キミキス lyrical contact

キミキス~lyrical contact (ガンガンコミックス)キミキス~lyrical contact (ガンガンコミックス)
(2007/04/21)
黒井 みめい

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アナタと出会う、とびっきりのキセキ。相原光一が密かに恋するのは、引っ込み思案な女の子・星乃結美。ひょんなことから二人っきりで図書室の整理をすることになり、ドキドキの急接近…!? 大人気ゲーム「キミキス」コミック化! 心トキメク、ピュアラブストーリー。


主人公の少年に、様々な女性が接近してきて、しかも全員が美人だという、いかにもギャルゲーな設定である。現実世界では絶対に有り得ないという点において、ある意味これもファンタジー……。

こういうマルチエンディングのストーリーをコミカライズする際の宿命として、どれかひとつのエンディングに焦点を絞って物語を進めなければならないという欠点がある。媒体が異なるが故に避けられない事ではあるが、特定の人物に思い入れがある場合には難有りかもしれない。この作品では、星乃さんメインとなっているが、元ネタを知らないから無問題。

マルチメディア展開のお約束として、様々な人に描かせている様だ。黒井みめいはデビュー直後にコミカライズの仕事が回って来たにしては、結構綺麗な絵を描いていて、良いと思う。


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ほかならぬ人へ

ほかならぬ人へほかならぬ人へ
(2009/10/27)
白石 一文

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二十七歳の宇津木明生は、財閥の家系に生まれた大学教授を父に持ち、学究の道に進んだ二人の兄を持つ、人も羨むエリート家系出身である。しかし、彼は胸のうちで、いつもこうつぶやいていた。「俺はきっと生まれそこなったんだ」。サッカー好きの明生は周囲の反対を押し切ってスポーツ用品メーカーに就職し、また二年前に接待のため出かけた池袋のキャバクラで美人のなずなと出会い、これまた周囲の反対を押し切って彼女と結婚した。しかし、なずなは突然明生に対して、「過去につき合っていた真一のことが気になって夜も眠れなくなった」と打ち明ける。真一というのは夫婦でパン屋を経営している二枚目の男だ。「少しだけ時間が欲しい。その間は私のことを忘れて欲しいの」となずなはいう。その後、今度は真一の妻から明生に連絡が入る。彼女が言うには、妻のなずなと真一の関係は結婚後もずっと続いていたのだ、と。真一との間をなずなに対して問いただしたところ、なずなは逆上して遂に家出をしてしまう。失意の明生は一方で、個人的な相談をするうちに、職場の先輩である三十三歳の東海倫子に惹かれていく。彼女は容姿こそお世辞にも美人とはいえないものの、営業テクニックから人間性に至るまで、とにかく信頼できる人物だった。やがて、なずなの身に衝撃的な出来事が起こり、明生は…。


第142回直木賞受賞作。

なんか、密林の商品説明が、異様に気合入っている。作者の直筆でメッセージまで入っているし。本人としては、一番完成度が高いと思っているのかもしれない。しかし、二編あるうち、受賞作が不倫、もうひとつが結婚直前で浮気しまくりと、かなり萎える。どちらも女性がロクデナシである。

受賞作は、名家に生まれ、兄達と比較して自分が凡庸な事にコンプレックスを抱き続けた男が、決められた相手ではなく、知り合った美女と結婚する。元々決められていた相手は、自分の兄が好きで、その兄は、さらにひとつ上の兄嫁が好きだという、どうしようもない事になっている。

三男は、ようやく普通の幸せを掴んだのかと思いきや、妻が昔から好きだった相手の下に走りグダグダに。トンデモない女である。むしろ別れたほうがGJ! 性悪嫁には逃げられるし、許婚っぽい相手は事故死するし、兄達はハイソすぎて人間失格だし、再婚した上司も病死。なんだこのBAD ENDは……。

お互いが相手だけ見ていれば単純明快なのに、何で人は別の方ばかり向いているのか。結局、巷に溢れる夫婦やカップルは、その大半が妥協と欺瞞の産物でしかないのだろう。


ほんと、三次元嫁はロクなのがいないや(笑)。

やあ(´・ω・`) ようこそバーボンハウスへ。今のは非リア充すぎて破壊され尽くした何者かの残滓が放った戯言に過ぎないので、GJな三次元嫁をゲット出来た人は華麗にスルーして欲しい。



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六月の夜と昼のあわいに

六月の夜と昼のあわいに六月の夜と昼のあわいに
(2009/06/19)
恩田 陸杉本 秀太郎

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よび覚まされる記憶、あふれ出る感情、たち上がる論理。言葉によって喚起される、人間のいとなみ。ミステリー、SF、私小説、ファンタジー、ルポルタージュ…あらゆる小説の形式と、恩田作品のエッセンスが味わえる「夢十夜」的小説集。フランス文学者・杉本秀太郎による詩、俳句、短歌に秘められた謎と、希代の新鋭画家による十のイメージに誘われた、摩訶不思議な十の作品世界。


短編集でも『朝日のようにさわやかに』は読める作品が多かったのだが、これは実験作混じりまくりのごった煮な感じで、だから何? と言いたくなるものだらけだった。恩田陸らしい雰囲気フェロモン攻撃は健在なので、ファンなら楽しめるかもしれないが。

どれを読んでも印象に残らない。ひたすら苦行のように読み進めるが、ほとんど何も覚えていない。文章はともかく、淡々と物語が進むだけでオチも弱いし、何を楽しめば良いのか途方に暮れた。

つーか、読み終わった直後なのに、多和田葉子みたいだと感じた二人称小説と、大いなる運命を持って産まれて来た筈なのに、どこかで間違えて、駄目親に育てられ、パチンコ屋の駐車場で死んでしまう幼児の話しか覚えてない(笑)。


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いのちのパレード

いのちのパレードいのちのパレード
(2007/12/14)
恩田 陸

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恩田ワールドの原点<異色作家短編集>への熱きオマージュ。ホラー、SF、ミステリ、ファンタジー……クレイジーで壮大なイマジネーションが跋扈する、幻惑的で摩訶不思議な作品集。


妙な話だらけで、本当に摩訶不思議な作品集に仕上がっている。15編入っていて全部が短編だから、長編作品のようなグダグダ感が無く綺麗に纏っている。変な話がたくさん入っているので、お気に入りから全然面白さが判らないものまで様々。

奇抜な設定だらけなのは良いのだが、オチの弱い物が多いので、サプライズはあまり感じる事が出来なかった。これで唸らせる終り方ばかりなら神作品なのだが……。各話については、内容に触れすぎると、読んだ時の面白さが削がれてしまうので控える事にする。


