異世界居酒屋「のぶ」 4杯目

4800248779異世界居酒屋「のぶ」四杯目
蝉川 夏哉 転
宝島社 2015-12-04

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「こっちにヒガワリ定食!」「この席にも同じもの二つ!」春が訪れた古都で、威勢のいい声が上がる。昼のランチ営業をはじめた居酒屋「のぶ」は連日大賑わい。その最中で見習い料理人のハンスが気になったのは、連合王国から来た商人が持ってきた豆―大豆だった。さらには、大豆の入った壺からは醤油の匂いがして…。異世界にも醤油が存在するかもしれないという事実に、ハンスの胸は高鳴る。連合王国にその答えがある…?


4巻で、初めて周辺地域の地図が描かれるが、地球のユーラシアを反転させたような世界なのかと思っていたら、まさか東王国が西側にあるなんて! どうやら、旧西王国というものがさらに向こう側にあったらしい。国境が描かれていないので、現在は聖王国の領土になっているみたいだが。海の向こう側は連合王国なので、だいたい地球の欧州と同じ感じである。


貧しい故郷を出て、旅の商人となったマルコは、古都に辿り着いた。偶々、見かけた居酒屋のぶに入ったところ、ウニを出される。子供の頃、病気になった時に食べさせてもらったウニを思い出したマルコは、故郷に戻って商会を立ち上げる決心をする。

居酒屋のぶで修業中のハンスの悩みは味噌と醤油だった。どちらも、異世界の食材なので、暖簾分けした後、入手出来ないと困るものである。ある日、仕入れた壺に醤油の匂いがついていた事から、連合王国に醤油が存在する可能性が出て来た。

薬師イングリドの弟子カミラは生魚を食べた事がなかった。一人で居酒屋のぶに来た時、刺身を食べさせてもらって気に入るのだが、師匠のイングリドは生魚を食べる事を許してくれなかった。しかし、色々と理由をつけてはいるが、実は自分が生魚にあたって食べられなくなったから反対しているだけだったとは、大人げない師匠である。

ローレンツは金貨50枚で硝子の研磨皿を聖王国から仕入れたのだが、思うように仕事が入らないため、ふさぎ込んでいると思われていた。みんなで元気づけようと、居酒屋のぶで飲み食いするのだが、実は同時に取り寄せた酒の飲み過ぎて、二日酔いだったから大人しくなっていたなんて、人騒がせなおっさんである。

筍が手に入ったので、しのぶが準備をしていると、山菜を持ってきたイングリドがそれも買い取ってくれるのか聞いて来る。どうやら、この世界にも筍があるらしい。しかし、この世界の人間は、緑筒と呼ばれているものの若木が食べられるという事をしらなかった。ちなみに、ブランターノ男爵の領地にたくさん生えているらしいが、グルメ貴族も筍が食べられるとは知らなかった。

筍の事を聞いたブランターノ男爵も居酒屋のぶにやってくるが、その日はクローヴィンケルではなく、黒髪の美女を連れて来た。相手はブランターノ男爵の妻カルラだった。カルラは領地にいた家臣の娘で、たくさんいるライバルに混ざって嫁取りレースに参戦し、勝ち取ったらしい。

カルラは言い寄る男5人に、九態の光壁、燕竜の子安貝、月の石、創縁の護符、黒い薔薇と、珍しい宝物を持って来るよう課題を出した。ブランターノ男爵の課題は、東国にあると噂される黒い薔薇だったので、自分で旅に出て取って来たらしい。入手出来たのはブランターノ男爵だけだったため、カルラが嫁になったのだが、某月の姫と同じような話ではないか。

東王国の奇譚拾遺使、ジャン=フランソワ・モーント・ド・ラ・ヴィニーは、まだ古都にいた。王女摂政宮が身分を捨てて帝国の皇后となってしまったため、東王国も混乱し、自分の転属願いは退けられてしまったのである。混乱の中で、密偵を束ねる立場に昇進してしまった。

立場に見合う情報を手に入れなければいけないと思い、居酒屋のぶにやって来るのだが、奇譚拾遺使秘伝の技術で変装したつもりが、またもや一瞬でしのぶにバレてしまう。さらに、かつて奇譚拾遺使を束ねていたセレスティーヌが現れる。セレスティーヌは大豆について話し合っていたのだが、ジャンはダイズが何なのか分からなかった。

相手方が硝石収集局まで動かしているとなると、きっと重要な情報に違いないと考えたジャンは、セレスティーヌが食べていたイチゴのケーキや、ダイズについての報告書を本国に送るのだった。実は比較的どうでも良い情報ではあるのだが、幼王ユーグにとっては重要な事だった。

ロンバウトはビッセリンク商会の御曹司である。今までバッケスホーフ商会が牛耳っていた古都が空白地帯となってしまったため、父に命じられて支社を作るために赴任してきた。最初は何も期待していなかったのだが、居酒屋のぶの仕出し弁当の中にアスパラガスが入っていた事で、見方が変わってくる。

後日、居酒屋のぶを見かけたロンバウトが入ってみるのだが、そこにはフーゴがいて、眼鏡のレンズを見せられる。眼鏡が売り物になると判断したロンバウトは、フーゴと契約する事に決める。

連合王国の貴族アリイルと聖職者トマスは知り合いだった。居酒屋のぶで、世界を揺るがす真実について話をしていたのだが、その事はトマスの口から公表しないほうが良いという事になる。地動説を唱える事は、聖職者としては致命的なので、天体観測はアリイルに任せる事にした。アリイルは、醤油について知っていた。やはり、連合王国の何処かに醤油が存在するらしい。

連合王国のナ・ガルマンには、帝国から逃げて来たダミアンが滞在していた。ダミアンが酔っぱらって荒唐無稽な話を始めるのだが、トリアエズナマという飲み物について反応したのは、ヨダ・コーザという男だった。

ロンバウトは、古都の近くにあるサクヌッセンブルク侯爵を訪ねていた。最初は田舎貴族だと思っていたが、ここでは天ぷらという知らない料理を出される。そして、ロンバウトの好物であるアスパラガスも出て来た。古都を蘇らせるために、通行税のかからない湿地帯に水路を作る計画は、サクヌッセンブルク侯爵のほうが、ロンバウトちよりも進んでいた。

連合王国の村で、ダミアンから聞いたトリアエズナマに反応したヨダ・コーザがやってくる。ヨダ・コーザの本名は依田康三郎で、日本から来た醤油職人だった。父親が遺した醤油工場の裏口が異世界と繋がっていたので、連合王国で大豆を栽培し、醤油を作っていたらしい。

この世界で結婚した嫁が、裏口を燃やしてしまったため、日本に戻れなくなってしまったのだが、どうやら居酒屋のぶとは違った力で、異世界への通路が開かれているようである。



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異世界居酒屋「のぶ」 3杯目

4800268737異世界居酒屋「のぶ」三杯目 (宝島社文庫)
蝉川 夏哉 転
宝島社 2017-03-04

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ニコラウスに連れられて居酒屋のぶを訪れた衛兵のハンスだったが、今では衛兵を辞めて、料理人になるためタイショーの下で修業している。ニコラウスのほうも、水運ギルド【鳥娘の舟歌】のマスター、エレオノーラと親密になって行くので、そのうち衛兵を辞めてギルドに移るのではなかろうか。

マクシミリアンはヒルデガルドを連れて古都に向かう途中だった。喧嘩をしたので、ヒルデガルドが口をきいてくれないのだが、居酒屋のぶで美味しいものを食べて、仲直りする事になる。

それにしても、こんなに若いヒルデガルド(12歳)を嫁にするなんて、一体何処のロリコン貴族なのかと思っていたが、マクシミリアンのほうが年下だった。政略結婚だったとはいえ、美少女と可愛い系の少年貴族だから、釣り合いが取れていてお似合いである。

