北村薫

攻略対象書籍は以下。

円紫さんシリーズ
『空飛ぶ馬』
『夜の蝉』
『秋の花』
『六の宮の姫君』
『朝霧』

覆面作家シリーズ
覆面作家は二人いる』★★★☆
覆面作家の愛の歌』★★★☆
覆面作家の夢の家』★★★☆

時と人 三部作
『スキップ』
『ターン』
『リセット』

ベッキーさんシリーズ
街の灯』★★★☆
玻璃の天』★★★☆
『鷺と雪』

『冬のオペラ』
『水に眠る』
『月の砂漠をさばさばと』
『盤上の敵』
『語り女たち』
『ニッポン硬貨の謎』
『紙魚家崩壊-九つの謎』
『ひとがた流し』
『野球の国のアリス』
『飲めば都』

評論・エッセイ
『謎物語 -あるいは物語の謎』
『謎のギャラリー』
『ミステリは万華鏡』
『詩歌の待ち伏せ』
『続・詩歌の待ち伏せ』
『ミステリ十二か月』
『北村薫のミステリびっくり箱』
北村薫の創作表現講義-あなたを読む、わたしを書く
『自分だけの一冊 北村薫のアンソロジー教室』
『いとま申して 『童話』の人びと』


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサーサイト

玻璃の天

玻璃の天 (文春文庫)玻璃の天 (文春文庫)
(2009/09/04)
北村 薫

商品詳細を見る

昭和初期の帝都を舞台に、令嬢と女性運転手が不思議に挑むベッキーさんシリーズ第二弾。犬猿の仲の両家手打ちの場で起きた絵画消失の謎を解く「幻の橋」、手紙の暗号を手がかりに、失踪した友人を探す「想夫恋」、ステンドグラスの天窓から墜落した思想家の死の真相を探る「玻璃の天」の三篇を収録。


第137回直木賞候補作。

街の灯」の続編。とは言っても短編の連なりなので、これ単品でも読める。今回も些細な事件をお嬢様が見極める。事件の真実には迫るのだが、解答を得るだけであって、別に事件を解決する訳ではないところが、名探偵物とは違うところ。

前回も殺人事件ネタがあったのだが、今回も同様に、些細な事件に混じってひとつだけ殺人ネタがある。それが表題となっている「玻璃の天」という短編。そして、この事件で謎の運転手ベッキーさんの過去がっ! この話が含まれているが故に、単品でも読めるとはいっても、やはり「街の灯」を読んでから本作を読み進めるのが正しい楽しみ方となるでしょう。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

街の灯

街の灯 (文春文庫)街の灯 (文春文庫)
(2006/05)
北村 薫

商品詳細を見る

昭和七年、士族出身の上流家庭・花村家にやってきた女性運転手別宮みつ子。令嬢の英子はサッカレーの『虚栄の市』のヒロインにちなみ、彼女をベッキーさんと呼ぶ。新聞に載った変死事件の謎を解く「虚栄の市」、英子の兄を悩ませる暗号の謎「銀座八丁」、映写会上映中の同席者の死を推理する「街の灯」の三篇を収録。


直木賞候補作となった「玻璃の天」を読もうとしたら、これが前作である事を知り、慌てて借りてきた。シリーズ物でも、見た目で判別出来ないのが多いから困る。「街の灯」→「瑠璃の天」です。

昭和初期、女子学習院に通う上流階級のお嬢様、花村英子が主人公。周辺で起こるちょっとした事件を、お嬢様が謎解きする。飢えで苦しむ人間がいる時代、優雅に暮らす人々の物語なのが萎え気味になるけれども、世間知らずの馬鹿娘ではなく、頭の回転が速いので許容範囲。主人公よりも、運転手兼ボディガード役のベッキーさんのほうが気になる。女でありながら運転手に抜擢され、剣技にも秀で、拳銃まで的に命中させてしまうという謎の人。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

覆面作家の夢の家

覆面作家の夢の家 (角川文庫)覆面作家の夢の家 (角川文庫)
(1999/10)
北村 薫

商品詳細を見る

12分の1のドールハウスで行われた小さな殺人。そこに秘められたメッセージの意味とは!?天国的美貌を持つミステリー界の人気作家「覆面作家」こと新妻千秋さんが、若手編集者、岡部良介とともに、残された言葉の謎に挑む表題作をはじめ、名コンビが難事件を解き明かす全3篇を収録。作家に探偵、おまけに大富豪のご令嬢と、様々な魅力を持つお嬢様探偵、千秋さんの名推理が冴えわたる“覆面作家”シリーズ第3弾。


