カレーの歴史

4562049383カレーの歴史 (「食」の図書館)
コリーン テイラー セン 竹田 円
原書房 2013-08-26

by G-Tools

「グローバル」という形容詞がふさわしいカレー。インド、イギリスはもちろん、ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカ、アジアそして日本など、世界中のカレーの歴史について多くのカラー図版とともに楽しく読み解く。レシピ付。料理とワインについての良書を選定するアンドレ・シモン賞特別賞を受賞した人気シリーズ。


カレーといえばインド料理であるとイメージされているが、実際にはインドの煮込み料理は、サーグ、サンバール、コルマ、ダールなど、それぞれに固有の名称があり、「カレー」という料理はない。かつて宗主国だったイギリスが、インド料理をカレーとして諸外国に伝えたので、そう呼ばれるようになった。

東インド会社が解散させられ、帝国総督府が創設されると、植民地支配の傾向が強まり、インド料理も敬遠されるようになった。カレーは社会的地位を失い、上流階級の食卓から姿を消したが、軍隊の食堂や、イギリス本国の一般家庭では相変わらず食べられていた。

カレーを普及させた最大の功労者は、1982年にカレークラブを創設したパット・チャップマンである。彼が多くの出版物でカレーハウスやバルチ・レストランのレシプを紹介したので、非インド系の人々も、自宅で手軽にカレーを試せるようになった。

マドハール・ジャフリーが出版した『究極のカレーバイブル』には、世界中のカレーの情報が満載されており、ラガバン・アイヤルの『カレー660』はカレーの定義を拡大し、サラダ、豆料理、カボブ、パン、飲み物まで含まれている。

新世界で奴隷解放運動が起こると、奴隷ではなくなった人々が今までの重労働を嫌がったため、インド人が雇用されて各国へ移住し始める。当然、インド系の料理もアフリカや新世界などに持ち込まれる事になるのだが、インド人とともにカレーも世界中に広がって行くのは興味深い。やがて、植民地が独立し始めると、旧宗主国へ渡ったインド系の人々が、欧州にもカレーを浸透させて行く。

現在では、イギリス東インド会社の人々が自分達の舌に合うようにアレンジしたアングロ・インディアンカレーと、離散インド人達が草の根レベルで広め、各地の食文化と融合したカレーによって、世界中にカレー文化が広がっている。

「食」の図書館で取り上げられている他の食べ物と違って、あまり歴史と呼べるような部分も無いからか、各国ごとに浸透していくインド料理に関する紹介となっていて、纏め難かった。


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