東王国の奇譚拾遺使、ジャン=フランソワ・モーント・ド・ラ・ヴィニーが変装して、再び居酒屋のぶを訪れる。奇譚拾遺使の主である王女摂政宮セレスティーヌ・ド・オイリアの命により、古都の探索が任務となったからである。

前回とは別人になっているつもりのジャンだったが、しのぶにはサラダの好きなお客様だとバレてしまった。ジャンは、帝国の硝石収集局が動いているのではないかと警戒する。完全にジャンの勘違いなのだが、クシカツのソースをこぼした事で、敵方の組織に自分の事がバレていると思い込んで去っていくのだった。

商人のイグナーツは、聖王国のササリカ米を仕入れすぎて困っていた。値段が下がっていたため、予想以上の量が到着してしまったのである。倉庫を圧迫したままだと、次の仕入れが出来なくなる。そんな時、倉庫の中まで徴税請負人のゲーアノートが入って来た。

徴税されるのではないかと警戒するイグナーツだったが、ゲーアノートの助けもあり、古都周辺に領地を持つサクヌッセンブルク侯爵が救貧備蓄食料として買い取ってくれる事になる。

ゲーアノートの弟アウグストは、旅の役者である。兄からの仕送りで病弱な妻の薬も買えて助かっているので、古都まで会いに来たのだが、ゲーアノートはすぐ側にいながら名乗り出ない。徴税請負人は嫌われ者の仕事であり、弟にはどんな仕事をしているのか隠していたからである。結局、知らないフリをする事にかけては、役者のほうが上手だった。

眼鏡っ娘セレスが居酒屋のぶにクシカツを食べに来た。しかし、タイミングが悪く、クシカツはやっていなかった。代わりにアップルパイを出してもらうのだが、その上に氷菓を乗せられる。それは東王国摂政宮セレスティーヌ・ド・オイリアでさえ生涯に一度しか食べた事のない至高の珍味だった。

ブランターノ男爵と吟遊詩人クローヴィンケルが居酒屋のぶにやってきた。貴族の集まりで狩りに行ったが、その後は抜け出して来たらしい。獲物が獲れない時は、同行する肉屋から買ってなんとかするようになっているのだが、料理してくれと買ってきた豚肉を渡される。

しのぶが圧力鍋を買ってタイショーにプレゼントしていたので、豚の角煮が作られる。各地を旅する美食家のクローヴィンケルも、短時間で肉が柔らかくなるような料理法は知らなかった。この世界には圧力鍋なんて無いだろうし。

ハンスが職人にならず、衛兵も辞めてしまったから、親のローレンツともギクシャクしていたのだが、ようやく和解した。タイショーからハンスに課題が出され、トリアエズナマと合う料理を考えるように言われるのだが、作り出したペリメニは、餃子によく似た食べ物だった。

古都の物流は河川に頼っているが、最近は領地を通る際、河川の通行に税金をかけられて負担が大きくなっている。湿地帯を整備して交通網を整えるという案が浮上していたが、ラインホルト達は、古都参事会の議長となったマルセルから、大変な事を知らされる。

ずっと未婚のままだった帝国の皇帝が、古都でお見合いをする予定らしい。しかも、お見合い相手は東王国の王女摂政宮セレスティーヌ・ド・オイリアだった。いっそ、皇帝と王女摂政宮のお見合いを居酒屋のぬぶでやってはどうかと思うラインホルトだったが、さすがに言い出せなかった。

先帝が決めたので、仮想敵国の王女セレスティーヌとお見合いをしなければならなくなった皇帝コンラートは、つい抜け出して古都の街を歩いていた。考え事をしていたため、人にぶつかりそうになるのだが、出会ったセレスに一目惚れしてしまう。

コンラートはセレスに誘われて居酒屋のぶで食事をするのだが、翌日のお見合いが苦痛になった。配下のゼバスティアンに相談して、それらしき貴族の娘を調べてもらうが、該当者が見当たらない。まさか、自分が街中で出会った運命の相手が、翌日にお見合いする予定の、東王国の王女摂政宮セレスティーヌ・ド・オイリアだとは気づいていなかった。


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異世界居酒屋「のぶ」 2杯目

4800265037異世界居酒屋「のぶ」二杯目 (宝島社文庫)
蝉川 夏哉 転
宝島社 2016-12-06

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居酒屋「のぶ」が異世界の古都と繋がってから約半年の月日が流れ、季節は夏から秋へ。常連となったお客たちにはお気に入りの料理ができたようで、「イツモノ!」という注文の声が上がる。そして新しいお客も「のぶ」を訪れる。放浪の女傭兵、詩人を目指す放蕩息子とその付き人の料理人、さすらいの吟遊詩人、そして黒いローブを纏った老女。居酒屋での出会いが人と人を繋いでいく。温かな異世界グルメファンタジー、第2弾。


リオンティーヌ・デュ・ルーヴという女傭兵が古都にやって来た。リオンティーヌは衛兵のニコラウスに声をかけられ、お勧めの店を紹介してもらった。

居酒屋のぶに入ってきたリオンティーヌは、領地持ちなのに結婚もせずに傭兵をしているという、変わり種のようである。敵として対峙した<鬼>を想い人として探しているそうだ。敵がいない穴場に陣取ったはずが、<鬼>は的確に読み取っていたらしい。

守りの薄い場所を攻められて激戦になるが、<鬼>は、リオンティーヌが女だと瞬時に見抜き、手加減してくれたらしい。本当は、鬼が苦手なイカの兜をしていたから助かったのだという事を、リオンティーヌは知らない。戦場の話に客達は盛り上がるが、聞いている途中で、しのぶやヘルミーナは、鬼が誰の事なのか分かってしまった。

【鳥娘の舟歌】のギルドマスター、エレオノーラも居酒屋のぶの常連になっている。秋刀魚を食べていると、酔っぱらったニコラウスが話しかけてくるのだが、秋刀魚の残りをニコラウスがほぐして、タイショーに秋刀魚ご飯をお願いする。酔っぱらっているからニコラウスは覚えていないかもしれないが、フラグが立ちそうな兆しが。

【金柳の小舟】のラインホルトと、ゴドハルトが一緒に飲んでいる。今や、古都の水利権はゴドハルトが握っている。ラインホルトも、ゴドハルトと組んだ事で、一息つけるようになったので、文句はない。今回は、海岸部からタコを仕入れて、古都に流通させたいという相談だった。

古都の近くの森には魔女が出るという噂があった。ある日、居酒屋のぶに真っ黒いフード付きの帽子をかぶった女性が入ってきたので、エーファは魔女ではないかと怖がる。イングリドは森の中で薬を作っていたが、最近、古都に引っ越して来たらしい。

師匠を探してカミラという女の子もやって来たので、特製プリンを出してあげるのだが、イングリドが欲しがったので、隠していた分まで食べられてしまう。

エトヴィン助祭がトマスと共に居酒屋のぶに来ていた。バッケスホーフと関係がある大司教が枢機卿の階位を狙っているらしいので、その絡みで聖王国のヒュルヒテゴット枢機卿に会いに行かなければいけないらしい。エトヴィン助祭が不在の間は、トマスが代わりに仕事をするようである。

大司教が古都にやってきて、暫く滞在するので、目抜き通りからガラの悪い奴らが追い出されたらしい。その影響で、居酒屋のぶの客層がいつもより悪くなっていた。ヘルミーナがゴロツキにちょっかいをかけられたところ、遊び人のアルヌが追い出してしまう。

逆恨みして仲間を読んできたクズも、アルヌが全て倒した後、お金を巻き上げたので、居酒屋のぶでゴロツキが飲食した分の支払いになった。

薬師のイングリドも居酒屋のぶで飲むようになるのだが、いつも天ぷらとプリンを食べている。イングリドは、アルヌと一緒にいる時、聖王国の昔話を始める。

ノッポの尼とチビの学僧が、サクヌッセンブルク侯爵のもてなしをする係に抜擢されたが、侯爵領のしきたりで、キノコ料理は出してはいけなかった。それを調べ損ねたチビの学僧は、キノコ料理でもてなしてしまった。侯爵は何も言わなかったが、誰かが責任を取らなければならない。ノッポのほうが全ての責任をかぶると、聖王国を去ってしまった。