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よろこびの歌

よろこびの歌よろこびの歌
(2009/10/17)
宮下 奈都

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御木元玲は著名なヴァイオリニストを母に持ち、声楽を志していたが、受かると思い込んでいた音大附属高校の受験に失敗、新設女子高の普通科に進む。挫折感から同級生との交わりを拒み、母親へのコンプレックスからも抜け出せない玲。しかし、校内合唱コンクールを機に、頑なだった玲の心に変化が生まれる…。あきらめ、孤独、嫉妬…見えない未来に惑う少女たちの願いが重なりあったとき、希望の調べが高らかに奏でられる―いま最も注目すべき作家が鮮烈に描く、青春小説の記念碑。


著名なヴァイオリニストの娘が受験に失敗し、魂の抜け殻と化し、新設女子高でやる気の無い生活を過ごす出だしに萎えかけた。日本は選別型社会で敗者復活戦がほとんど無いのだから、与えられるモノは全て与えなければいけないのに、この親は何考えてるの? と思ったのだが……。

嫌な話の単発ではなくて、主人公はどんどん切り替わっていくけど、歌に絡んで互いが影響を受け、与え合う連作になっているんだね。エリート環境にいながら失敗してしまった音楽家の娘も、望んでもピアノすら得られなかった、うどん屋の娘と比べたら恵まれているし、例え挫折したとしても、まだまだ未来が確定していない青春真っ只中を生きている若者を見ると、奈落の底まで突き落とされた感じの我が身には眩し過ぎて目が潰れそうになる。


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太陽のパスタ、豆のスープ

太陽のパスタ、豆のスープ太陽のパスタ、豆のスープ
(2010/01/26)
宮下 奈都

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暗闇をさまよう明日羽に、叔母のロッカさんは“リスト”を作るよう勧める。溺れる者が掴むワラのごとき、「漂流者のリスト」だという。明日羽は岸辺にたどり着けるのか?そこで、何を見つけるのか?ささやかだけれど、確かにそこでキラキラと輝いている、大切なもの。読めば世界が色づきはじめる…“宮下マジック”にハマる人続出中。


題名を見て、お料理小説なのかと思ったら全然違った。結婚直前に婚約破棄されて人生の迷い子となる妙齢女性の話だった。落ち込みグダグダになるが、周囲の人との関わりで次第に自分の人生を再確認しつつ、リスタートする感じの、ごく普通の物語。

何か新たな事件が起こったりする訳でもなく、破談以外は別に普通の人生だし、破談すら、もっと悲惨な人生送っている非リア充世界の面々と比べたら、どうって事無いし、期待していた程には楽しめなかった。

巷の評価はかなり高いので、地に足ついた感じの物語がウケているのかな? 個人的には『スコーレNo.4』が最高だったけど。


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ローカス賞 SF長篇部門

1980年よりSF部門とファンタジー部門に分かれる。1979年以前は長編部門。


2009年 『Anathem』 ニール・スティーヴンスン
2008年 『ユダヤ警官同盟』 マイケル・シェイボン
2007年 『レインボーズ・エンド』 ヴァーナー・ヴィンジ
2006年 『アッチェレランド』 チャールズ・ストロス
2005年 『The Baroque Cycle』 ニール・スティーヴンスン
2004年 『イリアム』 ダン・シモンズ
2003年 『The Years of Rice and Salt』 キム・スタンリー・ロビンソン
2002年 『航路』 コニー・ウィリス
2001年 『言の葉の樹』 アーシュラ・K・ル=グウィン
2000年 『クリプトノミコン』 ニール・スティーヴンスン
1999年 『犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』 コニー・ウィリス
1998年 『エンディミオンの覚醒』 ダン・シモンズ
1997年 『Blue Mars』 キム・スタンリー・ロビンソン
1996年 『ダイヤモンド・エイジ』 ニール・スティーヴンスン
1995年 『ミラー・ダンス』 L・M・ビジョルド
1994年 『グリーン・マーズ』 キム・スタンリー・ロビンソン
1993年 『ドゥームズデイ・ブック』 コニー・ウィリス
1992年 『バラヤー内乱』 L・M・ビジョルド
1991年 『ハイペリオンの没落』 ダン・シモンズ
1990年 『ハイペリオン』 ダン・シモンズ
1989年 『サイティーン』 C・J・チェリイ
1988年 『知性化戦争』 デイヴィッド・ブリン
1987年 『死者の代弁者』 オースン・スコット・カード
1986年 『ポストマン』 デイヴィッド・ブリン
1985年 『インテグラル・ツリー』 ラリー・ニーヴン
1984年 『スタータイド・ライジング』 デイヴィッド・ブリン
1983年 『ファウンデーションの彼方へ』 アイザック・アシモフ
1982年 『多彩の地』 ジュリアン・メイ
1981年 『雪の女王』 ジョーン・D・ヴィンジ
1980年 『ティーターン』 ジョン・ヴァーリイ

(ローカス賞長編部門)
1979年 『夢の蛇』 ヴォンダ・マッキンタイア
1978年 『ゲイトウエイ』 フレデリック・ポール
1977年 『鳥の歌いまは絶え』 ケイト・ウィルヘイム
1976年 『終りなき戦い』 ジョー・ホールドマン
1975年 『所有せざる人々』 アーシュラ・K・ル=グウィン
1974年 『宇宙のランデヴー』 アーサー・C・クラーク
1973年 『神々自身』 アイザック・アシモフ
1972年 『天のろくろ』 アーシュラ・K・ル=グウィン
1971年 『リングワールド』 ラリー・ニーヴン



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地球が静止する日

地球が静止する日 [DVD]地球が静止する日 [DVD]
(2010/08/04)
キアヌ・リーブス、ジェニファー・コネリー 他

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NYのセントラルパークに巨大な球体が出現。降り立った宇宙からの使者クラトゥが現れた。アメリカ政府は危機対策チームを発足。幼い義理の息子を育てる生物学者ヘレンも召集されるが、地球静止へのカウントダウンは始まっていた! 厳重な警備網をいとも簡単に破って街へ出たクラトゥは、ヘレンとその息子に接触。二人は衝撃の事実を知る。クラトゥは宇宙から人類へ向けられた最終警告だったのだ。クラトゥの目的は地球を救うこと。そのために彼が成し遂げようとしている衝撃の計画とは?


なんとなく微妙な映画の臭いがしていたけど、やはり……。地球を救うため、地球を破壊する人類を駆逐するというのは、今となってはありがちだけど、血の繋がらない親子の絆だけで処置を中止して良いのか?

