末永外徒

攻略対象書籍は以下。
現時点では攻略済。

108年目の初恋。』★★★☆
108年目の初恋。2』★★★☆



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108年目の初恋。2

108年目の初恋。2 (ファミ通文庫)108年目の初恋。2 (ファミ通文庫)
(2007/06/30)
末永 外徒

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解体の危機を乗り越え、新くんとハッピーエンド……のはずだった旧校舎。でも現実には、私たちの恋には問題が山積みです。初デートはうまくいかないし、新くんは私に隠し事をしてるし、おまけにすっごく色っぽい保護者(代理)まで押しかけて来て、む、胸は触るし唇は奪うし、テストと称して新くんを誘惑する……。そのせいで私は、ついに新くんと初めての喧嘩をしてしまったんです――!第8回えんため大賞優秀賞受賞の瑞々しい初恋の物語第2弾!


前作が綺麗に終わってるから、無理にシリーズ化しなくても良かったのではないかと思うが、力技で続編にしたにしては、それなりに出来上がっているので良しとするか。売れそうな作品の場合、やはり出版社としては二匹目の泥鰌を狙いたくなるもんですかね!?

取り壊される寸前だった旧校舎も、百鬼夜行に出かけた副産物で、一部が残る事になったので、付喪神も消えずに済んだ。ハッピーエンドで終わったかと思ったら、その続編。あまり波乱万丈な展開にはならないけどね。

今回は、基本的にバカップル状態で、喧嘩したりするだけのラブコメなのだが、諍いの原因になるのが別の付喪神。こいつがトラブルメーカーで、余計な事ばかりするから二人の仲がギクシャクしてしまうのである。

旧校舎も良いが、付喪神の着せ替え人形状態なリアンも捨て難い。


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108年目の初恋。

108年目の初恋。 (ファミ通文庫)108年目の初恋。 (ファミ通文庫)
(2007/01/29)
末永 外徒

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第8回えんため大賞優秀賞受賞作!! もう使われない旧校舎。それを探検に来た少年を、「私」はワクワクと見守っていた。何せ旧校舎って退屈なのだ。けれど……。危険な場所に踏み込む彼を、咄嗟に助けてしまった時、108年で初めてのその物語は始まった!! ヒロイン=「学校」!? 人と人ならぬモノの初恋を描くピュアなラブストーリー誕生!


第8回えんため大賞優秀賞受賞作。

「海が見たい」と、少女は言った。
少年は、彼女の願いを叶えるため、百鬼夜行を使って校舎を海岸まで歩かせようとする。

犬や猫や狐や鶴やロボットが女の子というパターンはやり尽くされ、最近はパソコンとか携帯電話とか爆弾が女の子になってしまうという変則攻撃が増えてきたが、ここまで来るとは(笑)。

閉鎖された取り壊し間近の旧校舎で、少年は謎の少女に出会う。彼は、彼女を事故死した少女の幽霊だと思うのだが、その正体は……。12歳の少年と108歳の少女で、ボーイ・ミーツ・ガールか……。エルフでもないのに108歳の少女という設定が凄いな。しかも、厳密には生命体じゃないし。

学校の旧校舎が付喪神になり意思を持つという物語。しかも、少年と恋に堕ちる。旧校舎と恋愛するというのは、マニアというか、ヘビーというか……。なんかもう、何でもアリですね。ちょっと力技な設定だけど、意外に読めた。ファミ通文庫にしては、結構出来が良いのでは? ちなみに、旧校舎の方が主人公なので、少年ではなく少女視点です。

旧校舎も良いが、少年の不法侵入を阻もうとする金髪美少女の生徒会副会長リアンも捨て難い。


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ハチはなぜ大量死したのか

ハチはなぜ大量死したのかハチはなぜ大量死したのか
(2009/01/27)
ローワン・ジェイコブセン

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2007年春までに北半球から四分の一のハチが消えた。巣箱という巣箱を開けても働きバチはいない。残されたのは女王バチとそして大量のハチミツ。その謎の集団死は、やがて果実の受粉を移動養蜂にたよる農業に大打撃をあたえていく。携帯電話の電磁波?謎のウイルス?農薬?科学者たちの必死の原因追及のはてにみえてきたのは。


2007年までに北半球で1/4のハチが消えた。その数、300億匹! 人類なら5回近く絶滅出来る数である。当初は、ハチを狙うダニによるものかと思われたのだが、死骸すら消えてしまうので、説明がつかない。電磁波、ウイルス、農薬、はては宇宙人説まで飛び出す中、徐々に見えてきたのは世界崩壊への序章!?

農作物を植えると勝手に実がなるようなイメージがあるけど、実際には受粉が必要で、現在では移動養蜂に頼っている大規模農家が多い。しかし、近年のハチ大量死により、その担い手が足りなくなってしまった。今や養蜂業だけでなく、農業も深刻な危機に陥っている。その先に待つものは、収穫量の減少による世界的な食糧危機である。

受粉させる昆虫が消滅してしまったため、人力で作業を行う地域が増えて行く。困難な作業であっても、農作物なら人がハチの変わりに頑張れば、なんとかなるかもしれない。でも、野生の植物は? 受粉を助けるパートナーを喪失した植物は人知れず消えて行き、さらに生態系の破壊が加速するだろう。

本書はハチが陥っている危機的状況だけに終始せず、現代のシステムが崩壊寸前になっている現状を警告している。この邦題では、単なるハチの話だと思われそうだ。原題の「実りなき秋」のほうが良かった。

