょっと変わっているから興味深いけど、自分では絶対に取らないであろう行動を、「あなたは~~しました」と言われ続けて物語が進むので、下手な一人称小説よりも感情移入が出来ない。

なんだか心理テストの設問を延々と読まされているようで、全然のめり込めなかった。巷での評判は良いが、個人的には微妙。

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球形時間

球形時間球形時間
(2002/06)
多和田 葉子

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鋭くも愚かしくも聞こえる問いをつねに発している高校生サヤは、ある日の放課後、喫茶店で謎のイギリス女性と出会ってひきつけられる。クラスメートのカツオは、フィリピン人の混血少年と性関係をもちつつも、太陽を崇拝する青年への興味を抑えられない。あっちへこっちへと転がりながら、はからずも核心へと向かってゆく少女と少年の日常を描く、愉快かつ挑戦的な最新長篇。


これ、どこかで絶賛されていた(気がする。もしかしたら誰かのブログ?)から借りてみたのだが、文体は良いものの内容がちょっと……。ホモ少年(名前がカツオなのが笑える)が出てくるから萎えるし、主人公のコギャルはアホっぽいのに成績優秀だという設定。作中では知識が乏しいのに何故か成績だけクラス1番ってのはどうかと思うが。あとはモラトリアム教師とか神経衰弱大学生とか潔癖症女も出てきて、ラストは妄想みたいな意味不明の結末で思わず「何じゃこれ!」と叫んでしまうような内容だった。

時空を彷徨うイザベラ・バードとの邂逅により、女子高生サヤが非日常的世界に投げ出されて面白くなる話かと思ったら全然違った。イザベラさんはかなり脇役っぽい。いなくても物語は成立するんじゃないのか? せめて、ホモ少年カツオの相手がナカジマだったら笑えたのに。

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