血の繋がらないガキの言動はDQNクオリティだし、国防長官は最初から先進文明に喧嘩売るおバカにしか見えない。最初から話し合いを拒否して自国の利益しか考えないし、見ていてこれはもう人類滅亡したほうが地球の平和に良いんじゃないかという気がしてくる。

変わるためのチャンスをくれと泣きつかれただけで、ご都合主義的に助かってしまうのだが、エイリアンが何に反応して猶予を与えたのか理解出来なかった。とりあえず、これはもうキアヌ・リーブスのプロモとして楽しんだほうが良いのかも(笑)。


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ナンシー・クレス

攻略対象書籍は以下。
邦訳分攻略済。

プロバビリティ・ムーン』★★★☆
プロバビリティ・サン』★★★☆
プロバビリティ・スペース』★★★☆
ベガーズ・イン・スペイン』★★★★
アードマン連結体』★★★☆


以下、未訳分。

無眠人
『Beggars and Choosers』
『Beggars Ride』

Crossfire
『Crossfire』
『Crucible』

Robert Cavanaugh
『Oaths and Miracles』
『Stinger』

長編
『Prince of the Morning Bells』
『The Golden Grove』
『The White Pipes』
『The Price of Oranges』
『An Alien Light』
『Brainrose』
『Maximum Light』
『Yanked』
『Nothing Human』
『Dogs』

短編集
『Trinity and Other Stories』
『The Aliens of Earth』
『Beaker's Dozen』
『Nano Comes to Clifford Falls』
『Steal Across the Sky』

ノンフィクション
『Beginnings, Middles & Ends』
『Dynamic Characters: How to Create Personalities That Keep Readers Captivated』
『Characters, Emotion & Viewpoint』


ちょっとキャラを使い捨てにし過ぎる傾向があるなぁ。もう少し育てたほうが面白くなるのに。プロバビリティ三部作は、星間戦争の最中なのに、遺跡調査とか現地の知的生命体の描写が多すぎて退屈した。日本語訳が最近だから若手かと思っていたら、かなりベテランでした。


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アードマン連結体

アードマン連結体 (ハヤカワ文庫SF)アードマン連結体 (ハヤカワ文庫SF)
(2010/04/30)
ナンシー・クレス

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それぞれにさまざまな人生を歩んできた老人たちが集う施設、セント・セバスチャンで、ある日突然、奇妙な病気が蔓延した! だがそれは、その施設だけでなく、やがて全世界の80歳以上の老人すべてに……2009年ヒューゴー賞に輝く表題作ほか、悪事で財をなした老人の奇想天外な騒動を描いたネビュラ賞受賞作「齢の泉」、時間テーマの傑作「オレンジの値段」など、SFの醍醐味が満喫できる全8篇を収録した日本オリジナル短編集。


2009年度ヒューゴー賞受賞作。

密林の評価が高いので期待していたのだが、好みのタイプのSFではなかった。SFなのに派手な部分が無く、科学よりも人間に焦点を当てて物語が進むものが多い。バッドエンドっぽい結末も多めで、爽快感も得られない。なんというか、地味すぎる。濃い味付けを期待していたのに、精進料理を食べされられたような気分。

「ナノテクが町にやってきた」は、ナノテクが町にやって来て、何でも揃うので人々が仕事をしなくなり、政府が崩壊して行く話が、ナノテク技術について言及する部分は無いものの、これが一番、普通のSFっぽかった。「オレンジの値段」は、タイムマシンを使わずナルニア方式(笑)で過去と現在を行き来。

表題作は蔓延した奇病が、実は人類の覚醒で、それにより狂い始めた世界を矯正するため、謎の船が介入して来るのだが、言及されないので何者なのか不明なまま終わってしまう。

他にもノワールっぽいのやホラーっぽいのが混ざっており、SFで書いているけれども、SF部分が優先されていないので、これは別にミステリか何かでやっても良いんじゃないかと……。「ベガーズ・イン・スペイン」のほうが普通にSFっぽくて良かったなぁ。


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ベガーズ・イン・スペイン

ベガーズ・イン・スペイン (ハヤカワ文庫SF)ベガーズ・イン・スペイン (ハヤカワ文庫SF)
(2009/03/31)
ナンシー クレス

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21世紀初頭、遺伝子改変技術により睡眠を必要としない子供たちが生まれた。高い知性、美しい容姿だけでなく驚くべき特質を持つ無眠人は、やがて一般人のねたみを買い…「新人類」テーマの傑作と高く評価され、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、アシモフ誌読者賞、SFクロニクル読者賞を受賞した表題作をはじめ、ネビュラ賞、スタージョン記念賞を受賞し、“プロバビリティ”3部作のもととなった「密告者」など全7篇を収録。


1991年度ネビュラ賞受賞作「ベガーズ・イン・スペイン」。
1992年度ヒューゴー賞受賞作「ベガーズ・イン・スペイン」。
1994年度ジョン・W・キャンベル記念賞(佳作)受賞作「ベガーズ・イン・スペイン」。
1997年度シオドア・スタージョン記念賞受賞作「密告者」。
1998年度ネビュラ賞受賞作「密告者」。


日本で独自に編集されたナンシー・クレスの短編集。プロバビリティ三部作の元となった短編「密告者」も入っている。基本設定は似ているのだが、やはり長編になっているもののほうが、物語に奥行きが出て完成度も高い。

結構、SFにしては地味で淡々とした話が多いのが微妙なところだが、遺伝子改変を行える社会となった「ベガーズ・イン・スペイン」は面白かった。睡眠を必要としない無眠人は、通常の人間よりも能力が高く、やがて妬みにより排斥されて行くという、それ何てガンダム・シード? 状態に。

実際のところ、ジーン・リッチと通常人の間に妬みは発生しても、対立して争いになったりはしないと思う。遺伝子を改変出来るようになっても、実際に利用出来るのは一部の金持ちだけだし、権力を握っている側は、ほとんどの場合において圧倒的に強いのだから。

これまでで、権力側がしてやられたのなんて、ロシア革命くらいじゃないのか? ジーン・リッチ程度で争いになるのならば、今現在の資本主義体制下でも、金持ちと貧乏人の対立によって、資本家達が抹殺されている筈である。