ブランターノ男爵がまたやってきた。今回はクローヴィンケルという有名な吟遊詩人を連れて来た。クローヴィンケルが他人を見極める目は確かなもので、タイショーも心の迷いを言い当てられてしまう。クローヴィンケルが最も自信のある料理を食べたいと言い出したので、タイショーとちょっとした勝負になってしまう。

エンリコ・ベラルディーノ大司教は魔女を探していた。かつてバッケスホーフ商会に雇われていて、居酒屋のぶを逆恨みするダミアンという男は、大司教の下で魔女探しを手伝っていた。ダミアンは、居酒屋のぶが魔女の塒であると告げ口するのだが……。

いきなりやってきた大司教は、魔女を探してはいたが、魔女狩りで箔をつけるためではなかった。かつて、自分の失敗の責任をかぶったノッポの尼イングリドが、魔女になると出て行ったため、ずっと探し続けていたのだ。大司教は、かつてチビの学僧だった。

目論みが外れたダミアンは、居酒屋のぶの裏口から逃げ出すが、神の力により向こう側にある京都に行く事は阻止される。鬱蒼と茂る森の中で迷い、異教の神殿を守る朱塗りの鳥居に覆いつくされた石畳の山道から出られなくなる。疲れ果てて身動きが取れなくなったダミアンが古都の裏路地で見つかるのは、それから数日後のことだった。

遊び人アルヌーの正体も明かされる。アルヌーは家を継ぎたくなくて、逃げ出して吟遊詩人になろうとしていたのだが、その心の迷いも吟遊詩人クローヴィンケルに見破られてしまう。タイショーが出した肉じゃがを食べた時、迷いが吹っ切れて、家を継ぐことを決心した。翌朝、サクヌッセンブルク侯爵アルヌ15世が即位する事が布告された。


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異世界居酒屋「のぶ」

4800260000異世界居酒屋「のぶ」 (宝島社文庫)
蝉川 夏哉
宝島社 2016-08-04

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異世界に繋がった居酒屋「のぶ」を訪れるのは、怠け者の衛兵たち、お忍びの聖職者、水運ギルドのマスターなど個性的な面々ばかり。彼らは、寡黙な店主、ノブ・タイショーが振る舞う驚くほど美味い酒や、未体験の料理に驚き、舌鼓を打ちながら、つかの間、日々のわずらわしさを忘れるのだ。この居酒屋の噂は客から客へと広がり、連日様々なお客がやってくる。さて今夜、居酒屋「のぶ」にはどんなお客が訪れ、どんな物語が紡がれるのか…。暖簾をくぐれば異世界が広がる…なろうコン大賞受賞の異色作!


居酒屋ごと異世界に行ってしまう話。但し、行きっぱなしではなくて、裏口は日本に繋がっている。どうやら、この居酒屋は日本と異世界に、同時に存在している形になっているらしい。日本にある仮店舗のほうが消えてしまったら事件になるからね。

異世界では、ドイツ風の帝国(領邦や司教領がたくさんあるらしいので、神聖ローマ帝国がモデルではなかろうか)の直轄領、古都アイテーリアの通りに収まっている。いきなり建物だけ古都の区画に出現して嵌り込んで騒動にならないのかと思ってしまうが、その辺は、異世界に繋げた神が上手くやったのであろう。

普通の料理物というより、異世界人が知らない料理を食べてカルチャー・ショックを受けるタイプの作品になっている。一話完結型で短編が繋がって行くので、隙間時間に読めるのが良い。

居酒屋の主は矢澤信之という青年で、老舗料亭で修業をしていたが、独立して居酒屋を始めた。のぶの看板娘は千家しのぶというお嬢様で、老舗料亭の娘だったが、店の再建のために銀行の副頭取の息子との結婚を強要されて家出した。

タイショー(矢澤信之)は、念願の店を持ったが、表側が異世界と繋がってしまったため、日本ではないところで影響しなくてはならなくなる。最初は大変だったようだが、冒頭ではすでに常連客がつき始めている。

古都で衛兵をしているハンスは、良い店を見つけたというニコラウスの案内で、居酒屋のぶにやってくる。その店は、入口がガラス戸で出来ているので、ハンスは金の支払いを心配する。どうやら、この世界ではガラスが高級品らしい。初めて飲んだトリアエズナマというエールは、今まで自分が飲んできたものが牛の小便だと思えるほど、別次元の味だった。

ハンスに連れられて、中隊長のベルトホルトがやってくる。ベルトホルトは鶏肉を注文する。古都では老いて硬くなった鶏肉しか出回らないのだが、居酒屋のぶでは若鶏の唐揚げが出て来た。賄い用のチキン南蛮は食べさせてもらえなかったので、翌日の仕事が終わると、居酒屋のぶまで走って行く事になる。

来るのは良い客ばかりではない。羽振りの良さそうな新店舗に目をつけたのは徴税請負人のゲーアノートだった。税を多く取るほど、差額で潤う職業なので、居酒屋のぶを狙っていたのだが、タイショーが買い出しから戻らない間に、シノブが用意した賄い用のスパゲッテシ・ナポリタンを食べて宇宙を見てしまう。ゲーアノートは徴税せずに、常連客となってしまう。

貴族のお嬢様ヒルデガルドが婚姻前に連れられてきて、「臭くなくて辛くなくて酸っぱくなくて苦くなくて固くなくてパンでも芋でもお粥でも卵でもシチューでもない美味しいものが食べたい」という難題を出すが、タイショーは餡かけ湯豆腐を出す。

イグナーツが、妹と結婚する予定のカミルと一緒にやってくる。古都は内陸にあるので、新鮮な魚は出回らない。魚を生のままで食べるのは勇気がいる行為だったが、居酒屋のぶの刺身や海鮮丼は新鮮だった。

ある日、しのぶが開けた覚えもないのに、表側のカギが開いていた。中に侵入者がいるかもしれないと思い、常連客に衛兵を呼んで来てもらう。コミカライズでは、肉屋のフランクに頼んだよね。フランクが常連なのだろうか。

中にいたのは、エーファという小さな女の子だった。水道の蛇口が欲しくなって、店の中に入ったらしい。蛇口だけ盗んでも水は出ないことを説明し、このままではエーファが泥棒として裁かれるので、皿洗いとして雇う事に決めてしまう。店主はタイショーなのに、勝手に決めて良いのだろうか? バイト料は日本円じゃなくて、異世界の貨幣だから、人件費としてはかなり安そうだけど。

ニコラウスが助祭エトヴィンと一緒にやってくるが、すでに問題は解決していたので、エーファはお咎め無しとなる。衛兵達が、堅物そうな助祭が古都に来たと心配していたが、エトヴィンもいつの間にか居酒屋のぶの常連になっていたので、全く問題無かった。

ある日、貴族の部下がやってきて、店を貸し切りにしろと言い出すが、断ったところ、店の前が某世紀末みたいな事になり、客が入れなくなる。実質上、貸し切り状態になってしまった居酒屋のぶにやって来たのは、古都の近くに領地を持つブランターノ男爵だった。

ブランターノ男爵は、とある貴族の結婚披露宴で年若い花嫁が挙げた餡かけ湯豆腐というものを食べたいと言い出す。寒い季節でないと美味しく食べる事が出来ないと断ると、シュニッツェルを作れと言い出す。

タイショーがシュニッツェルについて調べに行っている間に、しのぶが食べようとした賄いのサンドイッチを気に入り、もっと食べたいというのでカツサンドを出すと、満足して金貨の入った袋を置いて帰ってしまった。嫌な客だと思ったけど、金貨を袋ごとくれるなんて、素晴らしいじゃないか。

