理不尽な進化 遺伝子と運のあいだ

4255008035理不尽な進化: 遺伝子と運のあいだ
吉川 浩満
朝日出版社 2014-10-25

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99.9%の生物種が消える?「絶滅」から生命の歴史を眺める!この世は公平な場所ではない?進化論が私たちに呼び覚ます「魅惑と混乱」の源泉を、科学と人文知の接点で掘り当てる、進化思想の冒険的考古学!


第一章は進化に関わる運について語られているのだが、後半はダーウィンの名を都合良く利用した非ダーウィニズムの欺瞞や、グールドとドーキンスの論争について語られているので、運絡みの進化論の話だと思って手に取るとガッカリするかもしれない。

今までに登場した生物のうち、99.9%は絶滅している。本書を読めば、生き残るのは強い者でもなく、優れた者でもなく、よく言われているような変化に適応出来る者でもなく、運が良かった者である事が良く分かる。

進化論を都合良く解釈して無理やり社会学に当てはめ、ダーウィンの名を語る輩は、実は社会ラマルキズム主義者であり、スペンサー主義者である。

第1章では絶滅シナリオが1.弾幕の戦場 2.公正なゲーム 3.理不尽な絶滅 の3つに分類されている。弾幕の戦場は人口密集地に対する無差別爆撃をイメージすると分かりやすい。この場合、爆弾に当たって死ぬ者は無作為に抽出される。生き残るのは優れた者ではなくて運が良かった者だ。努力厨なら頑張って爆弾を避けれる努力をするから生き残るかもしれないけどね(笑)。

公正なゲームは、公正なルールの元で競争が行われ、優れた者が生き残るシナリオなので、企業間競争に例えると分かりやすい。そして、最も納得出来る結果が得られるシナリオであると、個人的には思う。

理不尽な絶滅というシナリオが一番分かり難いのだが、これは弾幕の戦場と公正なゲームの複合型である。これは恐竜が例として挙げられているが、巨大隕石衝突という不運な出来事によって、一瞬にして公正なルールが変更されてしまうという二重の不運によって悲劇が起こっている。環境に適応したから繁栄していたはずの恐竜が、一瞬にしてルールが変更されたために負け組になってしまったのだ。短期間にルールが変更されたのでは、環境に適応する暇などあるはずがない。

仮に、現代にアルマゲドン級の巨大隕石が落下してきた場合、人類が滅びるのは急激に変わる環境に適応出来なかったからなのか、運が悪かったのか。どちらが正解なのか、すぐ分かるだろう。努力厨の皆さんは世界が地殻津波と灼熱地獄に襲われても、一瞬で環境に適応する努力を怠らないから生き残るのかもしれないけど(笑)。

続いては、ダーウィンの名を騙りつつ、都合良く人間社会に当てはめて利用する偽ダーウィン主義者に関して。よくビジネス界で優れた者、適応した者、変化出来た者が生き残るから頑張れと洗脳されるが、あいつらがいかに胡散臭いかよく分かる。

会社でも経営者や上司が変わった途端、ルールが変更されて理不尽な目に遭う事はよくあるのに、運良くリアル人生ゲームがイージーモードだった奴や、容易く洗脳される社畜にはそれが見えないんですかね?

偶々、立ち位置が良かっただけなのに奢り高ぶる偽ダーウィニストのようなリア充は、今後の人生で理不尽な目に遭って爆発すれば良いと思う。グールドとドーキンスの論争に関しては有名だし、あまり食指が動かなかった。世界の理不尽さに特化して書いてくれていたら神書物だったのに。


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