イチゴ色禁区3 春の禁区のその果てに

イチゴ色禁区〈3〉春の禁区のその果てに (角川スニーカー文庫)イチゴ色禁区〈3〉春の禁区のその果てに (角川スニーカー文庫)
(2007/06)
神崎 リン

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玉城家が求める“完全なる平和”に疑問を抱いた正樹は、玉城の秘密を探るべく長の孫の美代を使い調査を進める。一方、正樹とケンカ中の従妹の亜美は、玉城の政略結婚に巻き込まれていた。強引な婚姻の阻止を図る正樹だが、毎夜見る“夢”に出てくる謎の男から「玉城のない平和な世界を創るため、禁区へ向かおう」と告げられ!?神の欺瞞と人の欺瞞―禁じられた平和の果てに再会する、亜美と正樹のイチゴミルク・デスティニー。


一冊目のサブタイトルが夏、二冊目で秋、三冊目が春……。夏→秋→春、冬が飛ばされているのは、三冊目で終りになってしまったからか!? あまり売れなくて打ち切りになったのだろうけど、後半急ぎ足で、盛り上がらないままシリーズが完結してしまった。まぁ、ちゃんと物語として終わらせただけでも、途中で放り投げるジャンプマンガより優れてはいるが。

本筋に関係ないツンデレなじゃれ合いでページを取りすぎなのが痛い。むしろ、徹底的にラブコメに徹してしまったほうが良かったのでは? 神官と巫女の話なのに、あまり妖怪変化や神の類とバトルが無かったので、中途半端な感じだ。

文章は暴走系独り語りに会話文を混ぜた感じで独特だから、クセがあって好き嫌い分かれそうだが、文章スカスカ系でなないので、物語の構成をよく練れば結構良い所までいけそうな気がする。


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イチゴ色禁区2 秋の神具の奪いかた

イチゴ色禁区〈2〉秋の神具の奪いかた (角川スニーカー文庫)イチゴ色禁区〈2〉秋の神具の奪いかた (角川スニーカー文庫)
(2006/11/30)
神崎 リン

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「正樹。私を誘拐しちゃって!」…んなバカな!?なのに俺は結局、亜美と玉城一族長の孫である美代を誘拐した罪で、神社仏閣を管理する「玉城一族」に追われる身に。もともとは長から依頼された任務―玉城の神具“心惑いの玉”を新設の神社に届ける―のための狂言誘拐だったのに。どうやらこの神具には玉城の、そして俺たち二人を巻き込む陰謀が渦巻いているらしく!?亜美と正樹のイチゴミルク・デスティニー“秋の巻”。


主人公の妙な電波的脳内妄想暴走一人語り口調にも、なんとか耐性がついてきましたよ。という訳で第二巻。外道神主はボロ神社を任されてはいるが、神社の掃除すら億劫な駄目人間な日々。そんな最中、組織から封印された神具の搬送を命じられる。長の孫娘、幼なじみの同じく神主、ゴスロリロリ巫女(巫女なのにゴスロリ着ている少女)、外道主人公の四人で極秘裏に運搬するはずが、謎の敵に襲撃されて強奪されてしまう。

失策を上層部に知られたくない四人は、孫娘誘拐をデッチ上げて、組織の警戒レベルをあげさせる。これにより、神具強奪犯人も身動きが取れないだろうとの魂胆だったが……。組織内部の内ゲバなのか、他に敵対組織があるのか、またしても謎が謎のままで、最後の最後で新キャラ登場かつ美味しいところをさらって行く。伏線張らず、終わりかけに強力なキャラを投入して来るのは、物語の紡ぎ方として禁じ手だと思う。

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イチゴ色禁区1 夏の鳥居のむこうがわ

イチゴ色禁区 1.夏の鳥居のむこうがわ (角川スニーカー文庫)イチゴ色禁区 1.夏の鳥居のむこうがわ (角川スニーカー文庫)
(2006/08/31)
神崎 リン

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「正樹いくよっ!」…亜美、女の子がイクというのはどうかと思う―とか考えながら向かってるのは派遣先の神社。そう俺たちは神社仏閣を管理する“玉城一族”の血をひく由緒正しき神子なのだ。毎年お盆のこの時期、退魔仕事を果たすはずが、鳥居の先で待ち受けていたのは迷子の幼い女神!?しかも記憶喪失!?この夏からはじまる亜美と正樹の甘くてクールなイチゴミルクデスティニー!第10回スニーカー大賞“奨励賞”受賞作。


第10回スニーカー大賞奨励賞受賞作。

これまた、かなり微妙だ。最初からシリーズ化を目論んでいるに違いない書き方で、何らかの陰謀が感じられるのだが、それは一切語られない。まあ、中途半端に伏線出しておいて回収しないラノベ作家よりはマシだけどね。

前半は、ウダウダグダグダしたギャクとちょっとだけラブコメっぽい。でも、片方が小学生だからなぁ。ロリは駄目だろう。主人公は、神社仏閣を管理する一族の神子。神子には階位があって、主人公青年は第三位の宮司。一緒に行動する従妹の小学生は、それに従う上級巫女。

「道」を塞ぐ原因を取り除こうと赴いた先には、記憶喪失の少女がいた。人間とは比べ物にならない力を感じるので、どうやら行方不明になった一位の神、姫乃守時雨尊らしいのだが……。

これ、ストーリーはともかく、独特の文体についていけるかどうかが分かれ目となる。なんだか、劣化した三浦しをんが妄想炸裂中みたいな暴走電波系の文字がひたすら垂れ流されるんですけど。最初のページから全開なので、確認して受け付けないなら止めたほうがよろしい。個人的にはOrz