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プロバビリティ・スペース

プロバビリティ・スペース (ハヤカワ文庫SF)プロバビリティ・スペース (ハヤカワ文庫SF)
(2009/01/09)
ナンシー・クレス

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ケンブリッジの自宅から物理学者カペロが誘拐された!現場を目撃した娘のアマンダは身の危険を感じ、心理学者のマーベットを頼って月へ、そして火星へと向かう。だが、マーベットはカウフマンとともに世界へと向かっていて不在。しかも軍強硬派のピアース大将がクーデターを起こし、火星は戦場と化していた。やがて実権を掌握したピアースは、敵を殱滅すべく、最強の武器である人工物をフォーラーの母星系に送りこむが…。


2003年度ジョン・W・キャンベル記念賞受賞作。

先進文明の遺物を解明した科学者が何者かに誘拐されて行方不明となる。たまたま現場に居合わせてしまった娘のアマンダは、自らも身を隠し、父を助け出そうとする。しかし、いつの間にか反政府活動組織に囚われており、ややこしい事になってしまう。

組織から逃げ出すものの、今度は修道院に隠れ住む事に。さらに、火星でクーデターが発生し、多くの人命が失われる。エイリアンの攻撃で人類が滅ぼされそうな時に、何をやってんだか……。

クーデターで人工環境が破壊され、死を待つばかりとなったアマンダは、何故か都合良く現れたイケメンに助け出される。

一方、前作で活躍したカウフマンは、退役軍人となり、付き合い出した超感覚女と一緒に、ワールドへ潜入する。現地に残っている二名を救出する事と、行方不明になっている天才科学者カペロを探し出す事が目的なのだが……。クーデターで新たに権力の座についた将軍が、とても危険な男だったから、宇宙の破滅を阻止すべく、自暴自棄としか思えない、とんでもない賭けに出る事になる。

攻撃的なエイリアンとの星間戦争が続いているのに、人類は反戦活動家や、野心を持った軍部のクーデター等、足を引っ張りまくる要素が満載。全然結末が見えて来ないので、どうやって終わるのかと思ったら、かなり力技な展開で戦争終結となる。

敵の本拠地を叩いてご都合主義的にハッピーエンドとはならなかった。天才科学者と娘だけ見れば、ハッピーエンド的なのかもしれないけど、なんだか釈然としない幕切れだなぁ。


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プロバビリティ・サン

プロバビリティ・サン (ハヤカワ文庫SF)プロバビリティ・サン (ハヤカワ文庫SF)
(2008/12)
ナンシー・クレス

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地球で謎の人工物の報告書を目にしたカウフマン少佐は、世界の山中に秘められた人工物こそ、敵フォーラーを撃破する鍵になると確信した。太陽系随一の物理学者カペロを加えた調査チームを編成したカウフマンは、一路世界へと赴く。やがて聖なる山々に分け入り、いくつもの洞窟をくぐり抜けて、人工物のもとにたどり着くや、ただちに発掘作業に取りかかった!一方、フォーラーの生け捕り作戦も極秘で進められていたが…。


三部作の第二部。一作目が全然盛り上がらず、読んでいて苦痛だったのだが、これは少しSFっぽくなっている。前作は、エイリアン文明の共有現実や花を贈る風習などが、まるで異星人文化史、風俗史でも読まされているような感じで、辛かったからなぁ。

初めて、生きたフォーターの捕獲に成功するのだが、ワールドの聖地に埋まっていた先進文明の遺物を確保する軍艦内に囚われるので、結構忙しい事になる。聖地の遺物から放たれる何かが、ワールドに住むエイリアンに作用し、共有現実を作り出している事が明らかとなる。

遺物を持ち去ると、ワールドのエイリアンに対する影響が大きすぎると反対する科学者がいるのだが、フォーラーに対抗出来るかもしれない手段がこれしか無いのだから、仕方が無いだろう。人類だけが滅亡するならまだしも、フォーラーがこの星系に到達すれば、きっと現住生物も滅ぼされてしまうのだから、持ち出さなくても時間稼ぎにしかならないと思う。人類存亡の危機的状況で持ち出しに反対するなんて、もはや売国奴どころではなくて、売人類奴レベルだよなぁ。


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プロバビリティ・ムーン

プロバビリティ・ムーン (ハヤカワ文庫 SF ク 13-1)プロバビリティ・ムーン (ハヤカワ文庫 SF ク 13-1)
(2008/11/07)
ナンシー・クレス

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22世紀半ば、太陽系外縁でのちにスペーストンネルと呼ばれる不思議な建造物が発見された。このトンネルは人類に外宇宙への扉を開き、いくつもの新世界が発見された。だが、やがてそうした新世界で、人類は異星種族フォーラーと遭遇、交戦状態に入った!敵の強大な軍事力に圧倒され、人類は苦しい戦いを強いられる。そんなおり、新世界のひとつ「世界」で、戦況を一変させる、強大な力を秘めた人工物が発見されたが…。


三部作の第一部。謎の先進文明によって造られたスペーストンネルが発見され、各地に人類が広まった未来世界。見つかった知的生命体のうち、大半は人類よりも遅れていたが、異星種族フォーラーとは交戦状態に陥り、人類のほうが押されている。

新たに発見された謎の人工物が存在する新世界のひとつが舞台となるのだが、そこにいる種族の、現実、非現実を共有する文化に馴染めず、読み進むのに苦労する。物語が淡々と進みすぎて盛り上がらないし、登場人物の誰も主役っぽくなくて、誰を中心に捉えて読んで行けば良いのか分り難い。強いて言うならば、この星に住む地球外知性体で、罪を犯して非現実者となった女性が主役か。

先進文明の遺物は、この世界では月として認識されているが、何のために使うものなのかは、最後まで謎のまま。これを狙ったフォーラーも来襲し、太陽系まで運ぶか、それが無理なら敵の手に渡る前に破壊しようとするのだが……。

星間戦争中なのに、辺境惑星の遅れた種族相手に、科学者達が調査しているばかりで、ちっとも楽しめなかった。


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ぼくらの言葉塾(岩波新書1215)

ぼくらの言葉塾 (岩波新書)ぼくらの言葉塾 (岩波新書)
(2009/10/21)
ねじめ 正一

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「言葉って、すごいなあ」。本当に強い言葉は、人のいちばん奥底にまで届く。この本は、そんな心に響く言葉たちを、詩から、歌から、俳句から集め、言葉の味わい方・楽しみ方を指南します。詩が好きな人、詩をつくる人、詩を朗読する人はとくに必読!言葉の回路全開のねじめ先生が、パワフルに過激にスリリングに語ります。


ねじめ正一の「言葉」に対する情熱と想いがヒシヒシと伝わってくる良書だった。最近、有名人に書かせた言葉や国語に関する新書が増殖して玉石混交状態だけど、これは玉のほう。

引用している詩や絵本も、優れた作品が多い。一番心に響いたのは、全国高校生詩のコンクールで2003年に大賞を取った宮崎祐子さんの「朝」。詩なんて作り手の自慰行為にしか思えなかった私が、人生において唯一感動した詩である。情景がリアルに迫ってくる。物凄い才能だ。「朝」で表現されているような暖かい日々の記憶を持たず、ただ暗闇に包まれていた地獄のような時代を思い出して全自分が泣いた! 

