砂の上の楽園

4022670428砂の上の楽園 (ソノラマコミック文庫 い 65-4)
今 市子
朝日新聞出版 2007-11

by G-Tools

砂漠の真ん中の都市国家に国王暗殺の密命を帯びて潜入した男を待ち受けていたものは!?表題作のほか、「夜の森の底に」「僕は旅をする」「雨になればいい」の計4編を収録。


表題作は、砂漠の中にあるオアシス国家に潜入する暗殺者の話。命令に従わなければ殺されるが、失敗しても殺される。とりあえずは、命令を遂行するしかないのだが、町に入るまえに不思議な女と出会って行動を共にする。

オアシス国家では、支配階層の白い民と遊牧民族がいて、従来の支配体制を守ろうとする保守勢力と、多数派になりつつある改革派が対立している。王は病弱だし、弟は異民族との混血だから、いろいろと面倒な事になっている。

空にはハーピナと呼ばれる鳥と猿を混ぜたような生物が飛んでいるから、てっきり異世界ファンタジーかと思っていたが、最後に出て来るある物の存在で、一気にSFになってしまった。

残りの3編は、少し怖い系のホラー。「僕は旅をする」は旅行に行くはずだった弟が電車にはねられて死んだらしいのだが、損傷が酷すぎて本人かどうか分からない。首から上が無くなっているので、顔も確認できないでいるのだが、弟が旅先から連絡をして来る。じゃあ、事故現場で身分証明証と一緒に発見された死体は別人なのか!?

「雨になればいい」は、雨の日に植物を取ろうとして泥だらけになっていた少女を、老夫婦が保護するのだが、気づくと家の中が泥で汚れていて……。

「夜の森の底に」は、因習のある家に伝わる気持ち悪い話。昔、入った者を返さない森が存在し、周囲の作物も森から吹いて来る悪い風が枯らしていた。村で一番美しく賢いトミという娘を人柱として森の奥に埋めたところ、森の悪風が止んだらしい。

森から切り出される木材や、豊かになった田畑で一族は財を成したようだが、埋められたトミは未来に起こる出来事を知らせるようになり、トミの声を聞くための聞き役が密かに選ばれるようになっていた。ここまでなら、田舎にある少し気持ち悪い話で終わるのだが、本当に何か出て来た(汗)。そして、トミより下にいるであろう禍々しい何かは謎のまま終わるのが気持ち悪すぎる。


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