ガラスの技術史

4901496255ガラスの技術史
黒川 高明
アグネ技術センター 2005-07

by G-Tools

ガラスは人類が初めて創りだした素材です。この最古の素材は、天然素材では得られない透明で美しい輝きを放ち、化学的に安定であるため、工芸品や生活必需品に必要不可欠な素材として身近で広く使われ、人類の文明に恩恵を与えてきました。本書はガラス製造の歴史を、時代とともにその技術の発展に貢献した先駆者たちの足跡に触れ、さらに近代科学における諸発見の影響を受けてどのように進歩発展してきたかなど、広範囲にわたって記してあります。


現代では日常生活に欠かせないものになっているガラスだが、どうやって作るのかよく分からなかったので、図書館から借りて来た。べ、べつに剣と魔法の異世界に飛ばされた時に、技術チートとして使おうと思ったとかじゃないんだからねっ!

最初はガラスの歴史が専門家レベルの内容で紹介される。化学式も出てくるが、ガチ文系だから良く分からない\(^o^)/ 材料によって融点は多少違うだろうけど、例えば結晶シリカだと1723℃もの高温が必要となる。現代ならともかく、古代や中世でこんな高温の炉を作るのは大変である。

ソーダを混ぜる事で、この融点が800℃以下に下がるのだが、水に侵食され易くなってしまう。石灰を混ぜる事で、水による浸食への抵抗力が上がる。つまり、ガラスの材料+石灰+ソーダが必要となる。ソーダ以外は拾ってきたら良いけど、ソーダはどうすれば? 現代なら買ってくれば済む話であるが、天然ソーダも存在するのだが、古代や中世だと、地域によっては簡単には手に入らないかもしれない。

1775年、フランス科学アカデミーは、炭酸ソーダを合成する方法に懸賞金をかけ、ニコラス・ルブランが当選した。今では廃れてしまったルブラン法を開発したが、フランス革命によって製法を没収されて破産。希望を失い自殺したらしい。努力しても全てが奪われるとか、酷い結末である。現在では、アーネスト・ソルベーが開発した、アンモニア・ソーダ法が使われている。全く記憶に無いのだが、どうも高校の化学で習うようである。

ガラスを作るには、材料以外にも重要なものがある。材料を溶かすための高温に耐えられる窯が作られ、改良を重ねられてきた。最も古いガラス製造工場跡は古代エジプトの第18王朝から見つかっている。燃料は長い間、木材のままだったが、イギリスでは17世紀から石炭が使われるようになった。

ガラス製品を作るには、材料だけでなく、高温に耐えられる窯の製造技術も重要である。本書では古代から使われて来た窯から石炭燃焼窯、直接燃焼窯、ガス横炎式加熱式タンク炉、電気溶融炉など、窯の技術革新についても高度で専門的な事が書かれている。

古代ローマ帝国では、現在のドイツやフランスに多くのガラス製造工場が作られた。ガラス製造には燃料が必要となるが、本国の木材は都市部の暖房に使われるため、都市部から離れた森林地帯が利用されたのである。西ローマ帝国崩壊後も、ドイツやフランスはガラス生産地であり続け、キリスト教化された地域の大聖堂や教会、修道院にステンドグラスを供給した。

初期のステンドグラスは黄色と透明なものを作る事が困難だった。赤、青、緑など関しては、銅を着色剤として加える事にとり、比較的容易に製造する事が出来たようである。技術的な問題により、ロマネスク時代の教会や大聖堂には、黄色と無職のガラスが少なかった。やがて、無色ガラスは金属酸化物の除去とマンガンの添加による鉄分の消色により製造可能となり、黄色はイスラムガラスで開発されたシルバーステイン技法を導入する事で製造可能となった。

ガラスは装飾品や容器以外にも利用されているが、1280年頃にイタリアで老眼鏡が発明された。1301年のヴェネチアのガラス工に関する記事には、近眼用レンズについても書かれている。最初の望遠鏡は、イランダのレンズ研磨師ハンス・リパシーが1608年に発明。17世紀には顕微鏡が市販されるようになる。


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