太陽の庭

太陽の庭太陽の庭
(2009/11/26)
宮木 あや子

商品詳細を見る

一般人にはその存在を決して知られることなく、政財界からは「神」と崇め奉られている、永代院。屋敷内では、跡目と寵愛を巡る争いが絶えず、子供たちは常に死と隣り合わせの生を生きている。愛と自由を知らない「神の子供たち」が「最後の日」に見るのは、神の祝福か、それとも警鐘か―。『花宵道中』の宮木あや子が描く、現代の“宮中小説”。


本当に“現代の宮中小説”であった。一般人に知られず、日本を支配する裏の権力構造。その頂点に君臨する永代院内部における闘争劇。秘密結社程度なら有り得ても、ここまでトンデモ設定だと嘘臭い。しかし、六大企業集団みたいなのは現に存在しているのだから、そのさらに裏側に、こういう闇の権力構造があっても面白いよね!? まあ、実際あったとしたら、庶民としては非常に面白くないので、この物語の結末の如く、暴動でも起こりそうだが。

「雨の塔」と同じ世界設定なのだが、もう内容を忘れてしまっているので、登場人物がどう繋がっているのはよく分からなかった(汗)。二作も出してくるところを見ると、かなり気に入っているんだろうなぁ。三作目も出たりする?


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサーサイト

野良女

野良女野良女
(2009/07/18)
宮木 あや子

商品詳細を見る

幸せになるまで死ねません!恋も仕事も夢見る少女じゃいられないアラサー女子の、心の叫びがこだまする!笑って泣いて仲間と飲んで、明日もがんばる痛快作。


アラサー女子による連作短編として繋がっていて、それぞれの物語で密接に絡んでくるのだが、主人公は次々と変わって行く。今風な女性の女人生崖っぷちな感じのギリギリ感が面白い。

一人だけ、やや恵まれてない感じの人もいるのだが、ほとんどの主人公が好き放題に生き、妥協もせず好き勝手ばかり言いつつ人生に焦っているので、ちっとも共感は出来ないのだが、他人事な人生として読む限りでは面白かった。

それにしても、私から見れば登場人物全員が1万と2000倍はリア充すぎるのに、一体何が不服なのか。ちょっとは妥協しやがれです! と言いたい。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

魔法飛行

魔法飛行 (創元推理文庫)魔法飛行 (創元推理文庫)
(2000/02)
加納 朋子

商品詳細を見る

妙な振る舞いをする女の子、噂の幽霊を実地検証した顛末、受付嬢に売り子に奮闘した学園祭、クリスマス・イブの大事件……文章修業を始めた駒子が近況報告のように綴る物語は、謎めいた雰囲気に満ちている。ややあって届く返信には、物語が投げかける謎に対する明快な答えが! デビュー作『ななつのこ』に続く会心の連作長編ミステリ。


一応、「ななつのこ」の続編。登場人物が同じでシリーズになってはいるけれども、そのまま繋がっている訳でもないので、前作を読んでいなくても大丈夫になっている。出来れば、先に「ななつのこ」を読んだほうが良い気はするけど。

短編集に見えるが、連作になっていてラストに繋がるように伏線が張られている。途中に差し込まれる謎の手紙が不気味で、何か嫌な結末が待っているのではなかろうかと思ったのだが、バッドエンドでは無かったので良かった。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

ななつのこ

ななつのこ (創元推理文庫)ななつのこ (創元推理文庫)
(1999/08)
加納 朋子

商品詳細を見る

短大生の入江駒子は『ななつのこ』という本に出逢い、ファンレターを書こうと思い立つ。身辺を騒がせた〈スイカジュース事件〉をまじえて長い手紙を綴ったところ、事件の“解決編”ともいうべき返事が舞い込んだ! こうして始まった駒子と作家のやりとりが鮮やかにミステリを描き出す、フレッシュな連作長編。


第3回鮎川哲也賞受賞作。

入れ子構造になっていて、作中内の物語があまり面白くないので最初は読み進めるのが辛かった。しかし、些細な事件の話→作中内小説→手紙という流れで物語が進むのが判り、急に面白くなり始めた。

事件の話が問題で、作中内小説がヒントとなり、手紙が解答編といった感じである。様々な日常の事件に遭遇する女性が、「ななつのこ」という物語を書いた作者へ手紙を書き、返信で作者による事件の推理が行われていく。

作中内小説だけでなく、この小説自体も七つの連作短編となっており、最後は上手いところに落ち着く。やはり、人が死なないミステリーは良い。トリックを使いたいがために、人命を消費アイテムみたいに使うのは好きになれないので。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

灰色のダイエットコカコーラ

灰色のダイエットコカコーラ灰色のダイエットコカコーラ
(2007/06/01)
佐藤 友哉

商品詳細を見る

「覇王」として君臨した祖父の高みに至るべく、「特別な自分」を信じ続けようとする「僕」。北海道の片隅で炸裂する孤独な野望の行き着く先は、「肉のカタマリ」として生きる平凡な人生か、それとも支配者として超越する「覇王」の座か?さあ、世界のすべてを燃やし尽くせ。


北海道にある町で覇王として君臨した無茶苦茶な祖父を持つ青年が、自らも覇王になろうと目論む。しかし、具体的に何をしてどうなりたいのかという部分については考えが纏らず、努力も皆無でグダグダしたまま、駄目人間状態。

