がいこつさん

4579401565がいこつさん (日本の創作絵本)
五味 太郎
文化出版局 1982-05-02

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がいこつさんが寝ているのだが、目を開けているように見える。しかし、これは目ではなくて穴である。どうも、よく眠れないようで、何かを忘れているのに気がついて、起きてしまう。ちゃんと思い出さないと、いつまでたっても気になって眠れない。

椅子に腰かけて考える。目覚まし時計をかけるのを忘れたのだろうか。起きるつもりもないくせに? 仕方がないので、散歩に出かける。外は良い天気で、おばさんが洗濯物を干している。忘れているのは洗濯だろうか。汚れたまま寝るのは気持ち悪いから。

公衆電話で電話をかけている男がいた。電話をかけるのを忘れたのだろうか。がいこつさんに、急ぎのようなどあるわけない。郵便ポストを見つけて、手紙を出すのを忘れたのかと思うが、最後の手紙はとっくに出していた。

交番で警察官に聞いてみたが、分かるわけがない。「忘れ物、曲者は警察へ。買い物、贈り物はデパートへ」と言われ、デパートに向かう。途中で病院があったので、病院に予約していたのかと思うが、病気になるようなところはなかった。骨は残っているのだから、骨粗鬆症にはなるんじゃないの?

散髪屋が見えてくるが、頭をさっぱりするのを忘れていたのか。いや、がいこつさんには髪の毛が無かった。レストランで人々が食事するのを見て、お腹が空いているのを忘れたのだろうかと思うが、骨だけなので、お腹も無かった。

どこかへ行くのを忘れているのか。誰かがどこかで待っているのを忘れているのか。それも、ずっと昔の事だった。忘れているのが、買い物や贈り物という事はないだろうが、デパートに辿り着く。デパートの中を歩き回るが、何も思い出せない。

少し疲れたので休憩する事にしたのだが、まだトイレには入っていなかった。骨だけなので、おしっこも出ない。洗面台の鏡の前まで来た時、歯を磨くのを忘れていた事に気がついた。

それにしても、骨が外を歩いているのに、誰も驚かないのが気になる。人間には見えていないのかもしれないと思いたくなるが、それにしては警察官が中途半端に反応しちゃっているし。実はタイミングが良かっただけで、警察官の独り言だったという可能性はあるが。


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