シャッフル航法

4309023983シャッフル航法 (NOVAコレクション)
円城 塔
河出書房新社 2015-08-27

by G-Tools

ハートの国で、わたしとあなたがボコボコガンガン支離滅裂に。『屍者の帝国』より3年、新時代のほら吹きがおくる待望の作品集。


10編入っているが、どれも一部の海外SF作家が書きそうな、難解で訳が分からないものだらけだった。海外作品なら翻訳者の腕前が酷いせいで読めなくなっている可能性もあるが、これは最初から日本語で書かれているはずなのに、面白いのか面白くないのかすらよく分からないものが含まれている。

かなり馬鹿お断りな感じの難解な理論が登場したりするので、『スター・ウォーズ』みたいに頭を空っぽにしても楽しめる単純明快な作品を期待していると、頭が爆発しそうになる。わざわざ円城塔作品を手に取る時点で、

「内在天文学」は、文明が衰退した世界で、空を見上げてリオや変人爺さんと語り合うのだが、見ているものが違う。最初はリオがふざけているのか、頭がおかしいのかと思っていたが……。物資を運んでくるための鉄道が何処に繋がっているのか、月面都市とされている月の黒い瞳孔部分が何なのかは分からないままだった。

「イグノラムス・イグノラビルス」は自分が人類ではなく、より高度な知生体センチマーニ(五十頭百手巨人)の一部になった事がある主人公の話。ワープ鴨という食材で富を得たが、宇宙全域に広がっているワープ鴨がどうしてどこにでもいるのかは分からないままだった。

表題作「シャッフル航法」は、同じような内容の支離滅裂な話を何度も読まされる。シャッフルされているから少しずつ違うのだが、エンドレスで「人柱アリス」を聴かされた感じの訳の分からなさだった。

「φ」は、有限の宇宙の中に無限の数字が存在するという話から始まるが、最後の仕掛けが凝っていた。これは、編集者も優秀な人がいる出版社じゃないと出来ない技だな。

「つじつま」は、生まれて来ないままの息子に惹きつけられて女の子が通ってくるようになるが、まだ生まれて来ないまま相手を妊娠させて、義父から受け継ぐ女たらしの才能のせいで、あちこちに孫が出来てしまう話。孫が成長しているのに息子が生まれて来ないとか訳が分からないよ。こんなの絶対おかしいよ(><)。

「Beaver Weaver」は夢の中で夢から目覚めて、彼女を探しに行ったらいつの間にか相手がクイーン・エリザベス級二番艦ウォースパイトという宇宙戦艦だったりして訳が分からない。自分も超イプシロンノート級論理戦闘艦ヴァリアントになっていたりするのだが、いつの間にか違う時代で人だったりするし、学校で実験中の彼女の石鹸片やビーバーまで絡んで来て、本当に訳が分からない話だった。

「(Atlas)3」は、僕連続殺人事件に巻き込まれた主人公の話。何者かの視点にとって不都合な存在である主人公は3日に1度くらいは殺されているが、その存在自体を消す事は出来ないらしく、地図作製局のサポートで何とかなっている。


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