キチガイな祖父が周囲の人間を馬鹿にして「肉のカタマリ」と呼んでいたのだが、青年自身が肉のカタマリそのもの。何も努力をしないのに根拠無く自分の才能を過大評価し、夢ばかり大きく語るという、ゆとり世代によくいるキャラである。だが、その方向性が芸能人とか作家とかプロ野球選手とかではなく、覇王だから電波が入りすぎていて痛い。

祖父のキ印を中途半端に受け継いだヘタレな青年は、クラスメイトにハサミを投げつけたハサミちゃんと再会、さらにはハサミちゃんの知り合いの末期癌少女とも関わる事になる。この二人も主人公に負けず劣らずキ印人間なのだが、ハサミちゃんは肉のカタマリ方向に引っ張ろうとするし、末期癌少女は覇王方向に引っ張ろうとするし、ヤクザの組長まで出てきて拉致されるし、組長の息子もキ印……。

なんか、主要キャラがキ●ガイばかりになってない? 相変わらずキレた小説ばかり書いているなぁ。二段組で、上下の余白が少なすぎるので、非常に読み難かった。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

晴れた日は巨大仏を見に

晴れた日は巨大仏を見に (幻冬舎文庫)晴れた日は巨大仏を見に (幻冬舎文庫)
(2009/10)
宮田 珠己

商品詳細を見る

風景の中に、突然、ウルトラマンより大きな仏像が現れたら…。日本各地に点在する巨大仏。その唐突かつマヌケな景色(マヌ景)を味わうため、牛久大仏、釜石大観音など、“四十メートル以上”の巨大仏を探しては、いたってまじめに日本を巡る。巨大仏のある風景を見ると、なぜ胸が騒ぐのか。日本風景についても論じた、怪笑紀行エッセイ。


日本各地にある巨大仏を見に行くという、妙なエッセイになっている。作者本人も変な人だが、同行する編集の二人も、かなり変な人である。そして、目的となる巨大仏は強烈なまでに禍々しくて変だった!

何でこんなモノが、日本各地に溢れているのか。建てられた時期が昭和から平成に変わる境界付近に集中しているので、これはもう宗教とか信仰とかカルトとか世界平和とか自己満足とかではなくて、バブルの爪痕とか、遺物とか、残滓と呼ぶのが相応しい存在なのだろう。

どれを見ても、有難い存在ではなくて、異世界から来襲した禍々しい狂気を纏う邪神にしか見えないのは何でだろうか? ああっ! 読んでいる私が、神も仏も信じていないからか。あまりにも巨大すぎる仏像を見ていると、初めてアザトースを見てしまった時のような気分になる。いや、出会ったら死ぬと思うから、まだアザトースは見た事が無いけど。

大半の巨大仏は、ただ大きいだけで、ちっとも食指が動かない。むしろ、ちょっと脱線して取り上げられている太陽の塔とか、PL教団の大平和祈念塔とか、台湾のビルに座っている道教の神とか、校舎の上にある巨大ミカンのほうが心惹かれる。

ちなみに、第一位は牛久大仏で120m。奈良の大仏が僅か14.7mなので、比べて見ると、その恐ろしさがよく分かる。サイコガンダムすら、40mしか無いというのに……。ちなみに、造ったのは東京本願寺である。さすが本願寺! 門徒宗を扇動して戦国大名を苦しめただけあって、強すぎる! これでは、横に並べたサイコガンダムが、子供に見えるじゃないか。(注意:別に本願寺を誹謗中傷する意図は全くありません。だって、コーエーのシミュレーション・ゲーム『信長の野望』や『太閤立志伝』で本願寺プレイするのも好きだし。)

巨大仏で唯一ドキドキしてしまったのは、会津慈母大観音である。他の奴らがパンチパーマのおっさん巨大仏だったり、やる気無さそうな格好で、ゴロンと横になっている奴だったりする中で、会津慈母大観音だけが若くて可愛い顔をしている! 他のおっさん巨大仏と比べたら、この顔は好みのタイプである。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

木洩れ日に泳ぐ魚

木洩れ日に泳ぐ魚木洩れ日に泳ぐ魚
(2007/07)
恩田 陸

商品詳細を見る

一組の男女が迎えた最後の夜。明らかにされなければならない、ある男の死。それはすべて、あの旅から始まった――。運命と記憶、愛と葛藤が絡み合う、恩田陸の新たな世界。


出だしは良くても、また後半はグダグダになって中途半端なまま煙に巻かれるんだろうと思いながら読み始めたのだが、この作者には珍しく、ちゃんと結末まで導いてくれた。

登場人物は引越しを控えた男女二人だけ。今後は別々の人生を歩むという事で、最後の夜を過ごす部屋の中が物語の舞台となり、ほぼ回想シーンで進行するが、実際の時間は夜更けから夜明けまでの間である。

最初に出てくる小道具が一枚の写真で、この男女の他に三人目の中年男性が写っているのだが、すでに故人である。そして、この第三の男を殺したのが相手ではないかと互いに疑い、真実を突き止めようと腹を探り合うのである。

最初は別れる寸前の男女に絡んだ殺人ミステリーなのかと思ったが、一緒に住んではいるけれども、実は恋人同士ではなかった。真実を解き明かそうと記憶を探るうちに明らかとなって行く二人の関係。いつも通りに淡々と物語が進んでは行くけれども、後半ダレる事無く、最後でさらにもう一段階サプライズが用意されていたのが良い感じである。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

朝日のようにさわやかに

朝日のようにさわやかに朝日のようにさわやかに
(2007/03)
恩田 陸

商品詳細を見る

ビールについての冒頭から、天才トランペッターや心太へ話題は移り、最後は子供の頃に抱いていた謎の解明へと至る―。虚実の狭間を、流れる意識のごとく縦横に語る表題作他、ホラー、ミステリ、SF、ショートショート等々、恩田陸のあらゆる魅力がたっぷり詰まった、物語の万華鏡。



恩田陸が描く様々なジャンルの短編詰め合わせ。長編だと後半が雰囲気だけでグダグダになるのだが、短編なのでダレずに終わっているのが良い。長編よりも短編のほうが出来が良いのではないか?

