異世界に来たみたいだけど如何すれば良いのだろう 1

4896375912異世界に来たみたいだけど如何すれば良いのだろう 1 (GCノベルズ)
舞 ときち
マイクロマガジン社 2016-10-28

by G-Tools

35歳バツイチのサラリーマン前川彰浩は、いつものように会社に出勤しようと家をでたところ、突然謎の空間に入り込み、気づけば見知らぬ土地で倒れ伏していた。見渡す限りの大森林の中に、何の準備もなく放り込まれたアキヒロ。持っているのは、ビジネスバッグに入った仕事用具と、少しのサバイバル知識。運動不足も顕著なこの中年の体で、はたしてこの世界を生き延びることができるのか。ネット小説大賞金賞を獲得した話題作、ついに書籍化。


第4回ネット小説大賞金賞受賞作。

前川彰浩は、朝起きていつものように出社しようと家を出ると、そこは真っ白に輝く空間だった。振り返ると、出て来たドアすら消えている。定番とも言える謎の声が聞こえてきたので、何が起こっているのか尋ねたところ、「識者」、「認識」、「獲得」と、次々とスキルが付与されて行く。しかし、問いに関して、明確な答えは示されない。

白い空間から出たいと言うと、此方より彼方へ送ると言われて、山の中に転送されてしまった。彰浩は木に登って現状を確認するが、電波塔や電気塔などは全く見えなかった。先程言われた言葉を思い出し、もしかしたら日本ではないのではないかと考える。

出社前のスーツ姿で異世界強制転送は、ちょっとキツいよなぁ。その辺にいたアオダイショウモドキを捕まえて食べるのだが、地球のアオダイショウとは違って、毒を吐くようである。その後は、山芋によく似たなにかも掘るのだが、他所の異世界とは違って、随分と地味である。

夜になるとそのまま野宿するのだが、危機感が無さすぎだし、異世界難易度も低すぎる。地球によく似た同等の場所くらいにしか思っていないのかもしれないが、飛ばされる異世界によっては、ドラゴンやマンティコアに襲われるような場所もあるのだし。

起きると野生動物か何かに食われたのか、アオダイショウモドキの食べ残しは無くなっていた。そして、付近で猪と戦って負けそうな美少女に遭遇したので、助けたところ……。

相手が警戒しないように、武器を捨てて手を挙げたところ、この世界では求婚のポーズだった! 命を救われたからと、相手はそれを受け入れてしまう。35歳のメタボなおっさんは、異世界2日目で美少女嫁を手に入れてしまった。

村に連れて行ってもらい、もう嫁になる気満々なリザティアの家に宿泊するのだが、さすがに押しかけ旦那を親がすぐ認めるわけがなかった。猟師は忌み職で、税金も高いらしい。メタボおっさんの扶養者が増えるとやっていけないからな。

翌日、彰浩は宿泊施設を調べた後、ギルドに登録しに行く。異世界に飛ばされた高校生みたいにいきなり実戦に突入するのではなく、どんな依頼があるのか、森にはどんな生物が生息しているのかなど、情報を集めてから動くのがおっさんらしい。

常時依頼品の薬草を採取していると、ゴブリンに遭遇してしまった。斥候らしいので、仲間を呼ばれると厄介だと思い、不意打ちで倒す。ただのIT土方だったのに、結構強かった。ゴブリン討伐と薬草だけで18,000ワールになったので、かなり楽なのではないかと思ったのだが、普通はそんなに薬草を見つける事は出来ないらしい。

次の日、教会に行き、作法などを聞くが、祈りを捧げると、いきなり神が接続してきて、あれこれ教えてくれる。彰浩はこの世界で初めての異世界人らしい。そして、異世界に転移させたのはこの世界の神ではなく、より上位存在である管理者らしい。

管理者に確認が取れないため、何の目的で異世界人を転移させたのかは不明である。この後、他の異世界物のようにチートな能力ではないが、神からもスキルを貰った。

他の人ではなかなか見つけられない薬草を大量に持ち帰るので、だんだん薬草の人として有名になり始める。神から貰ったスキルで風魔法まで使えるようになったが、魔術師だと思われ、高飛車女に強引にパーティーに入れられそうになる。

等級が違うので拒否して逃げたのだが、ヒュージスライムを倒さなければならないらしく、結局は同行する事になった。いつまでも、借りているグレイブでは心許ないので、槍を買おうと武器屋に行く。そこで、スマホの百科事典を見ながら図面を引き、井戸汲み用のポンプを作れないか聞く。ポンプについては領主に見せた方が良いと、大事になってくる。

ヒュージスライム討伐は問題なく終わるが、他の冒険者や同行したギルドの担当者も知らない大型の狼の群に襲われる。どんどん数が増えて対処できないので、彰浩が限界を超えて魔術を駆使して倒れてしまう。

意識不明の間に、また別の神が出て来て色々と教えてもらうのだが、目覚めると、幼な妻が涙目になっていた。ちょっぴり死にそうにはなっているけど、美少女といちゃいちゃ出来るリア充だから、異世界人生のほうが楽しそうである。

幼な妻リザティアも冒険者になると言い出し、幼馴染のボクっ娘フィアと一緒に組む事になった。リザティアは初めてのゴブリン戦だったが、普段から動物と戦っていたため、意外に強かった。

彰浩が見つけた穴場で稼ぎも順調だったが、ある日、やたらゴブリンが出まくるので彰浩は不審に思う。フィアは稼げて喜んでいたか、討伐数が異常である。気になってギルド職員に尋ねたところ、余計な事を知ってしまう。

国策で隠しているけど、この村は指揮個体と呼ばれるゴブリンが発生すると、襲われるのだった。ギルドと領主が上手く誤魔化しているので、村人はあまり気づいてはいないようだが、人命よりも秘密のほうが重いというのは、何処かの島国と同じだよなぁ。

彰浩は時間を稼ぐために、森でゴブリンを狩り続けるが、やがて他の群れを吸収した指揮個体が、村に押し寄せて来る。他の年よりも早かったため、まだ騎士団の本隊は到着していなかった。騎士団到着までは冒険者集団で防衛しなければならない。

ギルドの構成員は頑張るが、ゴブリンの数が多すぎるので、次第に疲弊して来るし、重傷者も出るので、戦力が低下する。ゴブリン軍団の本隊は眷属強化されているので厄介だった。

ようやく騎士団が到着してゴブリンの側面から攻撃を仕掛けるが、指揮ゴブリンが前進して来る。疲弊して後退中の冒険者では、防げそうになかった。ボスの突撃でリザディアが撥ね飛ばされてしまったので、彰浩は激怒し、一騎打ちで倒してしまう。指揮個体を失ったゴブリン軍団は崩壊し、森へ逃げて行く。

後日、子爵に呼び出されるが、男爵にならないかと予想外の提案をされる。この世界では、爵位は世襲ではなく、ただの役職のようである。王位だけは王族の誰かが継承するが、王権神授説が事実の世界だから、地球のようなクズ王はいない。馬鹿は実在する神に認められないのである。

この世界は国境紛争になるほど、国土が隣接しておらず、人類の版図に組み込まれていない空白地帯が結構あるようである。国は、鉱山がある場所を男爵領として開拓して欲しいようである。

その直後、転移事件の首謀者が現れて、幾つかの提案をして来る。彰浩は、元の世界に戻るのだが……。


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