高校時代なんて思い出したくも無いが、その先に絶望しか待ち受けていないという事実をまだ知らないだけ、今よりはマシだった気がする。


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山下貴光

攻略対象書籍は以下。

『HEROごっこ』
屋上ミサイル』★★★☆
『少年鉄人』
『有言実行くらぶ』



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屋上ミサイル

屋上ミサイル (上) (宝島社文庫) (宝島社文庫 C や 2-1)屋上ミサイル (上) (宝島社文庫) (宝島社文庫 C や 2-1)
(2010/02/05)
山下 貴光

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屋上ミサイル (下) (宝島社文庫) (宝島社文庫 C や 2-2)屋上ミサイル (下) (宝島社文庫) (宝島社文庫 C や 2-2)
(2010/02/05)
山下 貴光

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大統領がテロ組織に拉致監禁されるという大事件がアメリカで発生していたものの―日本の高校生たちにとって、それは遠い国の出来事だった。それよりも、もっと重要なことがある。例えば、校舎の屋上でスケッチをすることだとか。美術の課題のため、屋上にのぼった高校二年生の辻尾アカネ。そこで、リーゼント頭の不良・国重嘉人や、願掛けのため言葉を封印した沢木淳之介、自殺願望を持つ平原啓太と知り合う。屋上への愛情が共通しているということから、国重の強引な提案で“屋上部”を結成することになった四人。屋上の平和を守るため、通行人を襲う罰神様騒動、陸上部のマドンナ・ストーカー事件、殺し屋との遭遇などに巻き込まれることになる。それらはすべて、ひとつの事件に繋がっていた!『このミステリーがすごい!』大賞2009年第7回大賞受賞作。


『このミステリーがすごい!』大賞第7回大賞受賞作。

この第7回は、選考委員の評価真っ二つで、かなり揉めたらしい。それで二作受賞となっているのか。片方はまだ読んでいないので、現時点ではなんとも言い難い。しかし、やはり密室で決まってしまう胡散臭さは感じるよなぁ。どちらかの選考委員が病欠したりしたら、バランスが一気に崩れて片方が泣きを見るという事だからね。芥川賞ほど世間とのズレは無いものの、読者より先に選考委員受けしないと駄目だというところが……。かなり主観入るし、結局、好き嫌いになってしまうからね。

アメリカで大統領拉致監禁という大事件が発生しているのに、それとはほぼ何の関係も無く、屋上を舞台にした物語が進行して行く。屋上に絵を描きに来た女子生徒や、不良っぽい少年、屋上から好きな子を覗いているストーカーっぽい少年等が集まり、屋上部として活動を始める。

しかし、殺害されたと思われる人物が写った写真を拾ったり、誰かが置き忘れたらしい本物の銃をたまたま拾ったりと、選考委員にも指摘されている通り、かなりご都合主義な部分がある。話が盛り上がり始めるのも遅いし、面白いからという理由だけで自分達から事件に首を突っ込んで行くのが嘘臭いなぁ。

様々な事件がバラバラに発生するのだけど、これがなかなか繋がらない。死体写真の謎も、何故か置いてあった銃の謎も、ラスト付近まで結びつかないし。主人公の弟が何者かに襲われたり、ストーカーっぽい少年が別のストーカーと間違えられたり、変な都市伝説を作っている犯人やら、いきなり追いかけて来る殺し屋とか、無関係に思える出来事がバラバラになりすぎていて、なかなか物語の核心が見えて来ない。これが伊坂幸太郎のように、ラスト付近で一気に繋がれば凄いのだが、ようやく束ねたという感じでスマートじゃなかった。


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日本のルールは間違いだらけ(講談社現代新書2017)

日本のルールは間違いだらけ (講談社現代新書)日本のルールは間違いだらけ (講談社現代新書)
(2009/10/16)
たくき よしみつ

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実は世の中こんなにいい加減! 幽霊文字まであるJIS漢字に、人を 殺 す交通ルール。クルクル代わる「猥褻」基準や不条理な選挙……。日本社会にはびこるおかしなルールを徹底解明。


欠陥ルールのパターン
1.そもそもそんなルールは必要ない
2.ルールに明らかな間違いがあり、使いものにならない
3.ルール制定時に将来を見通せなかったために、現代では通用しなくなった
4.ルールそのもの、あるいはルールの解釈が曖昧で、まともに運用できていない
5.ルールの目的や成立過程に悪意や作為があり、公正・公平でない


日本のルールは、間違いだらけというよりは、もう馬鹿ルールだらけだと言ったほうが早いかもしれないが、お粗末過ぎて呆れ果てる事例が紹介されている。

漢字の書き順なんかも馬鹿みたいなルールだが、ルール至上主義化して、無意味な決まり事なのに一人歩きしている。漢字なんて書き順が違っても、書けたら良いと思うのだが、ルール原理主義者にはそれが分からないらしい。ちなみに、漢字使用国によって書き順が異なっている場合がある事から考えても、正しい順番で書けというのが単なる馬鹿ルールである事は明白である。

この国は漢字に関して恐るべきミスもしており、規格化する際に存在しないはずの幽霊漢字が多数混入している。

例えば→妛
読めますか?

妾(めかけ)じゃないよ。未曾有(みぞう)とは違って、妛は読めなくても恥ずかしくはない。何故ならば、これは存在しない筈の漢字だからである。コンピューター時代に突入した際の入力ミスや見間違い等によって、このような馬鹿みたいな幽霊文字が生まれてしまったのだ。ネタ以外では誰にも使われないであろう妛(やまいちおんな)に全米が失笑した!