初っ端から、理瀬のパートナーとなるヨハンの腹黒い短編。寂しい子供を連れ去りにくるみどりおとこの話も面白い。短すぎて意味不明(これはページの制約があって背景を語ることが出来なかったためだが)のスプラッターホラーも気味悪くて良い。ちょっとダーク乙一が入った感じのノワール系。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

ねじめ正一

攻略対象書籍は以下。
この人も著書多いなぁ……。

高円寺純情商店街』★★★★☆
高円寺純情商店街-本日開店』★★★★
『恋愛さがし』
『恋愛伝説』(「香港ラプソディ」文庫)
『かなしい恋愛』
『そこまでやらなくてもいいのに物語』(「熱血じじいが行く」文庫)
『赤チンの町』
『おしっこと神様』(「鳩を飛ばす日」文庫)
『昼間のパパと夜明けの息子』
『こちら駅前探偵局』
『熊谷突撃商店』
『風の棲む町』(「青春ぐんぐん書店」新潮文庫)
『アーケード殺人事件 こちら駅前探偵局』(「こちら子連れ探偵局」文庫)
『高円寺純情商店街 哀惜篇 』
『熊谷キヨ子最後の旅』
『眼鏡屋直次郎 集英社』
『出もどり家族』
『焼け跡のナポレオン』
『万引き変愛記』(「万引き天女」文庫)
『シーボルトの眼 出島絵師川原慶賀』
『荒地の恋』

エッセイ
『これからのねじめ民芸店ヒント』
『ねじめの歯ぎしり』
『咲いたわ咲いたわ男でござる』
『長嶋茂雄デラックス』
『プロ野球大放言!!』
『どれみても純情』
『ご近所パラダイス』
『輝け!ご近所の星』
『今日もトットと陽はのぼる』
『新ねじめのバカ』
『人呼んで純情正ちゃん』
『ご近所ルネッサンス』
『長嶋茂雄ルネッサンス』
『ご近所エンジェルス』
『それでも男と暮らしたいのか』
『「ことば」を生きる 私の日本語修業』
『純情ねじり鉢巻』
『ねじめの長嶋茂雄日記』
『読むところ敵なし 言葉のボクシング』
『二十三年介護』
『言葉の力を贈りたい』
『天使の相棒 杉浦忠と長嶋茂雄』
『ニッポン商人語録』
『老後は夫婦の壁のぼり』
『落合博満 変人の研究』

児童書
『そうじき』
『そっくりで』
『ひゃくえんだま』
『かあさんになったあーちゃん』
『そーくん』
『しゃくしゃくけむしくん』
『ピーコポンチャン』
『あいうえおにぎり 大きな声で読む詩の絵本』
『ぎゅうぎゅうかぞく』
『がっこうのうた 大きな声で読む詩の絵本』
『そらとぶこくばん』
『まいごのことり』
『さんぽうた』
『わがままいもうと』
『きぜつライオン』
『はなやのおばさん』

詩集
『 脳膜メンマ』
『ねじめ正一詩集』
『いきなり、愛の実況放送』
『ニヒャクロクが上がらない』
『ひとりぼっち爆弾』
『あーちゃん ねじめ正一詩集』


共著
『こいつらが日本語をダメにした』
『長嶋さんへの二〇〇通の手紙』
『長嶋家の謎 茂雄・亜希子夫妻&一茂&三奈』
『昭和少年図鑑』
『とはいえ、熟年離婚に物申す』



にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

高円寺純情商店街 本日開店

本日開店

穏やかだった高円寺北口「純情商店街」にも変化の波が訪れた。スーパー・マーケットの進出計画が持ち上がったのだ。商店街は浮足立ち、反対運動を始めることを決めた。前後して「江州屋乾物店」では、ばあさんが脳溢血で倒れてしまい、隣の「魚政」は店をたたんで吉祥寺でラーメン屋を始めることになった。少しずつ街は変わり始め、正一少年もまた一人悩みを抱えるのだった。


正一少年が暮らす商店街にも、変革の波が押し寄せてくる。大手スーパーの出店が決まったのだ。商店街の面々は反対運動を展開するも、足並みは揃わず、強制力があるわけでもなく、開店は目前に迫る。その最中、おばあさんに異変が起こる。大きな鼾をかいたまま起きなくなるのだ。そのまま救急車で運ばれるのだが意識は戻らず。

スーパーが開店する前に、江州屋乾物店の隣で商売を続けてきた魚政が撤退を決める。魚屋を辞めて別の場所でラーメン屋を始めるのだ。自分のアイディアを盗まれたと憤る正一の父だが、こういう中途半端な人では新しいことを始めても成功しないだろう。題名にある「本日開店」とはスーパーの事だと思っていたら違った。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

