聖なる怠け者の冒険

4022507861聖なる怠け者の冒険
森見 登美彦
朝日新聞出版 2013-05-21

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一年ほど前からそいつは京都の街に現れた。虫喰い穴のあいた旧制高校のマントに身を包み、かわいい狸のお面をつけ、困っている人々を次々と助ける、その名は「ぽんぽこ仮面」。彼が跡継ぎに目をつけたのが、仕事が終われば独身寮で缶ビールを飲みながら「将来お嫁さんを持ったら実現したいことリスト」を改訂して夜更かしをすることが唯一の趣味である、社会人二年目の小和田君。当然、小和田君は必死に断るのだが…。宵山で賑やかな京都を舞台に、ここから果てしなく長い冒険が始まる。


全面改稿されているので、朝日新聞に連載されたものとは内容が異なるらしい。京の町で人を助けるぽんぽこ仮面。ぽんぽこ仮面を狙う組織との騒動に巻き込まれてしまった、怠け者青年が主人公。周囲の人間が様々な思惑で動く中、主人公とされる小和田君が寝たりサボったりするばかりで、全然活躍しないじゃないか(汗)。

ぽんぽこ仮面の正体を暴こうとする浦本探偵と助手の玉川さん。主人公小和田君の先輩である恩田とその彼女桃木さんは、怠け者の小和田君を町に連れ出す。危険な容姿の上司、後藤所長。狸のお面をつけて人を助ける正体不明のぽんぽこ仮面。そして、ぽんぽこ仮面を狙うアルパカそっくりな五代目!?

蕎麦屋から狙われたぽんぽこ仮面が黒幕の正体を突き止めようとすると、背後に大日本沈没党、閨房調査団、テングブラン流通機構と、次々と謎の組織が出てくる多重構造。命令系統の上のほうはだんだん人外になってきて、頂点にいたのは……。

他作品『宵山万華鏡』や『有頂天家族』とも少しだけリンクしているのが楽しい。主人公が全然活躍しないのと、途中で作者が物語に介入する度、現実世界に戻されてしまう点だけが残念だった。


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