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最後の息子

最後の息子 (文春文庫)最後の息子 (文春文庫)
(2002/08)
吉田 修一

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新宿でオカマの「閻魔」ちゃんと同棲して、時々はガールフレンドとも会いながら、気楽なモラトリアムの日々を過ごす「ぼく」のビデオ日記に残された映像とは…。第84回文学界新人賞を受賞した表題作の他に、長崎の高校水泳部員たちを爽やかに描いた「Water」、「破片」も収録。爽快感200%、とってもキュートな青春小説。


第84回文學界新人賞受賞作。
第117回芥川賞候補作「最後の息子」
第118回芥川賞候補作「破片」収録。

キャッチに「爽快感200%、とってもキュートな青春小説」とあるけど、ちっともキュートじゃなかった(汗)。

初手から文章は上手いのだけど、やっぱりホモ絡みなんだね(汗)。表題作は、オカマと同棲してヒモ状態の駄目男が主人公の、どうでも良い日常。ホモ公園で、ホモ狩りで殺された“大統領”も物語には絡んで来るのだけど、結局、仇討ちはされないままだし。

「破片」はホモ小説じゃなかったけど、その代わりに、出てくる弟が飲み屋の年上女に入れ込んで、ストーカーの一歩手前などうしようもない話。主人公が付き合っている相手も、ブランド物が欲しいからと、一緒に住んでいる家からテレフォン・セックスのバイトをするような糞女だし。どうでも良い内容だった。

芥川賞の候補作になっていない「Water」は、高校の水泳部を書いた青春小説なので、一番読めるけれども、やはりホモが出てくるんだね(汗)。なんで無理やり同性愛な男を入れようとするの?

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ロスト・トレイン

ロスト・トレインロスト・トレイン
(2009/11/20)
中村 弦

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誰も知らない場所行きの列車が、いま、目の前で動き出す―なつかしくなる、旅に出たくなる、じんわり切ない大人の青春小説。


説明にもあるように「青春小説」とでもするしかないようである。ミステリのようでもあり、ファンタジーも含まれていて、恋愛要素もある。ジャンル分けするのが難しい小説だった。

ある日、主人公の牧村は、廃線で年配の男、平間要一郎と出会った。一期一会の出会いかと思いきや、帰りの電車で偶然再会し、隠れ家的な店で不定期に会い、酒を飲み交わす仲となる。

ところが、誰も知らない廃線について語った平間は、その日を最後に失踪してしまう。鉄道仲間として平間と知り合いだった倉本菜月を訪ねて行った牧村は、彼女と一緒に平間を探し始める。

鉄道仲間を訪ね歩くが、足取りがなかなか掴めない。平間が最後に語った廃線は、最後まで辿れば奇蹟が起こるというのだが、その場所すら分からない。行き詰った頃、戦時中の時刻表に、存在を消された謎の路線があるのを発見する。

路線の存在自体が無かったことにされている理由、戦時中に起こった事件、超常現象が起こる聖地。ミステリ風の失踪事件から、だんだんファンタジー要素が濃くなって来る。そして奇蹟が!

今の世にウンザリしている人はかなり多いだろうから、こんな場所が本当にあったら、今いる世界を捨てて向こう側に消えて行こうとする者が押し寄せるんじゃないか? 引き返せなくなる向こう側に何があるのか気になる。


ところで、カバー裏とかにもネタバレか何かがあるの? 図書館で借りたからその部分が見えない。とても気になる!


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中庭の出来事

中庭の出来事中庭の出来事
(2006/11/29)
恩田 陸

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瀟洒なホテルの中庭。こぢんまりとしたパーティの席上で、気鋭の脚本家が不可解な死を遂げた。周りにいたのは、次の芝居のヒロイン候補たち。自殺? それとも他殺? 芝居とミステリが融合した、謎が謎を呼ぶ物語のロンド。


最近の恩田陸は演劇に凝っているのか? 『チョコレートコスモス』もそうだったが、今回も演劇だった。殺人なのか単なる自殺なのか、よくわからない事件が起こるのだが、次第にそれが現実なのか脚本通りに演じられている虚構なのか判らなくなってきて、最後は……。

話の骨格を複雑にしていくのは程々にして、もっと内容自体を面白くしてくれたらいいのにな。

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泉麻人

攻略対象書籍は以下?

ちょっと多すぎるし、wikiもあまり整理されていないので、暫定リストアップ。
このままでは小説なのか、エッセイなのか、よく分らないし。

リモコン症候群(カジュアルな自閉症)
東京23区物語
丸の内アフター5
ナウのしくみ(1)(ナウのしくみ,同87,同88)
ナウのしくみ(2)(ナウのしくみ89,同90,同91)
激写文庫6 感謝状8人のアイドル様(解説 撮影:篠山紀信)
あやふやな季節』★★★
泉麻人の大宴会
泉麻人のコラム缶
ヴァンサンカン
想い出の定番アワー(10 Years Before)
お子様業界物語
春風邪の誘惑
Partyにようこそ』★★★
B級ニュース図鑑
泉麻人の僕のTV日記
東京23区動物探検
コラム百貨店
地下鉄の友
おやつストーリー
ナウのしくみ92
けっこう凄い人
C・ジャック
オフィス街の達人
ナウのしくみ93
バナナの親子
散歩のススメ
三十五歳たちへ。
おすもうさんのおしり(選)
ナウのしくみ94
30代 女たちの日記
コラムダス(天使の辞典-コラム年代期)
ナウのしくみ95
B級ニュースの旅
新中年手帳
東京タワーの見える島
給水塔の町
週刊エビスランチ
地下鉄の素(新地下鉄の友(上り))
地下鉄の穴(新地下鉄の友(下り))
東京自転車日記
ホームページ秘宝館
大東京バス案内
家庭の事情
世紀末B級ニュースファイル
東京、10の短編とちょっとした観光案内(東京マニアック)
地下鉄100コラム
たのしい社会科旅行
ニッポンおみやげ紀行
僕の昭和歌謡曲史
気になる物件
バスで、田舎へ行く
ナウの蟻地獄~トレンドはどこへ消えた?
通勤快毒
東京少年昆虫図鑑
新・東京23区物語
青春の東京地図
昭和遺産な人々
電脳広辞苑
「お約束」考現学
東京ディープな宿
タブロイド時評(ありえなくない。)
泉麻人のなつかしい言葉の辞典
なぞ食探偵
おじさまの法則
「お天気おじさん」への道
東京検定
ありえなくない。(タブロイド時評)
東京版アーカイブス ~「あの頃のニュース」発掘~
東京・七福神の町あるき
キサナドゥの伝説
50の生えぎわ
シェーの時代 ~「おそ松くん」と昭和こども社会~