高円寺純情商店街

高円寺純情商店街 (新潮文庫)高円寺純情商店街 (新潮文庫)
(1992/04)
ねじめ 正一

商品詳細を見る

高円寺駅北口「純情商店街」。魚屋や呉服屋、金物店などが軒を並べる賑やかな通りである。正一少年は商店街の中でも「削りがつをと言えば江州屋」と評判をとる乾物屋の一人息子だった―。感受性豊かな一人の少年の瞳に映った父や母、商店街に暮らす人々のあり様を丹念に描き「かつてあったかもしれない東京」の佇まいを浮かび上がらせたハートウォーミングな物語。直木賞受賞作。


第101回直木賞受賞作。

商店街で乾物屋を営む家に生まれた正一少年を主人公とした、古き良き下町を舞台とした物語。昭和の懐かしい匂いが漂う良作です。短編の集合体ではあるけれども、一貫して正一少年視点で捉えた、商店街の人間模様が描かれる。こういう、のどかな時代が少し羨ましい。人は、効率化と利便性を追及する過程で、何か大事なモノを無くしてしまった。各地にあった商店街は大店舗に駆逐されてしまったから、なおさら郷愁を感じるのだろうか。

引き出物を納入していた結婚式場を競合他社に取られそうになる江州屋乾物店。働いていた身内がだらしない女に篭絡され、猛反対する親父。隣に仮店舗を構えた、羽振りの良い化粧品屋に反発しながらも、上手く言いくるめられて家族全員で物を買ってしまう江州屋の大人たち。最後の、火事が出る話が良かった。消防車が来るまでに、必死で消化しようと頑張る人々。なんで消防車が間に合わなかった事を喜ぶのかと思ったら……。

デビュー小説にして、直木賞受賞作というのがすごいな。
主人公の少年が正一なんだけど、これは自分の話でしょうか?


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

フォア・フォーズの素数

フォア・フォーズの素数フォア・フォーズの素数
(2002/08)
竹本 健治

商品詳細を見る

誰もが経験する、少年時代の輝かしい夏。そして、夏の終わりとともに訪れる、生まれて初めての別離と孤独―。少年の無垢な魂が結晶した、待望の第二短編集。


竹本建治初挑戦にして短編集だった。そして、最初のほうに収録されているやつが面白くなかったので途中で投げかけた。後半はそこそこイケるのが入っていたので良かったが。危ない、もし途中で投げていたら、ダメ作家に分類してしまうところだった。

短くても凝縮されて纏っていたら良いのだけど、結末がボヤけていて何だかよく判らないのが多いのはちょっと微妙。推理物は信じられない位の力技で唖然としてしまう。月を土星に偽装したトリックなんて、馬鹿らしいから他の誰もやらないだろう。無茶苦茶すぎるから、かえって笑える。純文学っぽいやつよりも、後半にあるSF風の作品が好きだな。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

光臨天使エンシェル・レナ ―淫辱の螺旋

光臨天使エンシェル・レナ ―淫辱の螺旋    二次元ドリームノベルズ光臨天使エンシェル・レナ ―淫辱の螺旋 二次元ドリームノベルズ
(2005/08)
黒井 弘騎、Triangle 他

商品詳細を見る

不思議なカードの力で光臨天使に変身するエンジェル・レナこと朋衛玲奈は、未来型都市ゼロポリスで暮らす控えめな少女。異世界からの侵略者を撃退して日常生活に戻った玲奈だったが、都市の地下では天使を狙う新たな罠が動き始めていた。


原作よりも後の話となるオリジナル小説らしい。原作の敵が残したモノを利用して私憤を晴らそうとする馬鹿娘のために、またもや未来型都市が危機に陥る。同じレナなのに、こちらは何というエロス(笑)。なんというか、エロすぎるから詳細は書けませぬ。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

光臨天使 エンシェル・レナ―白き翼の少女

光臨天使 エンシェル・レナ―白き翼の少女 (パンプキンノベルズ)光臨天使 エンシェル・レナ―白き翼の少女 (パンプキンノベルズ)
(2005/07)
高橋 ショウ、Triangle 他

商品詳細を見る

これまで一切の穢れを知らなかった無垢な少女の身体は、異界の者どもが張り巡らせた卑劣な罠や策謀によって否応なく汚されていく。


投売りしてたからゲットしてみたが、エロゲーのノベライズらしい。科学と魔術が融合した感じの魔法少女的なモノか!? 別の世界からやって来て、向こう側とこちらの両方を支配しようと目論む悪の王子と戦うというもの。

なんとなくエロ要素が中途半端なのはともかく、雑魚敵に紙面を割きすぎて後半が駆け足過ぎるのは問題だと思う。獣人みたいな女幹部だけは見せ場があるものの、王子に加担している人間の幹部なんて瞬殺だし、王子も一撃だけはレナの友人を洗脳して盾に使って防ぐものの、アッサリ倒される。そして、第三勢力的ツインテールの諜報猟兵に至っては、描写すらされず。

このバランスの悪さで、執筆期間最短だと自慢されてもなぁ……。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

ペンキや

ペンキやペンキや
(2002/12)
梨木 香歩

商品詳細を見る

しんやは小さい頃に亡くなった父親と同じペンキ屋になった。お客のもっとも望む色を探し出し、人々を幸せにするペンキ屋に…。一人の職人の一生を、異国的なタッチの絵と静かな言葉で奏でるファンタジックな本。


絵本なのに、またしても大人味。ペンキやの息子として生まれ、ペンキやになった男の人生。欧州で他界した父の墓を探して船に乗っている時に、謎の女性にユトリロの白で船を塗るように頼まれるのだが……。

知らない間に仕上がっていたユトリロの白。そして待ち受けていたのが、父と同じ運命。結婚して子供も産まれたので、満たされた人生だったのかもしれないが、この結末はハッピーエンドとして素直に受け入れられない。

結局、現世でどんなに足掻いたところで、上方世界で定められた運命からは逃れられないという事なんかね? あの不気味な女は、死神か?