年金処理上の大問題についても少し触れているが、漢字を強引にカタカナ化して管理しようとした結果、何がなんだか分からないカオス状態に陥ったそうな。責任者はとてつもない超大馬鹿かキ●ガイなのだろう。例えば裕子をユウコとする。ヒロコだろうがユウコだろうがユウコにする。すると裕=ユウになるので、もうユウは友、遊、有、勇、雄などには使えなくなってしまう。ちょっと考えたら小学生でも不具合出ると分かりそうなものだが……。きっと責任者の頭脳は幼児クオリティだったに違いない。

ちなみに、当事の社会保険庁長官が原簿廃棄を命じたものだから、遡って調べられず、何がなんだか分からなくなってしまった。この非国民的長官は、非加熱製剤を輸入させ続けてHIV禍で何千人も虐殺した奴と同一人物である。さらに、天下りしまくって2億9000万もの大金を税金から掻っ攫った大泥棒でもある。もう国を食い潰す腐れ外道官僚は要らない。全部リストラしてしまえと言いたい。

誰のためにあるのだか分からないおバカな道路標識も問題だが、黄色にならずいきなり赤に変わるという殺人誘発信号機が設置された交差点も大問題。何で黄色を点灯させないの? 作った人、バカなの? 左側通行も、世界で多数派の右側通行にしなかったため、無駄に不利な状況を作り出している。鉄道ゲージも世界標準規格が作られた後からマイナー規格でバラバラに作って酷い事になっている。世界標準仕様であれば、バッタもんのミニ新幹線も、本物の新幹線として活躍出来た筈である。何度も移行するチャンスがありながら、常に馬鹿がバカの壁を越えられずに邪魔をして現在に至る。

大地震による首都圏電力不足にしても、国内統一仕様であれば、西側から供給出来たというのに、本当にこの国の上層部は古今東西、先見の明が無い愚者ばかりである。

風俗営業や陰毛解禁の事例では、この国がまっとうな法治国家では無いという事がよく分かる。密室で誰だか分からん奴らが恣意的に決めた俺様基準で運用されている現状、公平でも公正でも無い。ヘア解禁も、一流の売れっ子達が露出したからセーフになっただけで、見せたのがAV女優とかなら出版した人は逮捕されただろう。だいたい、あそこの毛を隠したところで誰得!? こういうバカ基準を決めた奴は脳みそ腐ってるんじゃないのか? 

このバカ基準には、さらに続きがあって、なし崩し的にヘアヌードが解禁されて行く中、ランダムハウス社が出したアメリカの写真家ロバート・メイプルソープのカタログ写真集を買って帰った人が当局に没収された。国内でエロ目的のヘアヌードが散乱する中、著名な写真家が撮った中に陰毛が写っているからと没収してしまう日本の馬鹿官僚は、脳みそ壊れすぎている。

宮沢りえが出した写真集は、18年も経ってから自動ポルノかどうかが議論され、自民党のキ●ガイ全体主義者どもは麻薬と同じく単純所持しているだけで取り締まろうとする恐るべき法案を出してきた。

画像処理ソフトを作っただけで逮捕されて有罪判決を受けた人もいるが、これは包丁で人を殺すバカが出たからと、包丁を作った職人を逮捕するようなものである。じゃあカローラで人を轢き殺したらトヨタの社長を逮捕するのか? 法律に拠らず、当局の難癖による横暴が許されるような国が、法治国家であるはずがない。

酒税法の後出しジャンケンも、公平性を相当損なっている。発泡酒が売れるとそれに課税、第三のビールが売れるとそれにも課税と、企業努力を土足で踏みにじっている。一方、ワインは優遇されているが、これは外圧に屈した結果であって、いったいどこ向いて尻尾振ってるんだか……。

一時期、世間を騒がせた「電気用品安全法」というバカ法律も、告知もせずいきなり中古製品の売買を禁止しようと目論見、散々撹乱した挙句、最後は穴だらけにして無かった事になるというお粗末さ。当事の自民党大臣は問題点が分かってないパーデンネンだし、マスゴミは正しい切り込みをせずに的外れな騒ぎ方をする無能ぶり。こんなバカ法案を強引に通そうとしたのだから、大手メーカーに利益を与えるとともに、胡散臭い天下り先を増やそうとする魂胆が見え見えなのだが、そういう部分には突っ込まずに、マニアが困るとか訳の分からん部分ばかり取り上げたんだよねマスゴミは(失笑)。

ラスト付近の選挙分析は比較的どうでも良いが、共産党が頑張る程、自民党に有利になるというのは、敵に塩を送ってるのか? わざとやってるの!? 現政権には全く期待していないが、票の格差だけは是正して貰いたい。田舎に頑強な地盤を持っている自民党が返り咲いたら、格差解消は不可能になる。

最後の裁判員裁判も超糞ルールだよなぁ。素人でも出来る程度の仕事なら、プロは必要無いじゃない。だいたい、運用も適当すぎる。同じ事をやっているのに裁判員がビビって死刑回避するか否かで運命の分かれ道になるなんて、おかし過ぎるだろう。やった罪そのもので裁いて頂きたい。


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ダグラス・アダムス

攻略対象書籍は以下。
邦訳分攻略済。

銀河ヒッチハイク・ガイド』★★★★★
宇宙の果てのレストラン』★★★★★
宇宙クリケット大戦争』★★★☆
さようなら、いままで魚をありがとう』★★★☆
ほとんど無害』★★★★

銀河ヒッチハイク・ガイドのシリーズのみ。他のシリーズもあるが邦訳されていない。最初の2冊が秀逸だと思う。著者急死により銀河ヒッチハイク・ガイドはBAD ENDになっていたのだが、別の作家が公式続編を書いたので、まだだ、まだ終わらんよ!


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ほとんど無害

ほとんど無害 (河出文庫)ほとんど無害 (河出文庫)
(2006/08/05)
ダグラス・アダムス

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突拍子もない事故で、最愛の女性と離ればなれになったアーサー。放浪の末、サンドイッチ職人としての平安な人生を手に入れるも、突然トリリアンが彼の娘を連れて現れる。一方フォードは、銀河ヒッチハイク・ガイド社の異変に疑問を抱き…。並行宇宙を舞台に繰り広げられる、大傑作SFコメディ最終巻。


冒頭から、光速は超えられないけど“悪い噂”は別の法則に従うから超えられるというブラックに笑った。

無くなったはずの地球が残っているけど、アーサーは平行宇宙で迷子になり、自分がいたはずの地球に戻れなくなってしまう。銀河ヒッチハイクガイドの本社は乗っ取られていて、フォードのほうもややこしい事になっている。

スタヴロミュラ・ベータでアーサー絡みのトラブルに巻き込まれて死亡したとかいう宇宙人に襲われた事があるので、この先何があっても自分は死なないと思い、達観気味のアーサー本人。(スタヴロミュラ・ベータにまだ行った事が無いので。ちなみに、謎に包まれていたスタヴロミュラ・ベータという場所については、本書で明らかとなる。)