ハチミツ関連の話では、中国産のものから再生不良性貧血の原因となる危険な物質が検出されたという恐ろしい話が載っている。シロップを混ぜている偽ハチミツも大量に出回っているみたいだし、もう得体の知れない安いハチミツは買えない。



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村田沙耶香

攻略対象書籍は以下。

『授乳』
マウス』★★★☆
『ギンイロノウタ』
『星が吸う水』


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マウス

マウス (講談社文庫)マウス (講談社文庫)
(2011/03/15)
村田 沙耶香

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女の子が自分らしく在るために必要なこと。少女から、女性へ。子供から、大人に。女の子同士に交わされる好意、友情、いじわる、ライバル心、さまざまな心の機微と成長を鮮明に描いた、ガールズ・ノベル。


いつも自分を押し殺し、周囲の視線に怯えながら生きる凡庸な少女。すぐに泣き、場の空気を乱すが為にクラス一番の嫌われ者となっている背の高い同級生。ここからウンザリするような虐めの光景が広がるのかと思いきや、まさかのミラクル大逆転が待っていた(笑)。

泣いて教室を飛び出した嫌われ者を追いかけた主人公は、掃除用具入れに閉じこもった相手を外に出すため、「くるみ割り人形」を朗読する。すると、主人公に憑依されたかの如く振舞う、超なりきりプレイ状態の女王様が出現し、人気者の階段を駆け上る。

小学生の閉塞感を描いた話かと思いきや、二部構成となっていて、後半は大学生になっている。自分を押し殺していた主人公も成長し、ファミレスという活躍の場を見つけ、デビューしちゃっている。かつて嫌われ者だった相手は、モデル級美女になっており、再会する。中身は掃除用具入れに閉じこもっていた時と同じなのだが、マリーなりきり状態によって、上手いこと世の中を渡っているように見えるのが凄いというか、面白いというか……。

主人公の田中律よりも、マリーになったまま生き続ける瀬里奈のほうが、キャラ的に面白かった(・∀・)


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齋藤孝の速読塾―これで頭がグングンよくなる!

齋藤孝の速読塾―これで頭がグングンよくなる!齋藤孝の速読塾―これで頭がグングンよくなる!
(2006/10)
斎藤 孝

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2割読書法、キーワード探し、呼吸法から本の選び方、読む時間の作り方まで、著者が実践する「脳が活性化し、理解力が高まる」夢の読書法を大公開! 語りかけの文体なので、5回分の塾の授業に参加した気分で読める一冊。


早く読むためのノウハウが書かれているのではなくて、こうやったら早く読めるようになったという、実体験に基く方法が書かれている点が、巷に溢れる速読本と違う。

結局、目の運動ばかりやっても、理解力が伴わなければ早く読めるようにはならない。理解力を深めるためには、趣味や興味の守備範囲を広げて多読しなければならず、小手先のテクニックだけではどうにもならない。

地道に知識を広げていけば、訳の分からぬ胡散臭い技術をマスターせずとも、自然と速読出来る様になるのである。

こんな題名がつけられているけど、速読術をマスターする本ではなくて、読書の技術を向上させるための本になっている。よって、努力せず手っ取り早く速読出来るようになりたい人には、不向きの一冊である。

読むジャンルの幅を広げつつ、地道に量をこなさなければ、読めるようにはならないのである。多分、多読乱読派ならば、無意識のうちにマスターしてると思うけど。

二割読書法みたいな、飛ばし読みをする方法は、あまり参考にならなかった。ノウハウ本やビジネス書しか読まず、読書を金儲けのための手段としか考えていないカツマー信者みたいな人達ならそれでも良いかもしれないが、この方法だと小説は読めないじゃないか。

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笹生陽子

攻略対象書籍は以下。


きのう、火星に行った。』★★★★
ぼくらのサイテーの夏』★★★
『さよならワルガキング』
『楽園のつくりかた』
『バラ色の怪物』
『ぼくは悪党になりたい』
『サンネンイチゴ』
『世界がぼくを笑っても』
『今夜も宇宙の片隅で』
『家元探偵マスノくん』


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ぼくらのサイテーの夏

ぼくらのサイテーの夏 (講談社文庫)ぼくらのサイテーの夏 (講談社文庫)
(2005/02/15)
笹生 陽子

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一学期の終業式の日、ぼくは謎の同級生、栗田に「階段落ち」の勝負で負けた。ケガをしたうえ、夏休みのプール掃除の罰まで下された。よりによって、あの栗田とふたりきりで…。サイテーの夏がはじまった。友情、家族、社会などを少年の目線で描いた、児童文学界注目の著者、珠玉のデビュー作を文庫化。第30回日本児童文学者協会新人賞第26回児童文芸新人賞ダブル受賞作。


第30回日本児童文学者協会新人賞受賞作。
第26回児童文芸新人賞受賞作。


児童向け書籍だったもの。単行本のほうは、絵師がやまだないとというのがGJである。夏が始まる直前、階段落ちというゲームで負傷した主人公は、夏休みの間、プール掃除をさせられるという罰ゲームが(笑)。

今なら悪ガキが罰ゲームとか、有り得ないよなぁ。逆にモンスター・ペアレンツから怪我したのは学校の責任とか糾弾されるだろう。まだ日本人がキチガイ化していない頃の物語らしく、素直にプール掃除をする事に。

