砂糖の歴史

4562051752砂糖の歴史 (「食」の図書館)
アンドルー・F. スミス Andrew F. Smith
原書房 2016-01-22

by G-Tools

紀元前のインドで誕生したものの、多くの人が口にするようになったのはこの数百年にすぎない砂糖。急速な普及の背景にある植民地政策や奴隷制度等の負の歴史もふまえ、人類を魅了してきた砂糖の歴史を描く。図版多数。レシピ付。料理とワインについての良書を選定するアンドレ・シモン賞特別賞を受賞した人気シリーズ。


紀元前から存在したのに、庶民の口に入るようになったのは最近の事。基本的に暖かい国だとどこでも栽培出来るのだが、人力に頼って精製していた時代は、どうしても安価な労働力が必要となる。精製段階で燃料も必要となるので、森林が伐採されて環境破壊も進んで行く。

かつては欧州だけでなく、中近東やエジプトでも砂糖キビ栽培が盛んだったそうだ。環境破壊だけでなく、安価な労働力を使う生産地に押され、生産拠点が次々に移り変わって行く。

アフリカ西海岸近辺にある島々が欧州列強の植民地になると、アフリカ本土の人間を捕まえて奴隷にして働かせる。次いで、カリブ海の島々やブラジルで生産が始まり、アフリカから何百万という人間が奴隷として送り込まれる。砂糖の歴史がそのまま人類の負の歴史となっていて酷いな。

国家同士も関税問題で揉めて戦争になったりもするが、次第に生産量は増えていき、庶民でも手に入るようになる。パンや菓子に砂糖を使うのが普通になっていくのだが、最初の菓子専門店が出来てから100年とちょっとしか経っていないのか。

砂糖の使用量がインフレ状態となってくると、健康被害も出て来る。特にアメリカ人は、砂糖を食べ過ぎである。砂糖は増やせば増やすほど美味しくなるのではなくて、至福ポイントがあり、それを超えると嫌になるらしいのだが、アメリカの恐ろしいところは、軍が研究してこの至福ポイントを割り出している点である。

最近では、砂糖に変わる甘味料が作られるようになったが、後で発癌性があると判明するものもあったりして、なかなか厄介である。ネオテームという甘味料は砂糖の1万3000倍も甘いだと!? 舐めるだけで、甘すぎて軽く死ねそうな数値で恐ろしい。


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