廃道 棄てられし道

4408008389廃道 棄てられし道
丸田 祥三 平沼 義之
実業之日本社 2011-11-17

by G-Tools

日本初、「使われなくなった道路」の写真集。棄てられた風景を撮り続けてきた写真家・丸田祥三と、棄てられた道路の声を汲み続けてきた探検家・平沼義之(webサイト「山さ行がねが」管理人)がタッグを組んだ。


巻末に簡単な撮影地のリストが掲載されているのだが、写真が掲載されている部分には一切説明がない。普通に写真を撮るのではなく、色々と加工しているので、幻想的で綺麗だけど、廃道そのものに興味がある人には不評のようである。

役割を終えた道は棄てられて、そのうち埋もれて行く。人間が作った作品でありながら、他の物とは違い、誰が作ったのか分からないというのも特徴である。偶に、道を作った大臣などの実力者の名前が残されている場合もあるが、それは上から指示したり、利権を誘導してきただけであって、本当に道を作った人物ではないのである。

せめて、私財を投入して作ってもらった道なら分からないでもないけど、税金を投入して作った道ならば、そこに書かれるべき名前は“国民”であろう。

本書で取り上げられるのは車道である。車道は歩道とは根本から異なっている。そこを通る乗物に応じた道幅と、駆動能力に応じた勾配と、荷重に応じた強度といった、一定の構造が厳密に求められるからである。人は階段や梯子の通行も可能だが、車両には通れない。世の中には階段国道みたいな、おかしな場所も存在するけど。

掲載されている写真は、ちょっと古くなった程度のものから、落ち葉で埋まりかけているようなものから、瓦礫で埋まってしまって完全に車両が通行できないものまで、様々である。瓦礫で埋まった先は、何処に続いていたのだろうか。

トンネルの入り口は、大抵封鎖されているのだが、予算が無いのか、山の中だから誰も行かないのか、半分埋まった状態のものなどがあって怖い。トンネルの向こう側に抜けたら湯婆婆のいる世界に連れて行かれそうな場所もある。

トンネルの写真が結構あるのだが、あなたの知らない世界的な何がが出てきそうな場所が多い。山の中に放置してあるトラックが何処から来たのか不思議だったが、かつて存在した道を通って来て捨てられたのだろう。未舗装道路だったりしたら、そこに木が生えたら完全に森に戻ってしまうからね。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する