一緒に階段落ちしていたクラスメイトや相手クラスの奴らは逃げてしまい、助っ人として一度だけ参加していたデカいやつが手伝う事になる。いつの時代もズルく立ち回る奴らが得をして、まっとうに生きようとする人間には厳しい国だな(苦笑)。

最初は接点が無かったデカい栗田と、腕を負傷した主人公の桃井は、プール掃除という罰ゲームによって、次第に打ち解けていく。


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柴崎友香

攻略対象書籍は以下。

『きょうのできごと』
『次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?』
『青空感傷ツアー』
『ショートカット』
『フルタイムライフ』
『その街の今は』
『また会う日まで』
『主題歌』
『星のしるし』
『ドリーマーズ』
『寝ても覚めても』
ビリジアン』★★☆
『虹色と幸運』
『わたしがいなかった街で』
『週末カミング』
『星よりひそかに』
『春の庭』
『パノララ』


エッセイ
『ガールズファイル~27人のはたらく女の子たちの報告書~』
『見とれていたい わたしのアイドルたち』
『よそ見津々』

対談集
『ワンダーワード』



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ビリジアン

ビリジアンビリジアン
(2011/02/15)
柴崎 友香

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どこにでも行ける。その意志さえあれば──。黄色い日、白い日、赤い日。映画、ロック、火花、そして街。10歳から19歳まで、誰かにいつか存在した、ある瞬間。第32回野間文芸新人賞受賞後初の小説作品、新たなる代表作の誕生!


文芸色が強すぎて、どうも肌に合わなかった。20編入っているのだが、それぞれが短すぎるうえ、起承転結型になっておらず、途中でブツ切りにされて終わってしまうし、オチも無い。純文学系統の物語の断片が連なった感じの作品で、エンタメ派には読むのが辛かった。

各話は独立して読むと「で?」「だから何?」と言いたくなる終わり方ばかりなのだが、登場人物が同じだったり繋がっている分、まだ他の純文学系作家よりは読めた。雰囲気はかなり良いのだが、時系列もバラバラだし、一冊通して読めば連作として纏るという程でも無かった。


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少女少年 GO!GO!ICHIGO

少女少年~GO!GO!ICHIGO (ちゃおコミックス)少女少年~GO!GO!ICHIGO (ちゃおコミックス)
(2005/06)
やぶうち 優

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従来のシリーズは芸能プロに無理やり、というパターンだったが、これだけ村崎ツトムのスカウトが無いし、掲載されたのも小学五年生、六年生ではなくてちゃおである。誌今回の主役は自らの意志で女性化している。お子様な時点でこれなら、きっと将来はその道に進むのだろう(笑)。


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少女少年

7冊+番外編的な1冊で合計8冊出ているが、基本的には独立した物語であり、主人公も毎回変わる。シリーズ通して出てくるのは、いつも男子を美少女と間違えてスカウトしてしまう村崎ツトムのみ。

スカウトされて芸能界でアイドル・デビューという流れは、最後の一冊以外は同じ。性別間違えられたとか、勝手に書類を書き換えられたとか、細かい部分は違う。このシリーズが少女マンガ雑誌ではなく、小学五年生、小学六年生という(一応)学習雑誌的なものに掲載されていたのが笑える。

コイズム禍という大災厄を経験してしまったこの国では、急激な少子化が進行してしまい、残念ながら小学五年生、小学六年生のような雑誌自体が消え去ってしまったようである。

少女少年 (てんとう虫コミックススペシャル)少女少年 (てんとう虫コミックススペシャル)
(1998/06)
やぶうち 優

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お姉ちゃんのイタズラで、女物の服とロングヘアーのウィッグをつけられてカラオケしてるのを、芸能事務所の人に見つかって、そのままデビューさせられるハメに。


少女少年 2 KAZUKI    てんとう虫コミックススペシャル少女少年 2 KAZUKI てんとう虫コミックススペシャル
(1999/05)
やぶうち 優

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これって巻ごとに主人公変わるんだ。今回は大女優の隠し子(男)が母に再会するために女の子としてオーディションを受けに行くというシチュエーション。それにしても、前回も出てきた芸能プロダクションのおっさん、またしても男を女と間違えてスカウトしてる……。


少女少年 3 YUZUKI (3) (てんとう虫コミックススペシャル)少女少年 3 YUZUKI (3) (てんとう虫コミックススペシャル)
(2000/04)
やぶうち 優

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田舎の少年が都会に出るためにオーディションに応募。合格はするのだが、応募書類の記入欄で性別に○をするとこがあって、お兄さんがイタズラで女のほうに○をしたものだから、女装アイドルになってしまう。


少女少年4
今までの主人公が無理やりやらされていたのに対し、今回の主人公は「女のほうが得!」だと公言して自ら堂々と女装している。で、映画も割引、ご飯もレディースセット、しかも特別サービスで大盛りにされている。……。まあ、世の中(少なくとも今の日本は)女のほうが生きてて得だからね。男なんて、ただの消耗品。


少女少年5
今回は芸能家族な友達(女)が芸能界デビューする際に、一緒に(本当は男なのに)女の子二人組みとしてデビューするという内容。


少女少年6
またしても、男に見えない主人公。そして、流されていつの間にか芸能界入りというのも毎度のパターン。従来と違うのは、自分自身が正式デビューするのではなく、人気アイドルにそっくりなので、影武者を演じる部分である。それにしても、クラスメイトにまで見破られない程の変装が可能なのだろうか?