エッセイ、コラム等
街のオキテ』★★★
僕がはじめてグループデートをした日』★★★☆
会社観光』★★★



(共著)
大学解体新書-新々大学案内
週刊本(24)-無共闘世代
十七粒の媚薬
コンビニエンス物語
中吊り小説
日本のうた300、やすらぎの世界
日本崖っぷち大賞
日本一の私の先生
カレーを食べに行こう
崖っぷちオヤジ-日本崖っぷち大賞完結編
ホーローの旅
いいだろ?これ
オヤジの穴

(編集)
昭和生活年代記 50・60年代




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僕がはじめてグループデートをした日

僕がはじめてグループデートをした日 (中公文庫)僕がはじめてグループデートをした日 (中公文庫)
(1997/10)
泉 麻人

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はじめてポルノ映画を観た日、煙草を喫った日、TVに出た日、暴走族に殴られた日―今だから笑える青春時代のあの日のエピソードを語る、懐かしくもおかしい“初体験”エッセイ。


泉麻人といえば、ヲタ属性な方ですな。ただでさえ面白い人間が、若かりし頃の(若気のいたり?)出来事をネタにしたエッセイなので、面白くて良い。面白いだけじゃくて、恥ずかしい話や痛い話や危ない話も満載だけど。

僕がはじめてグループデートをした日、僕がはじめてポルノ映画を観た日、僕がはじめてギターを弾いた日、僕がはじめてマクドナルドのハンバーガーを食べた日、僕がはじめてハイライトを喫った日、僕がはじめてホクラホマミキサーを踊った日、僕がはじめてグァム島に行った日、僕がはじめてTVに出た日などなど。

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風少女

風少女 (創元推理文庫)風少女 (創元推理文庫)
(2007/03)
樋口 有介

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父危篤の報を受けて帰郷した斎木亮は、中学時代に好意を寄せていた川村麗子の妹・千里と偶然に出会う。そこで初めて知った、麗子の死。事故死という警察の判断に納得のいかない二人が、同級生を訪ね、独自の調査をはじめると…。赤城下ろしが吹きすさぶ風の街・前橋を舞台に、若者たちの軌跡を活き活きと描き上げた、著者初期の代表作。


第103回直木賞候補作。

父が危篤となり帰郷した斎木亮に近づいてきたのは見知らぬ少女。彼女は、中学の頃に好きだった川村麗子の妹で、川村麗子が事故死したという事を知らされる。当事の状況を聞かされて、不審な点を感じた斎木は、事件の核心へと近づいて行く。

ミステリだけど、謎解きやトリックよりも、登場人物の軽快な会話がメイン。別にライトな訳じゃないけど、出来の良いラノベみたいなテンポの良さ。人が死んでいるけれどもドロドロしていないのが良い。

あまりにも簡単に犯人に辿り着いたと思ったら……。犯罪者がきちんと裁かれないままなのが少し不満であるが、ラストで風少女とのフラグが立つのはGJである。


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月の扉

月の扉 (光文社文庫)月の扉 (光文社文庫)
(2006/04/12)
石持 浅海

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沖縄・那覇空港で、乗客240名を乗せた旅客機がハイジャックされた。犯行グループ3人の要求は、那覇警察署に留置されている彼らの「師匠」を空港まで「連れてくること」。ところが、機内のトイレで乗客の一人が死体となって発見され、事態は一変―。極限の閉鎖状況で、スリリングな犯人探しが始まる。


幻想的な題名に惹かれたのだが、ミステリーなのに新興宗教の教祖様にも匹敵するカリスマを持つ師匠の超常能力頼みというのが微妙である。ちょっとズレたら下手なファンタジーかオカルトになってしまうじゃないか。

不当逮捕された師匠を解放させるべく、三名の男女が旅客機をハイジャックするのだが、機内のトイレで乗客の一人が殺害される。密室状態で他には誰もトイレに入っていないので、誰がどうやって殺害したのか分からない。

乗客のうち、座間味くん(仮名)と名づけられた男を巻き込んで、ハイジャック中だというのに謎解き状態になる。他の名も無き乗客達は空気なの? トリック優先で現実味が乏しすぎる。

謎解きは師匠が登場してから機外で延々と続く。狙撃隊もいるというのに、当初の目的も果たさずに謎解きが優先されるのは、あまりにも嘘臭い。偶然に頼るだけの、ご都合主義過ぎる解答にもガッカリした。結局、師匠の能力が本物なのかどうか曖昧なまま、まさかのBAD ENDになってしまい唖然とした。

( ゚д゚)←読み終えた瞬間、こんな顔になった(笑)。結構、話題になっていた作品だから期待したのに、ご都合主義だらけでオカルトまで混じってるし、なにこれ美味しいの?