徴税請負人のゲーアノートが絶賛する店だと聞いて、鍛冶ギルドのホルガー親方がやって来る。そこへ、衛兵をしている息子から店の話を聞いた硝子職人のローレンツが入って来た。この2人は仲良く喧嘩する間柄のようであるが、だんだん口コミで客が増えてきたよね。

中隊長ベルトホルトは、戦場でイカの兜をしている戦士に怯んで怪我をしたほど、イカが苦手である。居酒屋のぶのイカ尽くしで無理やり食べさせられるのだが、結婚相手の親がイカ漁師なので、絶対に克服しなければいけないのだった。イカが巨大なものと勘違いして苦手になっていたベルトホルトだったが、後日、お見合いで相手の親が釣ってきたクラーケンを食べさせられる事になるとは知らない。

ある日、居酒屋のぶに怪しい美女が来た。ナッツ類ばかり食べていて、酒を飲まないのだ。客達はいろいろと詮索するのだが、エーファ以外は正体を見抜く事が出来なかった。なんと、美女の正体は男で、以前も来たことがある商人のイグナーツだった。どうやら、義弟のカミルと女装がバレるかどうか賭けをしていたらしい。

東王国の密偵ジャン=フランソワ・モーント・ド・ラ・ヴィニーが居酒屋のぶにやって来る。帝国について調べられている情報を覆すような料理ばかり出て来るので、ジャンは仰天してしまう。サラダにはタラの卵が混ざったソースがかかってピンクになっているし、ポテトには高級品であるはずのペッパーがかけられる。そして、今まで食べた事のないカルパッチョは、鯨の尾の身だった。今まで密偵をしてきて、鯨を獲る方法など聞いた事もなかった。

タイショーが買い出しに、しのぶが古都の散歩に出かけたので、エーファは一人で留守番と店の掃除をしていた。ふと見ると、神棚に供えられた油揚げを咥えたキツネが出て行こうとしていたので、慌てて追いかけてしまう。

裏口から出ると、見た事も無い巨大な建物や、馬のいない馬車が通る場所だった。古都の祭りの日よりも歩いている人が多かった。エーファは警察に保護されそうになり、人攫いだと思って慌てて逃げ出すが、迷子になったので戻れなくなってしまう。こちら側の神の御使いによって、戻してもらえるが、神棚に供えるものに、稲荷寿司が加わった。

居酒屋のぶの店内で、水運ギルドの会合が開かれ、いろいろと揉めていた。古都に3つあるギルドの諍いを解決する鍵は、生臭くて人気の無いウナギだった。古都ではウナギの人気が無いので安く買えるのだが、タイショーが料理したウナギの蒲焼きが評判になる。

ベルトホルト中隊長が、新妻のヘルミーナを連れてやってくる。新居の住人が引っ越すために手配していた馬車を、東王国の僧侶が破格の値段で借り受けたために予定がズレ、ベルトホルトも入居出来なくなってしまったのである。意外なところで居酒屋のぶが絡んでいるのだが、誰も気が付かない。

衛兵の寮に新婚用の荷物を突っ込んで、夜は宿屋に泊るらしいのだが、昼間はヘルミーナの居場所が無くて困っているらしい。ウナギの蒲焼きで忙しいので、ヘルミーナも居酒屋のぶを手伝う事になる。

古都にはバッケスホーフ商会という腹黒い大手商人がいるのだが、居酒屋のぶとトリアエズナマを狙ってちょっかいをかけてくる。トリアエズナマが帝国で禁止されているラガーではないかと疑われるのだが、相手方についたと思われたゲーアノートも居酒屋のぶの味方だったので、最終的にバッケスホーフのほうが自滅してしまう。

ヒルデガルドを連れて来たヨハン=グスタフが、今度は老人を連れて来る。ヨハン=グスタフが、老人にトリアエズナマを飲ませるよう頼むのだが、その結果、ラガー流通禁止令の勅令が撤回される事になる。そして、料理を運んできたエーファが転んだことにヒントを得た老人は、北部の三領邦離脱問題も解決してしまう。どうやら、訪れたのか帝国の先代皇帝だったらしい。

エーファが転んだ時に、ハンカチをくれたのだが、後日それを見たゲーアノートは、先代皇帝にしか許されない三頭竜に鷹の爪の紋章が描かれているのに気づいてしまう。先代皇帝と関わりのあるような恐ろしい店からは、絶対に無理な徴税は出来ないと思うのだった。


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異世界居酒屋「のぶ」

4041037808異世界居酒屋「のぶ」(1) (カドカワコミックス・エース)
ヴァージニア二等兵 転
KADOKAWA/角川書店 2015-12-26

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古都アイテーリアの裏路地に繋がった、居酒屋「のぶ」。異世界の住民達は、馴染みのない異国風の料理と冷えた「トリアエズナマ」のあまりの美味さに次々と虜になっていくのだが…!?異世界グルメファンタジー開幕!


おでんのじゃがいも
夜空に月が二つ輝く異世界にある、城壁の古都アイテーリアが物語の舞台となる。本日は給料日である。ハンスはニコラウスが最近見つけたという、お勧めの酒屋に誘われたのだが、そこは中世ヨーロッパ風の街並みに全く溶け込んでいない、妙な居酒屋だった。兵士たちが読めない未知の言語で店名が書かれているのだが、そこは「居酒屋のぶ」だった。

「居酒屋のぶ」は看板娘のしのぶちゃんから取った名前かと思ったのだが、店主の名前だった。生ビールがトリアエズナマという飲み物だと思われているのが笑える。ハンスは入口がガラスでビールジョッキもガラスなのに驚く。

トリアエズナマは透き通る黄金色で、ハンスが今まで飲んでいたエールが牛の小便だと思うくらい、異次元の美味さだった。オトーシの枝豆のあとは、寒い季節だったので、おでんが出て来る。

大根、蒟蒻、牛スジ、ちくわが入っているのだが、北方神話の神の名前に似ているので、ハンスは寒い地域の伝統料理だと思い込む。いつの間にかニコラウスが飲んでいたアツカンも飲んだことがない美味い酒だった。


若鶏の唐揚げ
居酒屋のぶは古都を守る兵士の間で評判になり、ハンスは中隊長ベルトホルトを案内する事になる。ハンスは、ニコラウスが頼んでいたのを覚えてスルメを注文するが、ベルトホルトは触手系が苦手なようである。品書きが未知の言語で書かれていて読めないのだが、タイショウがだいたい何でも出来るというので、鶏肉料理をお願いする。

古都では卵を産まなくなったかたくて不味い廃鶏しか出回らないので、ベルトホルトはあえて注文してみたのである。タイショーがしのぶを買い物に行かせるのだが、店の裏は見た事も無い通りに繋がっていた。

ベルトホルト隊長は若鶏の唐揚げが出て来て、そのジューシーさに驚く。タイショーとしのぶが賄いのチキン南蛮を食べ始めたので、気になって仕方がないベルトホルトは、翌日の訓練が終わると、走って食べに行くのだった。


しのぶちゃんの特製ナポリタン
居酒屋のぶには厄介な相手が食べに来ていた。ゲーアノートいう徴税請負人である。徴税請負人は、税収を多く取ると、差額が自分の取り分になるのである。タイショーが買い物から戻らないので、ゲーアノートはパリパリキャベツ(キャベツを並べただけ)を食べているのだが、しのぶが賄いのパスタを食べようとしたところ、それを欲しがる。

しのぶは難しいのは出来ないので、味はお任せになる。ゲーアノートの前にはナポリタンが出て来る。ナポリタンにチーズとタバスコをかけたところ、生命と宇宙全ての答えを感じてしまった。ゲーアノートはガッツリ税金を取ろうとしていたのだが、味に感動して金貨を置いて去って行く。


お嬢様の難題
ヨハン=グスタフが姪のヒルデガルドを連れて来るのだが、お嬢様は「臭くなくて辛くなくて酸っぱくなくて苦くなくて固くなくてパンでも芋でもお粥でも卵でもシチューでもない美味しいものが食べたい」と言い出す。