少女少年7
ようやく辿り着いた最終巻。このシリーズも、これで終わり。またしても同じパターンで芸能界入り。今回は声優としてデビュー。声優なんだから、別に男のままでいいんじゃないのかと思うが、女としてデビューさせられてしまうのである。それにしても毎回出てきて、女と間違い男の子をスカウトする村崎ツトム氏。アブナイ系の人なんじゃなかろうか……。



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木根尚登

攻略対象書籍は以下。

『CAROL』
『ユンカース・カム・ヒア』
『ユンカース・カム・ヒア2』
月はピアノに誘われて』★★★
『夢の木』
『武蔵野蹴球団』(文庫『いつか見た遠い空』)
『夢のつづき』
『いつか逢える日に』
『それでもいいと思ってた』
『八王子のレッド・ツェッペリン』
『P』
『天使の涙』
『北京オペラ』
『ずっと好きだった』

ノンフィクション
『えんぴつを削って』
『A TREE OF TIME』
『夢へのヒント』
『電気じかけの予言者たち』
『続・電気じかけの予言者たち』
『新・電気じかけの予言者たち』
『真・電気じかけの予言者たち』
『LOST FOODS 僕らの食べものが危ない!』


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月はピアノに誘われて

月はピアノに誘われて

杉本暁美・27歳。彼女は、傾きかけた父の音楽プロダクション“杉本プロ”を再建しようと思った。売れないおじさん歌手4人組“ブルーネットワーク”。彼らは音楽が好きだったから、暁美についていこうと思った。東京~ニューヨークを舞台に、敏腕プロデューサー、売れっ子歌手、業界の黒幕まで巻き込んで繰り広げられる素敵なサクセス・ストーリー。


TMNのメンバーだった木根さんの作品。知らないうちに著書かなり増えてるし、すっかり小説家になってしまったよね。TMNの中では地味な存在だったけど、小室があんな事になった今となっては、メンバーの中で一番成功してる気がする。

これは初期作品なので、無難に芸能関係を書いた作品である。売れなくなったグループと、倒産寸前の弱小芸能プロダクションが起死回生の逆転を狙うという、月並みな内容だった。まぁ、音楽好きならそれなりに楽しめるのではないでしょうか。


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新本格魔法少女りすか

新本格魔法少女りすか (講談社ノベルズ)新本格魔法少女りすか (講談社ノベルズ)
(2004/07/17)
西尾 維新

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心に茨を持った小学五年生・供犠創貴と、“魔法の国”からやってきた転入生・水倉りすかが繰り広げる危機また危機の魔法大冒険!これぞ「いま、そしてかつて少年と少女だった」きみにむけて放つ、“魔法少女”ものの超最前線、りすかシリーズ第一弾!魔法は、もうはじまっている。


何がどう本格なのかはよくわからないが、一言で表すならば「にゃるら!」である(笑)。題名がちょっと恥ずかしいので、購入したり図書館で借りるには抵抗があるかもしれないけど、普通の魔女っ子モノでない事だけは確かだ。主人公達も暗黒属性だし、悪と戦う正義の魔法少女という従来の王道路線とは似ても似つかぬお話なのである。

りすかという名前がリストカットの略で、自傷行為によって魔法を発動させるというのからして黒いよね(笑)。しかも、父親がニャルラトテップという設定が危ない。表紙が古臭いよなぁ。もう少し萌え絵が良かった。

とりあえず、魔法の呪文が長すぎる。「のんきり・のんきり・まぐなあど ろいきすろいきすろい・きしがぁるきしがぁず のんきり・のんきり・まぐなあど ろいきすろいきすろい・きしがぁるきしがぁず まるさこる・まるさこり・かいぎりな る・りおち・りおち・りそな・ろいと・ろいと・まいと・かなぐいる かがかき・きかがか にゃもま・にゃもなぎ どいかいく・どいかいく・まいるず・まいるす にゃもむ・にゃもめ にゃるら!」


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シャーリー

シャーリー (Beam comix)シャーリー (Beam comix)
(2003/02)
森 薫

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「エマ」の著者、森薫氏が個人誌のみで発表された3作品が1冊となって登場。 「シャーリー・メディスン」「僕とネリーとある日の午後」「メアリ・バンクス」を収録。


アキバ系ではなくて数少ない正統派メイド物。本当は、こういうのが本物で、アキバ系の人々やキャラは、メイドのコスプレをした別の何かですからね。三作品入っているけれども、やはり表題作のシャーリーが最強っ!

街中でカフェを経営するベネット・クランリーがメイドを募集するのだが、広告に年齢制限を書き忘れていたため、やって来たのは13歳のシャーリー・メディスン。他に行くアテも無さそうだし、好物である鳩のパテとティプシーケーキも作れるというので雇う事にしたのだが、シャーリーは掃除洗濯料理、何でも出来てしまう完璧超人なのであった。「あずまんが大王」の美浜ちよよりも凄いかもしれない。


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水木しげる 人生をいじくり回してはいけない

水木しげる 人生をいじくり回してはいけない (人生のエッセイ)水木しげる 人生をいじくり回してはいけない (人生のエッセイ)
(2010/04)
水木 しげる

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ゲゲゲの水木サンが見たこの世の天国と地獄とは!?水木しげるが、その半生をユーモアたっぷりに綴ったエッセイの数々。