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覆面作家の夢の家

覆面作家の夢の家 (角川文庫)覆面作家の夢の家 (角川文庫)
(1999/10)
北村 薫

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12分の1のドールハウスで行われた小さな殺人。そこに秘められたメッセージの意味とは!?天国的美貌を持つミステリー界の人気作家「覆面作家」こと新妻千秋さんが、若手編集者、岡部良介とともに、残された言葉の謎に挑む表題作をはじめ、名コンビが難事件を解き明かす全3篇を収録。作家に探偵、おまけに大富豪のご令嬢と、様々な魅力を持つお嬢様探偵、千秋さんの名推理が冴えわたる“覆面作家”シリーズ第3弾。


覆面作家シリーズ3冊目。

ドールハウス殺人事件は、(物語内で)実際に起こったのではなく、人形が殺されているだけ。そこに隠されたメッセージが、製作者からの挑戦状となる。

殺人成分が下がり、ハッピー成分が増えた。双子の兄は意外な相手とゴールイン。リョースケは超級お嬢様を無事攻略出来るのか!? フラグが立った辺りで終わっているのが残念。この結末を見届けたかった。

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覆面作家の愛の歌

覆面作家の愛の歌 (角川文庫)覆面作家の愛の歌 (角川文庫)
(1998/05)
北村 薫

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ペンネームは覆面作家―本名・新妻千秋。天国的美貌でミステリー界にデビューした新人作家の正体は、大富豪の御令嬢。しかも彼女は現実に起こる事件の謎までも鮮やかに解き明かす、もう一つの顔を持っていた!春のお菓子、梅雨入り時のスナップ写真、そして新年のシェークスピア…。三つの季節の、三つの事件に挑む、お嬢様探偵の名推理。人気絶頂の北村薫ワールド、「覆面作家」シリーズ、第二弾登場。


覆面作家シリーズ2冊目。

家の中と外で人格が変わるお嬢様と、出版社の担当リョースケ。リョースケにはユースケという双子の兄がいる。警視庁の刑事なのだが、事件絡みでお嬢様とも関わる事になりがち。

一作目よりも殺人成分が高くなってきたのは残念。人が死なないミステリーのほうが良いなぁ。謎解きは苦手なので、通話時間のトリックは軽く読み流す。

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覆面作家は二人いる

覆面作家は二人いる (角川文庫)覆面作家は二人いる (角川文庫)
(1997/11)
北村 薫

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姓は・覆面・、名は・作家・。弱冠19歳、天国的美貌の新人推理作家・新妻千明は大富豪令嬢。若手編集者・岡部を混乱させながら鮮やかに解き明かされる日常世界の謎。誕生! お嬢様名探偵、シリーズ開始。


覆面作家シリーズ1冊目。

宮部みゆきから“本格原理主義者”なんて言われているので、もっと本格なのかと思ったら、限りなくキャラクター小説に近い感じ。これでもう少しペラい文章ならスニーカー文庫のほうでもいけそうだ。

出版社に作品を送ってきた相手は、超金持ちで超美人のお嬢様だった。異様に頭の回転が速く、身近に起こる事件の謎も解き明かしてしまう。何もかも揃った完全無欠キャラというのはありがちだけど、嫌味が無いのが良い。家の中だと深窓の令嬢な感じなのに、外に出ると男前な性格に変わってしまうのが何とも……。

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吉原手引草

吉原手引草 (幻冬舎文庫)吉原手引草 (幻冬舎文庫)
(2009/04)
松井 今朝子

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なぜ、吉原一の花魁葛城は、忽然と姿を消したのか? 遣手、幇間、女衒ーー人々の口から語られる廓の表と裏。やがて隠されていた真実が少しずつ明らかになっていく……。吉原を鮮やかに浮かび上がらせた、時代小説のあらたな傑作!


第137回直木賞受賞作。

吉原一番の花魁、葛城が客と共に失踪してしまうという事件が起こるのだが、物語の中心人物でありながら、葛城は一度も登場しない。事件の謎を解くために若い男が吉原に関わった人物に聞き込み調査を行うという形式で話が進んでいく。その全てが、誰某の弁といった感じで、葛城について聞かれた人物の独り語りとなっている。

ちょっと変わった形式で書かれているので、慣れてくるまでは読み難いのだが、事件の真相に迫るにつれ、どんどん物語に引き込まれて行く。読み終えた時、一体何が起こったのか、明らかとなるだろう。


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ラジオデイズ

ラジオデイズ (河出文庫―文芸コレクション)ラジオデイズ (河出文庫―文芸コレクション)
(2000/10)
鈴木 清剛

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追い払うことも仲良くすることもできない男が、オレの六畳で暮らしている……。二人の男の短い共同生活を奇跡的なまでのみずみずしさで描き、たちまちベストセラーとなった第三十四回文藝賞受賞作!


