死なないやつら(ブルーバックス1844)

4062578441死なないやつら (ブルーバックス)
長沼 毅
講談社 2013-12-20

by G-Tools

超高温、超高圧、高塩分、強放射線、強重力…過酷な環境をものともしない極限生物たちの驚異の能力と、不可解きわまる進化。シュレーディンガーの生命観、エントロピー増大の原理を超えて40億年も地球にはびこる「不安定な炭素化合物」の本質に迫る。


題名に釣られてしまったのだが、死なないやつらは出て来なかった。不死の生命体なんて、少なくとも三次元生命体では無理だろうから、出て来なくても仕方がないのだろうけど、とりあえず題名詐欺じゃないか(笑)。煮ても焼いても凍らせても攻撃されても「さすがゴッグだ、なんともないぜ!」くらいの、強いやつらを期待していたのに。

死なないやつらはいなかったけど、死ににくいやつらはたくさん出て来る。当初は「極限生物の博物学」という本を書く予定だったらしいが、素直になかなか死なないやつらを集めたほうが面白かったと思う。

最初に「生命とは何か、とは何か」を問うのだが、質問に対して質問で答えるのは狡いよね。シュレーディンガーが定義した「負のエントロピーを食って構造と情報の秩序を保つシステムである」という発想は面白いが。

人間が耐えた最高重力が46.2Gらしいが、実験体となったスタップ大佐は一時的に失明状態となり、もう少しで眼球が飛び出すところだったらしい。スタップ大佐がスタップ細胞で出来ていたら、もう少し強く……

大腸菌とパラコッカス・デニトリフィカンスは40万Gでも平気で増殖したらしい。そこまで耐久値を向上させても、地球では使うところが無いのに、謎すぎる。こいつら、超重力惑星に移民するための準備でもしているのか?

進化はランダムで起こり、必ずしも役に立つ方向に進んでくれるとは限らない。キリンの首が高いところにある植物を食べるために伸びたというのは嘘であって、伸びちゃったから仕方なく高いところにある食べ物を食っているのだ。亀の甲羅も、あばら骨が背後に回った結果らしいが、本書に書かれている通り、もしも突然変異後の亀が話せたら、「まいったなぁ。なんで俺のあばら骨、背中にあるんだよ」ってボヤいた可能性が。

利己的な生物よりも、利他的な生物のほうが結果として子孫を残しやすいケースがあるらしい。例として「少数の強い個体がエサを独占すれば、多くの個体が飢えるため、その集団そのものは衰弱します」と書かれてある。これについては反論もあるので、正しいか否かは分からないけど。なるほど、自分さえ良ければ全体がどうなっても良いという、黒い思想で汚染されてしまった何処かの島国では、“エサ”が独占される事によって、急激に少子高齢化が進んでいるよな。


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