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

この庭に―黒いミンクの話

この庭に―黒いミンクの話この庭に―黒いミンクの話
(2006/12/13)
梨木 香歩

商品詳細を見る

雪のふる小屋にこもる主人公は、ある日、日本人形のような白い顔の少女に出会う。「この庭に」と、彼女が語りだす。「この庭に、ミンクがいる気がしてしようがないの」 不思議な魅力ある、もうひとつの「ミケルの庭」の物語。


何だかよく分からない、夢オチみたいな話だったけど、どうやら「ミケルの庭」というやつの続編らしい。また読む順番間違えてるじゃないかっ! 話が繋がっていたり、関連したりするシリーズならば、もっと判るように書いておいてくれよ。

で、検索すると「ミケルの庭」なんて本は見当たらない。さらに調べると、『りかさん』の中に含まれていて、読む順番は『りかさん』→『からくりからくさ』→『この庭に』という流れの様である。

後で、『りかさん』を借りてみたところ、「ミケルの庭」なんて入っていなかった。\(^o^)/ どうやら、「ミケルの庭」は、文庫版用に書かれた話のようである。図書館には単行本の『りかさん』しかないので、読めないではないか。



主人公が冬場に、窪地にある家を借りて住んでいる。冬場は雪が降り、家は埋もれてしまうのだが、オイルサーディンを食いながら、酒浸りの日々を過ごしていた。

ある日、不思議な少女が迷い込んできて、ミンクを探していると言う。自分のミンクがこの家の庭に迷い込んだという。少女は、ミンクを探してくれとミケルに頼む。半信半疑な話だったが、家の中までミンクが入って来たので、本当にいたのだと知る。

ミンクに餌をやってみたりするのだが、撫でようとすると指を噛まれてしまう。この本には須藤由希子の絵がついているのだが、基本的にほぼモノトーンなのに、いきなり目に赤いものが飛び込んできたから驚いた。図書館の本なのに、誰か鼻血を垂らしているじゃないかと思ったが、よく見たら印刷で、これはミンクに噛まれたミケルの指から流れた血だった。

ミンクにはミルクを飲ませていたのだが、いきなり立ち上がると口の中からオイルサーディンの頭を吐き出したりする。オイルサーディンは缶詰工場で処理されているので、頭なんて最初からついていない。

この辺りで、夢か現か曖昧な話になって、訳が分からない。まるで、村上春樹作品のような話である。何でミンクの口から飛び出たオイルサーディンの頭がくっついて、魚が動き出すのか? 主人公が「頭を外しなさい!」と命令すると、サーディン達は、自分の中に戻って来る。

突然、視点が変わり、母親達が高熱を出して寝込んでいるミケルを心配するシーンになる。ミケルはお気に入りだったミンクの襟巻きを無くしてしまった。

最後のほうで主人公の立ち位置がガラリと変わってしまい、よく分からない結末を迎える。なんか、「胡蝶の夢」みたいな物語だった。大人ミケルは子供ミケルの夢なのか。大人ミケルは未来の姿で、夢の中でリンクしたのか。子供ミケルのほうが過去の記憶なのか。夢オチの話なら結構あるけど、オチ以外は全て夢? みたいな変な話は初めてである。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

シルフィード

シルフィード MCD 【メガドライブ】シルフィード MCD 【メガドライブ】
(1993/07/30)
Sega Megadrive

商品詳細を見る

伝説に残るシューティング・ゲームのひとつ。3076年の未来世界で、テロリストにネットワーク・ジャックされた無人艦隊が人類を攻撃して来るという設定も素晴らしい。今なら普通に思いつく背景設定だけど、このゲームが出てきた時は、まだネット網なんて存在しませんでしからね。

3D処理やポリゴン、さらには宇宙テロリストであるザカリテの合成音声等、当時としては最先端の技術も駆使されていて、クオリティが高い。

各面の終わりには大型艦がボスとして出現。さらには大型艦だらけのボス・オンパレード面もあって楽しい。最後に出てくる宇宙戦艦グロアールだけはラスボスらしい凶悪さ。レーザー砲や弾幕だらけで、さらには主砲まで撃って来る。


評価:★★★★☆

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

昔、火星のあった場所

昔、火星のあった場所

今もぼくは、あの星のことを思ったりするのだ。あの、空のむこうで分解してしまった赤い星のことを―。ある事故によって生れた、現実感のゆらいでいる世界の中で、火星をとり戻そうと働く、「ぼく」と「彼女」と「タヌキ」。昔話と量子力学を小道具に駆使し、失われゆく世界への郷愁、都会で暮す人間のメランコリーを描く、SFロマン。第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。


第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

題名からするとSFっぽいけれども、中身は全然SFじゃない。舞台は火星だけど、二つの対立する会社によって分裂してしまった世界になっており、狸が暗躍するのである。分割ではなくて分裂、ここが重要。一種のパラレルワールドか妄想世界っぽくなっており、夢と現実の境目すら怪しい意味不明のファンタジーなのである。

最後まで読みきっても、何がなんだかよくわからない不思議な話で、いかにも日本ファンタジーノベル大賞らしい作品ではある。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

御剣ハルカ危機一髪!