第34回文藝賞受賞作。

あまり好きではなかった過去の友人がいきなり訪ねて来て、暫くの間泊まらせてくれと、主人公の青年にお願いする。本当は嫌だったのだが断りきれず、居候を抱え込む事に。

青年の彼女も二人に混ざって来るのだが、酒を飲んだりラーメンを食べに行ったりと、見事なまでに日常が繰り広げられ、何も起こらないまま終わってしまった。彼女を寝取られ、酷い目に遭うのかと思ったのだが。泥酔状態で見てしまった二人のキスは、夢だったのか、彼女が誤魔化しているだけなのか、真相は謎のまま。

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残虐行為記録保管所

残虐行為記録保管所 (海外SFノヴェルズ)残虐行為記録保管所 (海外SFノヴェルズ)
(2007/12/14)
チャールズ・ストロス

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数学者チューリングが基礎を築いた数学的魔術により、平行宇宙から魔物じみた異生物が侵入してくる怖れがあることが判明した。この魔術的災厄の防止を目的として、英国政府が設立した組織が〈ランドリー〉である。ボブ・ハワードはこの秘密組織の新米エージェント。初の現場任務は、アメリカからの帰国を希望する大学教授との接触だった。哲学教授で赤毛美人のモーは、自分では気づかぬうちにオカルト的国防にかかわる研究をしていたため、アメリカ政府から帰国を許されなかったのだ。たんなる調整だけの初級任務のはずだったが、中東系テログループに彼女が誘拐されたことから事態は一変する。SWATチームの突入により彼女は無事奪還されたが、テログループの目的は謎だった。リーダーらしき人物がドイツ語を話していたことから、背後にナチス・ドイツの魔術研究機関アーネンエルベとの関連も推測された。真相究明のため、ボブとモーの二人は、アーネンエルベの資料があるアムステルダムの残虐行為記録保管所へと向かうが……!? 表題作「残虐行為記録保管所」と、その続篇で2005年ヒューゴー賞ノヴェラ部門受賞作の「コンクリート・ジャングル」の2篇を収録したSF+クトゥルー+スパイスリラー。


名前がこんなのだからリクエストし難いと躊躇していたら、誰かが入れてくれた一冊である。誰だか知らないけど、リクエストしてくれて有難う。もしかしたら、図書館チョイスで入れたのかもしれないが。普通のSFだと思って借りて来たのだが、SFとホラーを合体させたような話だった。

ボブ・ハワードは、英国政府が設立した、決して表には出てこない〈ランドリー〉の新米エージェントである。この〈ランドリー〉という組織は、数学者チューリングが基礎を築いた数学的魔術により、平行宇宙から異生物が侵入する可能性がある事が判明したため、魔術的災厄の防止を目的として設立された。

ボブ・ハワードの最初の任務は、美人教授と接触するだけの簡単なお仕事だったはずだが、中東系テログループによる誘拐事件に巻き込まれてしまう。ナチス・ドイツの魔術研究機関アーネンエルベが裏でテロ事件に絡んでいると推測された為、ボブと教授はアムステルダムにある残虐行為記録保管所に向かう事になる。

だんだん話が大きくなってきて、異世界まで行かなければならなくなるのだが……。異世界まで逃げていたナチのオカルト部隊が敵かと思ったのだが、彼らはすでに邪悪な何かに洗脳されていた。それにしても、敵の存在が大きすぎるから、かえって話が盛り上がらない。

別世界宇宙のエネルギーを全て消費し尽くした何かが、死にかけた宇宙から次元を超えてこちら側の宇宙に入ろうとするのだが、この敵は何なのだろうか。ハストゥールか、ヨグ=ソトースか、それとも最悪のアレだろうか!?

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玩具修理者

玩具修理者 (角川ホラー文庫)玩具修理者 (角川ホラー文庫)
(1999/04)
小林 泰三

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玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。壊れたものを一旦すべてバラバラにして、一瞬の掛け声とともに。ある日、私は弟を過って死なせてしまう。親に知られぬうちにどうにかしなければ。私は弟を玩具修理者の所へ持って行く…。現実なのか妄想なのか、生きているのか死んでいるのか―その狭間に奇妙な世界を紡ぎ上げ、全選考委員の圧倒的支持を得た第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。


第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。

書名にもなっている『玩具修理者』と、『酔歩する男』の2つの話が入っている。

玩具修理者の方は、外なる神っぽいモノの名前が出てきて、どこかの暗黒神話体系をネタにしている。異形の者は出て来ないけど、何でもバラバラにして修理する男の正体が、もしかすると……。

酔歩する男は、よくもこれだけ地の文が少なく、会話口調でジェットコースターのように話を引っ張れたものだと関心する。

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海を失った男

海を失った男 (晶文社ミステリ)海を失った男 (晶文社ミステリ)
(2003/07/11)
シオドア・スタージョン

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白痴の少女の美しい手に魅入られた青年ランは、その手を我が物とするために少女の家に移り住むが…エロスとタナトスの極致ともいうべき異形の愛をえがいた絶品「ビアンカの手」、頭と左腕を残して砂に埋まった男の内的世界を追求して圧倒的な「海を失った男」、交通事故で妻を亡くした男が、墓地で出会った不思議な男に墓を“読む”術を習う「墓読み」の三大傑作に、本邦初紹介の力作中篇「成熟」「三の法則」「そして私のおそれはつのる」、さらに名短篇集『一角獣・多角獣』から「シジジイじゃない」「ミュージック」を収録。めくるめく思考のスリルと異様な感動に満ちた不滅のスタージョン・クラシックス。


難解な構成でSFという枠だけでは収まりきらない内容のものが多いためか、同時期にいた他のSF作家と比べて明らかに不遇だったスタージョン。没後に再評価の機運が高まっているのが物悲しい。まあ、そのお蔭で今から読み始める人には絶好の環境が整いつつあるのだが。近年、各社から過去作品が復刊されて入手しやすくなっている。

それにしても後味が悪い話が多い。手に魅せられて殺される手フェチとか、具現化した妄想がそれに気づかず人間として生きているつもりになっていたり、成熟を求めて死に至るスーパー人類とか、海が存在しない世界で放射能にまみれて死につつある男がいたり……。