宇宙船の事故で僻地に住む事になるのだが、知らない間に娘まで生まれていた! しかも、すでに思春期を過ぎた状態。いきなり母親から産んだ覚えの無い娘を押し付けられるアーサー。

しかし、母親に置いて行かれた娘は、銀河ヒッチハイクガイドを使って宇宙船を呼び寄せる。降りてきたフォードを殴り倒し、宇宙船を奪い取って何処かへ。とんでもない娘である。誰に似たんだか。

アーサーの娘は自分の居場所を求め、本来の地球まで行くのだが、太陽系にはヴォゴン人が……。なにこれ!? まさかのBAD END!! なんでこんな、何もかも投げ飛ばした感じで終わっているのか。「こんなの銀河ヒッチハイクガイドじゃないや!」という意見には、大いに賛同したい。

6冊目が書かれる前に、ダグラス・アダムスが急死してしまったからなぁ……。



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さようなら、いままで魚をありがとう

さようなら、いままで魚をありがとう (河出文庫)さようなら、いままで魚をありがとう (河出文庫)
(2006/06/03)
ダグラス・アダムス

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はるばる十万光年をヒッチハイクして、アーサー・デントがたどり着いた先は、なんと八年前に破壊されたはずの地球だった!!イルカが消えてしまったことを除いては、前と何も変わらない、この“地球”の正体は!?アーサーは、運命の恋人・フェンチャーチと共に、真相究明の旅に出ることに…。大傑作SFコメディ『銀河ヒッチハイク・ガイド』シリーズ第4弾。


うーん、最初の勢いが無くなってしまったなぁ。なんだかよく分からないドタバタコメディが続いているのだけど、笑うツボがよく分からないのは、人種が違うから? 欧米の人だと、ツボに嵌れるの?

悪ふざけが控えめになった分、いきなり恋愛要素が膨れ上がり、アーサー・デントが運命の恋人と出会う。フェンチャーチ相手に、アーサーが重要な話をしようとする度、横から邪魔をするおばさんがウザすぎる! もっと空気を読め(笑)。

見知らぬ男とビスケットを取り合うシーンは笑ったけど、これは著者が実際にやらかした事らしい。自分のビスケットを勝手に食う相手に対抗しているつもりが……。相手の人が、本書を読んでいると良いなぁ。



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宇宙クリケット大戦争

宇宙クリケット大戦争 (河出文庫)宇宙クリケット大戦争 (河出文庫)
(2006/04/05)
ダグラス・アダムス

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遠い昔、遥か彼方の銀河で、ギャクサツ集団クリキット軍の侵略により銀河系は全滅の危機に陥った。封印を破って甦った彼らを迎え撃つのは、よりによってアーサー・デントとその一行。果たして宇宙は救えるのか!?大傑作SFコメディ第3弾!銀河大統領の若き日日を描いた本邦初訳「若きゼイフォードの安全第一」収録。


うーむ。先の二作と比べて、なにがなんだかよく分からなくなっているなぁ。単品で考えれば、それほど悪くは無いのだろうけど、期待値が高かっただけに、微妙。

過去世界の地球に置き去りとなったアーサーは、ゼイフォートとともに、突如現れたソファーを追いかけて、現代世界のローズ・クリケット競技場へタイムスリップ。何故か、全銀河の敵みたいになっている異星人と対決する事になるのだけど、ドタバタしすぎで脱線も多いので、いまいち波に乗れない。

当時、アメリカで言葉狩りが流行っていたので、“ファック”という言葉が使えず、アメリカ版だけ“ベルギー”が下品な差別用語という設定になっているのが笑える。日本語版は、ちゃんと本国バージョンで読めますが。誰が最初に“ベルギー”を駄目ワードとしてジョークに取り入れたのかは謎である。


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宇宙の果てのレストラン

宇宙の果てのレストラン (河出文庫)宇宙の果てのレストラン (河出文庫)
(2005/09/03)
ダグラス・アダムス

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小腹を満たしに、宇宙の果てのレストランへ行く途中、攻撃された“黄金の心”号。乗っていたアーサーたちは、離ればなれになってしまう。元・銀河大統領ゼイフォードと鬱型ロボットのマーヴィンが、とだりついた星で遭遇したのは!?宇宙を揺るがす迷真理を探る一行の、めちゃくちゃな冒険を描く、大傑作SFコメディ第2弾。


前作からそのまま続いて、ひたすら馬鹿っぽいまま。ヴォゴン人から攻撃されているのに、船のコンピューターは美味しい紅茶の入れ方を調べるのに忙しくて、逃げも隠れも反撃もしてくれなくて死にかけたり、時間を超えて時の終わりでご飯を食べたりと、登場人物がひたすら振り回されて馬鹿な行動をしてしまうのだ。

宇宙の果てのレストランで世界の終わりを見た後は、駐車場? に停めてあった宇宙船を強奪するも、操作方法がわからず、致命的な場所に飛ばされて死にかける。ご都合主義的に何故かそこに設置してあったテレポート装置で逃げるが、今度は妙な移民船の中へ。

それは、役に立たないから姦計によって祖国を追い払われてしまったゴルガフリンチャム人の移民船だった。航路が自動設定されているから、またしても成す術が無いままに、ある惑星へと墜落してしまう。実はそこが200万年前の地球であり、ゴルガフリンチャム人の正体が明らかとなる。彼らが飛来(というか墜落)した事で死に始める原住民は、ネアンデルタール人なのだろう……。

ゴルガフリンチャム人(地球人)に定められた200万年後の運命を知っているアーサーは「銀河ヒッチハイク・ガイド」を川へと投げ捨てるのであった。


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銀河ヒッチハイク・ガイド

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)
(2005/09/03)
ダグラス・アダムス

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銀河バイパス建設のため、ある日突然、地球が消滅。どこをとっても平凡な英国人アーサー・デントは、最後の生き残りとなる。アーサーは、たまたま地球に居た宇宙人フォードと、宇宙でヒッチハイクをするハメに。必要なのは、タオルと“ガイド”―。シュールでブラック、途方もなくばかばかしいSFコメディ大傑作。


表紙と題名が面白いとは思っていたが、まさかこんな馬鹿っぽくて面白い話だとは思いもよらなかった。皮肉もふんだんに用意されていて絶品である。

自分の家が高速道路建設で取り壊される事になったアーサー・デントは抗議行動を起こし、ブルドーザーの前に寝そべるが、何年も前から(地下の薄暗い掲示板や閲覧出来ない引き出しにて)工事は告知してあったのだから、今更抗議しても無駄だと言われてしまう。必死で家を守ろうとして寝転がるアーサーは、友達のフォードに無理やり引っ張られて、飲みに連れて行かれるのだが、酒場でフォードから地球が間もなく終わってしまうと告げられるのだ。