水木しげるは人生の成功者だけど、妙なリア充感や、勝ち組の驕りみたいなものが無いのが良いですな。なんというか、南国系の脱力感というか、自然体で生きている感じなのが素敵である。きっと、南方戦線で現地の人の輪に混ざっていた体験が影響しているのだろう。

そこらの胡散臭い偽善的な勝ち組達が「努力は報われる」と戯言をほざく中、「努力は人を裏切ります」と言い切るのが凄いですな。何をやっても才能に恵まれていないと無理な訳です。

南国美女の出会いと別れ、何十年も経ってから、その死を蝶が伝える話はラブロマンスっぽい。赤紙で召集され、ラッパが吹けないから最前線に送られて片腕も吹っ飛ぶし、酷い目に遭っているけれども、仲間が全滅する中、生き残れたのは強運だと思う。

本人はそれを何者かに生かされていると感じているが、本人にとっては強運や奇蹟の類でも、想定された確率による当落に過ぎないからなぁ。運命や何か超越した存在の責任にされると、ハズレクジを引いて死んでいった人達が浮かばれないよなぁ。

妖怪の棲めない国は駄目になるという意見には賛同したい。今や、全世界を資本主義という名の妖怪が食い散らかして、他の妖怪を絶滅させているからな(笑)。


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鏡の偽乙女 ─薄紅雪華紋様─

鏡の偽乙女 ─薄紅雪華紋様─鏡の偽乙女 ─薄紅雪華紋様─
(2010/08/26)
朱川 湊人

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大正三年、東京。画家を志し、家を飛び出す槇島風波。闇を幻視する美貌の天才画家、穂村江雪華。根津蟋蟀館に集う異形の面々。心を略奪する美の蒐集家。変わりゆく帝都を彷徨う未練者たちの怪異。


画家を志して家を飛び出した青年が、美貌の天才と出会い、怪異に巻き込まれて行く。少し不思議系の物語が五編。墓場で傘のような未練者を見てしまい、引っ越した先の根津蟋蟀館では、自分の部屋に先住者の姿が。穂村江雪華と出会ってから、怪奇現象や異形の何かと遭遇しまくる槇島風波。

そのうち、生命無き未練者と取引して、大切な物を奪い取って行く蒐集家と呼ばれる何かが存在する事が分かってくる。怪奇小説だけど、怖がらせず物語に引き込む力量が素晴らしい。


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桐島、部活やめるってよ

桐島、部活やめるってよ桐島、部活やめるってよ
(2010/02/05)
朝井 リョウ

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バレー部の「頼れるキャプテン」桐島が、突然部活をやめた。それがきっかけで、田舎の県立高校に通う5人の生活に、小さな波紋が広がっていく…。野球部、バレー部、ブラスバンド部、女子ソフトボール部、映画部。部活をキーワードに、至るところでリンクする5人の物語。第22回小説すばる新人賞受賞作。


第22回小説すばる新人賞受賞作。

桐島がバレー部を辞めてしまった事を接点に、六人の高校生により視点が切り替わって行く連作短編となっているのだが、肝心の桐島は登場しない。話題の中心人物が登場せず、周囲の人間によって語られるという形式は目新しくはないものの、興味がそそられる。

だが、あまりにも文章が粗いのと、他作品から借りてきた素材を自分で調理せずに、そのまま突っ込んでいるだけなのが残念。特に、スウィングガールズの真似をそのままやってしまうのは酷すぎる。

それでも、ある程度の支持を得ているのは、きっと青春回顧主義者の琴線に触れたのだろう。ゆとり世代のリア充がブロークン・ジャパニーズ的文章で仕上げた感じの出来栄えに、上手くシンクロ出来なかったのだが、今現在、青春を謳歌している人々や、高校時代を懐かしく感じられるリア充なら楽しめるんじゃない?


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フリーター、家を買う。

フリーター、家を買う。フリーター、家を買う。
(2009/08)
有川 浩

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「母さん死ぬな―」へなちょこ25歳がいざ一念発起!?崩壊しかかった家族の再生と「カッコ悪すぎな俺」の成長を描く、勇気と希望の結晶。


ようやく借りられた。最近の有川浩は予約何十人待ちとかになるから、一瞬でも出遅れるともう一巡するまで無理っす。ただのフリーターが家を買うだけの話かと思ったら、予想以上に面白かった。だがしかし、タイトルに関しては偽り有り。買ってないじゃんw 「元フリーター、家の頭金を少し出す」が正しいのでは? 本書の内容には関係無いが、果たしてフリーターが家を買えるか否かという疑問に関してはYesと答えておく。実際に、一軒家を建てたフリーターを知っているので。


二流大卒の青年が、会社の洗脳研修が気に入らないからとすぐに辞めてしまい、後は適当にバイトを転々とする駄目な人に。少し気に入らない事があると、すぐに辞めるような、典型的なゆとり脳。

しかしある時、母の様子がおかしくなる。嫁ぎ先から様子を見に戻って来た姉から聞かされる驚愕の真実! 酒癖の悪い父が原因で、家族は近所の糞ババア達からもう何十年も苛められていたという……。糞すぎるご近所だな。全員死ねば良いのに。

しかし、気づいていたのは完璧超人の姉だけで、原因となった父と、鈍感な主人公は今まで知らなかったという情けなさ。重度な精神病となってしまった母を救う方法は、人間の皮を被った悪鬼魍魎の住まうこの呪われたご近所から脱出する事だけ。