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有頂天家族

有頂天家族有頂天家族
(2007/09/25)
森見 登美彦

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時は現代。下鴨神社糺ノ森には平安時代から続く狸の一族が暮らしていた。今は亡き父の威光消えゆくなか、下鴨四兄弟はある時は「腐れ大学生」、ある時は「虎」にと様々に化け、京都の街を縦横無尽に駆けめぐり、一族の誇りを保とうとしている。敵対する夷川家、半人間・半天狗の「弁天」、すっかり落ちぶれて出町柳に逼塞している天狗「赤玉先生」――。多様なキャラクターたちも魅力の、奇想天外そして時に切ない壮大な青春ファンタジー。


京の町を舞台に暴れる狸、天狗、そして弁天。天狗の赤玉先生は、琵琶湖で見つけて攫ってきた弁天を弟子にするも、骨抜きにされてしまい、いまや落ちぶれ駄目天狗に。その原因となってしまった弟子の狸が主人公。まさか、主人公とその家族が狸だとは思いもしなかった。

人間でありながら、天狗の技を身につけ、今や天狗以上に天狗らしい美女弁天。金曜倶楽部の七福神に数えられ、弁天の称号まで貰い、忘年会では狸鍋だって食う。そして、半ば儀式となっている狸鍋で食われてしまったのは、主人公矢三郎の父。血族でありながら陰謀を張り巡らせ暗躍する夷川早雲の手にかかり、兄弟に危機が迫る。

人間だけど、人間らしからぬ弁天が素敵です。さすが森見登美彦。ラノベ作家みたいに「美女」とか「美少女」の貧弱なボキャブラリーによる一点張りでゴリ押しする事なく、弁天の艶やかさを巧みに表現している。

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夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女夜は短し歩けよ乙女
(2006/11/29)
森見 登美彦

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私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す私に、彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。「あ!先輩、奇遇ですねえ!」…「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった。天然キャラ女子に萌える男子の純情!キュートで奇抜な恋愛小説in京都。


第137回直木賞候補作。

夜の京都を歩く黒髪乙女。その後を追う一人の先輩。だが、数々の障害が待ち構えており、先輩は乙女に追いつく事が出来ない。乙女の後姿に恋する一人の男がいるなどとは露ほども思わない彼女は、お得意の二足歩行ロボのパフォーマンスとともに、夜の京都河原町へと消える。この乙女がまた、酒豪というかウワバミというか、恐ろしいほどの飲みっぷり。行く先々で出会った人々と酒を飲み交わす。最後は、三階建て電車みたいな乗り物で現れる仙人みたいな爺さん相手に、ニセ電気ブランで勝負。

夜の物語は最初の一話だけだが、短編ではなく登場人物そのままで、季節が移り変わる。夏になれば古本市で、無くしてしまった絵本を探す黒髪乙女。そして、出会いを求める先輩は、絵本を賭けて地獄の激辛鍋勝負! 秋になれば、妙なやつらが出没しまくりの学園祭で、ゲリラ的に劇を敢行する人々に担ぎ出されて主役を演じる黒髪乙女。それを追いかける一人の先輩。冬になれば李白風邪という流行り病で倒れる人々に取り残され、一人元気な黒髪乙女。

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橋本紡

攻略対象書籍は以下。

初期作品にラノベが多いから苦戦しそう……。

『猫目狩り』
『バトルシップガール1』
『バトルシップガール2』
『バトルシップガール3』
『バトルシップガール4』
『バトルシップガール5』
『バトルシップガール6』
『バトルシップガールSP』
『リバーズ・エンド1』
『リバーズ・エンド2』
『リバーズ・エンド3』
『リバーズ・エンド4』
『リバーズ・エンド5』
『リバーズ・エンド6』
『半分の月がのぼる空1』
『半分の月がのぼる空2』
『半分の月がのぼる空3』
『半分の月がのぼる空4』
『半分の月がのぼる空5』
『半分の月がのぼる空6』
『半分の月がのぼる空7』
『半分の月がのぼる空8』
『半分の月がのぼる空 one day』
『君と僕の歌 world's end』
『毛布おばけと金曜日の階段』
『猫泥棒と木曜日のキッチン』
流れ星が消えないうちに』★★★☆
空色ヒッチハイカー』★★★☆
『ひかりをすくう』
『月光スイッチ』
彩乃ちゃんのお告げ』★★★☆
九つの、物語』★★★☆
『橋をめぐる―いつかのきみへ、いつかのぼくへ』


『半月-HANGETSU-』
(小説挿絵担当山本ケイジの「半分の月がのぼる空」の画集。書き下ろし短編小説「花冠」を収録)
『The Art of OTOHIKO TAKANO 高野音彦画集 river's end』
(少量の対談文章と短編)

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彩乃ちゃんのお告げ

彩乃ちゃんのお告げ彩乃ちゃんのお告げ
(2007/11/03)
橋本 紡

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素朴で真面目で礼儀正しくて。一見ふつうの5年生だけど彩乃ちゃんには、見えている。周りの人のちょっとした未来。うまくいかない相手と仲良くする方法。幸運をよぶ少女と迷える人たちのひと夏のできごと。注目の著者が描く優しいファンタジック・ストーリー。


彩乃ちゃんという名前の、特殊な力を持った少女が新興宗教の二代目教祖として登場する。題名がコレだから、彩乃ちゃんが主人公だと思っていたら違った。

夜散歩、石階段、夏花火と三編ある短編に異なる三人の主人公が登場し、各人物の人生に一部関わる事になるのが彩乃ちゃんである。彩乃ちゃんは祖母から受け継いでしまった不思議な力で未来まで視えるらしく、それぞれが彩乃ちゃんのお告げを受ける事になる。