いつもなら料理人はこの難題に答えられないのだが、居酒屋のぶのタイショーは違った。ヒルデガルドの目の前にカセットコンロが置かれ、鍋でお湯が沸き始める。そこに豆腐が入れられ、完成したのは餡かけ湯豆腐だった。その後も、色々と出て来るので、2人とも満足そうだった。


はじめての海鮮丼
面白い店があると衛兵に教えてもらったイグナーツが、妹と結婚する予定のカミルと一緒に、居酒屋のぶに来る。古都は内陸にあり、新鮮な魚が手に入らない。生のままで食べるのは勇気が必要だったが、刺身も海鮮丼も鮮度が良かった。


豚汁
冬場になると、古都では物流が止まって料理の質が落ちる。固いパン、脂身ばかりのベーコン、酸っぱいエール。衛兵は体力勝負なので、いつまで続けられるのか分からない。後ろ向きな気持ちになりかけたので、ニコラウスは居酒屋のぶに向かう。

居酒屋のぶには、すっかり常連になったハンスがいた。順調に客も増えているみたいで、税金を取ろうとしていた徴税請負人のゲーアノートまで、常連になっているようである。


4041044251異世界居酒屋「のぶ」 (2) (カドカワコミックス・エース)
ヴァージニア二等兵 蝉川 夏哉
KADOKAWA/角川書店 2016-06-30

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キスの日
給料日なので、居酒屋のぶに行こうとするニコラウスだったが、中隊長に居残りを命じられてしまう。ハンスは大丈夫だったので、居酒屋のぶに向かった。途中で、教会から出て来る新しい助祭を見かけるのだが、見るからに堅物そうな爺さんなので、居酒屋のぶの事が心配になる。異教徒を街から追放するような司祭もいるからである。

しのぶの機嫌が良いのだが、「今日はキスの日なんです」と爆弾発言するので、周囲の男達が動揺する。しのぶの故郷には、なにやらけしからん風習でもあるのではないかと思われかけるのだが、キスとは魚の名前だった。

キスの日なので、キスの天ぷらが出て来るのだが、高級品の紙が器に敷くために使われてハンスは驚く。紙は、料理から余分な油を吸い取るためのものだった。


盗人
店の掃除や昼間の用事が済んだので、表を掃きに行こうとしたしのぶは、鍵が開いているのに気づいてしまう。自分がそんなミスをするわけがないので、誰かが店内に侵入した可能性が高いしのぶは外にいたお肉屋のフランクに頼んで、衛兵を読んで来てもらう。

フランクが衛兵のところに行き、事情を説明していると、たまたま通りかかった教会のエトヴィン助祭に聞かれてしまった。エトヴィン助祭は、衛兵の仕事を見学したいと言い出し、現場までついて来ることになってしまった。

居酒屋のぶでは、タイショーが賊に襲われたら店を続けられなくなると思ったしのぶが、勇気を出して店内に戻っていた。中に居たのは、エーファという小さな女の子だった。水が出て来るのを見て、水道の蛇口が欲しくなったらしい。

タイショーが店に降りて来たので、しのぶはエーファを新しく雇う皿洗いのバイトだと説明する。ここで初めて、店主のフルネームが判明した。タイショーは矢澤信之というらしい。

ニコラウスと助祭が駆け付けた時には、すでに居酒屋のぶは平常営業していた。盗人の件は上手くおさまったのだが、堅物に見えて衛兵に警戒されていたエトヴィン助祭が、実は居酒屋のぶの常連だった。一緒について来たのは、教会では春分までは粗食しか出来ない事になっているからだった。エトヴィンは、出されたものを断るのも神の意に反するという言い訳をし始めるのだった。


招かれざる客
昼間の古都を散策していたしのぶが店に戻ると貴族の使者がいて、いきなり上から目線で店を貸し切ると言い出す。いきなり貸し切ると言われても、他の多くのお客様が楽しめなくなってしまうので断るのだが、使者は捨て台詞を吐いて去って行くのだった。

暫くすると、店の前が某世紀末みたいな事になってしまっていた。これでは客が入れないではないか。クズな使者と共にやってきたのは美食家のブランターノ男爵だった。

とある貴族の結婚披露宴で、これまで食べたものの中で何が一番美味だったかという話になったのだが、年若い花嫁の挙げたアンカケユドーフを、その場にいた貴族すべてが食べた事がなかった。アンカケユドーフよりも、あのロリな貴族令嬢が結婚した事のほうが驚きである。まだ小学生くらいじゃないか。

季節限定メニューだから、アンカケユドーフは作れないと断ると、シュニッツェルを求めてきた。タイショーが衛兵のところにシュニッツェルについて聞きに行っている間、しのぶは賄いのサンドイッチを作るのだが、ブランターノ男爵はそれを求めて来た。

サンドイッチは気に入ったようだが、もっと欲しいと言うのでカツサンドを作ったところ、タイショーが戻って来る前に、満足して帰ってしまった。貴族は厄介な相手だけど、金払いは良さそうだよね。ブランターノ男爵も、お金を袋ごと渡して帰って行ったし。


親方喧嘩
ゲーアノートという徴税請負人が絶賛している店だと聞いて、鍛冶ギルドのホルガー親方がやって来る。そこへ、衛兵をしている息子から店の話を聞いた硝子職人のローレンツが入って来た。お互い言い合いになるが、犬猿の仲かと思ったら、そうやって楽しんでいるだけのようである。


中隊長の弱点
中隊長ベルトホルトが店にやって来る。基本的に出された料理は何でも食べる男だが、イカだけは駄目らしい。お見合い相手の父親がイカ漁師なので、どうしてもイカを克服しなければならないらしい。イカを出されるが、ベルトホルトは食べる事が出来ずに帰ってしまった。

後日、ベルトホルトがエドウィン助祭と一緒に店に来ると、イカ尽くしの日になっていた。イカそうめん、イカのシオカラ、いか団子、いかの生姜煮、ホタルイカの沖漬け、イカリングフライと、いろいろ出されたのだが駄目だった。

ベルトホルトは、船乗りだったひい爺さんから聞いた海面を埋め尽くすイカの群れや、巨大イカの話がトラウマ化してイカ嫌いになったらしい。タイショーにイカの実物を見せられて、イカを克服する事が出来た。しかし、イカ漁師であるお見合い相手の親が、お見合い用にクラーケンを獲って来ることを、ベルトホルトはまだ知らなかった。


ふしぎの国のエーファ
ある日、タイショーが仕入れの買い出しに出かけ、しのぶが散歩とお肉屋のフランクさんのところに出かけ、エーファは留守番を頼まれた。ふと見ると、神棚のアブラアゲを咥えた狐が裏口から出て行ったので、エーファは追いかけてしまう。

裏口は危険だから出てはいけないと言われていた。裏口の向こう側は、見た事もない場所だった。狐を追いかけていると、空気が汚れていて、馬のいない馬車がたくさん走る通りに出て、迷子になってしまう。というか、ここは四条河原町じゃないか。まさか、居酒屋のぶの裏口が京都だったなんて! 古都繋がりで、神が繋げたのか?

