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読書電撃戦

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Riesling

Author:Riesling
あまり、電撃戦的な速度で攻略出来てないような気が……。図書館に無いから、電撃文庫は少なめです。

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■■■戦国小町苦労譚 1

4803008590戦国小町苦労譚 一、邂逅の刻 (アース・スターノベル)
夾竹桃 平沢下戸
泰文堂 2016-01-15

by G-Tools

「山道を抜けたらそこは戦国時代でした」ばりに唐突に現れたのは、憧れの織田信長。主人公・静子はこの時代で生き抜くために「農業で才を示す」約束を信長にしてしまう。寂れた農村を与えられ、来る日も来る日も農業に明け暮れる静子だったが、やがて本人も気づかないうちに、信長にとってなくてはならない存在=重臣にまで上り詰めてしまってーー


綾小路静子は、歴史上の人物と出会えたらどうなるだろうかと妄想するような女子高生だった。そして、普通ならば妄想だけで終わるところ、いろいろと妄想ノートに書きつけるような人物だった。勿論、実際にそのような事は起こらないはずだったのだが……。

祖父の農作業を手伝い、姉から頼まれたミリタリー物の分厚い本を躱された帰り道、何が起こったのか、目の前には織田信長がいた。綾小路静子は、知らない間にタイムスリップに巻き込まれ、1565年3月の過去世界に来ていたのである。

幸い、織田信長は新しい物に興味を示す男だった。わけの分からない相手を、いきなり斬り捨てるような事はしなかった。目の前の珍妙な恰好の女子は、南蛮人であると考えた。間者にしては間抜けすぎる。何処から来たのか分からないが、召し抱えれば、きっと南蛮技術を得る事が出来るに違いないと信長は考えた。

信長はそのまま通り過ぎようとするが、綾小路静子は保護を求める。信長にとって何の得があるのか問われたので、一生懸命考えた結果、農業が出来るというアピールをする。綾小路静子はその辺に転がっているようなただの女子高生ではなく、農業高校で学んでおり、祖父の手伝いもしていたので、かなりのチート農業を行う事が可能であった。

祖父から貰ったカボチャの種、スイートコーンの種、トマトの種、小松菜の種、辛玉ねぎの種、サトウキビの定植苗、紅あずま、安納芋、玉豊の薩摩芋3品種を偶々持ち帰る途中だったのは幸いだった。

信長に連れて来られたのは、年貢もまともに納める事が出来ないような、荒れ果てた農村だった。この村に指定の年貢の量を納めさせる事が、綾小路静子に課せられた使命だった。

信長の命令で、村人達は綾小路静子に従わなくてはいけなくなるのだが、村や畑を視察したところ、川に向かって土地が傾いているので、雨が降ると土の栄養が流れてしまう事が分かった。静子は、まずは堆肥を作る事にした。

女の子が村長になるという異常事態だったが、失敗すれば村人は信長に殺されてしまうので、反発する者はいなかった。静子は班分けをして、甲班に土壌整備、乙班に木材集め、平班と丁班に堆肥作りをさせる。

荒れ果てた畑を全て復活させるのは無理なので、被害が比較的少ない畑に集中する事にした。まずは薩摩芋だが、菅野式若苗萎れ定植という植え付け方を採用する。畝を作って、増やした苗を植え付けていくのだが、村人は畝も知らなかった。

静子は現代人なので、風呂に入れない事が辛かったが、村長の家の裏にある崖に小さな穴があり、そこから水が流れ出ているのに気づいた。触れてみると、妙に暖かい。運の良い事に、それは温泉の元だった。

村人に穴を広げさせ、お湯を貯める場所を作らせ、石や木炭、川砂、砂利を混ぜてろ過器を設置する。そして、元村長の家があった場所は、温泉に変えられてしまった。

静子が温泉を作ったという知らせは、すぐに信長にも届いたらしく、温泉に入りに来てしまう。温泉に入った事の無い信長を案内した静子は、全身を洗わされる事になってしまった。ついうっかり、武田信玄の隠し湯の話などをしてしまったため、信長に睨まれてしまう。あまりにも色々と知り過ぎている。信長みたいな革新的な男でなかったら、危険人物として斬られてもおかしくない程であった。

静子は信長に見捨てられないよう必死だったので、城に呼ばれた時、日本地図本を献上するのだが、これは戦後時代の何処にも存在しないものであった。

静子が来てから数か月。畑は順調に回復していたが、そろそろ獣害が問題になりそうである。静子は、鹿対策にテキサスゲートとトラバサミを仕掛ける。捕まった鹿は、村人たちが美味しく頂く予定である。静子が率先して鹿の解体を始めるのだが、祖父に習っていたなんて、スーパー女子高生すぎる。