それなりの企業に勤めながら、全く理解を示さず、自分の好きな事にしか金を使わず、引越ししようとも思わない頑固な父。もう自分が何とかしないといけないと、ゆとり脳から華麗なる成長を遂げる青年。駄目人間が欠点ばかりじゃなくて、ちゃんと良い面も持ち合わせているのが救われる。最初は駄目っぽかった父親も、転職活動では結構頼りになる部分もあるし。

頑張り始めてから運も上向き始め、努力も認められ、最後にはちゃんとベタ甘要素までついて来る。後半のお仕事小説化してくる辺りから気分が良い。努力がちゃんと報われていくあたり、ある意味ファンタジー。

剣と魔法は出てこないけど、実務経験無し二流大卒ゆとり脳がご都合主義で採用されて即戦力になるなんてお花畑な展開、ファンタジーに決まってるんだから、現実に即してリアリティが無いとか言ったらいかんよ。だいたい、リアルに描いたら憂鬱な展開しか待っていないじゃないか。現実世界で辛酸舐めているのに、わざわざ娯楽小説でまで嫌な物語は読みたくないだろうJK。そんなに意地悪な展開が好きなら、ベタ甘な有川浩じゃなくて、東野圭吾とか読めばいいじゃない。

それにしても、二流大卒ゆとり脳ですらハッピーエンドが待っているというのに、我が境遇と来たらOrz 呪われ過ぎた人生歩む身としては、とりあえずリア充爆発しろ。


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世界音痴

世界音痴〔文庫〕 (小学館文庫)世界音痴〔文庫〕 (小学館文庫)
(2009/10/06)
穂村 弘

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歌人、穂村弘は三十九歳。バブルのただなかに青春を過ごし、気がつくと独身、総務課長代理だ。母親が部屋の前に置いた菓子パンをベッドでむさぼり食い、自己啓発本とビタミンを青汁とともに服用し、十五年間窓を開けていない部屋で漫画とエロ本に囲まれつつ、インターネットで昔の恋人の名前を検索する日々。「自分かわいさ」をひたすら突き詰めて生きてきた僕たちは、今、回転寿司屋のカウンターで、永遠に回る寿司の輪廻をひとり見つめている。人生って、これでぜんぶなのか、すばらしいことって、いったい何だったのか。「世界」に憧れつつも「世界」に入っていけない「青春ゾンビ」の日常と心情を赤裸々に綴る、爆笑そして落涙の告白的エッセイ。


世界音痴の穂村さんが淡々と独白。こういう、世界から少しだけズレてしまっている人って好きだなぁ。「世界」という波に上手く乗れなくて、でもなんとか顔だけは海面から出ていて脱力している感じがGJ。(完全に溺れた人は練炭とか使ってしまうけどね。)中途半端な人生のまま無為に過ごし、退廃的諦めモードの男性に捧げたい一冊。


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パンデミックとたたかう(岩波新書1219)

パンデミックとたたかう (岩波新書)パンデミックとたたかう (岩波新書)
(2009/11/21)
押谷 仁、瀬名 秀明 他

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燎原の火のごとく広がる新型インフルエンザ。その世界的大流行は我々に何を問いかけているのか。小説家の想像力と専門家の洞察力とが切り結ぶ対話篇。いま必要なのは、過度に恐れず、適切に恐れることだ。根源を見すえた議論が、パンデミックに立ち向かう勇気と、冷静に対処する視座を与えてくれる。


他のパンデミック関連書籍とは違い、現状分析やブタインフルエンザの流行までしか書かれていないので、過度に不安を煽ったりしない分、入門書としては良いのではなかろうか。

しかしこの国は、いつ起こってもおかしくない鳥インフルエンザに対する備えが、あまりにも脆弱すぎる気がする。アメリカ以上に行き過ぎた個人主義になった結果、自分さえ良ければ他の人の事は考えもしない。自己中心的というよりは、もはや無関心レベルとなった国民性で、対策を進めるのは困難だろうなぁ。

豚インフルエンザの時もそうだったけど、最初だけ大騒ぎするくせに、すぐ飽きて何も考えなくなるのが、この国の悪い点である。想像力の欠如による思考停止状態は、庶民だけでなく国家中枢にまで及んでいるので、無為無策のままでパンデミックとたたかう事になりそうで恐い。

国家ぐるみで国民を使い捨てにする黒企業的邪悪国家なので、たかだか負け組が数百万死んだところで、どうって事無いのだろうけど(・∀・)


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アド・バード

アド・バード (集英社文庫)アド・バード (集英社文庫)
(1997/03/11)
椎名 誠

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カタストロフィのはるか後、異常生物が徘徊する腐敗都市。そこは“広告”が支配する驚愕の未来だった。黄金時代のSFの香気がただようファンタスティックなシーナ・ワールド。第11回日本SF大賞受賞作。


11回日本SF大賞受賞作。

分厚くて躊躇してしまったが、奇妙すぎる未来世界が描かれていて、読み始めると一気に最後まで行ってしまった。様々な危険生物に侵食され、寸断されてしまった人類世界。一体何が起こったのかは明かされず、二人の兄弟が失踪した父を探して都市へと旅立つ。

途中で正体不明の男が仲間になるが、最初に入った町で撃ち殺されてしまう。その男は人間ではなかったのだ。死んだはずの男はボディを修理され、軟禁状態の兄弟の下へ再び現れる。三人は地上を走る巨大生物に乗り、海岸付近まで逃走する。苦労の末、目的地へ。進入経路が途絶えた都市に、地下鉄跡を抜けて入る兄弟だが、そこは広告に支配される無人地帯だった。