エーファは迷子として警察に保護されそうになるが、人攫いかもしれないと、怖くなって逃げ出す。神社に辿り着くと、そこに狐がいて、元の世界に戻してもらえた。居酒屋のぶが異世界と繋がっているのは、倉稲魂命の力によるものらしい。

エーファが聞いた神の御使いの伝言で、神棚のお供えは月1回イナリズシになった。






404104426X異世界居酒屋「のぶ」 (3) (角川コミックス・エース)
ヴァージニア二等兵 転
KADOKAWA 2017-02-04

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仁義なき蒲焼き
居酒屋のぶの店内は、水運ギルドの会合で、客が入って来なくなるほど空気が悪かった。古都には、ラインホルトが頭を務める古き格式のあるギルド【金柳の小舟】、エレオノーラとその母親が率いる金と権力を持つギルド【鳥娘の舟歌】、ゴドハルトが牛耳る古都最大のギルド【水竜の鱗】と、3つの水運ギルドがあるのだが、揉めている最中だった。

【金柳の小舟】は先代ギルド長が急死したため、息子のラインホルトが継いだが、その隙をついて【水竜の鱗】が幹部を根こそぎ引き抜いてしまった。落ち目になった【金柳の小舟】の部下が、ゴトハルトのシマで勝手に仕事をしていたのが問題になっていた。

ラインホルトは漁業権の譲渡で手打ちにしたいが、ゴトハルトはウナギのような泥臭い魚しか獲れないと不満である。ウナギと聞いたシノブが、古都の市場に買いに行く。日本だと高級魚であるが、異世界では人気が無いので、桶がいっぱいになるほど買う事が出来た。

タイショーは蒲焼きを作り始めるが、いがみ合っていた水運ギルドの長たちも、良い匂いに釣られ始める。何を料理しているのか分かったら無料にすると言われるが、エレオノーラは仔羊のフィレだと思い、ゴトハルトは淡泊なタラだと思った。ラインホルトがウナギだったら良いなと希望を述べたところ……。


密偵とサラダ
奇譚拾遺使は、大陸各地の奇妙な話や珍しい話を集め、東王国の王族へ伝え聞かせるのを業とする集団である。しかし、それは表向きの仕事であり、密偵という裏の顔を持っていた。ジャン=フランソワ・モーント・ド・ラ・ヴィニーは、古都の調査を命じられていた。

ジャンは、偶々見かけた風変りな居酒屋に入ってみた。旅の僧という設定なので、酒は飲まない。酒場では必ずサラダを頼む。生野菜は保存が利かず、長距離の輸送にも適さないので、サラダを食べてみれば、その街の実力が分かるのである。

普通の店ではサラダなど一品しかないものだが、居酒屋のぶでは何種類もあるという。試しに色々と食べてみるのだが、温玉シーザーサラダ、大根サラダ、マッシュポテトと、次々にサラダが出て来る。

大根サラダには鱈の卵が混ざった桃色のソースがかかっていた。内陸にある古都で海の魚が流通している事に、ジャンは驚く。マッシュポテトには聞いた事も無いマヨネーズというものが混ぜられていた。さらに、しのぶが胡椒まで振りかける。この世界では、胡椒は高級品らしい。

最後は、タイショーの晩酌用に買っていた鯨のカルパッチョが出て来る。鯨を獲る方法など、東王国では知られていなかった。報告するため、ジャンは急いで東王国へ戻るのだった。ジャンが倍の料金を払って馬車を借りたため、前の住人が退去出来なくなり、新居に入れなくなる事を、ベルトホルト中隊長はまだ知らない。


中隊長の凱旋
東王国の僧(本当は奇譚拾遺使のジャン)が、急ぎで馬車を借りたため、その馬車で引っ越す予定の住人が出られなくなった。そこはベルトホルト中隊長の新居になる予定だった。嫁の実家から家財道具が送られて来たので、中隊長室に詰め込んだだが、人も入れない状態になった。

夜は、宿を借りて貰っているらしいが、新妻ヘルミーナの昼間の居場所がなくなってしまった。居酒屋のぶで預かってくれないかとベルトホルトが頼むのだが、丁度、居酒屋のぶはうなぎブームで大忙しだった。ヘルミーナの発案で、ウナギは弁当にして店頭で売る事になる。


トリアエズナマの秘密
雨の降る日、ブランターノ男爵から暇を出されたダミアンが、古都を牛耳るバッケスホーフ商会の親玉を連れて、居酒屋のぶにやってくる。バッケスホーフ達は、この店で出されるトリアエズナマが、禁制品のラガーであると確信した。

バッケスホーフは圧力をかけ、店を買い取ると言い出した。新妻ヘルミーナまで手に入れようと、裏で婚姻無効調査願いまで提出する。トリアエズナマが禁制品という事になれば、最悪で死罪にもなりかねない。ラガーは先帝が帝国の特産品として売り出せるよう、流通に制限をかけたのだが、未だに流通させるほどの量を製造する事が出来ずにいた。

ラガーの流通禁止令は、先帝か皇帝しか勅書を撤回出来ないらしい。このままでは、居酒屋のぶを閉店して日本に戻るしかなくなってしまう。バッケスホーフ商会側に凄腕の徴税請負人ゲーアノートがついたと思っていたのだが……。

ゲーアノートは各地に密輸されたラガーの樽数の詳細を調べる事で、逆にバッケスホーフを追い詰めてしまう。持ち出されたラガー37樽のうち、30樽は東王国に、6樽は聖王国へ行っていたが、残りの1樽はバッケスホーフの腹の中に消えていたのである。

エトヴィン助祭もベルトホルト中隊長のために、婚姻無効調査願いに対抗出来るものを用意していた。教導聖省枢機卿ヒュルヒテゴットによる婚姻確認状である。これがあれば、バッケスホーフが裏から手を回そうとしても、大司教でさえ婚姻を無効にする事は出来ない。

エトヴィンは万年助祭な感じであるが、実は教皇に次ぐ権力者である教導聖省枢機卿ヒュルヒテゴットの懐刀のようである。


老人と魚
バッケスホーフ失脚のあと、以前、ヒルデガルドを連れて来たヨハン=グスタフが、ある老人と一緒に居酒屋のぶにやって来る。トリアエズナマを飲むと、禁制品のラガーとは造り方が異なる事を見破ってしまう。お通しには鷹の爪が入っていたが、これは老人の紋章でもあった。

鰯の醤油漬け焼きで、異なった文化を包み込み受け入れる事を再確認し、アジフライを手づかみでかぶりつくようエーファに言われて、独立問題で揺れている北方三邦の食べ方を思い出す。エーファが運んでいたカレイの煮付けをひっくり返してしまった事で、ヒントを得る。

翌日、古都で行われた北方三邦との会談は、先帝の機転と演出により平和に終わり、独立戦争は回避される事になった。



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花見沢Q太郎短編集 変態兄と中2の妹

4575846708花見沢Q太郎短編集 変態兄と中2の妹 (アクションコミックス(コミックハイ! ))
花見沢Q太郎
双葉社 2015-08-10

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作者が思わず「なんでオレはこんな漫画を描いているんだろう」とつぶやいてしまう、天才で変態な兄と中2の妹のユルくておバカな日常を描いた短編集。妹が好きでしょうがない兄は、高校生ながら天才的科学者並みの才能の持ち主。その能力を遺憾なく発揮し、自分勝手な発明品を作っては、妹に悪戯を迫る! だが、実は妹も……?


中2少女マナはチアリーダー部に所属している。マナには天才の兄がいるのだが、妹が大好きでシャワーを覗いたり、妹の使用済み靴下を食べるような変態である。普通にしていたらイケメンなのに、物凄く残念な人になっている。

ある日、妹成分を堪能するために、自分が開発した睡眠薬でマナを眠らせ、全身スーツを着せる。しかし、睡眠薬の不具合なのか、予定時間になってもマナは目覚めなかった。自分も睡眠薬を飲んで死のうとするのだが、作った薬は睡眠薬ではなく、幽体離脱薬になっていた。

幽体となったマナは、変態行為の全てを見ていたらしい。時間が経つと体に戻る事が出来るようで、マナの反撃が始まる。実は、マナのほうも兄を壁に張り付けて蝋燭を垂らしたり、口の中に※〇△したりしたい変態だった。※〇△が何なのか気になる。

マナに弱みを握られた兄は、妹専用人間椅子にされてしまう。言う事を聞かなければ、人間椅子以下の人間便器に格下げされるらしい。やはり、※〇△というのは……。

このままでは拙いと、兄はお尻が痛くて椅子に座れなくなる新薬スワレナクナールを開発する。しかし、兄は天才だけど馬鹿だから、マナに幽体離脱薬を飲まされて仕返しされてしまう。この後は、人間便器の刑が待っていた。

兄はその後も、オナラが出まくる薬とか、くすぐられると体が動かなくなる薬など、おかしなものばかり作ってしまう。ココロイレカワールで妹と入れ替わろうとしたりするが、兄にとってロクな事にはならなかった。

ラストは、歩きスマホ中にマナが轢かれてしまい、一生意識が戻らないと言われたので、クローンを急成長させてココロウツシトールを使った直後、本体のほうも目が覚めてしまった。妹が増えるという面倒な事になり、いつもの2倍反撃されてしまう。


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なぜ分数の割り算はひっくり返すのか?