「夜散歩」では、教祖が亡くなり、教団内部の権力争いによるゴタゴタから守るため、ある男が彩乃さまを預かってくれと智佳子に頼み込んで来る。半ば無理やりな感じで彩乃ちゃんを預かる事になるのだが……。

続いての「石階段」は、人を利用する術に長けている同級生に誘われたまま、たったひとりで山に埋もれている石の階段を掘り出す事になってしまった男子高校生に彩乃ちゃんが絡んで来る。智佳子に貰った物を持っているので、これは時系列でも二番目の話。

最後の「夏花火」は、彩乃ちゃんと同世代の少女が主人公になる。東京と田舎のギャップで、上手く地元民と溶け込んでいない佳奈の現状も視えてしまう彩乃ちゃんが貸してあげたのは、先の二編で貰った大切な物。

予知能力により不思議な力を使う彩乃ちゃんだが、それほど派手な力技ではなくて、よく注意していないと見落とす程の、些細なお告げしかしていない。大人の事情によりあちこちに連れて行かれているのだが、全てが視えてしまう為なのか、まだ少女なのに超然としているのが魅力的である。

やや淡々としすぎなので、派手なのが好きな人には物足りないかもしれない。

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九つの、物語

九つの、物語九つの、物語
(2008/03)
橋本 紡

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大切な人を、自分の心を取り戻す再生の物語。大学生のゆきなのもとに突然現われた、もういるはずのない兄。奇妙で心地よい二人の生活は、しかし永遠には続かなかった。母からの手紙が失われた記憶を蘇らせ、ゆきなの心は壊れていく…。


9話入っているけれども、登場人物は全部同じ。それぞれの話が、各話タイトルとなっている文学作品とリンクする。

最初の話で、突然戻ってきた兄の正体がネタバレする。本来はそこにいてはいけない存在だが、怖くは無いのでホラーではなくファンタジー。いない筈なのに、あまりにも存在感がありすぎる兄がちょっと嘘臭いけれども、芥川賞を受賞したイトヤマ作品の幽霊と比べたら、許容出来る範囲。

兄の存在だけが非日常だけど、物語自体は淡々とした日常風景か。ゆるい感じだけど、ちゃんとオチがついているので、雰囲気だけで最後にオチ無い恩田陸よりは良い。

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ロンバルディア遠景

ロンバルディア遠景ロンバルディア遠景
(2009/06/17)
諏訪 哲史

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詩誌『エウロペ』の編集者で詩人、井崎修一。類い稀な美貌と傲岸さを併せ持つ少年詩人、月原篤。篤の作品投稿をきっかけに二人は出逢い、互いに奇妙な愛憎を抱きながらも、次第に打ち解け合っていく。やがて篤は「世界の果て」を求めて、単身イタリアへ旅立つ。遙か異邦の地より、井崎に届けられる篤の私信。しかし、一年ののち、彼は一通の手紙を最後に消息を絶ってしまうのだった。若き詩人が異国で見出した「世界の果て」とは、果たして何だったのか。井崎は篤の残した詩と私信から、彼の生の軌跡を「小説」に刻もうと試みるが―。


だんだん、実験や自慰的な言葉遊びが減って、小説らしくはなって来た。少年詩人、月原篤が書いた詩や小説を、編集者の井崎が紹介するという構造になっているのだが、意図的なムラがあって安定しない。

綺麗に纏っている部分と、便所の落書きみたいな部分の落差が激しすぎる。月原篤の精神状態が安定していないから書く物にムラがあるという事なのだろうけど、少し読み難い。ホモネタ混じりなのと、後半のエログロ部分が好きになれない。

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りすん

りすんりすん
(2008/04/26)
諏訪 哲史

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芥川賞受賞後第一作、待望の長篇小説刊行 小説とは、言葉とは、小説を書くという行為とは。様々な創作の問いを、リズミカルな兄妹の会話に、そしてささやかで切ない物語として描く、芥川賞受賞後第一作。


『アサッテな人』ほど斜に構えた小説ではなかった。だが、従来の小説に対する攻撃的な挑戦はヒシヒシと伝わってくる。いろんな意味で、普通じゃない。新しいモノを書きたいのなら、山崎ナオコーラもこの位はやらないと駄目だろう。

冒頭からいきなり、訳の判らない会話文! そして、地の文が無いままに、延々と会話だけが続いていく。あまりにも意味不明なので、最初から投げたくなって来たが、我慢して読み進める。

どうやら、兄と妹の二人による会話らしい。場所は病室、妹は難病で死にかけている様である。途中まで、この二人のしょうもない会話が続いていくのだが、隣にいる女性が盗み聞きをして、二人を登場人物として小説にしてしまっているという事が発覚! 

この辺りから、小説部分で地の文も入ってくる。しかし、すでに兄妹の変な会話に洗脳されているので、普通に書かれている部分が邪魔に感じて仕方が無い。会話じゃない部分だけが、妙に浮いてしまい、凄く面白くない。無論、地の文章がクソ面白くないのは意図的である。これは、自慰行為的な芥川賞系統の作品に対する皮肉のつもりなのだろうか!?

