マイ・フェア・ネイバー

4063657663マイ・フェア・ネイバー (KC デザート)
森野 萌
講談社 2014-02-24

by G-Tools

この春からアパートのとなり部屋に住む、高校1年生のモモとサラリーマンのユキ。2人には10年前に秘密の事件があって……? あなたのとなりがいちばん居心地よくて、いちばん好きな時間で、いちばん幸せな記憶。12歳差の2人の過ごした1年間を四季鮮やかに描く、ピュアおとなりストーリー!


春、夏、秋、冬と、同じ登場人物で季節が変わって行く物語となっている。

春の章は、社会人ユキ(男)の視点。まだ髪が金髪で学ランを着ていた頃、隣に住んでいた女の子と一緒にベランダから落ちた。28歳になって、その時の夢を見るのだが、原因は、勝手に部屋に入り、上に乗って寝ている女子高生のせいだった。

まだ小さかったモモがベランダから落ちそうになり、助けようとして一緒に落ちたのだが、その事故が原因なのか、隣の家族は引っ越して行った。家からは駄目な父親がいなくなり、一人で生きて行く事になったのだが、今では契約社員となり、なんとか暮らしている。

引っ越していなくなったモモだが、高校進学のために単身で戻って来て、また隣に住んでいる。ユキの事が好きらしく、勝手に朝食や弁当を作ったりして、世話を焼くのだが、成績が落ちてしまう。

夏の章は、モモ視点となり、成績が下がったままだと、家に戻らなければならなくなる。モモは母親が怖いので戻りたくないのだが、ちゃんと親と話せとユキに言われてしまう。ユキと同じく、モモの家も底辺から這い上がろうとして苦労をした人達なので、娘がユキと関わる事にはさほど反対していないようである。母親は、自分が高校中退で苦労したから、娘に厳しくしているだけだった。

秋の章は、モモがユキを運動会に誘う。高校生にもなって、運動会? 保護者代わりに誘うのか? と思ったら、近所の小学校で参加者が少ないから呼び出されたようである。こんなところにまで、少子化の波が来ているのか? モモを好きなクラスメイトの男子も参加していて、ユキに勝負を挑んでくる。

冬の章は前編後編になっている。運動会の後、クラスメイトの井河を振ったモモは、ユキに振られてしまい、ヘコんでいるのだが、誰かがユキを訪ねて来ているのを見かける。年配の男がユキに似ていたので、失踪したユキの父親ではないかと思い、探し始める。

息子を捨てて逃げ出したと思ったら、近所に住んでいて再婚もしているだと!? 母親に捨てられ、父親にも捨てられ、結構酷い人生であるが、よく腐らずに生きて来られたな。そういえば、モモの存在が頑張るための力になっていたのか。

ユキは正社員登用試験に合格し、10年暮らした部屋から出て行く事になるのだが、この恋の結末はというと……。決して勝ち組が考えるような派手な未来ではないけど、底辺スタートにとっては、“人並み”になるという事さえ、結構困難な夢だったりする訳で。こういう人々こそ、幸せになって欲しい。


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