異世界居酒屋「のぶ」 2杯目

4800265037異世界居酒屋「のぶ」二杯目 (宝島社文庫)
蝉川 夏哉 転
宝島社 2016-12-06

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居酒屋「のぶ」が異世界の古都と繋がってから約半年の月日が流れ、季節は夏から秋へ。常連となったお客たちにはお気に入りの料理ができたようで、「イツモノ!」という注文の声が上がる。そして新しいお客も「のぶ」を訪れる。放浪の女傭兵、詩人を目指す放蕩息子とその付き人の料理人、さすらいの吟遊詩人、そして黒いローブを纏った老女。居酒屋での出会いが人と人を繋いでいく。温かな異世界グルメファンタジー、第2弾。


リオンティーヌ・デュ・ルーヴという女傭兵が古都にやって来た。リオンティーヌは衛兵のニコラウスに声をかけられ、お勧めの店を紹介してもらった。

居酒屋のぶに入ってきたリオンティーヌは、領地持ちなのに結婚もせずに傭兵をしているという、変わり種のようである。敵として対峙した<鬼>を想い人として探しているそうだ。敵がいない穴場に陣取ったはずが、<鬼>は的確に読み取っていたらしい。

守りの薄い場所を攻められて激戦になるが、<鬼>は、リオンティーヌが女だと瞬時に見抜き、手加減してくれたらしい。本当は、鬼が苦手なイカの兜をしていたから助かったのだという事を、リオンティーヌは知らない。戦場の話に客達は盛り上がるが、聞いている途中で、しのぶやヘルミーナは、鬼が誰の事なのか分かってしまった。

【鳥娘の舟歌】のギルドマスター、エレオノーラも居酒屋のぶの常連になっている。秋刀魚を食べていると、酔っぱらったニコラウスが話しかけてくるのだが、秋刀魚の残りをニコラウスがほぐして、タイショーに秋刀魚ご飯をお願いする。酔っぱらっているからニコラウスは覚えていないかもしれないが、フラグが立ちそうな兆しが。

【金柳の小舟】のラインホルトと、ゴドハルトが一緒に飲んでいる。今や、古都の水利権はゴドハルトが握っている。ラインホルトも、ゴドハルトと組んだ事で、一息つけるようになったので、文句はない。今回は、海岸部からタコを仕入れて、古都に流通させたいという相談だった。

古都の近くの森には魔女が出るという噂があった。ある日、居酒屋のぶに真っ黒いフード付きの帽子をかぶった女性が入ってきたので、エーファは魔女ではないかと怖がる。イングリドは森の中で薬を作っていたが、最近、古都に引っ越して来たらしい。

師匠を探してカミラという女の子もやって来たので、特製プリンを出してあげるのだが、イングリドが欲しがったので、隠していた分まで食べられてしまう。

エトヴィン助祭がトマスと共に居酒屋のぶに来ていた。バッケスホーフと関係がある大司教が枢機卿の階位を狙っているらしいので、その絡みで聖王国のヒュルヒテゴット枢機卿に会いに行かなければいけないらしい。エトヴィン助祭が不在の間は、トマスが代わりに仕事をするようである。

大司教が古都にやってきて、暫く滞在するので、目抜き通りからガラの悪い奴らが追い出されたらしい。その影響で、居酒屋のぶの客層がいつもより悪くなっていた。ヘルミーナがゴロツキにちょっかいをかけられたところ、遊び人のアルヌが追い出してしまう。

逆恨みして仲間を読んできたクズも、アルヌが全て倒した後、お金を巻き上げたので、居酒屋のぶでゴロツキが飲食した分の支払いになった。

薬師のイングリドも居酒屋のぶで飲むようになるのだが、いつも天ぷらとプリンを食べている。イングリドは、アルヌと一緒にいる時、聖王国の昔話を始める。

ノッポの尼とチビの学僧が、サクヌッセンブルク侯爵のもてなしをする係に抜擢されたが、侯爵領のしきたりで、キノコ料理は出してはいけなかった。それを調べ損ねたチビの学僧は、キノコ料理でもてなしてしまった。侯爵は何も言わなかったが、誰かが責任を取らなければならない。ノッポのほうが全ての責任をかぶると、聖王国を去ってしまった。

ブランターノ男爵がまたやってきた。今回はクローヴィンケルという有名な吟遊詩人を連れて来た。クローヴィンケルが他人を見極める目は確かなもので、タイショーも心の迷いを言い当てられてしまう。クローヴィンケルが最も自信のある料理を食べたいと言い出したので、タイショーとちょっとした勝負になってしまう。

エンリコ・ベラルディーノ大司教は魔女を探していた。かつてバッケスホーフ商会に雇われていて、居酒屋のぶを逆恨みするダミアンという男は、大司教の下で魔女探しを手伝っていた。ダミアンは、居酒屋のぶが魔女の塒であると告げ口するのだが……。

いきなりやってきた大司教は、魔女を探してはいたが、魔女狩りで箔をつけるためではなかった。かつて、自分の失敗の責任をかぶったノッポの尼イングリドが、魔女になると出て行ったため、ずっと探し続けていたのだ。大司教は、かつてチビの学僧だった。

目論みが外れたダミアンは、居酒屋のぶの裏口から逃げ出すが、神の力により向こう側にある京都に行く事は阻止される。鬱蒼と茂る森の中で迷い、異教の神殿を守る朱塗りの鳥居に覆いつくされた石畳の山道から出られなくなる。疲れ果てて身動きが取れなくなったダミアンが古都の裏路地で見つかるのは、それから数日後のことだった。

遊び人アルヌーの正体も明かされる。アルヌーは家を継ぎたくなくて、逃げ出して吟遊詩人になろうとしていたのだが、その心の迷いも吟遊詩人クローヴィンケルに見破られてしまう。タイショーが出した肉じゃがを食べた時、迷いが吹っ切れて、家を継ぐことを決心した。翌朝、サクヌッセンブルク侯爵アルヌ15世が即位する事が布告された。


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