カラー版 世界ガラス工芸史

4568400538カラー版 世界ガラス工芸史
中山 公男
美術出版社 2000-03-16

by G-Tools

ガラスの起源から現代欧米・日本のガラス工芸の現況までガラス工芸の全歴史を、克明かつ平易な解説と340点余のカラー図版、その他の充実した資料により、はじめてコンパクトな一冊にまとめる。


ガラス工芸に関する歴史を纏めている。一連の流れは分かるのだが、技術的な事についてはほとんど書かれていないので、どうやって作ったのか知りたければ、別の資料に当たる必要がある。実際に作られて現存するものが、カラー写真で多数掲載されているので、イメージが掴みやすい。

現代のガラスを見慣れていると、もっと透明な色の工芸品を想像してしまうが、古代につくられたものは全然透き通っていないので、土器や粘土細工のようなものにしか見えないものが多い。最初の頃のものは、装飾品的なものが多かったのかな? 日常生活で使うには、あまりにもバランスが悪いものが多いし。置いただけで転がって割れそうで心配だ。エジプトのテル・エル・アマルナから出土した魚の形をしたものなんか、完璧に装飾品だよね。

古代においては、それぞれの地域で独自にガラス製造技術が発達しているようだが、いきなり製法が途絶えたりしているようである。戦争や疫病で親方が急死したりしたのかもしれない。

ローマ帝国の時代になると、吹き技法の発明により、安定してガラスが製造されるようになる。容器としてだけでなく、医療器具、照明機器、装身具、窓ガラス、玩具など、様々なものが作られるようになった。この頃から、不透明ガラスに代わり、透明ガラスが主流となる。

アジア方面ではペルシアやイスラム帝国がガラス製造技術を取り込み、独自の進化をみせる。不透明なものが増えている気がするが、描かれる模様は洗練されている感じがする。

近世になると、ヴェネツィア・ガラスのように大胆で幻想的な作品が増えて来る。天井から下げられるシャンデリアなどにもガラスが使われている。ドイツのシュタンゲングラスは棘のようなものがいっぱい生えていて気になる。こんなに棘だらけだと持てない気がするのだが、これは置いておくだけの装飾品だったのかな?

ダイヤモンド・ポイント・エングレーヴィングという技法で模様を彫られた製品も、透明なガラスの中に天使がいたりして美しい。中国清朝のガラス工芸は、原色を使い過ぎてオモチャみたいに見える。

日本では長崎でガラス工芸が盛んになったが、欧州で使われていたポンテ棹を知らず、徐冷の技法も19世紀まで体得出来なかったため、薄手のものしか作る事が出来なかったらしい。


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