最後がボカされているのだが、これってバッドエンドな気がする。

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猫と針

猫と針猫と針
(2008/02)
恩田 陸

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友人の葬式の帰り、久々に学生時代の仲間が集まった。噂によれば、仲間たちはみな、何らかの個人的事情を抱えているらしい。一見なごやかな宴だが、それぞれが諸事情で少しずつ席を外す間、残った人間は様々に憶測を巡らし、不在の人物について語り合う。やがて漂う不穏な空気―。噂はどこまで本当なのか?そして、この集まりの本当の意図とは?恩田陸“初戯曲”ついに書籍化。閉鎖空間で展開する、心理サスペンス会話劇。創作の舞台裏を綴った長文エッセイ、「『猫と針』日記」も書き下ろしで収録。


猫も針も関係ないような気がする、恩田陸の戯曲。実際に芝居を見たら面白いのかもしれないけれども、文章だけだといまいち乗り切れない。戯曲だと、どうしても本谷有希子と比較してしまう。やはり、本谷有希子のほうが面白い。

やはり、小説家が書くと小説っぽい戯曲に纏ってしまうのだろうか? もう少し、内容も登場人物も大げさに描いて良いと思うのだが。

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Q&A

Q&AQ&A
(2007/04)
恩田 陸

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2002年2月11日午後2時過ぎ、都内郊外の大型商業施設において重大死傷事故発生。死者69名、負傷者116名。未だ事故原因を特定できず―。質問と答え(Q&A)だけで物語が進行する、リアルでシリアスなドラマ。謎が謎を呼ぶ“恩田陸ワールド”の真骨頂。


様々な組み合わせの人物による質疑応答で、ある事件の真相に迫るという手法。Q(質問)は地の文で、A(回答)は会話文という構成になっている。

恩田陸は、物語の意外性とか天才的な文章ではなく、こういった独創的な文章構成自体のヒネリ具合で勝負している作品が多いような気がする。なるほど、こんな使い方もあったかと思わせる。

あるショッピングセンターで事件が起こり、たくさんの人が亡くなるのだが、その原因が不明の為、聞き取り調査をするという内容。ラストで事件の真相を匂わせる部分はあるのだけど、いかにも恩田陸らしい淡々とした終わり方。毎度の事ながら、盛り上がりも盛り下がりも無く、といった感じだ。

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ネクロポリス

ネクロポリス 上ネクロポリス 上
(2005/10/13)
恩田 陸

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死者が現われる土地――V.ファーで起こる連続殺人、そして「ヒガン」という不可思議な儀式。東洋と西洋、過去と現在、生と死、あらゆる境界線が揺らぐ世界観を、いまだかつてないスケールで描き、ミステリーとファンタジーの融合を果たした恩田陸の最高傑作! 本屋大賞&吉川英治新人文学賞W受賞『夜のピクニック』、直木賞候補作『ユージニア』につづき、さらなる新境地に挑んだ渾身の1600枚!


死者が蘇るアナザー・ヒルと呼ばれる聖地を舞台に超常現象が起こり、殺人事件も発生する。題名はホラーっぽくて良いのだが、内容的にはキング作品みたいに死者が復活して恐ろしい事が起こったりもしない。殺人事件が起こってもトリックが明らかにされて真犯人逮捕に至らないし、淡々としたままである。上巻の終わりは上手いとこで切っているけどね。ここで途切れたら気になって下巻も読んでしまうだろう。


ネクロポリス 下ネクロポリス 下
(2005/10/13)
恩田 陸

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『お客さん』は、何処から来て、何処に往くのか?あらゆる可能性が検証されるなか、アナザー・ヒルが変質しはじめる。証言する死者たち、地下への冒険、そして、ヒガンの行方は―めまぐるしく展開するエンターテインメントの新しい神髄。


変容していくアナザー・ヒル。何が起こっているのか明らかにされないまま、次々に起こる事件や超常現象。全体としての雰囲気は非常に良いのだが、やはり恩田陸。腰砕けで何それ? なラストが待っている。

恩田陸って、淡々とした作品ばかりなんだよな。最初から最後まで同じでメリハリが無い。川の下流域を流れる水の如く、ゆるゆると話が流れて気がつけば終わっている。もっと激流でハラハラドキドキさせて欲しい。まぁ、この一本調子な語りでファンを掴んでいるのかもしれないが。

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あなたがここにいて欲しい

あなたがここにいて欲しいあなたがここにいて欲しい
(2007/09)
中村 航

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懐かしいあの日々、温かな友情、ゆっくりと育む恋。僕は、守り続けなきゃならない。『100回泣くこと』の中村航が贈る、静かで優しい物語。


見覚えのある人物が出てくると思ったら、『夏休み』に出てた人々なのであった。内容をかなり忘れてしまっているのが残念。今から読む人は是非、『夏休み』→『あなたがここにいて欲しい』のコンボ技で一気に読むべし。片方が心に残っているうちに読めば、きっと面白さが20%はアップすると思う。勿論、単品で読んでも問題は無い構成になってはいるけど。

この人の作品は、ごく普通の日常を題材にしてはいるが、悪意のある人物がほとんど出てこないし、少しだけズレた登場人物達がいい味を出していて、ある意味、幻想的。現実世界の出来事だが、ファンタジーっぽいふわふわ感が堪らない。登場人物のズレ方も、変な電波出している痛いキャラじゃなくて、良い方向に個性的でアクは無い。

親友を始め、他の登場は“君”なのに、主人公の吉田くんだけ“くん”だったりして、作者のセンスも抜群である。安心して読める数少ない純文学系作家の一人。

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作家の条件

作家の条件作家の条件
(2004/04)
森村 誠一

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330冊を超える著書を持つ小説界のトップランナーが明かす「作家になるための条件」とは?
●作家になる3つの方法
●短編と長編の組み立て方の違い
●トリックを思いつく訓練
●ベストセラーは結果にすぎない
●小説家を目指す人へのメッセージ
――<本文「小説を書くということ」より>


題名通りの本だと思うと、喰らいます。「作家の条件」にズバリ該当する部分は最初の方だけで、残りは普通のエッセイですから。しかも、中盤以降は松本清張を絶賛、信奉した教徒の書と化している。全体としては悪くないのだが、この題名で釣るのは良くないよなぁ。

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