首鳴り姫首鳴り姫
(2002/09)
岡崎 祥久

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若いときに若かった人たちは幸いである―。そう言ったのはプーシキンでしたが、冨来子とともにすごす日々が明るい陽光の下にあってこそ、私たちが若くあることもできるのだ、と私は考えていたのでした。しかし私たちは、夜の中でしか出会いえなかったのです。書下ろし恋愛小説。


題名がこんなのだから、童話みたいなのかと思ったら全然違って、現代の大学生が登場する普通の話だった。

二浪して、ようやく大学の夜間部に入学する事になった青年は、同じクラスになった色白の女の子に惹かれて行く。隣に座ったりしながら、少しずつ距離を縮めていくのだが、経験の拙い喪男なので、なかなか進展しない。

長いことかかって、ようやく告白したところ、意外にもアッサリとカップル成立。しかし、ここからがまた亀のような歩みで、なかなか進展しない。それでも次第に関係が深まり、ついには同棲状態へ。それにしても、このヒロインはメンヘルさん一歩手前な感じで、かなり面倒な女である。一方、男のほうも駄目っぽい喪男風なので、包容力が足りずに……。

なんしか、こういうどこにでも転がっていそうな、喪男とメンヘルさんの拙くぎこちない恋愛話を読まされても……。二浪してまで行く価値のある夜間といったら、早稲田しか想像出来なかったのだが、作者が早稲田の夜間を出ているらしいので、きっと物語の舞台は二文なんだろうな。
2009.11.24 Tue l 国内小説 l COM(0) TB(0) l top ▲
南へ下る道南へ下る道
(2002/02)
岡崎 祥久

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走れ醜男 旅立て夫婦。注目の新鋭が描く低速ロード・ノベル。これ1冊で日本縦断の気分です。夏が終わる夜明け、北方の地より、醜男はオートバイで走り出す。海沿いの道を下って、南へ――。
秋――リストラで失業した夫婦は、借りたクルマで旅に出る。国道1・2・3号線を、南へ――。


第126回芥川賞候補作「南へ下る道」収録。

「醜男きたりなば」と候補作「南へ下る道」の二編が入っているが、関連している。「醜男きたりなば」では醜男が主人公で、北海道を旅立ち、旧友が暮らしている東京を目指してバイクで南下して来る。東京には、引越しもせず、かつての狭い部屋に住み続けている旧友がいた。そして、その妻も……。

「南へ下る道」では、醜男が訪ねた旧友夫婦が主人公となる。リストラで電気店の仕事を失った男と、パン屋をリストラされた妻。妻は靴屋で働き始めるが、車を預かるという依頼が来た事で九州に行きたがり、仕事を辞めて夫婦で九州まで旅に出る。

リストラされてピンチなのに、後先考えず旅に出るなんて、楽しそうだな。
2009.11.24 Tue l 恋愛・文芸・純文学 l COM(0) TB(0) l top ▲
楽天屋楽天屋
(2000/07)
岡崎 祥久

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漂泊の魂が声を放つのだ──ここではないどこかへ!と。30過ぎ、臍(へそ)の緒つき。無為徒食のクズ男といかれた女たちのさすらい。独自のユーモアと繊細なセンスで時代の空気を映すあたらしい文学。この世界に生まれ降りたときにわれわれは、いったいどこに立っていたのか?そんなことはわかっている。そこはネパールの言葉で《世界の頂(サガルマサ)》と呼ばれる山のてっぺんによく似た場所であった。──そう、誰もがあそこから出発した。山の頂のあの場所からは、星々が明瞭に見えていた。けれどもわれわれは、山をくだらねばならなかった。それこそがわれわれの運命だったのだ。


第123回芥川賞候補作「楽天屋」収録。

全部で三編入っているが、ストーリーが微妙。面白い訳でもなく、つまらなくもなく、普通に読めるけど、駄目男が主人公で、少し電波入っている女が絡む話ばかり。視点がブレるし、意図的なのか変換ミスなのか、妙な部分もある。

「会話「会話「会話」←こういうのは、意図的だとしても、文章作法無視だから駄目でしょう。単なる推敲不足だとしたら、もっと駄目。
2009.11.24 Tue l 恋愛・文芸・純文学 l COM(0) TB(0) l top ▲
バンビーノバンビーノ
(2000/05)
岡崎 祥久

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あの時、目覚まし時計さえ買いに行かなければ…。コドモノクニへ転校してきたトシオを待ち受けていたもの、それはいったい何か? ボディーブローのように効くふきつなユーモアにのせて描かれる、子どものリアル。


背は小さいのに、やたらと大人臭いトシオが転校してくる。小学五年生なのだが、もっと小さい子にしか思えない。トシオはハルニワ、コウタロウと一緒に遊び始めるのだが、どことなく距離感がある。

そのうち、トシオが自分は本当は大人で、呪いをかけられて子供になってしまったと打ち明ける。一緒に住んでいるTJという女性は母ではなくて彼女だと言うのだが、嘘だと思ったハルニワが距離を置きはじめ、靴を隠すなどのイジメが始まってしまう。

しかし、大人の行動で、ちっとも挫けないトシオ。ある日、ランドセルを隠した教室で、三人揃って異形の何かがいる変な空間に閉じ込められてしまう。そこは、呪われた人が呪い返しをする場所だったのだが、トシオは自分を呪った相手に呪い返しをしようとしない。

結局、トシオは大人だったのか、謎。異形が出てきたから大人だったのかもしれないけど、大人のふりをしている変な子供の可能性も残されているし、どっちが正解なんだ? 最後まで読んでもスッキリしない、変な話だった。
2009.11.24 Tue l 国内小説 l COM(0) TB(0) l top ▲
秒速10センチの越冬秒速10センチの越冬
(1997/11)
岡崎 祥久

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おれのくそったれな労働の日々。粗野で繊細、シニカルで純情。独自の文体で「現在」をとらえる各紙誌絶賛の群像新人賞受賞作。


小さな広告会社をさしたる不満も無く、その場の気分と勢いだけで辞めてしまったダメ男が、次の仕事を見つけられずにダラダラと怠惰な毎日を過ごした挙句、金銭面で困り始め、本を仕分けするアルバイトになってしまうという、脱力系の物語。

楽な仕事を辞めて、あえて自分で堕ちていくのが理解不能。基本的に、より条件の良い仕事を見つけてからじゃないと辞めたらダメだろう!? 勢いで辞めていいのは黒企業だけだと思うぞ。黒企業は辞めないで頑張ったら、そのうち棺桶の中で永久休暇に入る羽目になるので、三年続けられなくても仕方ないと思うが。

かくして、本を仕分けるくそったれな日々が始まるのだが、やりたかった事に対して、何の努力もせずに未練たらたら。仕分けのバイトに似合わない女が入ってきたら、気になるのに行動出来ずにぐだぐだ。ヘタレ男で嫌になる。
2009.11.24 Tue l 恋愛・文芸・純文学 l COM(0) TB(0) l top ▲