4074199572新版 なぜ分数の割り算はひっくり返すのか? ― 数学ギライも図に描けばすぐ理解できる
板橋 悟
主婦の友社 2016-11-26

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数学ギライの人・数学が苦手な人に贈る、義務教育の算数・数学やりなおし講座。「分数の割り算はひっくり返してかける」のはなぜ? 「マイナス×マイナスがプラスになる」理由は? 今まで疑問を持たずに(あるいは持っても)通り過ぎてきたところにこそ、数学ギライの原因がありました!


図書館にあったので、題名に惹かれて借りて来た。なぜ分数の割り算はひっくり返すのか問題については、今まで誰に聞いても納得の行く説明をしてくれないので、一生モヤモヤとした気分のままで死んでいくのだろうと諦めていた。

本書でも触れられているが、分数の割り算ひっくり返し問題については、高畑勲監督作品『おもひでぽろぽろ』の中でも、主人公のタエ子が小学生の時に躓いている。ひっくり返す理由が全く分からないタエ子に対して、姉は「とにかくひっくり返せばいいんだよ」と言うばかりで、説明はしてくれない。姉だって、何も理解していないのである。

やり方を聞いているのではない。何でひっくり返さなければならないのか、その理由を知りたいのだ。恐ろしい事に、日本人の大半は分数のひっくり返し問題を理解していないのではなかろうか。だって、誰に聞いても、ひっくり返す理由を説明してくれる人はいなかったし。こんなことは教師にさえ習わなかった。

何十年も理解出来ないままで諦めていた事が、本書に書かれていた! ずっと理解出来ずに苦しんで、この分数ひっくり返し問題が原因で数学が嫌いになったというのに……。何で教師が説明してくれないのか謎である。ひょっとして、自分でも理解しておらず、やり方を覚えただけのハズレ教師に当たってしまったのか? みんなは、ちゃんと説明してもらっているの?


マイナスの掛け算についても、躓く人が多いと思われるが、マイナス×マイナスがプラスになる理由についても、今まで聞いた事が無かった。これについても、教師から説明された事は無かったのだが、何で教えてくれないのか!?

文豪スタンダールもマイナスの掛け算が納得できなかったらしい。借金に借金をかけたら財産になってしまうからね。大半の人は、やり方を習っただけで、マイナスにマイナスを掛ける意味は知らないのではなかろうか。私も本書を読むまでは知らなかった。何でこれを教えてくれないのか! これを教えてくれていたら、ここまで数学アレルギーが酷くならずに済んだかもしれないのに。

旅人算については、忘れているとか、覚えていないとかいうレベルではなくて、聞いた事すら無いのだが、登校拒否になったわけでもないのに、何で習った事がないのか謎である。もしかして奴が盗んだのか? 「奴は大変なものを盗んでいきました。旅人算の記憶です!」

速さ=距離÷時間
距離=速さ×時間
時間=距離÷速さ


うーむ。こんな公式は見た事が無いのだが。公式を知らなくても考えたら解ける問題だから、構わないか。ちなみに、本書で出題されている問題は、以下である。

太郎くんは、分速70mで家を出ました。その後で、太郎くんのお兄ちゃんが分速126mで太郎くんを追いかけたところ、10分で太郎くんに追いつくことができました。太郎くんのお兄ちゃんが家を出たのは、太郎くんが家を出てから何分後だったのでしょうか。


よく問われる、因数分解は大人になって何の役に立つのか問題についても、一定の回答が示されている。ベン図という便利な考え方については、全く習っていない。ベン図を使うと分かりやすくなるという例に、以下の問題が出題されている。

150人の学生に、通学時の「電車とバスの利用」について聞きました。電車を利用している学生は93人、バスを利用している学生は35人、両方とも利用している学生は19人でした。電車もバスも利用していない学生は、何人いるでしょうか。


ベン図とは、集合の関係を図で示したものであるが、昭和55年以降、小学校の教科書から消えてしまったらしい。何でこれを教えないのか! なんか、習った事のないものが多すぎるのだが……。


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オバケのことならまかせなさい!

4652008902オバケのことならまかせなさい! (おはなしパレード)
なかがわ ちひろ
理論社 2001-08

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はじまりは遠足の写真だった。僕の後ろには不思議な影が。それからずっと奇妙な感じがつきまとう。ひとつ目こぞう、ざしきわらし、半魚人、ろくろっくび…オバケのことならみんなまとめてめんどうみます!


遠足に行った時に、山奥の不動滝の前で集合写真を撮ったのだが、少年の後ろに何かよく分からないものが写っていた。それ以来、ずっと奇妙な感じが付きまとっている。

放課後の教室に、怪しげな空気が漂っていた。そして、少年はこの世のものではないものと遭遇してしまう。慌てて逃げ出すのだが、階段を下りて行くと、1階がなくなり、無いはずの地下室まで続いていた。地下には骸骨がいたので、慌てて戻るが、やはり1階の昇降口は無くなっていた。

その後、給食準備室、保健室、家庭科室と移動していくが、おかしなものばかり見えてしまう。音楽室ではベートーベンがピアノを弾き、図工室ではフランケンシュタインのモンスターが腕を付け替えていた。理科室では火の玉が生まれ、図書室ではお化けがホラー小説の読み聞かせをしていた。

雨どいを伝って外に逃げると、中庭の池には半魚人がいた。先生を呼ぼうと職員室に駆け込むが、そこも妖怪だらけだった。やぶれかぶれになった少年が校長室を覗いてみると、サンタクロースがいた!

お化けが和風洋風と混ざるだけでなく、サンタクロースまで混ぜるなんて。「混ぜるな危険」と言いたくなる。お化けの学校はサンタ校長になっていて、お化けに紹介された後、一緒に授業を受ける事になる。怖い話なのかと思わせておいて、ほのぼのとした感じになっているではないか。

お化け達は信じないと消えてしまうらしい。信じなければ元の場所に戻る事が出来るのかと思いきや、誰もいなくなった場所に一人だけ残されるなんて……。一番怖いのは、お化けではなくて、ぼっち状態という事なのか!? 結局、お化けを信じてピクニックに行き、仲良く写真を撮って解散する事になった。


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パソコンゲーム80年代記

パソコンゲーム80年代記

80年代に登場したパソコン・ゲームに関する書籍であるが、こういうのは思い出補正がかなり影響するからなぁ。進化発展を続けながら21世紀まで生き残っているものや、花火のように消えて行った奇作まで、色々と取り上げられている。

音楽や書籍と違って、ゲームは時代の流れに乗って、出た時にプレイしないといけないのが厄介である。というのも、古くなるとショボくてやってられないというだけでなく、プログラムが対応していないので、古い時代のパソコンやゲーム機本体がなければ遊べないのである。今やWindowsXP用のゲームすら動かないものが結構あるのだから、Windows以前のものなんて絶望的である。

取り上げられている作品には、懐かしいものもあれば、本体が無いので指を咥えて見るだけで我慢したものもあれば、全く知らないものもあって、眺めているだけでも結構楽しい。

RPGは面白そうだが、プレイ出来たとしても、画面がショボすぎるし、不親切設計のものも多そうだから、きっと途中で投げ出すだろうなぁ。ハイドライドは物凄く面白そうだったのだが、実際にやってみたらショボくてすぐに投げた。当時なら普通に楽しめたのだろうけど。