意図的だろうが、様々な物事が説明されないままに物語が進行するので、よく判らない事が多すぎる。これは、気にせず先へ進むしかない。物語が佳境に差し掛かった頃には、謎の答えが見えて来るだろう。だが、最後になっても、何故世界がこのように変貌してしまったのかは語られない。世界の全貌が全く掴めないままに、主人公達は再び旅立つのだ。紀行文だけではなく、SF小説を書いても、やはり「旅」なのですね。


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岡崎弘明

攻略対象書籍は以下。

『月のしずく100%ジュース』
『英雄ラファシ伝』
『恋愛過敏症』
『たんぽぽ旦那』
『私、こういうものです』
『太陽君』
学校の怪談』★★★
『お父さんのパソコン』
『空想科学少女リカ』


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学校の怪談

学校の怪談 (集英社文庫)学校の怪談 (集英社文庫)
(1995/05/19)
岡崎 弘明

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夏休みを明日にひかえた終業式の夜、立ち入り禁止の旧校舎に、一人の先生と数人の生徒が閉じ込められた。何者が。どうして。―怖くて死にそうな時間は、いつまで続くのか。でも、どこからか懐かしい気持ちが湧いてくるのは、なぜだろう…。謎と、恐怖と、友情の青春小説。平山秀幸監督・話題の映画の小説版。


お子様向けホラー映画になった「学校の怪談」の小説版。多少、中身が異なるようなので、ノベライズとは少し違う扱いみたいである。お子様向けだけあって、怖さよりもエンタメ成分のほうが高くなっている。

夏休み直前の終業式の日、立ち入り禁止となっている解体寸前の旧校舎に迷い込んだ小学生達が恐ろしい超常現象に襲われる。とはいっても、伸びる階段や準備室の骸骨、トイレの幽霊みたいな定番だらけで怖くは無い。生徒に混じって、ちょっと情けない感じの先生まで閉じ込められてしまい、ダメっぷりが笑える。

閉じ込められた生徒の中に、一人だけ見知らぬ美少女が混じっているとなれば、これはもういろんな意味でフラグ立ちまくりんぐな訳で(笑)。ラスト付近、人喰い校舎っぽくなりすぎて暴走気味だし、元ネタがお子様向けだけあって、やや子供騙しっぽい感じもするが、そう悪くもなかった。


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ブラバン

ブラバンブラバン
(2006/09/20)
津原 泰水

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大麻を隠し持って来日したポール・マッカートニーが一曲も演奏することなく母国に送還され、ビル・エヴァンスがジョン・ボーナムがジョン・レノンまでも死んでしまった、1980年(昭和55年)。醒めた熱狂の季節に、音楽にイカれバンドに入れあげるボーイズ&ガールズが織り成す、青春グラフィティ。クラシックの、ジャズの、ロックの名曲にのせ、総勢三十四名のメンバーたちが繰り広げる、大群像劇。四半世紀の時を経て僕らは再結成に向かう。吹奏楽部を舞台にしたほろ苦い「青春」小説。


表紙がこんなんだから、高校生が主人公の、普通の青春音楽小説を連想してしまうけど、全然違った。

物語の舞台は現在、すでに登場人物は中年男性、中年女性。中には、すでに他界してしまった人もいる。現在から過去に遡り、80年代の高校生活を振り返る形式。なので、おっさん、おばさんが読むほうがシンクロ率高くなるのではなかろうか。

普通に高校生が読んでも、真の意味で当作品を読みきる事は出来ないだろう。結構ページ数多いけど、流れるように読めた。ブラスバンドが主体の音楽小説ではないけれども、これはこれで面白い。


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死神姫の再婚

死神姫の再婚 (B’s‐LOG文庫)死神姫の再婚 (B’s‐LOG文庫)
(2007/09/15)
小野上 明夜

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旦那様、お買い上げありがとうございます! 没落貧乏貴族の娘で14歳・天然系のアリシアは、後見人の叔父により借金の返済と持参金目当てのために家名が欲しい金持ちへ嫁ぐが、なんと結婚式の途中新郎が急死してしまう!! この『事件』がもとで『死神姫』と呼ばれてしまったアリシアだが、なんと再婚話が持ち上がった。相手は新興貴族の成り上がり者でとかく噂のある〈強公爵〉ライセン。馬車に揺られて着いた先は、恐ろしげな装飾を施された屋敷と結婚相手ライセンの愛人と主張するメイドのノーラ!? 彼女の前にどんな未来が待ち受けているのか?