村人たちは農作業に戻らせて、一人で鹿を解体していると、オオカミが寄って来ていた。しかし、オオカミはやせ細り、弱りきっていた。死にかけていたオオカミは、静子が鹿肉を食べさせて助けた事で、懐いてしまう。何故か、助けたオオカミはニホンオオカミではなく、ハイイロオオカミだった。誰かが大陸から持ち込んだものが、逃げ出した可能性が高い。

森可成がやって来て、褒美用の温泉を増築したいと言うので、交渉の結果、村の他の建物も新しくなった。ようやく野菜が出来始めたので、試し収穫の後、薩摩芋、かぼちゃ、スイートコーン、トマトの4種類を信長に献上する事になった。

米ではなく、珍しい野菜を作った理由を問われるが、静子が富国強兵政策を語ると、信長は森可成に農民50人を静子の村に増やすよう命じた。静子は森可成に頼んで、鶏も手に入れる。この頃は、まだ鶏も愛玩用として一部で飼われているだけだったので、あまり数が手に入らなかったのだが、温泉の廃湯を利用して孵化させる事で増やして行く。

サトウキビも量産体制に入った。薩摩芋を育てた後の畑には油菜を植えた。油菜から油を取りつつ、ニホンミツバチの餌にしようと計画する。味噌や醤油の原料に必要なので、大豆の生産も始める。窒素肥料が手に入らないので、自力で堆肥を作る事になる。当然、農薬も無いので、コンパニオンプランツという栽培方法で何とかする。

ある日、静子は山中で野盗に襲われるが、嫁探しに出かけたヴィットマン(狼)が、戻って来て敵を噛み殺す。ハイイロオオカミは2頭に増えていた。何処かに逃げていた雌を見つけて来たらしい。

いよいよ本命の田植えが始まるが、乱植ではなくて正条植で行うよう指示する。明治30年代後半からの技術なので、300年程進んだ事になる。正確に縦横を合わせるため、枠まわしを開発し、苗植え後は米ヌカを散布した。除草作業のために、回転式草取り機も開発する。

この後は、信長からさらに増産するよう命じられるのは目に見えているので、職人の金造さんに人力田植え機や足踏式脱穀機を作るよう依頼している。渡された設計図が落書きレベルなので、金造さんが頭を抱えている事を、静子は知らない。

オオカミも子供を産んで増えた。ヴィットマンが連れて来た嫁はバルディと名付けられ、生まれた子供は順位に合わせてカイザー、ケーニッヒ、アーデルハイト、リッター、ルッツとなった。

信長が美濃包囲網を敷いて、斎藤竜興と攻防戦を繰り広げているが、静子の村は食料増産のため、徴兵されないので平和だった。新技術を駆使して米は大豊作となった。稲刈りは腰に負担がかかるので、押刈り式人力刈取機を用意する事にした。

収穫した米俵を運ぶと、何故か信長に頭をグーで殴られる。俵の大きさが現代とは違ったらしい。静子が用意したのは、尾張で使っている俵の倍もあるお化け俵だったので、蔵に入れるのに困るらしい。慌てて蔵の大きさと、お化け俵の数、普通の俵の数を計算して、静子が入れる量を決めると、なんとか収まった。

先程まで激怒していた信長だったが、静子が計算能力まで持っているのを知って驚く。暫くして、連絡係の小間使いとして、彩という少女が用意されるのだが、これは明らかに見張り役だよね。

彩は静子に連れられて、キノコ狩りに行くのだが、次々としめじ、舞茸、松茸、そして栽培に成功した椎茸を収穫していく。静子の感覚では椎茸はスーパー売っている程度のものでしかなかった。栽培する方法が無い戦国時代には、椎茸は高級品である事など全く考えていなかった。

静子の正体を探ろうとする彩だったが、謎は深まるばかりである。農林水産省、高校、入学と、聞けばアッサリと説明して貰えるのだが、何を言っているのか全く理解出来ないのである。静子の部屋にある箱の中はオオカミが見張っていて探れないし、クロスボウは触っても怒られないものの、見た事も無い新兵器でわけが分からない。

台風が来たので、周囲に被害が出る。静子の村は大豆畑と柵がやられる程度だったが、山にある他の村に続く道が土砂崩れで通れなくなってしまった。さすがに無償奉仕は無理なので、相手の村と交渉し、道を修復する時に出た物や、倒木は静子の村が貰える事になった。

途中で、巨大な花崗岩が道を塞いでいたが、楔を打ち込む事で解体に成功する。花崗岩は織田家が買い取ってくれた。質が良かったので、静子の村と山の村には酒樽まで届けられる事になった。

まだ窒素肥料が足りないので、大豆の収穫量は多くないのだが、静子は早速、味噌と醤油を作ろうと考えていた。サトウキビのほうも、黒砂糖にする作業が始まる。
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