フォードから地球の最後を告げられた直後、銀河超空間土木建設課が飛来して銀河外縁部開発計画に基き、超空間道路建設予定宙域にある地球は取り壊されると通告する。異星人は、アルファ・ケンタウリの事務所で50年も前から告知していたのだから、今更文句を言っても遅いと工事を始めてしまう。

地球は原始的な微生物さえも消滅してしまうが、アーサーだけは生き残った。友達のフォードが、実は地球人じゃなかったからである。転送光線で最寄の宇宙船へと乗り込んだ二人は、宇宙ヒッチハイカーと化すのだが、船外へ追い出されてしまう。息を止めたら30秒は生きられると頑張る二人だったが……。

物理法則や実際のデータを思いっきり無視して暴走する、限りなくお馬鹿なSFなのが素晴らしい。表紙にある宇宙クジラはただのデザインかと思ったら、本当に登場して笑った。


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Self-Reference ENGINE

Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
(2007/05)
円城 塔

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進化しすぎた人工知性体が自然と一体化したとき、僕と彼女の時空をめぐる冒険ははじまった。Jコレクション創刊5周年記念作品。


言葉遊びだけでなく思考遊びの域に達しており、なんとも表現し難い作品だった。作品の土台になっている部分は明らかにSFなのだけど、時空が崩壊した世界を描いているので、もう何がなんだか分からなくなってくる。

纏れば長編なのだけど、それぞれの部分が全く別の設定や世界感となっており、登場人物も違うし、同じ人物が出て来ても、それは平行世界にいる別の同一人物である可能性もあるわけで……。

SF的思考だけでなく、ユーモアもふんだんに含まれているので笑えるのだが、あまりにも世界と物語が壊れすぎているので、読み手を選びまくるだろう。2編増えていてお得なので、文庫版のほうをゲットしたほうが良い。


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チャーリーとチョコレート工場

チャーリーとチョコレート工場 [DVD]チャーリーとチョコレート工場 [DVD]
(2010/07/14)
ジョニー・デップ、フレディー・ハイモア 他

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ロアルド・ダール原作「チョコレート工場の秘密」を映画化。謎に包まれたチョコレート工場と、風変わりな格好をしている工場主ウィリー・ウォンカを描いた、ティム・バートン監督&ジョニー・デップの強力タッグによるファンタジー。


リメイク版じゃないやつを観ているので、内容はもう把握しているのだが、ティム・バートン版もいいね。リメイク劣化する作品が多い中、これは元作品を損なわずにチョコレート工場内の変なファンタジー世界が再現されていて良い。

ジョニー・デップがキモキャラになりすぎていて笑った。旧作の映画では、工場主が何でチョコレートに魅せられてしまったのか、トラウマとなる過去は語られてなかった気がする。


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屑籠一杯の剃刀

屑籠一杯の剃刀―自選恐怖小説集 (角川ホラー文庫)屑籠一杯の剃刀―自選恐怖小説集 (角川ホラー文庫)
(1999/08)
原田 宗典

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脳髄の片隅に封印された記憶がふとしたはずみに甦る違和感を描いた「みずひこのこと」をはじめ、掌編小説の名手がデビュー前夜に綴った幻の恐怖譚二編を含む六編を収録。


なんかイマイチな短編集だと思ったら、デビュー以前に書かれた習作とか入っているんだね。角川ホラー文庫でありながら、あんまりホラーでは無い内容。ホラー的な物ではなくて、恐怖に至る前の奇妙さを描きたかったようだが。原田宗典って、エッセイはすごく面白いんだけど、小説はちょっとなぁ。もっとエンタ路線を狙えば面白そうなのに、書き方が文学的になりすぎな気がする。


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ドワーフじいさんのいえづくり

ドワーフじいさんのいえづくり (フレーベル館の秀作えほん)ドワーフじいさんのいえづくり (フレーベル館の秀作えほん)
(2003/10)
青山 邦彦

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気むずかしいドワーフじいさんが、ひとりで家をつくることになりました。すると次々に動物たちがやってきて…。細密に描きこまれた画面が見る人をひきつける、すてきな絵本。


ドワーフじいさんが洞穴の家に嫌気をさし、森の中に自分が住むための家を建てようとするのだが、次々に動物達が集まってきて、手伝うから自分の部屋も造れと言う。やがて当初の設計図とは全然違う巨大な家に! 作者が建築学を学び、建築設計事務所で仕事していたので、出来上がっていく家が現実味のある絵になっている。

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三びきのやぎのがらがらどん

三びきのやぎのがらがらどん―ノルウェーの昔話 (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)三びきのやぎのがらがらどん―ノルウェーの昔話 (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
(1965/07)
不明

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大きさの違う3匹のやぎがいた。名前はみんな「がらがらどん」。ある日、3匹は草を食べて「ふとろうと」(太ろうと)、山へ向う。だが、途中で渡る橋の下には、気味の悪い大きな妖精「トロル」が住んでいて…。北欧の民話をベースにした物語。 用


図書館で見かけて、懐かしくて思わず借りてみた。いやぁ、面白いんだけど……。がらがらどんってヤギのくせに、ちょっと強すぎなのでは? トロールを粉々にしているけど、泥人形じゃなくて巨人なんだから、そう簡単には倒せないだろう。この三匹目は千の仔を孕みし森の黒山羊か(笑)?

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いったいぜんたいどうなってたことか―恐竜がいまも元気だったら

いったいぜんたいどうなってたことか―恐竜がいまも元気だったらいったいぜんたいどうなってたことか―恐竜がいまも元気だったら
(1997/05)
ケン レイニイ

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もしも―というひとことで、いろんな空想世界を創り出すのは、だれにもたのしいことです。もしもあのすてきな恐竜たちが、いまも元気だったら―というもしもは、大人だって子どもだって大好きでしょう。本書はそのもしもをみごとに、まるでほんとみたいに描きだした一冊。


もしも恐竜が絶滅していなくって、現代社会にそのまま溶け込んでいたら? という妄想を絵本にしてしまった一冊。道路を横断するアパトサウルスの群れが通り過ぎるまで車は通れない。海水浴場で泳いでいるのはイクチオサウルスだろうか? ピラミッドの上空を飛ぶプテロサウルス。西部開拓期には幌馬車を引くステゴサウルスが。


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