御剣ハルカ危機一髪! 1 (ヴァルキリーコミックス)御剣ハルカ危機一髪! 1 (ヴァルキリーコミックス)
(2007/10)
かぢば あたる

商品詳細を見る

御剣ハルカ危機一髪! 2 (ヴァルキリーコミックス)御剣ハルカ危機一髪! 2 (ヴァルキリーコミックス)
(2008/09/30)
かぢば あたる

商品詳細を見る

物語が分岐するのだけど、単に主人公が脳内シミュレーションした結果なのか、パラレルワールド方式で、未来が分かれるのだが読者は選択不可能で、両方の結末を読まされる仕様なのか、よく判らない。妙な様式のコミックだ。しかも、分岐したシナリオから、さらに分岐していくという変わり種。

格闘女子高生が卑怯な不良生徒に人質取られてボコられたりと、痛い内容。途中で女王様っぽい生徒会長に助けられるが、何故か部下としてメイド隊? みたいなものに強制加入させられてしまう。他の隊員達も妙な武術を使う奴らばかり。

1巻は新鮮だったけど、2巻は普通に女子格闘系マンガになった感じでアッサリ終わってしまった。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

ここにいる睡蓮―森山大輔短編集

ここにいる睡蓮―森山大輔短編集 (ドラゴンコミックス)ここにいる睡蓮―森山大輔短編集 (ドラゴンコミックス)
(2002/08)
森山 大輔

商品詳細を見る

「クロノクロセイド」で大人気・森山大輔のファン待望の初短編集登場!!内気な妹のことを気遣う、事故死した兄の奮闘を描いた表題作「ここにいる睡蓮」。他「マザーズガーディアン」「ありすインサイバーランド」を収録。全作品単行本未収録です。


「クロノクルセイド」の作者、森山大輔の短編集。でもクロノクルセイドは未読(汗)。

ちょっと重い話が多い。最初の話は、雨の日に後続車に追突されてお兄さんだけ死んでしまう話。現世とあの世の狭間みたいな場所でイズコみたいな番人(表紙の人です)がいるのだが、女子高生の姿をしているのが謎(笑)。その番人の手違いで妹まで死にそうになったから兄が助けに行くのだけど、兄の本体はすでに埋葬されて存在しないので、番人の身体を借りて……。ちょっと萌え路線狙ってると思う。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

目の玉日記

小林よしのり 目の玉日記小林よしのり 目の玉日記
(2006/03/07)
小林 よしのり

商品詳細を見る

世にも珍しいエンターテインメント闘病記 ある日、漫画家・小林よしのりの眼を白内障が襲った。徐々に見えなくなる日々、自己決定を理由に手術の先延ばしをする眼科医……。やがて右目が見えなくなった。それでも、漫画家にとって視力を失う恐怖に駆られながら、点眼薬で執筆を続ける日々。しかし、ついに両眼が見えなくなり、緊急入院することに……。手術は実はなんてことなかった。部分麻酔でレンズが入れられると突然視界が開ける。きっちりとした輪郭、原色で飛び込んでくる景色に作者が新しく見たものは何だったのか? ユーモア溢れる闘病記にして小林よしのり"新開眼"第一作。オール描き下ろしで発刊!


自分を題材にしたエンターテインメント闘病記とは強烈だなぁ。目の病気でどんどん見えなくなって来るのに、マンガを描かないといけないので手術を後回しにして、悪化し続けるのが恐ろしい。文章ではなく、画力で迫ってくるので目玉が出てくる悪夢で魘されそうだ(笑)。

老人並の白内障で、急激に視力が衰えていくのが怖い。ほぼ何も見えなくなって、ギラギラと輝く眩しい世界になっているのに、それでも手術せずに我慢するのが何とも言えない。水分補給をせずに過ごしたせいで、眼球の血管が消えかかっているのも怖いなぁ。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

ユーディーのアトリエ―もうひとつの記憶

ユーディーのアトリエ―もうひとつの記憶 (Bros.comics EX)ユーディーのアトリエ―もうひとつの記憶 (Bros.comics EX)
(2003/10/25)
飛鷹 ゆうき

商品詳細を見る

ファミ通PS2本誌にて連載をしていた「ユーディーのアトリエ もうひとつの記憶」の単行本化。ファミ通PS2にて掲載した全24話を連載時そのままに、豪華オールカラーにてコミックス化。


ゲームのほうは、やりかけたまま途中で止まっているのだが、とりあえず見つけてきたコミックを読んでみる。内容は、ほぼゲームシナリオ通りなのだが、オールカラーなので驚いた。ちょっと得した気分。

時を止める竜の砂時計を錬金術で作成中、髪の毛が混じってしまい失敗して大爆発。気がつけば村は無くなり未来世界へ。錬金レシピも道具も失い、材料も手に入らない。このままでは元の時代へ戻れない。たまたま居合わせたヴィトスに助けられ、竜の砂時計を作るための冒険が始まる。

他作品とも繋がっているのでヘルミーナも登場するが、地域限定キャラや幽霊が出てこないのは残念。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

紺野さんと遊ぼう

紺野さんと遊ぼう (F×COMICS)紺野さんと遊ぼう (F×COMICS)
(2001/04)
安田 弘之

商品詳細を見る

紺野さんと遊ぼう (続) (F×COMICS)紺野さんと遊ぼう (続) (F×COMICS)
(2002/02)
安田 弘之

商品詳細を見る

紺野さんと遊ぼう (FINAL) (F×COMICS)紺野さんと遊ぼう (FINAL) (F×COMICS)
(2003/07)
安田 弘之

商品詳細を見る


なんか凄く怪しいマンガというか、妙なマンガというか……。紺野さんが主人公なのだが、紺野さんを観察する神視点で進行し、紺野さん自身は一言も喋らない。寝ても醒めてもいつでも制服着たままだし、ニオイフェチだし、怪しいぞ! この主人公は……。観察日記風だから、物語として期待してはいけません。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