ザナドゥは神作品だったが、今からプレイするのは厳しいと思う。イースに関しては、21世紀になってからも移植され続けているので、難易度が低い。

デゼニランド、サラダの国のトマト姫などのアドベンチャーゲームも面白そうだが、選択肢1つミスったら、いきなりゲームオーバーになるなど、物凄く不条理な展開をした気がする。

シミュレーションに関しては、信長の野望は神だが、A列車で行こうはうんこだと思う。だって、ゲームにならないレベルで操作性が悪いから。4作目あたりから化けて神作品になったけど。

アダルト・ソフトに関しては、あまりにもショボすぎて涙が出そうになるレベル。今なら、無料エロフラッシュくらいにしかならないと思う。当時はまだ若者だったバブル世代あたりのおっさん達は、こういうゲームで(*´Д`)ハァハァしていたのか。今は酷い時代だけど、エロ方面だけは、おっさんよりもゆとり世代以降の若者のほうが恵まれているよね。



登場する主な作品は、以下の通りである。

~82年
スタートレック、スター・ブレイザー、オリオン、ミステリーハウス

83年
信長の野望、ザ・ブラックオニキス、ロードランナー、

84年
ハイドライド、ドラゴンスレイヤー、デゼニランド、サラダの国のトマト姫、オホーツクの消ゆ、ウイングマン

85年
大戦略、三國志、ザナドゥ、テグザー、ザ・キャッスル

86年
殺人倶楽部、マンハッタン・レクイエム、イース、ロマンシア、A列車で行こう、レリクス、覇邪の封印、

87年
ソーサリアン、ディーヴァ、ぎゅわんぶらあ自己中心派、F1スピリット、抜忍伝説

88年
シルバーゴースト、ラスト・ハルマゲドン、テトリス、ディガンの魔石、太平洋の嵐

89年
遙かなるオーガスタ、Misty、DCコネクション、水滸伝、HARAKIRI、提督の決断



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科学者18人にお尋ねします。宇宙には誰かいますか?

430925361X科学者18人にお尋ねします。宇宙には誰かいますか?
佐藤勝彦
河出書房新社 2017-02-22

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宇宙における生命の研究を「アストロバイオロジー」と呼ぶ。天文学、生物学、工学など様々な学問が融合した新分野の研究だ。本書では、この新分野の研究を始めているか、興味を持っている研究者18人に、地球外生命体、知的生命体について聞く。専門分野によって、地球外生命体の在りかを巡る答えは様々だが、共通してくる問題は「生命」「知的」といった言葉の定義だ。これらの捉え方次第で何が「生命体」発見となるかも変わってくるはずである。宇宙には地球とは違った存在形態の生命があるかもしれない。したがって、宇宙における生命について考えるという本書のテーマは、人間中心主義、地球中心主義、太陽系中心主義的な考えに縛られず「生命を考え直す」きっかけを私たちに与えてくれるはずだ。


各分野で活躍中の科学者18人に、8つの質問をしたものになっている。

Q1 ご研究内容について教えてください。
Q2 「生命の定義」について、独自の見解を教えてください。
Q3 地球生命はどこからきたのでしょう?
Q4 地球外生命体が発見されるのはどんな所でしょうか?
Q5 どうすれば地球外“知的”生命体を発見できるのでしょう?
Q6 知的生命体が見つかりました。どういうアクションをしますか?
Q7 知的生命体がいる世界には、どんな社会があると思いますか?
Q8 人類は、太陽系を超えて天の川銀河に広がりうる生命でしょうか?



未だに正解が分かっていない問題だけに、仕方がないのかもしれないが、各自が自分で考えている俺様ルールに基いているのが微妙である。ある科学者は太陽系内惑星に生命の可能性を論じ、別の科学者は全否定していたりするのだが、これだと確実にどちらかが間違っているという事になるのだが。

これだけ宇宙が広いのに、地球以外に生命が存在しないという考え方は、あまりにも地球中心的すぎると思うのだが、本当に人類しか存在しなかったら、1人につき1個銀河系が貰えて、全員が銀河帝国皇帝になってもまだ余りまくるよね?

滅びる可能性がほとんど無い安全な時代の人間が、観念して諦めるべきだという考えている科学者もいるのだが、身勝手すぎると思う。人類滅亡れを受け入れるのか、抗って他の世界に移住するのかは、危機に直面した当事者が決めれば良い事である。

知的生命体に関しても、それだけ長い間生き延びているのだから平和で友好的であるという考え方と、コンタクトを取るのは非常に危険であるという考え方に分かれているのだが、個人的には電波などを撒き散らして地球の位置を知らせるのは危険だと思う。人類の歴史においてさえ、異なる文明同士が衝突した時、劣っているほうは酷い事になっているではないか。

地球人とよく似た思考をする生物なら、植民惑星にされて奴隷生活程度で済むのかもしれないが、『エンダーのゲーム』に登場する、昆虫進化型生物みたいな奴らだと恐ろしい事になるし、アレステア・レナルズの小説に出て来るインヒビター(先進文明を全て滅ぼすのが仕事)みたいな奴らだったら、発見された時点で終わりではないか。

「ようやく人類も成熟しましたね。これからは銀河同盟のメンバーです。仲良くしましょう」みたいな事にはならないと思う。もしかしたら、アーヴやディアーズみたいな非常に美しい種族が来て何かが始まる可能性もあって、それは私がリア充になる確率と比べたら遥かに高いのかもしれないが。

地球が生命体の想像図をイラストで描かされているのだが、これだけメンバーがいるのに、絵の上手い人はほとんどいなくて、「ぼくが かんがえた さいこうの うちゅうじん」みたいな事になってしまっているのには笑った。

参加した科学者は、以下の通りである。

01 井田茂(東京工業大学地球生命研究所〔ELSI〕教授・副所長)
「地球中心主義に、縛られてはいけません」

02 高井研(海洋研究開発機構 深海・地殻内生物圏研究分野分野長)
「出会えないと思っています。でも、我々は孤独ではないです」

03 須藤靖(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授)
「あまりにも危険。直接接触することはお勧めしません」

04 成田憲保(東京大学/自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター 助教)
「"宇宙における生命"というテーマは未開拓な部分も多く、ニッチながら面白いです」

05 小林憲正(横浜国立大学大学院工学研究院教授)
「宇宙のあちこちで、ポコポコできているでしょう」

06 鳥海光弘(海洋研究開発機構 特任上席研究員/東京大学名誉教授)
「宇宙人と関わるなら、多様な地球生命と触れ合うべき」

07 丸山茂徳(東京工業大学地球生命研究所〔ELSI〕特命教授)
「我々は孤独なのかもしれません」

08 長沼毅(生物学者/広島大学大学院生物圏科学研究科教授)
「凶暴性を持たない知的生命であることを期待します」

09 半田利弘(鹿児島大学大学院理工学研究科・理学部物理科学科教授)
「銀河中心を横から見た姿を教えて欲しい」

◎鼎談 佐藤勝彦×内田亮子(人類学者)×縣秀彦
「知的生命は旅を続けるのか」

10 山岸明彦(東京薬科大学生命科学部応用生命科学科教授)
「ロボットになら、会えるかもしれません」

11 藤井友香(NASA Postdoctoral Program Fellow)
「どこで見つかっても、おかしくはありません。」

12 堀安範(自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター特任助教)
「いるとすれば利己的で、その環境に適応できた生き物でしょう」

13 鳴沢真也(兵庫県立大学西はりま天文台天文科学研究員)
「知的生命はレアだが、どこかには存在する」

14 ピート・ハット(プリンストン高等研究所宇宙物理学教授)
「なぜ生命という存在が、可能なのでしょう」

15 縣秀彦(自然科学研究機構国立天文台准教授)
「食べなくても知的活動ができる生命が、いるかもしれません」

16 田村元秀(自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター長)
「地球外生命はいると思います」

17 関根康人(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学准教授)
「どうやら、僕は知的生命がいてほしいと思ってないようです」

18 矢野創(JAXA宇宙科学研究所学際科学研究系助教)
「「誰」がいるかは、考えかた次第です」



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