覆面作家シリーズ3冊目。

ドールハウス殺人事件は、(物語内で)実際に起こったのではなく、人形が殺されているだけ。そこに隠されたメッセージが、製作者からの挑戦状となる。

殺人成分が下がり、ハッピー成分が増えた。双子の兄は意外な相手とゴールイン。リョースケは超級お嬢様を無事攻略出来るのか!? フラグが立った辺りで終わっているのが残念。この結末を見届けたかった。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

覆面作家の愛の歌

覆面作家の愛の歌 (角川文庫)覆面作家の愛の歌 (角川文庫)
(1998/05)
北村 薫

商品詳細を見る

ペンネームは覆面作家―本名・新妻千秋。天国的美貌でミステリー界にデビューした新人作家の正体は、大富豪の御令嬢。しかも彼女は現実に起こる事件の謎までも鮮やかに解き明かす、もう一つの顔を持っていた!春のお菓子、梅雨入り時のスナップ写真、そして新年のシェークスピア…。三つの季節の、三つの事件に挑む、お嬢様探偵の名推理。人気絶頂の北村薫ワールド、「覆面作家」シリーズ、第二弾登場。


覆面作家シリーズ2冊目。

家の中と外で人格が変わるお嬢様と、出版社の担当リョースケ。リョースケにはユースケという双子の兄がいる。警視庁の刑事なのだが、事件絡みでお嬢様とも関わる事になりがち。

一作目よりも殺人成分が高くなってきたのは残念。人が死なないミステリーのほうが良いなぁ。謎解きは苦手なので、通話時間のトリックは軽く読み流す。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

覆面作家は二人いる

覆面作家は二人いる (角川文庫)覆面作家は二人いる (角川文庫)
(1997/11)
北村 薫

商品詳細を見る

姓は・覆面・、名は・作家・。弱冠19歳、天国的美貌の新人推理作家・新妻千明は大富豪令嬢。若手編集者・岡部を混乱させながら鮮やかに解き明かされる日常世界の謎。誕生! お嬢様名探偵、シリーズ開始。


覆面作家シリーズ1冊目。

宮部みゆきから“本格原理主義者”なんて言われているので、もっと本格なのかと思ったら、限りなくキャラクター小説に近い感じ。これでもう少しペラい文章ならスニーカー文庫のほうでもいけそうだ。

出版社に作品を送ってきた相手は、超金持ちで超美人のお嬢様だった。異様に頭の回転が速く、身近に起こる事件の謎も解き明かしてしまう。何もかも揃った完全無欠キャラというのはありがちだけど、嫌味が無いのが良い。家の中だと深窓の令嬢な感じなのに、外に出ると男前な性格に変わってしまうのが何とも……。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く

北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く (新潮選書)北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く (新潮選書)
(2008/05)
北村 薫

商品詳細を見る

「早稲田大学で教えた二年間、教室でこんな事を話していました」—ドラマ、映画、落語、朗読、短歌、舞台美術、音楽…さまざまな表現に“スパークする”小説家の創作魂。「その人でしかありえない」表現の秘術。より深く味わうための心得、「伝える」こと「分かる」ことの奥義。小説家の頭の中、胸の内を知り、「読書」で自分を深く探る方法を学ぶ。


これは2005年度、2006年度に早稲田大学で行われた講義が元となっている。大学の講義は睡眠兵器かと思いたくなるようなツマラナイものが多いのだが、こういう講義なら受けてみたい。

材料として、当時駆け出しの三浦しをんを扱っているのだが、北村本人が受賞しないうちに、三浦しをんが先に直木賞作家になってしまったのは辛いなぁ。後で北村薫も受賞することが出来たから良いけど。今後も、時代小説、恋愛小説、大衆小説優遇、ラノベ越境型女子作家超優遇、ミステリーやや不遇、SF論外な状況が続くのだろう。

終わりの方に赤木かん子の手書き文章がそのまま載っているのだが、これは秀逸である! 東京に雪が積もった日、彼女はかまくらを作るのだが、脚色して作文に躍動感溢れる文章を書いたところ、先生からの一言は「ウソを書くのはやめましょう」であった。これが原因で、彼女は心に深い傷を負うのである。

まさに、天才と凡人が出会った際に生じる典型的な悲劇である。人は、自分よりレベルの高い人間を教える事など出来ない。彼女の悲劇は、自分よりもレベルが低い先生に当たってしまった事にある。この文才を見抜けないなんて……。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