サニーサイドエッグ

サニーサイドエッグ (創元クライム・クラブ)サニーサイドエッグ (創元クライム・クラブ)
(2007/08)
荻原 浩

商品詳細を見る

私は最上俊平、私立探偵である。ペット専門の探偵ではないのだ。ある日、若く美しい女性が事務所を訪れてきた。ペット捜しなら、もう――「うちの猫を捜してほしいんです」はい喜んで。1カ月ぶりの仕事ではないか。しかもそうこうするうち、「ブロンドで青い目の若い」秘書まで雇えることに。え、な、なんだこいつは!? おまけに猫捜しも、ただの猫捜しではなくなっていくのだった……あの名作『ハードボイルド・エッグ』続編!


「ハードボイルド・エッグ」の続編である。荻原浩は単品がほとんどなので、まさかドジで間抜けなハードボイルド気取り探偵がシリーズ化するとは思わなかった。

相変わらずペット探し専門の探偵と化していて貧乏臭い。同じく儲かって無さそうで貧乏臭いバーのマスターJに頼まれ、助手を雇う事になってしまう探偵。「どんな娘だい」と尋ねると「探偵の秘書だぜ。ブロンドで青い目に決まってるじゃないか」と教えられて期待するのだが……。

確かに、ブロンドで青い目である。小汚いけれども、前回の婆さんよりは若いだけマシかもしれない。しかし相当ヤバそうな相手である。残念な事に、婆さんと比べて探偵との絡みが少なすぎる。せっかく強烈なキャラなのだから、このコンビでシリーズ化して欲しいところである。

今回は終盤までペット探しばかり。美女に頼まれロシアンブルーを探していたら、ヤクザからも無理やり依頼されてロシアンブルーを探す事に。身の危険を感じつつ、日本最大の暴力組織に連行されつつ、なんとか猫を見つけ出すのだが、そこに隠された陰謀に気づいてしまう。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

ハードボイルド・エッグ

ハードボイルド・エッグ (双葉文庫)ハードボイルド・エッグ (双葉文庫)
(2002/10)
荻原 浩

商品詳細を見る

中学の頃にフィリップ・マーロウのようなクールな探偵になることを心に決め、とうとう脱サラして事務所を開いた私。だが、来る依頼は動物の捜索ばかり。おまけにとんでもない婆さんを秘書に雇うはめになり…。


絵に描いたようなガチガチのハードボイルド男が主人公なのだが、クールな二枚目ではなくて、格好良いハードボイルドに酔っているだけの間抜け男なのが哀れ。やる事成す事ダメダメで、自分ではキメているつもりで、その実、単なるコメディアンで終わっている。

ハードボイルド探偵に相応しい美女を秘書にしようと募集してみれば、相手の策略に嵌って、現れたのは婆さんだし。その婆さんと無理やりコンビとなり、事件解決を目指すのだが、初めて関わる殺人事件は思いもよらぬ方向へと転がって行く。

単なるコメディかと思いきや、最後のサプライズで爆弾が用意されていた。とてつもなく嫌な結末が待っていた。B級ホラー並みに気分が萎える。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

Wind―a breath of heart―

Wind―a breath of heart (富士見ファンタジア文庫)Wind―a breath of heart (富士見ファンタジア文庫)
(2002/08)
枯野 瑛

商品詳細を見る

何かに呼ばれるように、ぼくは、そこ―風の名前を持つ街に戻ってきた。そして、春から夏、秋にかけて…かけがえのない友と出会い、少女たちと語り合い、忘れ得ぬ経験をすることになる…。丘野真、17歳。どこにでもいる普通の高校生。彼は、母親の失踪を機に、その謎の手がかりを求めて、生まれ故郷の街―風音市に帰ってくる。山間の坂の多い街。石畳の道を路面電車が走る、どこかノスタルジックなその街に。恋愛、友情、そして何気ない日常の先にある、街に秘められた謎。全てがひとりの少女に帰結していく。そして真は、その謎の鍵を持つ一人として、事件の核心に迫る…。大人気PCゲームを完全ノベライズ。リリカル・ファンタジー。


ゲームのノベライズらしいが、原作が酷評されているらしく、相対的に小説の評価は上がっている模様。だが、個人的には微妙なところ。

描写不足からか、ある程度読み進めないと、登場人物が把握し辛い。ノベライズなのだから、当然予備知識があるだろうという前提なのか。絵師が書いているカラーページに主要人物全員が載っていないので、誰がイラストのキャラに該当するのか、すぐには分らなかった。

幼い頃に父を亡くし、引っ越す寸前に母も行方不明になってしまった兄妹が故郷の風音市に戻る。そこは、住む人間がちょっとした魔法のような能力を有する、特殊な土地である。二人で暮らしながら母を捜し続けるが、手掛かりは無い。かつてある約束をした幼なじみと再会し、謎の少女と出会う。

キャッチでラブストーリー扱いされているが、風音市を特殊な場所にしている原因に深く関わっている、化け物みたいな能力を持っている人物? が出てくるし、消滅という形で人も死んでいるし、むしろホラーじゃないのか? きのこな人みたいに暗黒成分入っている話が好きな人なら気に入るかもね。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