死神姫という部分に釣られてしまった訳だが、実際に死神だったり、人を殺せる特殊能力者だったりはせず、単に政略結婚の相手が結婚式の最中に急死してしまったから、そういう異名を付けられてしまっただけだった。ラノベなのに冒頭からいきなりバツイチになっているヒロインなんて初めて見た(笑)。

家の格式だけは高いのだが、没落してしまい貧乏貴族に転落。格を高めたい貴族に嫁ぐという身売り同然の行為でしか家を保てないほど落ちぶれているのだが、式中に新郎が急死するという縁起の悪さでは、まともな相手が現れる筈もなく……。

やっと出てきた再婚相手は、家格を高めたい強公爵! それっておかしくない!? 子爵や男爵ならともかく、公爵が地方伯の娘を貰っても、格は高くならんでしょうに。皇帝>王>大公(大公爵)>公爵>侯爵>辺境伯爵>伯爵>子爵>男爵ですからねっ! 公爵に伯爵の家格を加えても、偉くなりませんから! 一代でのし上がった公爵という設定にはなっているけど、ラノベって常識外れな無理やり設定による力技が多いなぁ。

ストーリーとしては、淡々としてはいるけど、そう悪くも無いと思う。人気も出たのか、シリーズ化して続きがたくさん出ているね。

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夜がくるまでは

夜がくるまでは夜がくるまでは
(1996/03)
イヴ バンティング

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ガーゴイル、建物の屋根やひさしからつき出した奇怪な人間や動物のかたちをした雨どい。夜がくるまでは、彼らのからっぽの目はまたたきもしない。が、夜の闇の中では…。ガーゴイルの時間をモノトーンで展開。


ガーゴイル達は町の高所から虚空を見つめ、空っぽの目は瞬きすらしない。夜がくるまでは。

日が暮れると、ガーゴイル達は次々と動き出し、地上に降りて来る。もしもこの光景をアムロ・レイが見たとしたら、きっとこう言ってくれるに違いない。「こいつ、動くぞ!」

部屋の中に横たわるミイラを覗いているガーゴイルもいるのだが、これは博物館に設置された奴だろうか。ガーゴイルは這い回り、自分達と同じ、血の通っていない硬い鎧を見つめる。ガーゴイルが動き出すのに、鎧はただの鎧のままで、動き出さないのが謎であるが。ファンタジーやRPGだったら、両方動くのに。

見物に飽きたガーゴイルは、空を飛んでいく。木の枝にぶら下がったり、噴水に入ったりする。噴水のへりにそって輪になり、方々からやってきた同胞と、定位置の暑さや騒がしさ、通り過ぎる夏や雨について、ぼやき合う。ガーゴイルの笑い声は不明瞭で、低く響く。硬い石の体の内側には、笑いが転がるだけの空間が無いからである。

夜警は、夜になるとガーゴイルが動き回る事を知っているが、上司に相談したところ、軽蔑されてしまう。当然だろう。基本的に上司というものは節穴であるから、自分が見たいものしか見ようとはしないものである。

ガーゴイルは、自分達をこんなふうに造った人間が好きではない。夜警が目を閉じて顔をそむけるのを見るために、ガーゴイルは足を踏み鳴らし、くぐもった笑い声をたてる。

夜が明ける前に、ガーゴイルは飛び立ち、翼の無いものは蜘蛛のように壁を這い上がり、自分達の場所に戻る。空っぽの目は瞬きもしない。夜がくるまでは。

絵本だが、全てモノトーンで描かれている。あえてカラーにしないのが、夜の世界でしか動かないガーゴイルには、とても似合っていてお洒落である。

ガーゴイルというのは、世界征服を企むネオアトランティスの首領の事ではなくて、主として西洋建築の屋根に設置され、雨樋から流れてくる水の排出口としての機能を持った、怪物などをかたどった彫刻である。13世紀に盛んに建設されたゴシック建築の大聖堂によく見られるが、次第に人間像に居場所を奪われ、悪魔的な容姿のガーゴイルは衰退していった。

フランス語だとガルグイユ、ドイツ語だとヴァッサーシュパイアー、中国語では石像鬼らしい。中国語は普通だな。ドイツ語は恰好良い。そしてフランス語だとガルグイユ……。ザンスカール帝国の試作型水陸両用MSの名前じゃないか! ザンスカール帝国のMSは、ガーゴイルじゃなくて、ルーアンのロマヌスに登場する竜の名前から取っているのかもしれないが。


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マウント・ドラゴン

マウント・ドラゴン〈上〉 (扶桑社ミステリー)マウント・ドラゴン〈上〉 (扶桑社ミステリー)
(1998/05)
ダグラス プレストン、リンカーン チャイルド 他

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マウント・ドラゴン〈下〉 (扶桑社ミステリー)マウント・ドラゴン〈下〉 (扶桑社ミステリー)
(1998/05)
ダグラス プレストン、リンカーン チャイルド 他

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世界をリードするバイオ・テクノロジー企業、ジーンダイン社。その研究員ガイ・カーソンは、ニューメキシコの砂漠に置かれた最高機密の実験施設"マウント・ドラゴン"への異動を命じられた。この研究所では、いま、遺伝子操作を駆使した、革命的なプロジェクトが進行していた。だが、カーソンは戦慄の事実を知らされる。人間を救うはずの研究が原因不明の失敗に陥り、逆に全人類を絶滅させる恐怖の致死ウイルスが生み出されていたのだ。しかも研究員たちは、錯乱し、内臓が溶けるという謎の奇病に命を奪われていく…。


作者の一人があの「ホット・ゾーン」を書いたリチャード・プレストンの兄弟だというから、随分と期待していたのだが、なんだか盛り上がりに欠ける展開で、どうもイマイチな出来だった。もう少しバイオハザード全開でいけば面白いんだけど、あまり怖くない。

後半戦は、バイオハザードというよりも、気がおかしくなった男との荒野での決闘といった感じになる。同時に、バイオ企業を創りだした二人の天才による、電脳空間での戦いも行われる。どうも、話を盛り込みすぎて消化不良状態っぽい。もう少しテーマを絞って書き込んだほうが良かったのに。


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