家に棲むもの

家に棲むもの (角川ホラー文庫)家に棲むもの (角川ホラー文庫)
(2003/03)
小林 泰三

商品詳細を見る

ボロボロで継ぎ接ぎで作られた古い家。姑との同居のため、一家三人はこの古い家に引っ越してきた。みんなで四人のはずなのに、もう一人いる感じがする。見知らぬお婆さんの影がよぎる。あらぬ方向から物音が聞える。食事ももう一人分、余計に必要になる。昔、この家は殺人のあった家だった。何者が…。不思議で奇妙な出来事が、普通の世界の狭間で生まれる。ホラー短編の名手、小林泰三の描く、謎と恐怖がぞーっと残る作品集。


邪悪な小林泰三とまで言われる程に、この人の書くホラーは禍々しい。某暗黒神話系統のホラーも書くし、不快な粘液でベトベトになるような気味の悪い話が多い。この短編集に入っているのは暗黒神話や化け物系統のホラーじゃないのだが、人間の暗黒面が現われている分、単に幽霊が出てきたりするものよりも恐ろしくておぞましい。一番怖いのは死んだ人間や異界の化け物じゃなくて、生きた人間なのである。

表題の「家に棲むもの」は、かつてそこに住んでいた者の怨念だとばかり思っていたら、意表をつく結末にしてやられた。「食性」は誰でも考え付く題材だが、落としどころはやはりホラー。「五人目の告白」は、ある事件を別々の視点で捉えながらも実は……。「肉」は典型的な小林作品。肉汁で汚されそうな気色悪さ。「森の中の少女」も隔離された世界で生きる少女が化け物のいる領域へ踏み込んで知る事実に驚かされる。「魔女の家」は精神的に捕らえられた悪夢の様。「お祖父ちゃん絵」も極めて猟奇的。

全部が全部、邪悪なホラーって感じだが、化け物じゃなくて人間が怖いのである。やはり、この小さな世界で最も邪悪なのは人類なのだ。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

人獣細工

人獣細工 (角川ホラー文庫)人獣細工 (角川ホラー文庫)
(1999/12)
小林 泰三

商品詳細を見る

パッチワーク・ガール。そう。わたしは継ぎはぎ娘。その傷痕の下には私のものではない臓器が埋められている。傷痕を見ていると皮膚が透けて、臓器がゆっくりと蠢動し、じゅくじゅくと液体が染み出してくるのが見えてくる。わたしのものではない臓器。人間のものですらない臓器。…第2回日本ホラー小説大賞短編賞をあの名作「玩具修理者」で受賞した著者が、内臓の匂い漂う絶望と恐怖の世界を構築した表題作に、二編を加えた待望の第二作品集。


表題作は、豚の臓器を移植されまくって生きながらえる少女の苦しみ。単に臓器移植を取り上げただけではなく、やはり小林泰三らしくひたすらグロい。最後の最後が、やはり邪悪。

「吸血鬼狩り」は、ちょっとアッサリしすぎだった。ラストにドンデン返しが待っているとばかり思っていたら、そのまま素直に終わってしまい、伏線も何も無かったので物足りない。

「本」は、同級生に配られた謎の本の影響で、読んだ人間が次々に狂っていくホラー。一見、普通の呪いに思えるが、もっと大きな何物かの意思が働いており、暗黒神話体系みたいな気味悪さが残る。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

ポピュラス

ポピュラスポピュラス
(1990/12/16)
SUPER FAMICOM

商品詳細を見る

自分が神となり、神視点で操作し、地上世界にいる自分の信者を助けつつ、敵対する悪魔の信者を滅ぼして行くという、二元論的世界感のゲーム。いかにも洋物ゲームらしい感じがするが、悪魔側からすれば、きっと悪魔が神で、こちら側が悪魔なんだよな。

自分の信者である人間を直接操作する事は出来ず、土地の高さを変えたり、神の奇蹟で間接的に影響を及ぼす。敵対する悪魔の使徒には自然災害で嫌がらせを……。火山や洪水で敵対する人間を滅ぼすとか、やっている事を考えると、どっちが悪魔なんだか(笑)。

自分の信者が多くなると、マナが増えて使える奇蹟の威力が増すので、信者を保護しつつ、敵には災厄をタップリ喰らわせるという、鬼、いや悪魔のような神様ゲームであるGJ!


評価:★★★★

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

キングオブパーラー

キングオブパーラー

パチンコ屋経営シミュレーションという、ちょっと変わった感じのゲーム。だがしかし、こいつもクソゲー地雷だった。パチンコ屋の実態をなにひとつ理解していない人が作ったとしか思えないいい加減さで、そもそもシミュレーションになっていない。「学校をつくろう」みたいに、同じ施設を何個も作らされるほどのバカっぽさはないけれども、これはパチンコ屋に行った事が無い人が想像だけで作ったようなレベルの低さ。

パチンコ台にはフィーバー機、アレパチ等など種類が有る訳ですが、人気の差はあれど、新台には客がつくものです。なのに、新台を無視して、射幸心を煽るギャンブル性の高い機械にしか客がつかないというクソ仕様は何なの!?

いくらなんでも、店内の機械が全種類アレパチとか有り得ないだろう!? 現実世界を無視して、全部アレパチだけで経営すれば容易くクリア。現実に即したプレイをしようとすると、とても残念な事に……。これはもうシミュレーションとして成立してないよね。


評価:★


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